月曜3限 1141教室 担当者: 河田 正樹 e-mail: kawada@tokuyama-u.ac.jp 2011年度 経済データ解析講義内容 月曜3限  1141教室 担当者: 河田 正樹 e-mail: kawada@tokuyama-u.ac.jp.

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月曜3限 1141教室 担当者: 河田 正樹 e-mail: kawada@tokuyama-u.ac.jp 2011年度 経済データ解析講義内容 月曜3限  1141教室 担当者: 河田 正樹 e-mail: kawada@tokuyama-u.ac.jp

このスライドの内容 この科目の目的・位置づけ 講義内容 「経済データ解析」という科目は、Excelを使って経済データの分析をできるようにすることが目的である。統計学基礎、統計学、経済統計などのトピックを扱い、計量経済学につながる内容である。 講義内容 具体的には、経済データのダウンロードとグラフの作成、度数分布表とヒストグラム(統計学基礎、統計学と関連)、時系列データの季節調整(経済統計と関連)、ローレンツ曲線とジニ係数(統計学基礎、経済統計と関連)回帰分析入門(統計学と関連、計量経済学への導入)という内容を、理論はさておき、実習してみる。

この科目の目的・位置づけ 経済に関連した統計データをコンピュータを用いて解析する。 <経済データ解析とは> 経済データは などに用いられる。 物価や失業状況といった、現実の経済状況を把握する。 マクロ経済学やミクロ経済学などの経済理論が、現実経済と一致するかを検証する。  などに用いられる。 そのとき、そのままのデータよりも、統計的分析をおこなった結果の方が結論を導くのに有効である。 この講義では、経済データの統計的分析をとりあえずExcelを用いておこなってみる。

統計学・計量経済学関連科目関連図(徳山大学経済学部)(河田作成) <この科目の位置づけ> 統計学・計量経済学関連科目関連図(徳山大学経済学部)(河田作成)  現2年生以下は全員がノートPCを所有しているので、統計学基礎、統計学、経済統計のそれぞれの科目の中で、Excelを用いたデータ分析をおこなっている。(特に、2010年度以降の統計学基礎では、この講義でおこなう実習の大部分はすでにおこなっている。)  この科目は、統計学基礎を2009年度以前に受講したか、未履修の学生を対象としている。  ただし、Excelの基本的な使い方(コピー、グラフ)を習得していることを前提とする。

講義内容 経済データのダウンロードとグラフの作成 2. 度数分布表とヒストグラム 3. 時系列データの季節調整  経済データの入手先を説明し、実際のデータで折れ線グラフを描き、基礎知識の確認をします。 2. 度数分布表とヒストグラム  テストの点数などのデータからクラス全体の傾向をつかむとき、表やグラフの形にまとめます。 → 統計学基礎、統計学で扱うトピック 3. 時系列データの季節調整  時間の順序に並べた時系列データは、季節の影響を受けることがあり、その影響を取り除く必要があります。 → 経済統計で扱うトピック 4. ローレンツ曲線とジニ係数  資産などの不平等度をあらわす尺度としてジニ係数があり、ローレンツ曲線とともによく用いられます。 → 統計学基礎、経済統計で扱うトピック 5. 回帰分析入門  因果関係のある2変数間の関係を定式化するとき、回帰分析という統計的手法がよく用いられます。 → 計量経済学でより詳しく扱うトピック

1. 経済データのダウンロードとグラフの作成 経済データの分析をおこなう場合、まずデータを入手する必要がある。 経済データは政府や民間の企業・業界団体など、さまざまな機関で作成されている。政府の作成するデータは、たとえば総務省統計局のサイト(http://www.stat.go.jp)などからExcelのファイル形式でダウンロードすることが可能である。

ダウンロードしたデータは、たとえば次のようにグラフにすることができる。

2. 度数分布表とヒストグラム あるクラスのテストの点数が次のようになっていたとする。

このような一覧のままでは、クラス全体の傾向がとらえづらいので、表やグラフにまとめてみる。それが度数分布表とヒストグラムである。

3. 時系列データの季節調整 月次データや四半期データなどは季節ごとに特定の傾向を示すことがある。 (たとえば、エアコン販売台数、ビール消費量など)

季節ごとに特定の傾向を持つデータを、そのまま前期と比較すると誤った結論を導く。 そのため、季節の影響を除く必要がある。このときに用いる方法が季節調整法である。

4. ローレンツ曲線とジニ係数 貯蓄現在高の度数分布表をヒストグラムにあらわしてみると、少数のお金持ちと多数の庶民がいることがわかる。 このような状態は、不平等であるとみなし、平等な状態†からの離れ具合を測ることにする。 † すべての人が等しく資産を所有している状態を、平等な状態と定義する。

世帯数とその階級に含まれる貯蓄現在高のデータから、累積世帯比率と、累積貯蓄比率を求める。 たとえば900万円以上1000万円未満の階級より下(すなわち1000万円未満)の、53.2%の人たちで、全世帯の貯蓄の13.0%を占めていることである。 累積世帯比率を横軸に、累積貯蓄比率を縦軸に散布図を描き、線で結んだものがローレンツ曲線。 すべての人の貯蓄が等しければ、20%の人たちで全世帯の貯蓄の20%、50%の人たちで全世帯の貯蓄の50%を占めるので、45度線となる。

完全平等線とローレンツ曲線で囲まれる部分の面積を2倍したもの  ジニ係数 - ローレンツ曲線の完全平等線からの離れぐあいを数値で表したもの  完全平等線とローレンツ曲線で囲まれる部分の面積を2倍したもの この面積の2倍 灰色の四角の面積が1なので、0と1の間の値をとり、1に近いほど不平等度が大きい

5. 回帰分析 経済理論では、さまざまな因果関係が想定されている。その1つに消費関数といわれるものがある。 これは、「消費の大きさは、所得の大きさによって決まる」というもので、   所得↑ → 消費↑(所得が増えれば消費も増える)   所得↓ → 消費↓(所得が減れば消費も減る) という関係が導かれ、「消費は所得の関数である」 といわれる。

これを数式で表すと     Y(消費) = a + b X(所得) となる。 Y(消費) Y=a+bX X(所得)

このような因果関係の検証には、所得と消費の散布図を描き、近似となる直線を求める。これが回帰分析といわれる統計分析法の第一歩である。 この分析により、所得が増えたときの消費の予測などができる。 y = -23.21 + 0.945x