記 憶 管 理(2) オペレーティングシステム 第10回.

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記 憶 管 理(2) オペレーティングシステム 第10回

復 習 実際のメモリよりも,大きなプログラムを実行したい 実行に伴い,その時,その時で必要な部分だけがメモリにあれば良い オーバレイ 復 習 実際のメモリよりも,大きなプログラムを実行したい 実行に伴い,その時,その時で必要な部分だけがメモリにあれば良い オーバレイ どこが必要なのかの指示をプログラマが行う 仮想記憶 必要になった部分をOSがメモリに格納する

ペ ー ジ 置 換 え(1) デマンドページング ページが必要になったときに,補助記憶装置から実記憶に読み込む ページイン しかし,読み込む場所(空きページ枠)がない場合は?!

ペ ー ジ 置 換 え(2) 空きページ枠がない 適当なページ枠を選ぶ しかし,ページが読み込まれている その内容を必要に応じて,補助記憶装置に書き出す ページアウト 空けたページ枠に,読み込む,

ペ ー ジ 置 換 え(3) ページアウトするページの選択 これから使いそうにないページ 今後,使わないページ ページアウト直後に再度ページインすることになるようなページは選びたくない 将来の予測 困難

ペ ー ジ 置 換 え(4) FIFOアルゴリズム(First In First Out) もっとも古くに実記憶に読み込まれたページを選ぶ 実記憶に長く存在するページは,今後はもう使わないであろう

ペ ー ジ 置 換 え(5) LRUアルゴリズム(Least Recently Used) もっとも以前に使われたページを選ぶ 頻繁に使われるページは,今後も使われるであろう(“局所参照”という性質) 使われなくなって時間が経過したページは,今後は使われないであろう

ペ ー ジ 置 換 え(6) 他にもいろいろある 実際は,もっと複雑

ペ ー ジ 置 換 え(7) 4ページ分(0~3)の大きさのプログラム 実記憶のページ枠は3 次の順で各ページが必要になるものとする  0 → 1 → 2 → 0 → 3 → 0 → 2 → 1 → 2

ペ ー ジ 置 換 え(8) FIFO 直前にページアウトした ページをページイン 下のものほど, 長く実記憶にある ページ枠ではない ページアウト(ページ交換) ページ0が ページアウト

ペ ー ジ 置 換 え(9) LRU 実記憶にあるページ 下のものほど, 参照されてから 時間が経過している ページアウト(ページ交換) 参照されてから,最も時間が 経過しているページが ページアウト

ペ ー ジ 置 換 え(10) LRUの方が,ページ置換えの回数が少ない ような例としているだけ,かも知れない FIFOだと,ページ枠の数を増やしても,ページ交換の回数が増える場合がある LRUだと,そのようなことはない

ペ ー ジ 置 換 え(11) LRUの背景 メモリ参照の局所性 プログラムは,いつもプログラム全体を参照するわけではない 一部だけを参照する その一部が実行に伴い移動する このようにプログラムを作ると 効率的に実行されることになる プログラム全体(命令とデータ) この部分だけ を参照する この部分だけ を参照する この部分だけ を参照する この部分だけ を参照する この部分だけ を参照する

ス ラ ッ シ ン グ(1) 多重プログラミング環境 多重度(並行実行するプロセスの数)を上げる 各プロセスへのページ枠が減る

ス ラ ッ シ ン グ(2) ページ交換の回数が増える さらに多重度を上げる CPUは,もっぱらページ交換のために使われる プロセスの実行が進まない

ス ワ ッ ピ ン グ(1) 多重プログラミング環境 すべてのプログラムを主記憶に格納できない

ス ワ ッ ピ ン グ(2) プログラムAが実行中 プログラムBを実行しようとする スワップアウト 空いたところに,Bを読み込む スワップイン

問 題 ページアウト,スワップアウト 必要に応じて,補助記憶装置に書き出す つまり,“書き出さない”場合がある ページインは,単に上書き 問 題 ページアウト,スワップアウト 必要に応じて,補助記憶装置に書き出す つまり,“書き出さない”場合がある ページインは,単に上書き 書き出す必要の有無は?

ヒ ン ト 命令しかないページは? データのあるページは? 実記憶(主記憶)にある間に,書き換えられたかどうか! この情報も管理する

た だ し 多重プログラミング環境 ページ枠に,別のプロセスの命令・データ ページ枠の内容を消去してから, ページインしなければならない

記憶管理の他の重要な機能 多重プログラミング環境 別のプログラムが,自分のデータを読み書き 別のプログラムのデータを読み書き 禁止する(保護) ただし,禁止だけではない(情報共有)

記憶装置の階層化(1) 第2回 仮想記憶は   メモリ    HDD の2階層 容量 読み書きの時間 メモリ 小 短い HDD 大 長い

記憶装置の階層化(2) キャッシュメモリ CPUのデータ転送速度と主記憶装置の読み書き速度に差をうめる

記憶装置の階層化(3) 読み書きの速度 容量 値段 早いもので大容量が理想であるが… 全体としてのバランス

ま と め

ま と め(1) 空きページ枠がないとき,どのページ枠を空けるか これから使いそうにないページが格納されているページ枠を選ぶ 将来の予測は困難

ま と め(2) FIFO LRU 他にもある 最前未使用(NRU)アルゴリズム,セカンド・チャンスアルゴリズム,ワーキングセット法,…

ま と め(3) プロセスへのページ枠の割当てが少ない ページ置換えが頻発 プロセスの実行時間が少なくなる スラッシング

ま と め(4) 記憶装置の階層化 キャッシュメモリ メモリ HDD 読み書きの速度,容量,価格 キャッシュは後でも出てくる