平成15年度情報システム工学序論 Inside of the Black Box 光学式マウス

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平成15年度情報システム工学序論 Inside of the Black Box 光学式マウス 情報システム工学科 1年 0311300125 北村 宗義 2003年 5月30日

背景 ●急速に普及した光学式(Optical)マウ スだが、その動作原理が意外と知ら れていないため。

目的 ●対象の動作原理を調べる ●USBの出力信号はどのような波形を しているのかを調べる ●使用されている部品、チップの  働きを調べる

対象とした製品 ●メーカー:ELECOM ●品名:pop grast ●型番:M-PGUO2RSV ●定格:USB,PS/2対応の  ホイール付き光学式マウス

内部の構造、部品の構成 ●まず上蓋を外した。  上蓋は、裏からネジ一本で止められており、非常に簡単に外す事ができた。

内部の部品名称 下ケース 導光部+集光部レンズ ホイール LEDカバー 基盤 USBケーブルコネクタ

基盤部の部品名称(表) ボタンスイッチ×3 USBのコネクタ HDNS2000チップ LED(赤) ロータリーエンコーダー (Agilent Technologies製) LED(赤)

基盤部の部品名称(裏) CY7C63743チップ HDNS2000チップ (裏からはイメージセンサの穴が見える) (CYPRESS製ロースピードUSBコントローラー) HDNS2000チップ (裏からはイメージセンサの穴が見える)

光学式マウスの動作原理 ●LEDから出た光が、机などの表面で反射し、イメージセンサがその光を受け取る。 ●その画像を元に移動量を算出する。 ●その情報をボタンクリック、ホイールの信号と共に2本(D+,D-)のラインに乗せてコンピュータにおくる。

導光部+集光レンズ部 ●LEDから出た光を机等の表面で反射させ、集光レンズを通してHDNS2000チップのイメージセンサ部に反射光を送る。 ●一体化されており、コンパクトである。

LEDからの光の伝わり方 ●LEDから出た光が導光部を通り 2回の全反射の後、机等の表面で反射して 集光レンズを通り  2回の全反射の後、机等の表面で反射して  集光レンズを通り  イメージセンサ(HDNS2000)に届く。

回路図

HDNS2000 Quadrature mode ●裏にあるイメージセンサから画像を読み取り、移動量、移動方向を算出する。 ●2,3ピン(XA,XB)でx方向、4,5(YA,YB)ピンで、y方向の移動量を出力する。 (この信号はボール式マウスと同じである) ●動かしていない時は7ピンによってLEDが暗くなる。 HDNS2000

HDNS2000 2,3ピンの信号 ●XAとXBで、4分の1位相がずれており、どちらが先か後かで移動方向の正負が判別できる。 ●移動量は単位時間毎の波の数で決まる。

CY7C63743 (USBコントローラ) ●1,2,3,4ピンでHDNS2000からの信号を受け取る。 ●20,21,22ピンでボタン、23,24ピンでロータリーエンコーダーからの信号を受け取る。 ●15ピンでD+を、16ピンでD-の信号を出力する。 CY7C63743

D+/D-の信号波形を読む ●写真の用にして、 マウスを動かした時のGND、D+/D-間の 電圧の波形をオシロスコープを用いて読み取った。  電圧の波形をオシロスコープを用いて読み取った。 ●今回は鮮明に撮らえる事のできたD-を中心に発表する。

D+/D-の信号波形 ●写真はマウスを動かしていない時の波形である。 ●上がD+,下がD-である。 ●D+には細かい波が、  あるが、どちらも同じ波長だという事が判る。

D-の信号波形 1 ●左がマウスを左に動かした時、右がマウスを右に動かした時のD-の波形である。 ●矢印部に相違部が顕著に出ている。

D-の信号波形 2 ●左がマウスを上に動かした時、右がマウスを下に動かした時のD-の波形である。 ●少しはっきりしないが、相違部が見て取れる。

D-の信号波形 3 ●左がマウスを右上に動かした時、右がマウスを左下に動かした時のD-の波形である。 ●右上に動かした時は上移動と右移動の波形を足した波形、左下に動かした時は下移動と左移動の波形を足した波形になっている。

まとめ ●光学式もボール式も、基本的なつくりは同じである。 ●PS/2もUSBも出力信号は同じ波形。 だから汎用ドライバが起動する。  だから汎用ドライバが起動する。 ●光学式(LEDから出た光がイメージセンサに届く)の部分に無駄が無く、非常に洗練されている。

感想 ●回路を読み取る事が、初体験だったのでいろいろ勉強になった。 ●アジレントテクノロジーという会社を初めて知った。この会社が無かったら光学式マウスもこんなに安く、また普及しなかっただろう。

参考文献 ●SOFT BANK 「見て解るパソコン解体新書」vol.1,5 ●Agilent Technologies http://www.semiconductor.agilent.com/cgi-bin/morpheus/home/home.jsp ●文部省「情報機器と情報社会のしくみ」開発委員会http://www.dainippon-tosho.co.jp/mext/joho-kiki/ ●CYPRESS  http://www.cypress.com ●斉藤サイト  http://www.saitosite.com