5.国立図書館 (1)国立図書館とは ・国家が設置し、国費で運営する図書館 ・国民全体を奉仕対象とする ・国全体の図書館を代表する ・通常納本制度により一国内における、文化的活動としての出版物のすべてを網羅的に収集、保存して利用に供する
(1)国立図書館とは(続き) 国立図書館の機能 1.国内出版物の納本制度による収集と保存 2.全国書誌の作成 3.国内書誌コントロール活動の中心 4.一国を代表する立場にある図書館 5.網羅的に収集、保存する国内の資料を国民全体に提供し「図書館の図書館」としての役割を担う
(2)世界の国立図書館 1)アメリカ 3つの国立図書館がある。 ・議会図書館(LC:Library of Congress) ・国立医学図書館(NLM:National Library of Medicine) ・国立農学図書館(NAL:National Agricultural Library)
(2)世界の国立図書館(続き) 1)アメリカ(続き) 議会図書館(LC) ・合衆国連邦議会に属する ・1800年首都がワシントンDCに移転したときに創設 ・1億3400万点を越える総資料点数(うち図書は2000万冊)を所蔵し、職員数3800名にのぼる世界最大の図書館 ・議員と国民にサービスを行う。
(2)世界の国立図書館(続き) 1)アメリカ(続き) 議会図書館(LC)(続き) ・資料保存、目録作成、分類表の維持管理、図書館におけるさまざまな技術開発、といった面を通して、全世界の図書館に対するサービス活動を行ってきた。 ・またデジタル図書館機能に対しても積極的 デジタル資料の長期保存対策にも取り組む ・American Memory
(2)世界の国立図書館(続き) 2)イギリス 英国図書館(British Library) ・1753年に創設された大英博物館図書館が母体 ・1973年英国図書館が発足、大英博物館から独立 ・それまで多くの国立図書館機能が分散していたが、これらを整理統合した。 ・1985年にさらに再編成が行われ、文献提供センタ(BLDSC)(Boston Spa)等が設置された。 ・1998年、St. Pancrasに新館完成
(2)世界の国立図書館(続き) 3)ドイツ ドイツ図書館 ・旧東ドイツのDeutsche Bucherei Leipzig(1912)と、出来た旧西ドイツのDeutsche Bibliothek Frankfurt(1946)とが合併し、1990年Die Deutsche Bibliothekとなり、さらに2006年には、Deutsche Nationalbibliothekと改称された。 ・納本図書館であり、全国書誌を発行。 ・ほかにも国立図書館機能を有する図書館はいくつか存在する。
(2)世界の国立図書館(続き) 4)フランス Bibliotheque nationale de France(BnF) ・世界でも最も古い国立図書館としての歴史を持つ(BN:Bibliotheque nationale) ・1994年にBibliotheque nationale de France(BnF)という名称で新発足 ・1996年巨大な新図書館が開館
(3)国立国会図書館 1)沿革 明治23年創設の議会図書館+ 明治30年開設の帝国図書館 →昭和23年国立国会図書館 2)国立国会図書館法 明治23年創設の議会図書館+ 明治30年開設の帝国図書館 →昭和23年国立国会図書館 2)国立国会図書館法 昭和23年国立国会図書館法が成立。 国会に対するサービス機能と、国立図書館としての機能の2つがある。
(3)国立国会図書館(続き) 3)国立国会図書館の機能 1.国会に対するサービス 国会における立法活動を支援する
3)国立国会図書館の機能(続き) 2.国立図書館としての機能 (1)国民への直接サービス=来館者サービス (2)対図書館サービス (3)資料の網羅的収集と保存 納本と交換(外国政府等との出版物交換) (4)書誌情報の作成と提供 納本制度によって収集した国内出版物に対して、全国の標準となる書誌情報を作成し、『日本全国書誌』として提供することが義務づけられている
3)国立国会図書館の機能(続き) 3.その他の機能 支部図書館をとおして、それぞれの部門において専門図書館的なサービスを行っている 支部図書館をとおして、それぞれの部門において専門図書館的なサービスを行っている 支部図書館=各省庁や最高裁判所に置かれる図書館のことであり、法制度上は国立国会図書館の支部として位置づけられる
3)国立国会図書館の機能(続き) 納本 ・国内で刊行された全出版物は、国立国会図書館に納入しなければならないという制度 ・国立国会図書館法第24条、25条により定められている。国(30部以下)および地方公共団体(5部以下)と、その他(民間)(1部)とにわけて納本方式を規定している
(3)国立国会図書館(続き) 4)関西館と国際子ども図書館 関西館(2002年) ・電子図書館機能の拡充 電子図書館コンテンツの構築とサービスの提供。WARPとPORTA ・アジア情報サービス ・図書館協力事業
4)関西館と国際子ども図書館(続き) 国際子ども図書館(2000年) 国立児童書専門図書館