老舗ブランドに関する研究 児玉研究室 1DS04210Y 渡 瑛人 A research on the long-established corporate brand of Japanese companies 児玉研究室 1DS04210Y 渡 瑛人
研究背景・目的 企業寿命がますます短くなる中、代々家業を受け継ぎ、商いを営み続ける老舗企業の姿勢とブランド力に注目が集まっている。 老舗ブランドの構築に成功している企業の分析により、老舗ブランドの持つメリット、デメリットを探る。
1.老舗ブランドとは 代々受け継いできた「家業」から生み出されるもの。 「お客様を裏切らない」という「消費者に対する約束」を果たすことによって築き上げられてきた。
1.老舗ブランドとは 「老舗ブランド」は、「家業ブランド」(創業以来継承してきた家業で築いたブランド)と、「事業ブランド」(培ってきた技術やノウハウを生かした事業展開で築いたブランド)から構成される。 家業ブランド 事業ブランド 老舗ブランド
2.老舗ブランド企業 事例紹介 京菓子司「末富」~創業1893年 香老舗「松栄堂」~創業1705年 「エルメス」~創業1837年
2.1.京菓子司「末富」~創業1893年 五感に訴えるデザイン、色合い 最高の品質、高価格(1個あたり500円程度) 直営店のみの販売 家業ブランド 事業ブランド
2.2.香老舗「松栄堂」 ~創業1705年 直営店で高級線香販売(1束1800円~9000円) アンテナショップ「リスン」 Webショップの開設 家業ブランド 事業ブランド
2.3.エルメス~創業1837年 直営店重視の店舗展開 鞄は今でも職人による手作りを主とする 一切行わないマス広告やライセンスビジネス 家業ブランド 事業ブランド
3.福岡の老舗企業 事例紹介 「五十二萬石 如水庵」~創業1587年 「石村萬盛堂」~創業1905年
3.1.五十二萬石 如水庵~創業1587年 「筑紫もち」で4年連続モンドセレクション金賞 綿密な顧客マーケティング 多店舗展開 事業ブランド 家業ブランド 事業ブランド
3.2.石村萬盛堂~創業1905年 博多土産の定番、銘菓「鶴乃子」 洋菓子「ボンサンク」、高級和菓子「萬年家 はねや」、パン屋「セ・トレボン」などの事業展開 家業ブランド 事業ブランド
4.不祥事に揺れる老舗 ~『赤福』、『船場吉兆』の不正、不祥事~ 代々受け継いできた「独特な経営手法」が裏目に出た。 「長期視点に立った経営」が長期的なワンマン経営へと変貌。 「永続への強い執念」が強すぎたため、不正を容認することに。
5.考察 老舗ブランドを生かすには、バランス の取れた経営を行うことが必要。 老舗ブランドのメリット →消費者からの信頼、家業から生み出されるブランド力の強さ 老舗ブランドのデメリット →信頼回復の難しさ、ブランド崩壊の危険性 老舗ブランドを生かすには、バランス の取れた経営を行うことが必要。