地方大学と自治体の連携による 新しい運営  尾久土正己(和歌山大学/みさと天文台) 天体観測施設の会2005.

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地方大学と自治体の連携による 新しい運営  尾久土正己(和歌山大学/みさと天文台) 天体観測施設の会2005

西はりまを辞めてちょうど10年 でも、もう10年、私にとっての「みさとプロジェクト」もそろそろクロージングかな? 坂元くんに口説かれて 5年~10年先、どっちが面白いかだけを考えて判断したが・・・ まあ、正解だったかな? でも、もう10年、私にとっての「みさとプロジェクト」もそろそろクロージングかな? 次の仕事も探していますので、皆さんよろしく! そういう意味で参加しています 天体観測施設の会2005

みさと天文台での10年 32年無投票の町長が作った天文台 4年経ったところで後継者を作らず勇退 町長を積極的にサポートした 当時34歳の私を管理職待遇で採用→役場の課長ということになった・・・ 4年経ったところで後継者を作らず勇退 32年ぶりの選挙に3人が立候補→反体制派が勝った! 町長を積極的にサポートした 一度も喧嘩していない(逆らっていない?)→議会の答弁も重要(執行部として発言) IT分野で地域振興を推進 天文台への理解?(私への理解かもしれないが・・・) 総務省系とのパイプ、自治大賞の受賞は大きかった 天文台の将来構想(体制)に関して、各種交渉を任せてもらった 天体観測施設の会2005

こんな施設を町村で運営するのは無理と判断! しかし、予算は10年でついに1/3に(人件費込み) ないものはない・・・(住民の立場で優先順位を考えれば無理もない) 自主財源で役場職員の人件費も払えない 入館者は2万人/年をキープ G天文台の3万人に比べれば頑張っている? こんな施設を町村で運営するのは無理と判断! 天体観測施設の会2005

とにかく何かしなければ 和歌山大との関係を深めよう みさと天文台のスパイとして大学に潜り込む? 1999年秋 3回目の大学院進学 1999年秋 3回目の大学院進学 2000年秋 非常勤講師で教育学部で授業 2002年春 客員助教授で天文教育プロジェクト(センター紀要のページ増に協力) 2002年秋 大学院修了 2003年夏 学長室ポスト(教育分野担当教授)に応募→現職、みさとには顧問の名前で残る みさと天文台のスパイとして大学に潜り込む? 学長を積極的にサポート→ほんと多種多様やっています 大学の看板の学生自主創造科学センターで頑張る 佐藤文隆さん(名誉台長)を学長に紹介→大学の経営協議員に! いい人だと信用してもらって、学長を個人的に口説いた上で、裏でゴソゴソ手を回す 天体観測施設の会2005

新しい試みとして 仙台のPFI事業 指定管理者制度 和歌山モデル? 30年間の事業が資金計画とともにかなり綿密に立てられている。興味あり→小石川さんの講演 指定管理者制度 本来の一番大切な観点(利用者のサービス向上)を忘れて、民間に任せることで経費節減だけを狙っている!これでは、心配。 和歌山モデル? 私の経験から「町村で、そもそもこんな事業を維持できるわけない!」→もっと大きな枠組みで運営すべき 天体観測施設の会2005

連携の組み合わせが多く整理されていない 理科離れ・科学オンチ 共同利用 地域貢献 現状 天体観測施設の会2005

和歌山では どうせなら1つの組織に! 天体観測施設の会2005

できるところから合流 みさと天文台、かわべ天文公園を県を含めた大きな枠組みで運営しては?と知事、教育長に提案 この時点で、かわべ脱落 川辺の首長の言動と偉い人(国・県)からみた実績 教育長が和歌山大学教育学部に合流を要請 もちろん、大学にそんな余裕はない そこで、県(企画部長)、県教委(教育長)、大学(学長)、町(町長)、佐藤さんが参加する非公式会議を数回こっそり開催 天体観測施設の会2005

やったこと 外部評価を行った 4者にとってのみさと天文台の価値を考えた 大学組織との交渉は難しい 大学人向けにみさと天文台を説明するために 天文:松田卓也委員長、池内了、渡部潤一 IT:山口英、中山雅哉 生涯教育:山本健慈 4者にとってのみさと天文台の価値を考えた 町→観光資源 県→ITのイメージリーダー 県教委→科学教育、情報教育の指導者 大学→学生教育、科学教育の実験場 大学組織との交渉は難しい 自治体は基本的にトップダウン 外部評価が役に立った 天体観測施設の会2005

裏技公開 そこで 維持費:町、人件費:県(教委)、研究教育:大学で非公式合意し、現在、H18年度ゴールに進行中 県職への移動は今夏、採用試験 教員免許も新規取得中→昨日の豊増君の講演? 大学との合流 まずは、教育学部で検討(2003)→本命、しかし、組織がでかい 次に、学生自主創造科学センターで検討(2004)→組織が小さすぎる 次に、新観光学部?(2005)→これは十分いける。しかし、時間がかかる そんな中、文科省審議官の講演にヒント(2005/5)→ネットワーク型の大学教育システム(実は、経費削減の1つの手法ではあるが、これなら速い→ヒントの講演終了後1時間で口説く) 天体観測施設の会2005

生涯学習で合流 大学も地域貢献で生涯学習をやっている 窓口は、生涯学習教育研究センター 2人の専任教員(県下では、どちらも有名人) 土曜講座、各種シンポジウムの開催 今秋、生涯学習センターにプロジェクト(宇宙教育研究ネットワーク)を立ち上げ、尾久土、富田、曽我が併任し、みさとの3人を非常勤(客員助教授に) 毎月の天文教室を大学の公開講座に昇格させ、和歌山市内、紀南サテライトキャンパスでも開催 学長裁量経費と外部資金獲得へ努力 9月1日付の立ち上げを目指してゴソゴソしています みさとで成功すれば、同じ手法で範囲を広げる予定 天体観測施設の会2005

全国の学校、市民 新しい天文コミュニケーションの提案 国立天文台・学会 連携できる地方大学があれば和歌山モデルで参加 連携 施設の会や PAONET (互助の精神) 全国の学校、市民 天体観測施設の会2005