p型半導体酸化物 遷移金属〔3d金属〕の電荷移動 2p酸素中への強い電子間相互作用 金属欠損あるいは過剰酸素によるholeの導入 n EF Mott-Habard絶縁体 n p dバンド pバンド 下部Habbardバンド 上部Habbardバンド 電荷移動型
高効率 「p型」 酸化物熱電変換材料へのキー? 低次元伝導体 2次元金属のバンド端近傍でのランダムさの増加 =>絶縁体化 縮退半導体 ヤンテラー効果 ホッピング伝導(VRH) 遷移金属複酸化物
縮退半導体
La2CuO4+d 高温超伝導酸化物のエンドメンバー K2NiF4構造: p2次元導電パス 過剰酸素によるホールドープ Sr、Baによるホールドープ La CuO6 K2NiF4構造
La2(Cu,Ni)O4+dの 電気伝導度とゼーベック係数
La2NiO4+d エネルギー ・常温ではn型! ・700℃以上でpに変化 EF p型 n型 O2p Ni 3d 酸素ドープ n型 O2p Ni 3d La2NiO4のエネルギー 状態の予想図 CoをドープしたLa2NiO4の ゼーベック係数の温度依存性
La2NiO4+dのNiサイトのCo置換と 金属絶縁体転移 〔金属 - 絶縁体転移〕
磁化率
Nd2NiO4 400~500℃で金属半導体転移 La2NiO4よりもさらにn型 高温において過剰酸素量が変化 エネルギー EF p型 酸素ドープ Ni 3d Nd2NiO4のエネルギー 状態の予想図
NaCo2O4 結晶構造: ・早稲田大学理工学部 寺崎一郎ら ・早稲田大学理工学部 寺崎一郎ら 結晶構造: ABO2型: AサイトにはLi,Na,K,Rb,Cs,などのアルカリイオンが, BサイトにはMn,Fe,Co,Niなどの3d遷移金属が入る。 層状酸化物であり, CoO2面とNa(サイトを50%ランダムに占有)が c軸方向に交互に積層した構造を持つ。 電気伝導を担うCoO2面にはCoイオンが三角格子状に配列し,酸素イオンはCoイオンを中心に陵を共有した歪んだ八面体を形成している。
物性: 抵抗率:室温で200 μΩcm 熱起電力:室温で100 μV/K → 熱電変換材料として有望 電子状態:擬2次元的 → 熱電変換材料として有望 電子状態:擬2次元的 室温での移動度:10 cm2/Vs程度( Bi2Te3と比べて一桁程度低い) 「熱電変換材料=高移動度の縮退半導体」という従来の設計指針には合致しない。
研究室では・・ Na2CoO4の合成に成功 Naの蒸発により組成の変化と不均一が激しいことが判明 組成により格子定数が変化 焼結体中にはアモルファス状態が存在(?)
p-n型両性半導体 BaIn2O4 酸素分圧、温度、組成によってp型-n型の 両性の半導体であることが判明 しかし、電子構造などは謎。 holeはどこに存在するのか不明。 電気伝導度は低いが、ゼーベック係数は大きい。
まとめ 1.JonkerPlotによって物質本来の熱電特性を知ることができる。 2. n型酸化物半導体による熱電変換材料 5p元素のような広いバンドを持つ金属の複酸化物を選ぶ 結晶格子中に稜を共有するMO6八面体を持つなど、金属イオン間の距離の近い伝導パスを持っている材料を選ぶ 原料のプロセシングを開発し、焼結体密度の高い材料を作る キャリア濃度を調節するとともに、結晶の格子乗数を小さくし、金属イオンの電子雲の重なりを助長する、適当な元素を選んで置換する
3.p型酸化物半導体による熱電変換材料 4.p-n 両性酸化物による熱電変換材料 遷移金属複酸化物を含む用いて、低次元導電パスを持つ化合物を選択する ヤンテラー効果を用いて金属イオン間の距離を短くする 縮退半導体 ←→ 遍歴電子(ホッピング?) 正孔の効果的な導入 4.p-n 両性酸化物による熱電変換材料 BaIn2O4などの移動度が高いp-n境界領域の材料を選べば単一材料による熱電変換素子を作ることが可能となる 雰囲気や温度の調整など問題点も多い
謝辞 本発表では次の方々の出したデータを使っています。 Zn2SnO4、凍結乾燥法 :1994修士 石井直樹君 Zn2SnO4、錯体法: 1997年修士 鈴木鉄之君 MgIn2O4 : 1996年修士 伊勢昌弘君 La2NiO4,BaIn2O4: 1996年修士 草野大介君 Nd2NiO4: 現M2 牛島孝嘉君 NaCo2O4: 現M1 朝倉健作君 また、その他にも、多くの面で千葉大工学部機能材料工学科研究室のメンバーの協力をいただいています。 OHPの作製にあたり書籍、Webより、多くの引用をしました。 東工大水谷先生の叱咤激励がなかったら受賞はできませんでした。 以上の方々にお礼いたします。ありがとうございました。