EVに関する法規勉強会 2013.06.16.

Slides:



Advertisements
Similar presentations
個人情報保護講座 目 次 第1章 はじめに 第2章 個人情報と保有個人情報 第3章 個人情報保護条例に規定されている県の義務 第4章 個人情報の漏えい 第5章 個人情報取扱事務の登録 第6章 保有の制限 第7章 個人情報の取得制限 第8章 利用及び提供の制限 第9章 安全性及び正確性の確保 第 10.
Advertisements

情報漏洩トラブル根絶に向けて 平成20年度 光風台小学校 情報主任 松﨑作成.  要点は6つ ウィニー 個人情報とは?パスワード 情報管理 ウィルスモラル・ルール.
検索エンジンが 日本にないのはなぜか  なんで検索エンジン? 2006 年 10 月 9 日、「 Google 」が「 YouTube 」を買収した。 16 億 5 千万ドル相当の株式交換で買収、という形になって いる。  そもそもなんでそんな疑問が? 政府の知的財産戦略本部は 2008 年 6.
情報社会における心がまえ (教科書100ページ). 1.情報の公開と信ぴょう性 (1)信ぴょう性の確認 ①発信者の素性をみる ②複数の情報源で比較する ☆最終的判断は受信者に任される 実習:「情報の信憑性体験ページ」
オープンソースの諸問題 於: OSSAJ オープンソースビジネスセミナー 2005 年 5 月 30 日(月) 風穴 江(かざあな こう) TechStyle 編集長、コラムニスト
耐震偽装 2006.2.4. 建築の特徴 建築や住宅は個人の私有財産 かつ、公共的、社会的存在(火事を出す、地震 でつぶれると、隣家に影響する) – 他人に迷惑をかける 建築生産に時間がかかる – 設計契約時に、建築物が出来上がっていない(時間 的要因のために、契約の履行がうまくいかないこと がある)
三菱リコール隠し 2002 . 6 . 29. 三菱自動車 30 年前から、リコール隠しをする 2000 年 7 月に三菱自工の本社などに運輸 省から立ち入り検査 → 告発 多量のリコールを届け出るのは、カッ コワルイ空気があった(と河添社長が 述べる) 年間販売台数以上のリコール車数.
商業:ビジネス基礎 ~ビジネスの担当者~ 保険業者のビジネス.
多々納 裕一 京都大学防災研究所社会システム研究分野
道路運送法改正後における バス政策について
知的財産権を考えよう! 社会と情報 ⑪.
著作権について.
本日のスケジュール 14:45~15:30 テキストの講義 15:30~16:15 設計レビュー 16:15~16:30 休憩
第2章競争戦略 梶田 真邦 桑原 雪乃 斉藤 晋世.
知 的 財 産 権 教科書 P74,75,126,127 資料 P146,147 埼玉県立大宮武蔵野高等学校・情報科.
PCBに関する台湾の報告 ロバート ・ リン  林 学淵 台湾環境保護連盟.
如何に外部のサービス業者と一緒に仕事をするか
費用対効果.
自動車のリスク 2002.9.15.
い く つ か の 話 題 情報社会と情報倫理 第14回.
情報技術と著作権.
い く つ か の 話 題 情報社会と情報倫理 第14回.
■「理工系学生向けの知的財産権制度講座」通常講義用カリキュラム(90分×15コマ)
■「理工系学生向けの知的財産権制度講座」集中講義用カリキュラム(90分×6コマ)
製品安全と消費者安全、 その達成には当社の最新のPL対策で!
法と経済学研究 2016年度 麻生良文.
 テーマ別解説 情報モラルの5つの領域 岐阜聖徳学園大学 教育学部 准教授 石原 一彦.
FOODS eBASE Cloudプラットフォームで構築
事業用自動車による事故は増加・高止まり、走行キロ当たり事故件数も近年増加
「インターネット時代の法常識」 伊藤 博文 平成13年度 市民大学「トラム」 豊橋創造大学短期大学部連携講座 講師: 豊橋創造大学短期大学部
経済活動と法 ~不法行為~ <製造物責任>.
特許戦略 2002.10.18.
悪徳商法 うまい話は要注意!! 街頭で,アンケートなどに こと寄せて話しかけ,たく みな話術で化粧品の購入 や会員権の契約を結ばせ る。
ベンチャーのためのアメリカ法人設立 (国境を越えたビジネス展開)
知的財産権について ~身の回りにある知的財産権って どんなものがあるの?~.
第05回 2009年11月04日 今日の資料=A4・5枚 社会の認識 「社会科学的発想・法」 第05回 2009年11月04日 今日の資料=A4・5枚
2016年10月 第6回日本保険学会シンポジウム 民事紛争支援と損害保険「権利保護保険」      損害保険ジャパン日本興亜株式会社                  木村 彰宏.
EV製作に関する法規勉強会
Azureで始めるDeep Learning ~準備編~
看護現場における 労務管理の法的側面① <労働法と労働契約>
本教材の利用について 本教材は、平成28年度 特許庁産業財産権制度問題調査研究「デザインの創作活動の特性に応じた実践的な知的財産権制度の知識修得の在り方に関する調査研究」(請負先:国立大学法人大阪大学 知的財産センター)に基づき作成したものです。 本教材の著作権は、第三者に権利があることを表示している内容を除き、特許庁に帰属しています。また、本教材は、第三者に権利があることを表示している内容を除き、クリエイティブ・コモンズ.
【第1回】マルチメディアとは① 画像の処理 J000
現代の経済学B 植田和弘「環境経済学への招待」第3回 第7章 環境制御への戦略と課題 京大 経済学研究科 依田高典.
情報モラル学習(教職員) これだけは知っておいてほしい情報モラル.
交通事故の実態と原因 を勉強しました! 3つの要因が重なると 事故が起こりやすい!
東京経営短期大学 経営総合学科 准教授 玉田 和恵
「コンピュータと情報システム」 10章 システムの運用と管理
主催:福島県ハイテクプラザ 共催:(公財)福島県産業振興センター、 (一社)福島県発明協会
技術相談申込書 受付番号: 受付日:平成 年 月 日 貴社名 部署・役職 お名前 ご連絡先 【ご相談の内容】 相談タイトル:
個人情報保護法案整備の背景 情報処理の普及 (インターネットの普及) プライバシーの権利 個人情報の保護の必要 脅威 事故
知的財産権について ~身の回りにある知的財産権って どんなものがあるの?~.
2012年11月1日 CCJPシンポジウム 出版社の新しい著作隣接権 を考えるシンポジウム
著作権入門セミナー 第1回 著作権制度の基礎 用賀法律事務所 弁護士  村瀬 拓男.
2001.12.4 エルティ総合法律事務所所長弁護士 システム監査技術者 藤 谷 護 人
企業の知的財産を守るエビデンスソリューション
働き方改革に関する下請等中小企業の生の声※
総合講義B:インターネット社会の安全性 第12回 権利の保護
討議テーマ① 現行憲法に緊急事態条項を 創設すべきという意見がありますが どう思いますか?
2009年10月15日 日本福祉用具・生活支援用具協会(JASPA) 清水 壮一
知的財産高等裁判所 の設立経緯と意義 大阪高等裁判所判事       塩 月 秀 平.
LPガス容器と電気製品等との保安距離の確保について
アメリカのプロパテント政策 2002.10.11.
2017年2月15日 IPOを本気で目指す起業家大募集!! 応募〆切 グランプリ(1件) 賞金50万円 優秀賞(1件) 賞金30万円
必要事項をご記入のうえ FAX:011-231-1078 宛にお送りください。
認定鳥獣捕獲等事業者講習会 技能知識講習(1日目) 安全管理講習(2日目) 1 科学的・計画的な鳥獣の保護及び管理
情報ネットワークと コミュニケーション 数学領域3回 山本・野地.
第2回実務者会議の議論を受けた検討 資料14 1 第2回実務者会議での議論の概要 (○:有識者意見、●:関係府省意見) 1
情報社会における 法と個人の責任  辻本 遼二郎.
SMIPS 2009年度 法律実務(Law & Practice)分科会
マーケティング・チャンネル戦略.
Presentation transcript:

EVに関する法規勉強会 2013.06.16

Agenda これまでの勉強会の流れ 業界の自主規制とは 自動車製造販売で気をつけるべき法律 知的財産権制度 PL法 その他 今後の法規勉強会の進め方

1. これまでの流れ 「メイカー」の立場の人・ベンチャーがEVを製造・販売する際には 道路運送車両法と、それに紐付く基準を守らなければならない。 法的拘束力はないものの、国や各省庁が出しているガイドラインにも従うべき。(今後法律 になる可能性があるor法律の曖昧な部分を解説している ため)

2.業界の自主規制とは(一部再掲) 自主規制とは 特徴 自主規制(じしゅきせい)とは、社会的に不具合が生じる恐れがある製品の生産者、サービスの提供者などが行う自 発的な制限のこと。 特徴 事故等で、業界全般での製品の安全基準が無いこと等が露呈すると、社会の批判や厳格な公的規制の制 定につながり、その結果、業界各社の活動停滞を招く恐れがある。自主規制はそれを防ぐための手段の一 つ。 (例:ソーシャルゲーム業界の自主規制 http://www.fujisan.co.jp/yomimono/articles/5200 ) 大手、ベンチャーを問わず、車を販売する人達は自主規制を守る(世の中での評判、PL法)。しかし、「個人で製作し個人で乗る」という人が自主規制を守らないことによって、「個人・ベンチャーがEVを製作する」という流れが衰退することがないようにしなければならない。 個人の活動のモラルをどう確保すべきかはMakeの活動全体でも論議になっているが、今のところ明確な解がない状態。(参考: Youtubeにおける著作権の侵害)

3. 自動車製造販売で気をつけるべき法律 (1)知的財産権制度 知的財産権制度とは、知的創造活動によって生み出されたものを、創作した人の財産とし て保護するための制度。(知的財産基本法において定義されている) http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/seido/s_gaiyou/chizai02.htm 個人・ベンチャーが自動車を製造・販売する際は、特許法、実用新案法、意匠法が関わってくると思われる。 新しい意匠を作ったときは申請を行い、他者の意匠を使うときは許可が必要

3. 自動車製造販売で気をつけるべき法律 (1)知的財産権制度 知的財産権のうち、特許権、実用新案権、意匠権及び商標権の4つを「産業財産権」とい い、特許庁が所管している。 これらの権利一覧については、特許電子図書館で検索することができる。 http://www.ipdl.inpit.go.jp/homepg.ipdl

3. 自動車製造販売で気をつけるべき法律 (2)製造物責任法 製造物の欠陥により損害が生じた場合の製造業者等の損害賠償責任について定めた法 規のこと 条文一覧 http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H06/H06HO085.html 公益財団法人自動車製造物責任相談センター(消費者向けの相談センター) http://www.adr.or.jp/about/brief.html 大手メーカーでは専門の部署を設け、訴訟等に対応しているが、ベンチャーや個人単位では困難。万一PL訴訟が発生し、敗訴した場合は、多額の賠償金を支払う必要がある。(特に北米) ⇒Maker的企業が、製造物責任の問題を起こさないようにどのように対応しているか?(次回)

4.その他 光岡自動車の事例 電気自動車普及協議会では、ガイドライン作成に関わったり、ガイドラインに関する セミナーを実施したりしている。 最初は「組立車」(自動車の製造を業とする者 以外が作る自動車、年間99台まで製造・販売が 可能)として生産を開始。 「自動車メーカー」として量産車を自動車メーカーとして自工会に登録するなどの暗黙の ルールがあるらしい。 http://j-net21.smrj.go.jp/establish/sougyou/entry/993/20080618.html 電気自動車普及協議会では、ガイドライン作成に関わったり、ガイドラインに関する セミナーを実施したりしている。 将来は、法律のアドバイス、法規適合実験設備のオープンソース化も必要?

6.16論議メモ 自分で作って個人的に使う人に法規、実験の必要性を自覚してもらわないと、個人で作る人が締め出 されてしまうことになる。しかし、実験設備などは大手メーカーの強みであり、一般に公開されてしまう と大手メーカーが不利になる テスラは大手メーカー側に入っている。Makers(車を作りたい、という思いでモノづくりをしている)とは 異なる。 Makerの実験設備等を支援する団体を作る、という方法は、ビジネス的な側面が強くなる。 衝突安全などの基準は、既存の車の形ありきで作られており、全く新しい形の車を作った場合、今ま での車と同様の試験方法では検証しきれないのでは? 作る側が自分で安全性を保証すべきか、第三者に保証してもらうかの2択。実際はすべてを個人で保 証するのは難しいので、Wikiのように、ある程度まで統一化されたプラットフォーム(最低限これを満 たせばOKというもの)があるとMakersも参入しやすいのでは? Makerが自分で何から何までやる、というのは、自動車では限界がある。 大手が支援すると言うのも手。 EV化で部品点数が少なくなると作りやすくなるのでは?カートをEV化する際に部品点数を比較しても 良いかも。 >>車以外のベンチャーでは安全性、法規適合性をどうやって保証しているか(個人or第三者)を調査す る。(家電など)

4.今後の法規勉強会の進め方 次回に向けて Maker的企業が、製造物責任の問題を起こさないようにどのように対応してい るか ■論議 車以外のベンチャーでは安全性、法規適合性をどうやって保証しているか(個人or第 三者)を調査する。(家電など) ■論議 EVに限定しない。(EVは比較的自由度があるのでテーマとして扱っているが。。) 自由に個人がEV製作をするようになり、法規が未整備なのをいいことに勝手 な行動をし、EVのイメージ・信用が低下することを防ぐことが必要 個人・ベンチャーがクルマをつくり、個人で使う・販売するケースを考える。