貧困と出産の関係.

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貧困と出産の関係

テーマ設定の理由 「貧困」と「出産」の関係を分析し 世界の貧困問題、少子化問題を 考えるきっかけ 発展途上国では貧困が絶えない。 先進国の間では人口の少子化・高齢化が問題となっている。 「貧困」と「出産」の関係を分析し 世界の貧困問題、少子化問題を 考えるきっかけ 世界の国々、とくに発展途上国では貧困が絶えない。一方で、先進国の間では人口の少子化・高齢化が問題となっている。「貧困」と「出産」はあまり関係性のないものと感じていた。しかし、開発経済学や人口学を学んだところ、「貧困」と「出産」には深い関係性があるのではと考えるようになった。そこで統計解析を使い、その分析結果をもとに「貧困」と「出産」の関係性を考察していく。

仮説 ①満1歳未満の死亡率が高いほど貧困指数が高い ②出産時の母の年齢が低いほど貧困の度合いが高い ③避妊の普及率が低いほど貧困の度合いが高い 分析を始めるにあたり、以上3つの仮説を立てた。 満1歳未満の死亡率が高いほど貧困指数が高い 出産時の母の年齢が低いほど貧困の度合いが高い 避妊の普及率が低いほど貧困の度合いが高い 貧困の度合いについては多次元貧困指数を使用した。この指数は国連(UNDP)が設定した健康・教育・生活水準の面における深刻な貧困の度合いを数値化したものである。貧困状態にある人の数と貧困の程度の両方が考慮され、数値が大きいほど多次元貧困度が高い。 それでは分析のプロセスと結果については次章で説明していく。 初めに散布図および相関係数分析したものを考察していきたいと思います。

分析・実証 仮説①満1歳未満の死亡率が高いほど貧困指数が高い 2変量について散布図を 作成 正の相関関係が見られる 相関係数 多次元貧困指数 満1歳未満の死亡率 Pearson の相関係数 1 .713** 有意確率 (両側) .000 N 44 **. 相関係数は 1% 水準で有意 (両側) です。 相関係数が 1に近いほど 相関関係が強い 0.713と強い相関関係 それではここで1つめの仮説満1歳未満の死亡率が高いほど、貧困度合いが高いということを相関係数で分析していく。まず多次元貧困指数と満1歳未満の死亡率、2変量について簡単な散布図を作成したところ、正の相関関係が見られるのではと読み取れる相関係数が1に近いほど相関関係が強い。図4では0.713と強い相関関係が見られる。

分析・実証 仮説②出産時の母の年齢が低いほど貧困の度合いが高い 2変量について散布図を 作成 正の相関関係がやや 見られる 相関係数 満1歳未満の死亡率 出産時の母の年齢 Pearson の相関係数 1 .052 有意確率 (両側) .737 N 44 相関係数は0.052 1より離れている 2つの変量に関連性があるとは言えない 次に2つめの仮説、出産時の母の年齢が低いほど貧困の度合いが高いという仮説です。 ここでも多次元貧困指数と出産時の母の年齢についての2変量について散布図を作成しました。 散布図を見ると正の関連が少々あるように見える。 そこで相関係数を見てみると0.052と1より離れていることが分かり、2つの変量に関連性があるとは言えないと判断しました。

分析・実証 仮説③避妊の普及率が低いほど貧困の度合いが高い 2変量について散布図を 作成 相関関係がやや 見られる 相関係数 満1歳未満の死亡率 避妊の普及 Pearson の相関係数 1 -.701** 有意確率 (両側) .000 N 44 40 **. 相関係数は 1% 水準で有意 (両側) です。 次に3つめの仮説、避妊の普及率が低いほど貧困の度合いが高いという仮説を検証していきます。 ここでも多次元貧困指数と避妊の普及率についての2変量について散布図を作成しました。 散布図を見るとやや相関関係があるのではと推測できる。 そこで相関係数を見てみると相関係数は-0.701となり、かなりの負の関連があると考えることができる。 それでは次に回帰分析を用い、相関関係がみられる仮説について検証していきます。 相関係数は-0.701 かなりの負の関連がある

多次元貧困指数の約50.8%を満1歳未満の死亡率で説明できる。 各仮説の検証:回帰分析 仮説①満1歳未満の死亡率が高いほど貧困指数が高い 回帰分析(満1歳未満の死亡率と多次元貧困指数) 係数a モデル 標準化されていない係数 標準化係数 t 値 有意確率 B 標準誤差 ベータ 1 (定数) -.038 .023 -1.656 .105 満1歳未満の死亡率 .004 .001 .713 6.584 .000 a. 従属変数 多次元貧困指数 多次元貧困指数=0.004×満一歳未満の死亡率-0.038 これは 仮説①満1歳未満の死亡率が高いほど、貧困度合いが高いということを 回帰分析した結果である。 この結果から多次元貧困指数=0.004×満一歳未満の死亡率-0.038 という回帰式が導き出され、 この回帰式の妥当性を図るため決定係数を見てみると0.508(50.8%)となり、多次元貧困指数の約50.8%を満1歳未満の死亡率で説明できると 判断しました。 決定係数は0.508(50.8%) 多次元貧困指数の約50.8%を満1歳未満の死亡率で説明できる。

各仮説の検証:回帰分析 多次元貧困指数=-0.003×避妊の普及率+0.276 決定係数:0.193(19.3%) 仮説②避妊の普及率が低いほど貧困の度合いが高い 回帰分析(避妊の普及率と貧困の度合い) 係数a モデル 標準化されていない係数 標準化係数 t 値 有意確率 B 標準誤差 ベータ 1 (定数) .276 .061 4.494 .000 避妊の普及 -.003 .001 -.439 -3.015 .005 a. 従属変数 多次元貧困指数 多次元貧困指数=-0.003×避妊の普及率+0.276 それでは次に仮説③の避妊の普及率が低いほど貧困の度合いが高いという仮説を回帰分析を使い、検証していきます。 以下のものがその結果です。この結果から、 多次元貧困指数=-0.003×避妊の普及率+0.276 という回帰式が求められます。 次に決定係数、つまりどれほどこの回帰式が妥当性を持っているかを見てみると 決定係数は0.193(19.3%)となり、多次元貧困指数を避妊の普及率約19.3%で説明できるという 結果が導き出されました。 決定係数:0.193(19.3%) 多次元貧困指数を避妊の普及率約19.3%で説明できる

①満1歳未満の死亡率が高いと新しい労働力が 考察とまとめ ①満1歳未満の死亡率が高いと新しい労働力が 生まれず、貧困が増加 ②15~19歳未満の母親が多いことは貧困には つながらない ③避妊が必ずしも貧困につながらない。 私はこのレポート作成の過程において、貧困と出産の関係について調べることを目的としてきた。そのために満1歳未満の死亡率、母親の年齢、避妊の普及のデータを基に貧困の関係を分析した。その結果、1つめの仮説である満1歳未満の死亡率を貧困には強い正の相関関係が見られた。また3つめの仮説である避妊の普及率と貧困の関係にはやや負の相関が見られた。残念だが、今回は2つめの仮説母親の年齢と貧困の関係には相関が見られなかった。この結論を通して考察したことは以下の3つである。 ①満1歳未満の死亡率が高いと新しい労働力が生まれず、貧困が増加する。 ②15~19歳未満の母親が多いことは貧困にはつながらない。 ③避妊の普及と貧困には負の関係が見られたが、非常に弱く、避妊が必ずしも貧困につながらない。 今回のレポートは初めての統計分析ということで仮説の立て方やデータの整え方に戸惑ってしまった。次回にはもう少し時間をかけて仮説を立て、データを分析したいと思う。

参照データ 総務省統計局:http://www.stat.go.jp/data/sekai/02.htm#h2-03 「文系学生のためのExcelによる統計解析」二宮智子・惠良 和代(弘学出版)