スケジュールナース 機能の紹介 選べないシフト表から選べるシフト表へ
勤務表はパズル? 勤務表作成をパズルのように感じられたことはないでしょうか?
実は数学的にはパズルと同じ種類の問題です。 下図は、プロジェクトサンプルフォルダに入っている数独*です。数字1,2,3..をシフト勤務名として入力することが出来ます。(数独*(株)ニコリの登録商標) ソフトウェアは、パズルを”探索”により答えを発見します。この原理は、勤務表を解く全てのソフトに当てはまります。
数独名人が数日かかる問題 当社製品は、世界一難しい数独も1秒足らずで解けます。
ナーススケジューリング問題は、数独より遥かに難しい しかし、皆さんが毎月作成している勤務表は、数独より2桁ほど難しいのです。これは、ナーススケジューリング問題と呼ばれ、1990年代から、解法が盛んに研究されてきました。 実データを基にした自動作成の試みで、2003年、当時のPCで100時間かかったという報告があります。 2014年、当社製品は、2003年100時間かかっていた問題を18秒で答えを見つけることに成功しました。
マシンのパワーを利用する 近年、将棋の人間vs コンピュータで プロ棋士が負ける場面が増えてきたのも同じ背景があります。 数独名人が、3日かかっていたものが当社製品では、1秒で解くことができました。 マシンは259200倍の処理能力を有していると考えられます。 このマシンパワーを利用しない手はない! まだ、紙と鉛筆で頑張りますか?
ソフトなんてどれも同じ? 当社製品 他社製品 見つけた答えの一部です。 同じ制約下で、スタッフの希望休みや予定を入れていきました。当社製品は、上の希望休み予定に対し、10パターンの答えを出すのに要した時間は2秒でした。 右側の画面は、他社製ソフトでのスタッフの希望休みを途中まで入れたものです。この状態で30分間トライしていましたが、答えは見つけられませんでした。
いいえ、全然違います! 当社製品 他社製品 同じ制約下で、予定はそのままに、さらに条件を厳しくしました。 (夜勤回数を上限5回から上限4回に変更しました。) 当社製品は、変わらず、10パターンの答えの出力に要した時間は2秒でした。 他社ソフトでは、予定は一つも入れていないにもかかわらず、30分間トライしても答えを見つけることが出来ませんでした。
無駄に時間を食わない 同じ制約下で、スタッフの希望休みや予定をさらに増やしました。 当社製品 他社製ソフト 当社製品:「答えがない」とエラーメッセージを出力するまで1秒でした。 他社製品:この状態で30分間トライしていましたが、答えを見つけることはできませんでした。 当社製品は、物理的論理的に入らないときは、エラーメッセージを出します。(貴重な時間を無駄にしません。)
厳密解を出力するソフトの違い 右図は、探索における概念図です。一般にあるパラメータを増やしていくと、解を求める時間は大きくなっていきます。(解の空間が狭まり解を見つけにくくなるためだと考えられます。例:予定入力数) また、すぐにはSAT・UNSATを判定出きない領域があります。この領域の幅や高さは、個々の問題に依存します。一般にSAT・UNSATの境界付近での解の導出が最も時間がかかります。この領域では、厳密解を出力するソフトでも時間的に、近似解として出力される事があります。 その領域を抜けると厳密解を出力するソフトは、UNSATを判定することができます。つまり論理的物理的に入らないと判定されたものについては、無駄な努力をしなくて済みます。この機構がないと、いつまでもないものを探し続けることになります。前頁の問題はまさにこの状態だったのです。
ここまでのまとめ シフト表自動生成ソフトの選び方 ここまでのまとめ シフト表自動生成ソフトの選び方 1.探索能力が高いものを選びましょう。ソフトの能力差で、希望の休みが取れなかったり、不公平な勤務を強いられるスタッフがいるとしたら大変不幸なことです。 2.できるだけ高速なものを選びましょう。 3.貴重な時間を無駄にしないために、答えが物理的に入らないときは、エラーメッセージが出るものにしましょう。
実践的な問題 - 過制約をどうする? めでたく答えがあればよいのですが、今日の病棟現場においては、複雑化する勤務形態と相まって、過制約(あれもこれも満足したい)のために答えが存在しないことが多いのです。 (加えて、従来ソフトは、ソフトの探索能力の問題なのか、物理的・論理的に無理なのか、判然としないという問題がありました。) ところが、従来のソフトは、これを空欄のままで出力したりします。空欄が一つでも残っているならば、結局、人間が全体から見直して作業せざるを得ず、多大な労力を要して作成していました。 しかし、欲しいのは、「答え」であって、「問題」ではありません。 答えがないのなら、一歩譲って答えを得るために必要な最小の変更は何か? に応えることではないかと当社は考えます。
ソフト制約を使いこなす 過制約のうち最も原因として頻度が高いものは、休み希望や予定入力です。 そこで、下図のように変更可能性のある部分(青で指定)をソフト制約として指定します。(下図は,予定の入れすぎで、ソフト制約なしでは、答えが得られない例です。)
答えのパターン数(任意数)を指定します。 設定画面です。 答えのパターン数(任意数)を指定します。 エラーが3個発生しています。 3秒で答えが求まりました。
答えのパターン1(色反転部が変更部です。) 全部で4パターンの答えが得られました。
答えのパターン2(色反転部が変更部です。) ソフト制約の範囲を広げれば、答えのパターン数は増える可能性があります。 (今回の範囲では5パターンは存在しません。)
答えのパターン3(色反転部が変更部です。) 変更部の場所は変わりますが、どの答えを見ても3個です。
なぜなら、変更が2個で済む答えは物理的に存在しないからです。 希望が最大限かなえられるように、変更数の最小を求めています。
ソフト制約レベルは自由に設定できます。 下表は、ある看護師長の設定例です。レベル7から、レベル1までの優先順位の設定が可能です。 レベル6 プリセプター・プリセプティ(深夜ー準夜共通2組) レベル5 スタッフ休み希望 レベル4 レベル3 連続休み2回以上 レベル2 スケジュールする休み数(4日連続日勤調整用年休) レベル1 連続休み2回以上の平準化 レベル7 レベル6 スタッフ休み希望 レベル5 プリセプター・プリセプティ(深夜ー準夜共通2組) レベル4 レベル3 連続休み2回以上 レベル2 スケジュールする休み数(4日連続日勤調整用年休) レベル1 連続休み2回以上の平準化 もちろん、優先順位の入れ替えは自由です。スタッフ休み希望も各スタッフの各日単位でレベルを設定できます。
希望休み予定優先設定 プリセプターが 3箇所で満足しません。 希望休み予定は満足しますが、 プリセプターが 3箇所で満足しません。
プリセプター優先設定 希望休み予定が 3箇所で満足しません。 プリセプターは満足します。
答えがないときどうする? まとめ 例えば、前項のプリセプター・プリセプティを優先させるか?スタッフの予定を優先させるか?は、一意に(毎月)プリセプター優先、と決めることは恐らく出来ないでしょう。出てきた複数の答えを見て天秤にかけざるを得ない、その月々に固有の判断が師長に求められることになります。 答えがないとき、何かを優先し選択しなければなりません。何かを選択するということは、同時に何かを捨てるということです。これをトレードオフの関係といいますが、複数の結果を見て判断をするためには、1トライに何十分もかけてられません。少なくとも数分以内、できれば1-2分以内に解を得たいものです。 複数の答えを見て判断するのは、マシンではなく人間です。マシンはパズルを解く道具に過ぎません。
選べない勤務表から選べる勤務表へ 選べない勤務表 紙と鉛筆ならば、一つの勤務表を作るのが精一杯でしょう。それに「プリセプター・プリセプティを加えたらどうなるか?」、とか「研修に出したいけど、人員の確保ができるか?」は、考えられないというよりも、最初に決めた一つのパターンでしか勤務表はできないのではないでしょうか?一つの答えを出すのに30分もかかるソフトもまた然りです。 選べる勤務表 当社製品を使った勤務表では、その月々の状況に応じて、複数の視点に立った勤務表の作成が可能です。その中からトレードオフを考慮して最適な一つを選びだせばよい訳です。 道具を使いこなすために 何を選択し、何を優先順序項目とするかは、予め制約としてコンピュータに入力しておく必要があります。個々の病棟において、その仕様は異なると思いますので、コンピュータに入力する練習が必要になります。そのすべてを当社WEBサイトで公開します。日本の医療を支える看護現場のQOL改善のお手伝いをさせて頂ければ、と思います。 ご視聴ありがとうございました。