ヒトゲノムの違いから わかること 東京大学大学院医学系研究科 国際保健学専攻 人類遺伝学分野 徳永 勝士 川崎市立川中島中学校 自然科学体験講座 2011年7月26日 ヒトゲノムの違いから わかること 東京大学大学院医学系研究科 国際保健学専攻 人類遺伝学分野 徳永 勝士
人類遺伝学・ゲノム医科学の目標 病気に関わる遺伝子を知る →病気の仕組みの理解が深まる →新しい治療法のヒントになる →病気の仕組みの理解が深まる →新しい治療法のヒントになる →病気へのかかりやすさが予測できる (注意:遺伝病と身近な病気の違い) 薬の効き目や副作用に関わる遺伝子を知る →適切な薬と量を予想できる (体にやさしい、経済的) 集団と集団の遺伝的近さを知る →集団の歴史や成り立ちがわかる 普通の特徴(身長など)に関わる遺伝子を知る →昔の人のゲノムから姿・形を復元できる →今日の実習:髪の毛の太さに関わる遺伝子
過眠症の新しい遺伝要因を発見 睡眠障害とメタボの 意外な関係? Nat. Genet. (2008)
新しい2型糖尿病 遺伝子KCNQ1の 発見を支援 Nat. Genet. (2008)
新しい非肥満の 2型糖尿病遺伝子 KCNJ15を発見 Am. J. Hum. Genet. (2010)
2型糖尿病のリスク遺伝子型を多く持つほど 糖尿病にかかりやすい 糖尿病へのかかりやすさ リスク型を持つ数 J. Hum. Genet. (2009)
C型肝炎の治療応答性遺伝子 IL28Bを発見 Nat. Genet. (2009)
Nature 461: 399-401, 2009 Nat. Genet. 41: 1100-04, 2009 Nat. Genet. 41: 1105-09, 2009
C 型肝炎治療の効き目の予測 日本におけるC型肝炎ウイルス感染者:約200万人 感染者の6〜8割が慢性肝炎に移行、その多くが 肝硬変、肝癌へ移行* *治療しない場合10〜30年で感染者の3〜4割が移行 *肝がんの原因の80%はC型慢性肝炎 ペグインターフェロン・リバビリン併用療法に より治療成績があがった(5〜6割) すでに、この治療法が効くかどうか8割以上の確率で予測する遺伝子検査として広く用いられ、副作用や無駄な出費を避ける手段のひとつとなった
アジア系73集団 に関する 大規模国際共同研究 Science (2009)
日本人を含む アルタイ語族 集団 南から 北へ (Science 2009)