アジア系留学生に対する ソーシャルワーク教育に関する研究(2) 申請者 宮嶋 淳 ほか
これまでの取り組み 2009(平成21)年度から学内の社会福祉援助技術系教員によるソーシャルワーク研究を月1回開催 国際ソーシャルワーカー連盟等によるソーシャルワーク世界大会に参画し、ソーシャルワークの世界的な動向について調査 日本社会福祉教育学会や人間福祉学会における取り組み 留学生政策に関する先行研究レビュー 中国の社会工作系大学へのヒアリング調査並びに共同研究準備 本学留学生に対するヒアリング調査
先行研究の動向 2011年度に明らかになってきたこと 2010年申請時の認識 科研費:「SW教育」は、1997年~2010年までに21本 ほぼ海外のSW教育の現状を報告し、わが国への適用・応用をめざすものばかり(輸入型の研究) 唯一、輸出型の研究として「アジア型ソーシャルワーク教育の標準化と国家資格の互換性に関する研究」(大橋謙策;2009~2010)がある。 しかし、その視点は「国家資格のカリキュラムの互換性」に傾倒している。 2011年度に明らかになってきたこと 大橋研究会の到達点は、「知的国際貢献」「ボローニヤ宣言のアジア版の構築」 アジアの地域福祉研究としては、野口定久(日本福祉大)が韓国を中心に展開 その他、中国研究は2000年以降、幅広く取り組まれている
大沢G・宇佐美G等の生活保障研究
中国研究の一例 (個人)
留学生政策の鳥瞰
中国の社会福利研究の例
中国の高齢者福祉研究の例
研究の目的(追加) 上記の目的を達成するために、留学生送出し国の生活保障制度とその課題、具体的な支援方法について、最新事情を把握する。 人間福祉学部におけるアジア系留学生に対する配慮としてのソーシャルワーク教育の在り方の探求。 アジア系留学生がソーシャルワークの専門性を獲得し、自国等でのソーシャルワーク実践を円滑に、効果的に展開できるために担保すべき教育の内容と質を明らかにする。 上記の目的を達成するために、留学生送出し国の生活保障制度とその課題、具体的な支援方法について、最新事情を把握する。 その内容と質を担保していくために有効かつ効果的な教育方法について、「講義-演習-実習」の統合的モデルを提示することを目指す。 講義においては、例えば中日両国の生活保障制度等を比較し、基本的な相違点・類似点や最新動向、課題を理解できることをめざす。
研究成果~アジア諸国で活躍できるSWrの養成 アジア諸国の人々は、そのライフスタイルや経済状況などによって、多くの複合的な生活ニーズを抱えている。 少数・先住民族などのマイノリティの人びとは、マジョリティの人々と、かなり異なる生活ニーズと言語・文化をもつ。 例えば、中国では「農村戸籍」「都市戸籍」「無戸籍」の問題が、人びとの排除を肯定している側面がある。 どちらに、どこに属するかで「Human well-being」の質的違いが肯定されてしまう状況がある。 どのような集団・文化にも対応できる即応力・実践力のあるソーシャルワーカーの養成が求められている。 本学で学んだ留学生が帰国し、自国のソーシャルワーカーとして活躍できるために「情報力・即応力・実践力」に重点をおく。 グローバルなソーシャルワークの質の向上に貢献できるよう、優れた人材を養成するための、枠組みを明らかにする。