~大阪公衆衛生研究機構(仮称)がめざすもの~

Slides:



Advertisements
Similar presentations
事例研究の進め方. 事例研究の目的  研究会本来の目的であるテーマ研 究を行うための予備研究(演習)  テーマ研究をまとめるために必要 なデータやツールが何かを検討す る  検討したツールやデータの有用性 を検証する  視覚化.
Advertisements

第5回 大阪府・大阪市特別区設置 協議会資料 ( ) 資料2 1大阪都構想を実現することで 大阪がどう変わるのか 2事務事業のコスト検証について 大阪維新の会 大阪府議会議員団 大阪維新の会 大阪市会議員団.
2015年度 業務改善コンテスト 私大連研修の有効活用 教育支援センター 技術支援課 鈴木 裕一.
もう一つのクラスター ~医療と介護を統合した地域づくり~
教員免許更新制の概要 平成19年6月の改正教育職員免許法の成立により、平成21年4月1日から教員免許更新制が導入されることになりました。
赤井伸郎 大阪大学大学院国際公共政策研究科 教授
序章 文化的多様性とイノベーション 2009/10/06 経済学部経済政策学科3年 染谷 総
PT、OT、ST等の外部専門家を活用した指導方法等の改善に関する実践研究事業(新規) 平成20年度予算額(案) 42,790千円              
Building Research Institute
2012年度活動報告&ビジョン会議 2013年度戦略案&ビジョン策定 松原広美&竹内尚人
地質地盤情報協議会案 仮称・地質地盤情報協議会の提案
建設情報化協議会(CIC)・ 株式会社 ネレウス
学校薬剤師仕事(中教審/学校保健安全法)
広島県西部地域保健対策協議会 ●設置目的   広島西二次保健医療圏(大竹市・廿日市市)における住民の健康の保持・増進と福祉の向上に寄与するため,保健・医療・福祉に関する事項について調査・協議し,必要な事業を実施する。 ●設立年月日 平成 9 年11月27日 ●構成団体(大竹市・廿日市市域の22機関・団体)
自由集会 4 G 会場:平成17年10月6日 16:00 ~ 健康日本21における フッ化物応用の普及状況と これからのフッ化物応用
大阪健康安全基盤研究所タスクフォース 平成28年度体制
国家戦略特区等推進事業(国際戦略総合特区を含む) 予算要求額8,228千円(他債務負担15,000千円)
連合が提案する「子育て基金(仮称)」 現行の次世代育成支援制度の課題 1 日本労働組合総連合会(連合)
マーケティング計画.
Ⅲ.サービス開発の方法.
資料3 地独法人 大阪健康安全基盤研究所 (平成26年4月設立予定) ➣公衆衛生領域における公的な科学的・技術的中核機関(地衛研)
■府立公衆衛生研究所と市立環境科学研究所の 統合・地方独立行政法人化の経緯
政府機関におけるセキュリティ・IT人材育成総合強化方針(案) 【概要】
地方におけるデータ活用人材の育成について
中小企業の発展と管理会計 ~戦略とBSCに焦点を当てて~ 発表者:商学部3回生 萬徳貴久.
職員数管理目標について 平 成 24 年 度 大   阪   府.
第17回 大阪府市統合本部会議資料 資料2-⑤ 大阪の府・市立病院の経営課題 平成24年11月16日.
地域未来投資促進法に基づく千歳市基本計画及び支援策
感染症集団発生事例に対する基本的対応 大山 卓昭 感染症情報センター 国立感染症研究所.
[留萌プロジェクトの全体構造] 留萌 プロジェクト 課題(状況) 結果(数値) 規制 解決 目標(数値) ①プログラム(行動)
大阪府健康づくり推進条例の概要について (1) 条例制定の背景・必要性 (3) 条例案の概要 (2) 条例制定のポイント
(領域統括:氏氏 名名 ○○大学 ○研究科 教授)
管理的側面 管理者に必要な経営知識 経営学の基本 ②環境と戦略と競争優位.
組織論による特色ある カリキュラムの理論と実際 第11回 特色あるカリキュラムづくりの理論と実際 兵庫教育大学大学院 教授
4.新たな価値を生み出す市政改革 52.
リーダーの役割 総合政策学部3年 鋤先麻美 環境情報学部3年 生田目啓
資料5 平成29年度法人運営状況について 平成30年2月6日 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所.
     6  総合区政会議           地域自治区・地域協議会.
最先端ICT都市の実現に向け、「ICTの徹底活用」と「ICTの適正利用」を基本に取組をすすめます
「日本語教育 プログラム論」の提案 札野 寛子 (金沢工業大学) 2017年度日本語教育学会春季大会パネルセッション6(早稲田大学)
大阪バイオ戦略2017のポイント 重点取組 主な取組 オール大阪で事業推進 規制改革 治験促進
重症心身障害児者等 コーディネーター育成研修 2 計画作成③ 重症心身障害児者等の ニーズ把握事例 ~久留米市のコーディネートの現状~
現代社会と経営 (11月22日:商店街) 長岡技術科学大学 情報経営系教授 阿部俊明.
第 4 回 豊岡市公営企業審議会 豊岡市上下水道部 H
大阪市水道経営戦略( )の概要 《工業用水道事業編》 <抜本的な経営改革による収支ギャップ解消イメージ>
府市の医療関連分野の再構築 ~成長戦略に向けて~
生活支援 中央研修 H26.9.4(木)~5(金) 品川フロントビル会議室 H26.9.6(土)~7(日) JA共済ビルカンファレンスホール
イクレイの発展とローカルアジェンダ21 岸上 みち枝 2006/11/29
(領域統括:氏氏 名名 ○○大学 ○研究科 教授)
我が国の自殺死亡の推移 率を実数で見ると: 出典:警察庁「自殺の概要」
利益処分にかかる知事の承認(経営努力認定)について
(領域統括:氏氏 名名 ○○大学 ○研究科 教授)
経済連携協定による 外国人介護福祉士候補者 に対する 支援について (緊急雇用創出事業(基金)の活用)
<H29年4月>地方独立行政法人の新設合併に伴う府退職者の再就職承認の取扱いについて
何のための組織変更か? KEKが益々巨大化し、一方で国立大学法人の予算の削減が厳しい中で、   いかにして多様なロードマップを実現し、世界を先導する研究拠点を実現す   るのか?  日本の(世界の)基礎科学研究の基盤が崩れようとしている時に、これまで   の運営で乗り切れるのか?新しいKEKの側面を展開する必要あり。
DATA METI構想を進めていくためのロードマップ(工程表)(案)
地方創生に向けた自治体SDGs推進事業 平成30年度予算案5億円(平成30年度からの新規事業) 実施期間:平成30年度~(新規)
資料2 立地推進体制について(案) 平成23年7月26日.
『パブリック・マネジメント』第9章 外部マネジメントの重要性 佐藤建仁 田中清隆.
5.9GW※ 1.4 GW ※ 6.7 GW ※ 海外比率10% 海外比率5% 20 GW 10~12 GW 10 GW 海外比率25%
●●市における教育ICT環境整備方針 (概要)
地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所 中期目標(案)の策定
政府機関におけるセキュリティ・IT人材育成総合強化方針(案) 【概要】
見つけよう!一人ひとりの「強み」と「役割」
内部統制とは何か.
目標 … 自律的で創造性を発揮する行財政運営体制の確立
中小企業支援団体(経営支援)に関する これまでの協議経過
○ 大阪府におけるHACCP普及について S 大阪版 評価制度を設ける 大阪府の現状 大阪府の今後の方向性 《従来型基準》
特別支援教育総合推進事業 特別支援教育 推進員 高等学校 1(新)特別支援教育総合推進事業【4,752千円】 県教育委員会 特別支援学校
府立公衆衛生研究所 市立環境科学研究所 ~現状分析と方向性~
Presentation transcript:

~大阪公衆衛生研究機構(仮称)がめざすもの~ 第14回大阪府市統合本部会議資料 資料4-3-② 府立公衆衛生研究所・市立環境科学研究所 『統合に向けた提案』 ~大阪公衆衛生研究機構(仮称)がめざすもの~ -住民健康安全・安心の最大化- 2012(H24)年6月5日 大阪府・大阪市特別参与  木谷 哲夫 大阪府・大阪市特別参与  大嶽 浩司 

× × ■事業の選択と集中 両研究所の強みと、社会ニーズを見極め、“残すべき機能”を精査して、持続可能な研究所を目指す 強み ※ 事業の振り分けはあくまで例示 両研究所の強みと、社会ニーズを見極め、“残すべき機能”を精査して、持続可能な研究所を目指す × 【廃止若しくは縮小】 【選択と集中・強みの強化】 強み ◇特定保健用食品許可試験 ◇ごみ焼却工場の技術開発 ◆医薬品検査・承認審査 ◆違法ドラックの検査 ◆◇健康食品の検査 ◇生物調査(たんぽぽ等) ◆◇感染症の検査 × ◆◇食中毒の検査 ◇栄養専門学校 ◆◇放射能検査 ◆◇水質検査 ◆◇家庭用品の検査 ◆◇HIV検査 ◇大気モニタリング ◇学校給食検査 ◆◇室内環境測定 【廃止若しくは縮小】 【民でやるべきことは民に】 社会ニーズ (凡例)◆大阪府 ◇大阪市 2

■「あるべき姿」の選択肢 縮小均衡の「検査機関」か、住民の安全・安心を支える「中核研究機関」か、 縮小均衡する純粋検査機関  ~ジリ貧・脆弱・負のスパイラル~ 住民の健康を守る安全・安心支援機関 ~ポテンシャルを活かした機能強化~ 職員スキルや検査能力の脆弱化による新たな健康脅威への対応能力が低下する恐れ 関西・西日本における健康分野の安全・安心を支える中核的な研究機関を目指す <柔軟性のない「ヒト」> 本庁人事による研究員人材の確保には限界がある <陳腐化する「モノ」> 施設は老朽化し、限られた予算で検査機器の更新は限定的 <縮小傾向の「カネ」> 需要(検査件数)の低下により事業規模は年々減少する <ポテンシャルの最大化> 高い研究レベルを活かし、健康危機管理発生時の即応力と、外部資金の獲得を実現(両立) <蓄積データの活用> 蓄積された保健衛生データを大学等の研究機関と共有し、住民健康の維持向上に貢献 <イノベーション> ポテンシャルやデータの融合により、新技術の開発や、大阪スタンダード(大阪版ISO等)の創設が可能 3

ネガティブイメージの「検査・監視機関」から、 ポジティブイメージの「安全安心・支援機関」へ 4 ■新しく生まれ変わる組織の名称(案) 統合を機とした検査・研究機能の選択と集中による強化とそれを発揮させるための組織再構築 大阪公衆衛生研究機構(仮称) 『疫学情報解析センター』(主に公衆衛生分野)   →「西の公衆衛生のリーダー」~高いポテンシャルで西日本の健康を守る~ 『食品安全センター』(主に食関係検査分野)   →「食の安全日本一」 ~全国唯一、生レバーが食せる街・大阪~   →「大阪スタンダードの創設」 ~厚労省トクホを凌ぐ大阪トクホ~ 『健康危機管理センター』(主に医薬、環境、感染症分野)   →「違法ドラックの監視強化」 ~全国を牽引する薬品検査機関~   →「健康脅威事前探知装備の街」~環境健康脅威予知網の整備~   →「結核の撲滅」~あいりん地区の結核罹患率を大幅改善~ ネガティブイメージの「検査・監視機関」から、          ポジティブイメージの「安全安心・支援機関」へ

■経営形態の選択肢 ~地方独立行政法人の可能性~ ■経営形態の選択肢 ~地方独立行政法人の可能性~ 統合を機会に地独法化の可能性を改めて検証 『地独法化に対するこれまでの見解』 『地独法化によるアップサイドの可能性』 地独法化により、指揮命令(公権力の行使との緊密な連携)が分断されれば、健康危機管理に支障を及ぼす可能性がある 地独法化により、マネジメントの自律性や、経営の柔軟性を得ることにより、研究機関としての機能を強化できる可能性がある。 健康危機管理や行政検査など、行政と一体的な業務構造であり、国の類似機関や他府県の地衛研でも地方独法化された例はない 住民の安全・安心、権利・利益に直接影響を及ぼすため、行政との緊密な連絡・調整が必要 予算や人事面での自律性、柔軟性が高まることにより、戦略的な投資、効率的な経営、PDCAサイクルによる業務評価が可能となる。 地衛研としての使命(試験検査等)を、中期計画や業務方法書等で担保することができれば、地独法のメリットを生かすことができる 5

■経営形態別のメリット・デメリット 公共性・公益性 自律性・戦略性 継続と安定を求める直営か、自律と柔軟を活かせる地独法か、大学とのシナジーか 直営 地方独立 行政法人 大学附属機関 公権力の行使との連携 ◎ ○* × 危機管理事象発生時の対応 ○ △ 安全監視機関としての機能 マネジメントの自律性 予算(事業費)の柔軟性 PDCAによる業務評価 経営の効率性 公共性・公益性 自律性・戦略性 *地独法人も行政組織であり、公共性・公益性は必須。個別機能は中期計画で担保。 6

大学と研究所の人的、物的資産有効活用によるシナージー効果 (参考)米国の衛生研究所の事例 <米国の事例> ・州立衛研(State Public Health Laboratory)の立地運営形態は多様で、住民の健康を守る  機能の最大化とその効率性を志向 【独立型】  設置場所ならびに運営形態は独立、但し、州保健省の一部として機能、ワシントン州立衛生研究所等  ・・・(多くの衛生研究所がこの型を採用) 【大学附属施設型】  ウイスコンシン大学内設置のウイスコンシン州立衛生研究所(WSLH)、大学機関として位置づけ、  教員の兼務、学生教育の実施、予算は大学予算・・・(この型は全米では少数) 【大学離接型】  フロリダ州立衛生研究所の南フロリダ大学(USF)リサーチパーク内設置、教員の兼務、学生教育への  協力、研究所は大学からは独立した運営、大学リサーチパークへの敷地使用料支払い・・・(この型  も比較的多い) 大学と研究所の人的、物的資産有効活用によるシナージー効果 大阪公衛基盤研の機能強化 住民健康安全・安心の最大化 7

8 (参考)地衛研の将来性に対する不安材料 ここ5年で地衛研の予算額は半減し、現場の研究員の間にも、住民の健康を守る立場から地衛研の将来性を危惧する声が見られる。 全国地衛研の平均予算総額の推移(単位:万円) 約半減 出典)「地方衛生研究所アンケート      調査概要」H22.2 厚労省 『地方衛生研究所の機能維持を阻む要因』  ◆地衛研間の格差が著しい・・拡大傾向(特に県型)  ◆予算・人員の減少   – 自治体の非常時・健康危機管理体制確保への無理解   – 地研の業務は対住民直接行政サービス業務ではない  ◆地方衛生研究所長は必ずしも衛生行政の専門家ではない   – 指揮命令系統が不明確。リーダー不在  ◆自治体間連携は「いうは易し、行うは難し」  出典)「地方衛生研究所の現状と課題」H23.10地衛研協議会会長 『地方衛生研究所アンケート(現場からの意見)』  ◆優秀な人材を確保し育てていくことが一番の課題。  ◆技術等の伝承や機器の確保が課題。  ◆行改により、職員はH30年度には3割削減となる。  ◆行政機関でしか対応できない検査に限定していく傾向。  出典)「地方衛生研究所アンケート調査概要」H22.2 厚労省