Accretion Powered Pulsars 三原建弘 -「あすか」の成果のまとめ-

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2013 年度課題研究 P6 Suzaku によるガンマ線連星 LS I の観測データの解析 2014 年 02 月 24 日 種村剛.
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中性子星/ブラックホール連星の光度曲線の類似性
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Accretion Powered Pulsars 三原建弘 -「あすか」の成果のまとめ- 1. 周辺物質の状態、ジオメトリ a) 光電離プラズマ    → 北本先生のまとめ b) 蛍光ライン c) ソフト黒体輻射 d) モニタ観測 2. 空間分布、発見 a) SMC/LMC パルサー b) 大小マゼラン雲以外の銀河 c) Survey/Serendipitous パルサー d) Dust scattering     → Damian先生のまとめ 3.中性子星 連星の 進化 a) サイクロトロン 世の中の情勢の一環 b) Burster and pulsar c) Anomalous X-ray Pulsar → 鳥居先生のまとめ d) Magnetar         →鳥居先生のまとめ

1.a) 光電離プラズマ → 北本先生のまとめ Cyg X-3 Liedahl 1996 ApJ 468,L33. Kawashima 1996 PASJ 48,L113 recombination continuumの幅の分解。 自由電子の温度の測定。 Vela X-1 eclipse Nagase 1994 ApJ 436,L1. 観測 Sako 1999 ApJ 525,921 モデル計算 3本の鉄ライン(6.4, 6.7, 6.9keV) と Ne IX, Mg XI, Si XIII,XIV, S XV, Ar XVII, Ca XIX Cen X-3 Eclipse Ebisawa 1996 PASJ 48,425. Eclipse ingress/中/egressの 3本の鉄ラインとNe,Mg,Si,Sのライン。 4U1626-67 Angelini 1995 ApJ 449,L41 Neライン、Ne過多? LMC X-4 Vrtilek 1997 ApJ 490,377 Simultaneous with HST

Vela X-1 eclipse

1.b) 蛍光ライン GX301-2 Saraswat 1996 ApJ 463,726 Fe以外の蛍光X線 中性の Ne,Si,S,Ar,Ca. Her X-1 Endo 2000 PASJ 52,223 6.7keVラインの発見。 パルスフェーズで一定。 1keV hump、0.1keV BB、6.4keVライン 3成分とも同様のサイン的パルス波形。 降着円盤の内側からのreprocessと考えられる。 6.5keV broad line Alfven shellの内側? 磁極に降着中のaccretion stream?  Cen X-3 Audley 1999 Her X-1 Mihara 1999春天文学会, 2000 in prep.

Her X-1 パルサービームで周辺物質をマッピング

Audley 1998

Her X-1 Broad iron line

1.c) ソフト黒体輻射 サイズが大きいので、 Alfven shell や Accretion disk からの黒体輻射か? NHの小さい高銀緯、LMC/SMCパルサーで見られる。 Her X-1: Endo 2000 SMC&LMC pulsars RXJ 0059.2-7138 Kohno 2000     SSSではなくパルサー XTE J0111.2-7317 Yokogawa SMC X-1 LMC X-4 Yokogawa A0535-66

1.d) モニタ観測 GX 1+4 Kotani 1999 ApJ 510, 369 ASCA and GINGA Observations of GX 1+4 強い吸収+強い鉄ライン GRO J1008-57 93.6 s 20mCrab hard NH=1.3E22 Day IAUC と AAS 1E1145.1-6141、4U1145-61 Saraswat in preparation X0331+53 1995/09/05 A0538-66 1995/02/03 GS 0834-430 1994/11/28 4U1907+09 1996/10/14 4U1700+24/HD154791 1995/03/08

2.a) SMC/LMC パルサー 2.b) 大小マゼラン雲以外の銀河 LMC/SMCは「あすか」で見尽くしておきたい。 M33 Pulsar rush in SMC LMC, mostly Be pulsars 2E 0050.1-7247 8.9s, Israel 1997 ApJ 484,L141 AX J0051-722 91.12s, Corbet 1998 XTE J0053-724 46.63s, Corbet 1998 AX J0049-729 74.8s, Corbet 1998, Yokogawa 1998a AX J0051-733 323s, Yokogawa 1998b AX J0058-7203 280s, Yokogawa 1998b AX J0105-722 3.343s, Yokogawa 1998IAUC.7028 AX J0103-722 = 1SAX J0103.2-7209 349s, Yokogawa 1998IAUC.7009 AX J0049-732 9.1321s, Imanishi 1998 IAUC.7040 XTE J0111.2-7317 31s, Chakrabarty 1998 IAUC 7048/7062 AX J0051.6-7311 172s, Torii 2000, IAUC 7428 LMC/SMCは「あすか」で見尽くしておきたい。 2.b) 大小マゼラン雲以外の銀河 「あすか」サーチはすれど発見無し。 M31 Saito 1997 早稲田集録 p.503, a fewE37以上は無し。 ROSAT M31から2個?(未確認) M33から1つ(X-7) Eclipsing binary Porb=3.45d ROSAT 350ks 5E38erg/s パルス周期0.31s (99.9%レベル) Dubus et al. 1999 MNRAS.302,731 M33 → Ex.gal. diffuseで提案あり。

長瀬1998 MAXIシンポ集録より

2.c) Survey/Serendipitousパルサー 低光度、長周期のものが多い。 AX J1820.5-1434 Kinugasa 1998, ApJ, 495, 435 152.26s 銀河面、低光度 fx=2.3 x 10-11 erg/s/cm2 (2-10keV) AX J1749.2-2725 Torii 1998, ApJ, 508, 854 220s  銀河中心方向、GX3+1のstrayの中。  白色わい星の可能性あり AX J170006-4157  Torii 1999, ApJ, 523, L65  715s  低光度、長周期のパルサーで  X Persei (4U 0352+309)と同様の天体と考えられる。 AX J1740.1-2847  Sakano 2000, PASJ, submitted 729s 上のAX J170006と同様、低光度長周期のパルサー。

2.d) Dust scattering → Damian先生のまとめ Nagase in prep. OAO 1657-415 Audley,Nagase in prep. chandra Cyg X-3の距離。9 kpc. Predehl 2000 A&A 357 L25

3.a) サイクロトロン 磁場の弱いパルサーのサーチ Cyclotron なし。 2成分(BB+POWLフィット)でOK X PER ASCA反応せず 4U0115+63 フレア Santangelo 1999 ApJ 523 L85 4th cyclotron harmonics EXO 2030+375 outburst Reig 1999 MNRAS 302 700 XTE 36keVにサイクロトロン サイクロトロンソースではないが、これらにも反応せず。 GRO J1750-27 4.45s pulsar BATSE Scott 1997 ApJ 488 831 GRO J1849-03 = GS 1843-024 = X1845-024 A New Be/X-Ray Binary Soffitta 1998 ApJ 494 L203

世の中の情勢の一環 3.b) Burster and pulsar GRO J1744-28 0.467s Finger 1996 Nature 381 291 Nishiuchi 1999 ApJ 517 436 XTE J1808-369 = SAX J1808.5-3658 2.494ms (missing link between LMXB and ms pulsar) Wijnands 1998 Nature 394 344 e=0 円軌道 MNS=1.35Moとすると、Mc<0.14Mo Lx=6E36 erg/s @4kpc

世の中の情勢の一環 3.c) AXP Stella 1995 RX J1048.1-5937 BB+POWL Corbet 1997 ApJ 475 L127 4U 0142+61 Israel 1999 A&A 346 929 AX J1708.8-4009 AX J1845-0300 Torii 1998 ApJ 503 843 RX J0648.1-4419 Thone-Zytkow Ojectか? HD49798の13.18s pulsation (Israel 1997 ApJ 474 L53) Magnetarか? 新AXPの発見 AX J1845.0-0300 Torii 1998 ApJ 503 843 P=6.97s AXP候補天体だが大きな長期変動あり。Pdot未測定 1RXS J170849.0-400910 Sugizaki 1997 PASJ 49 L25 P=11.0s AXPで、最近XTEの観測からdeltaP/P=1e-6の 大きなグリッチが発見された 反例の指摘 AXP Pulsar candidate RX J1838.4-0301 Song 2000 PASJ 52 181 フレアなく統計不足で、パルス検出されず。フレア星か? ROSAT でAXP候補。しかし「あすか」では普通のパルサー。 RX J0059.2-7138 Kohno 2000 PASJ 52 299

世の中の情勢の一環 3.d) Magnetar →鳥居先生のまとめ 磁場のエネルギーで光る星 SGR 1806-20 7.47sパルス (XTE) Kouveliotou 1998 Nature 393 235 SGR 1900+14 Galama 1999 Nature 398 394 Kouveliotou 1999 ApJ 510 L115 2S 0114+650 2.7h自転周期 magnetar (XTE) Corbet 1999 ApJ 511 876 Kes 73 (XTE) 1E2259+586 (XTE)