4/30 第3回発表 藤井海太
競争の戦略(パートⅡ&Ⅲ) マイケル・E・ポーター
構成 パートⅠ;競争戦略のための分析技法 業界の構造および競争業者を分析するための技法 パートⅡ;業界環境のタイプ別競争戦略 分析手法を用いて、どのように競争戦略を作り上げるか パートⅢ;戦略デシジョンのタイプ 主要な戦略決定のタイプについての分析
パートⅡ;業界環境のタイプ別競争戦略 9章 ;多数乱戦業界の競争戦略 10章;先端業界の競争戦略 11章;成熟期へ移行する業界の競争戦略 9章 ;多数乱戦業界の競争戦略 10章;先端業界の競争戦略 11章;成熟期へ移行する業界の競争戦略 12章;衰退業界の競争戦略 13章;グローバル業界の競争戦略
パートⅢ;戦略デシジョンのタイプ 14章;垂直統合の戦略的分析 15章;キャパシティ拡大戦略 16章;新事業への参入戦略
パートⅡ概要 パートⅠで明らかにした分析手法を使って、業界環境のタ イプ別に戦略の分析を検討する。 それにより、業界環境の違いが戦略策定の違いにどのよう な影響があるのかを明らかにする。 そのために、三つの面から環境をとらえることにする 業界の集中度 業界の成熟度 国際競争の影響 これらの点で特徴のある類型的な業界環境として、5つのタ イプを扱う
パートⅡ;5つのタイプの業界環境 多数乱戦業界(9章) 先端業界(10章) 成熟期へ移行する業界(11章) 衰退業界(12章) グローバル業界(13章)
パートⅡのエッセンス それぞれの業界の特徴はなにか 業界に特徴を与えている根源的要因はなにか その要因を踏まえた上で、どのように行動すべきなのか どのようなことに注意しなければならないか
9章;多数乱戦業界の競争戦略 多数乱戦業界とは どのような分野に見られるか 企業が多数しのぎを削っている業界 業界を牛耳るほど力のあるマーケット・リーダーがいない どの企業もシェアが小さく、業界の生産量を左右できない どのような分野に見られるか サービス 小売り 卸売り 木材や金属加工 農産物 広告制作
9章の概要 業界はなぜ多数乱戦になるのか、その原因について 多数乱戦業界を制圧するための方法について 業界を制圧できないとするならば、どのように対処するか
業界が多数乱戦になる原因 経済的根拠もなく多数乱戦になっている業界もあるが多く は経済的原因が存在する 参入障壁が低い 規模の経済性、あるいは経験曲線がきかない 高い輸送コスト 在庫コストが高く、売り上げの変動も大きい 規模の不経済性が致命的 多様な市場ニーズ 著しい製品差別化、とりわけイメージによる差別化 etc…
多数乱戦業界を制圧するには 多数乱戦状態は参入がたやすい上に、既存企業からの報 復の恐れが少ない → 制圧することで大きなチャンス 業界構造を変化させるためにも、多数乱戦の状態をつくり だしている根源を取り除く必要がある 規模の経済性や経験曲線が作用する条件をつくり出せ 多様な市場ニーズに標準品で対応せよ 多数乱戦の主原因を無力化するか切り離せ 吸収合併して利益の出る規模まで大きくせよ 業界の動向をすばやくかぎとれ
多数乱戦構造に対処する方法 業界構造を変えられないならば、戦略により自社の立ち位 置を変えることで利益を得る 強力な本社統制に支えられた分権精度 設備の標準化 付加価値を高める 製品種類や製品セグメントを専門家する 注文のタイプで専門化する 特定地域に集中する飾りを捨てて裸で勝負 川上に向かって垂直統合する
戦略策定の手順 業界の構造はどうか。競争業者はそれぞれどういう位置 にいるか。 多数乱戦の原因は何か。 多数乱戦状態を変えられるか。その方法は。 変えて利益が得られるか。その場合、自社はどういう位置 にいなければならないか。 多数乱戦が避けられない場合、どう対処するのが最善か。
パートⅢ概要 パートⅠの構造分析を使って、業界で行われている主な戦 略デシジョンのタイプを検討 3タイプの戦略デシジョン 垂直統合(14章) 大きなキャパシティ拡大(15章) 新規参入(16章) これらの戦略がどのようなものかについて紹介
14章;垂直統合の戦略的分析 垂直統合;複数の経済活動を一つの企業内にまとめること 原材料購買→生産→流通→販売→アフターサービス コスト削減といった直接的な影響だけでなく、間接的な影響 まで考えて、戦略的な意味を判断することが重要 垂直統合により得られる効果、かかるコストについて紹介
15章;キャパシティ拡大戦略 企業にとってもっとも重要な戦略上の決定事項 二つの推定が必要 キャパシティ過剰になる原因について紹介 多額の資金 完成まで時間がかかる 完成後は長期間存続し続ける 二つの推定が必要 将来需要についての推定 競争業者の動きについての推定 キャパシティ過剰になる原因について紹介
16章;新事業への参入戦略 二つの新事業への参入方法 自社内での開発をもとにした参入 吸収合併による参入 構造上の参入障壁と、既存業者からの反撃 望ましい業界と望ましくない業界の条件を紹介 吸収合併による参入 会社市場の存在による影響 平均以上の収益をあげるために必要な条件
感想 戦略を策定するプロセスは、実は工学と同じ 現象の背後にある原因を明らかにし、その原因にたいして アプローチしていく 目標→問題・課題→原因→解決策
次に向けて マイケル・E・ポーター3部作の残り2作 競争優位の戦略 国の競争優位 産業の競争力に関する、基本的な知識を得ることを期待
以上で発表をおわります。