国土交通省「北関東圏における多文化共生の地域づくりに向けて」の考察 ~「受け入れ」から「共生」へ~ ゼミⅡ 角谷 美緒
国土交通省プロジェクト「北関東圏における多文化共生の地域づくりにむけて」 ・国土交通省 大都市圏計計画課「国土施策創発調査 」の一環 ・現在、北関東圏(茨城・栃木・群馬・埼玉)では、製造業が集積 ・外国人労働力が地域の産業において大きな役割 ・たとえば・・・ 群馬県大泉町では全人口の15パーセントが外国人 そのうち80パーセントがブラジル・ペルー国籍
国土施策創発調査とは? ・地域の主体性、地域からの発案、国と地方の連携を重視した国土、地域づくりのための施策調査 ・国土施策創発調査費 ・国と地方の連携 ・ボトムアップ的手法 ☆創発調査費による調査の種類 ①広域地方計画課 ②地域活力創発等調査 ・地域施策創発調査ー地方公共団体 ・特定課題調査ー国
北関東圏における多くの問題・課題 ①在住外国人と地域の日本人住民との生活トラブル ②外国人児童の就学問題 など、北関東圏においても多くの問題・課題 これらの問題に対して国土交通省は、「在住外国人と日本人住民との共生を目指し」北関東圏における多文化共生の地域づくりのあり方を検討・調査 URL:http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha07/02/020629_2/01.pdf
調査の概要 ・北関東圏の在住外国人の生活実態を把握するため、16地区を選出して「実態調査」を実施 ・結果をもとに地域の在住外国人や日本人住民、企業、行政等とともに、今後の多文化共生の地域づくりにむけた有用な仕組みを検討するための「社会実験」を実施 ・調査地区として、北関東圏の在住外国人が多い地(16地区)を対象 ・調査した在住外国人世帯・・・738世帯 ・調査した日本人世帯・・・1104世帯
実態調査の結果 ①調査地区における在住外国人の実情 【在住外国人の国籍】 →ブラジル及びペルー国籍が6割強、ベトナム及び中国が各1割 【在住外国人の年齢】 →20~40才のいわゆる「働き盛り」が8割強 【在住外国人の雇用形態】 →間接雇用(派遣及び業務請負)が7割弱
調査内容(つづき) 【通産滞在年数】 →・5~10年が3割弱 ・10~15年が2割強 ・15年以上が2割弱 (平均滞在年数は8.7年) ・10~15年が2割強 ・15年以上が2割弱 (平均滞在年数は8.7年) 【転職・転居状況】 →転職経験なしが3割強 全体では、転職回数より転居回数のほうが多い傾向。
②調査地区における在住外国人及び日本人住民の意識 【在住外国人の現住地に住み続ける意向】 →今の地域に住み続けたい在住外国人が7割強 【在住外国人の日本語の学習意欲】 →日本語を学習したい在住外国人が9割弱 【在住外国人の子供の教育についての考え方】 →日本語で教育を受けさせたい・・・7割弱 母語で受けさせたい・・・2割強 【交流意向】 →積極的に交流したい外国人・・・6割弱 日本人・・・1割弱 日本人との間の大きな意識のずれ
社会実験 ・この結果を踏まえて、社会実験が行われた。 ①企業経営者対象セミナー ②外国人労働者対象セミナー ③北関東圏多文化共生シンポジウム ④在住外国人向け情報の一元化・共有化 ⑤日本人に対する共生意識の醸成 ⑥外国人児童に対する日本語教育 ⑦外国人児童・青少年対象社会参加啓発
この中で・・・ ④と⑤に注目。 ☆★円滑なコミュニティ形成のためにまず必要なのは、「共生意識」の形成なのでは?☆★ ・「受け入れる」のではなく、「共生」へ ・在住外国人なしには日本経済は成り立たないという現実と認識のギャップを埋めるにはどうしたらよいのか。 ・④に関連して・・・ 「在住外国人向け」だけではなく「日本人向け」の情報発信の必要性 在住外国人と日本人の共生意識の形成方法に ついて考えたい。
取り上げたいケース ・イスラム圏の在住外国人と日本人との共生意識の現状 ・宗教、文化、習慣など他文化圏より偏見が大きい。 ・「宗教」でのつながりに特徴 寄付制度 ・「東京トルコ人会」「東京ジャーミィ」への取材、「江戸川インド人会」との比較 ・東京ジャーミィ・・・渋谷区の日本を代表するモスク。東京トルコ人会によってトルコ共和国に寄付。 ・日本トルコ文化交流会
今後の計画 現時点で考えられる問題点 現時点で考えられる問題点 ・「共生意識の形成」を何をもってはかるのか ・精神論・ナショナリズム云々になってしまうのではないか・・・? ・フィールドワーク ・江戸川インド人会への取材 ・東京トルコ人会について 今後の計画