木曽超広視野CMOSカメラ データ取得部のシステム設計

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木曽超広視野CMOSカメラ データ取得部のシステム設計 菊池勇輝(東大天文センター) 酒向重行, 土居守, 本原顕太郎, 宮田隆志, 小林尚人, 諸隈智貴, 青木勉, 征矢野隆夫, 樽沢賢一, 前原裕之, 三戸洋之, 藤堂颯哉 , 臼井文彦 (東京大学), 田中雅臣, 渡部潤一 (国立天文台), 冨永望 (甲南大学) , 木曽超広視野CMOSカメラチーム

シュミット望遠鏡 視野 > 6 × 6 deg2 口径 105cm 主鏡 150cm メインカメラ:KWFC

CMOSセンサーを用いた新カメラ 480 mm 530 mm Φ500 mm = Φ8.7 deg Φ225 mm = Φ3.9 deg KWFC-CCD Photo plate

CMOSカメラ概要 CMOSセンサー 視野 可視光天文学用モザイクとしての使用は世界初 1 chip : 2k × 1k pix (× 84 chips) 読み出し時間 : < 0.01 sec (cf. CCD >10 sec 視野  8.7 deg diameter & efficiency(0.3-4) 〜 20 deg2 短時間変動天体サーベイ

データ取得部の必要性能 データ生成レート (※ 太陽系外縁天体の掩蔽観測) 1 exposure - 1 chip : ~ 4.5 MB 設計性能:2 Hz ⇒ 1chip :  ~ 9MB/s ⇒ ~0.3TB/night 84chips : ~ 760 MB/s ⇒ ~ 27 TB/night (※ 太陽系外縁天体の掩蔽観測) 20 Hz程度の高速撮像が必要 CMOSセンサーの部分読み出し 掩蔽は特殊なケースであると強調して、基本性能を紹介。 どうせ数枚あとにはみんな忘れる

データ取得部のベースデザイン ① ② ③ ドーム 本館 制御室 ①観測用PC 5台(2TB SSD 各4台搭載) ②1次サーバ 5台(4TB HDD 各15台搭載) ③2次サーバ 5台(4TB HDD 各15台搭載) 以下、2 Hzでの観測について計算 わける理由は

カメラ〜観測用PC 1台の2TB SSDにセンサー4 chipのデータを保存 1台のSSDに1晩で1.3 TB蓄積 sensor FPGA SER DES DIO LVDS SSD 1unit 9 MB/s 4 × 9 MB/s/unit ⇒ ~1.3TB/night/SSD 16chADCボード × 4 36 MB/s PC1台 ~5.2 TB/night 1台の2TB SSDにセンサー4 chipのデータを保存 1台のPCにさせるDIOボード数の制限 1台のSSDに1晩で1.3 TB蓄積 日中にできるだけ早くサーバに転送 × 5台

データ取得部のベースデザイン ① ② ③ ドーム 本館 制御室 ~5.2TB/night/PC × 5台 ⇒ ~27 TB/night ①観測用PC 5台(2TB SSD 各4台搭載) ②1次サーバ 5台(4TB HDD 各15台搭載) ③2次サーバ 5台(4TB HDD 各15台搭載)

観測用PC〜1次サーバ 数時間で転送可能 ~10日分の生データを1次サーバに保存 = HDD SSD 15 × 4 TB = 60TB ~5.2TB/night/PC × 5 計算スピードが間に合うかどうかかなり問題があり、今後検討の余地がかなりある。 わける理由は ・役割をわけておいた方が整理して作りやすい 前半はカメラ制御、後半はデータ処理と保存。 くっつけることによって同じPC内でドライブを使い分けることになりシステムとして複雑なものになる。 くっつけることで価格はやや減るから、いい部分もある、まぁ実際に立ち上げる際にその方がいいということになればそうすることもできる。 一方で、観測用PCはあまり取り替えないが、サーバ側は性能のいいものが出てくれば取り替えることが考えられるので、まぁわけといた方が後の運用もしやすかったり。 ・処理速度はどうなるんだろう…わけておけば日中に間に合わなくても②―③の移動時間の許す範囲でいけるけど、 数時間で転送可能 ~10日分の生データを1次サーバに保存 1次サーバ内でdata reduction ⇒ 1/50(検討中) 100 frame co-add 天体周りのトリミング 1/100

データ取得部のベースデザイン ① ② ③ ドーム 本館 制御室 生データ一時保存 Data reduction ⇒ 1/50 (検討中) ~5.2TB/night/PC × 5台 ⇒ ~27 TB/night ①観測用PC 5台(2TB SSD 各4台搭載) ②1次サーバ 5台(4TB HDD 各15台搭載) ③2次サーバ 5台(4TB HDD 各15台搭載)

1次サーバ〜2次サーバ Reduction済データ~0.5 TB/nightの転送 2次サーバでデータの長期保存 × 5台 観測中に転送可能 HDD HDD HDD HDD HDD HDD = HDD HDD HDD HDD HDD HDD HDD HDD HDD 15 × 4 TB = 60TB × 5台 Reduction済データ~0.5 TB/nightの転送 観測中に転送可能 2次サーバでデータの長期保存 50 sec積分データ 60 TB × 5 = 300 TB ⇒ ~600日分保存可能

Data reduction法が今後の重要課題 データ取得部のベースデザイン ① ② ③ ドーム 本館 制御室 生データ一時保存 Data reduction ⇒ 1/50 (検討中) ~5.2TB/night/PC × 5台 ⇒ ~27 TB/night ~600日分のデータの保存 ①観測用PC  5台(2TB SSD 各4台搭載) ②1次サーバ 5台(4TB HDD 各15台搭載) ③2次サーバ 5台(4TB HDD 各15台搭載) Data reduction法が今後の重要課題

太陽系外縁天体の掩蔽観測 太陽系外縁天体(TNO; Trans Neptune Object)の探査 特に惑星の種であるkmサイズのTNOが重要。しかし小さ過ぎて大望遠鏡でも見えない。 背景星の掩蔽として観測。TNOのサイズの個数分布を導出。 掩蔽時間は数100msec程度。  〜20 Hzでの観測 数km以下のTNOsの掩蔽の頻度は恒星1つあたり10-2 〜10-3 回/年 程度(東大 臼井さん) 観測には黄道面に比較的近く、かつ背景星が十分で適度な個数密度ある天域を選ぶ必要がある http://hubblesite.org/newscenter/archive/releases/2009/33/image/c/format/web_print/

CMOSセンサーの部分読み出し センサー2k × 1k pixのうち恒星周り20 × 20pix程度を読み出す ⇒ 20 Hzの撮像が可能 あらかじめ恒星のセンサー上での座標をクロック発信に組み込んだプログラム 正確なポインティング ~4chipごとに同じ領域を読み出し、いらないデータを削除 ⇒ 20 Hzの撮像が可能 一枚のセンサーから読み出す領域を減らしたいことと、撮像の同時性を保つためのクロックの本数とのトレードオフ。 データレートが大いに影響するので、視野内の掩蔽対象天体の数によって変化させるべき値。 クロックの本数と同期の問題で数枚のセンサーは無駄に同じ領域を読み出さなきゃいけないが、 それを考慮しても20Hzで読み出しが可能な感じ

部分読み出し時のデータレート 仮に視野内に104個の対象恒星があった場合 1chipあたり平均100個 1chipからの読み出し 100 × 20 × 20 ~ 1.6 × 105 pix ⇒ 2k × 1k のうちの < 10 % 撮像領域が 1/10 になれば、撮像速度は10倍にできる。 ⇒ 20Hz撮像が可能 データレート:~ 22 TB/night 既にトリミングしてあるためdata reduction不可 数日中に変動解析をすませ、不要データは消去?

Summary CMOSセンサーによる超広視野高速カメラ Data rate max ~27 TB/night ~20 deg2 2 Hz Data rate max ~27 TB/night 観測用PC、1次/2次サーバ 各5台 1次サーバ内でのdata reductionは検討課題 掩蔽観測ー部分読み出し20 Hz(要検討) クロック信号を組み込んだプログラム 具体的な対象個数は 7/23の会議(東大 臼井さん)

Appendix : コスト その他 ドライブの故障 PC① :1PCあたりドライブ 4台(SSD) 1台の価格[万円] 必要台数 (15chip) 金額 (~80chip) (90chip) PC① ~25 1 25 5 130 サーバ② ~87 87 ~450 サーバ③ 合計 200 ~1000 その他 ドライブの故障 PC① :1PCあたりドライブ 4台(SSD) サーバ②③:1サーバあたりドライブ15 台計(HDD)  ⇒ドライブ数:~80chip→~200台 年に一回故障すると仮定して 故障台数:~80chip→ 1ヶ月に平均~17台