外国人看護師の受け入れ問題 1086537c 北出朱美
候補生受け入れの経緯 2006年フィリピンとEPAに関する基本合意 ⇒候補生の受け入れが決定 2008年インドネシア人候補生第一陣来日 ⇒候補生の受け入れが決定 インドネシアと正式決定、タイ・ベトナムと継続協議 2008年インドネシア人候補生第一陣来日 2009年フィリピンから来日 “看護・介護分野初の労働開国”
資格取得までの流れ 国際厚生事業団のあっせんによる雇用契約の締結 インドネシアの看護師+2年の実務経験 滞在期間は3年 不合格の場合帰国 日本語研修(訪問前3か月、訪問後6か月)、看護導入研修 病院で就労・研修 看護師国家試験受験(三年間に3回) 合格・資格取得 正規就労が可能に 入国前の条件 インドネシアの看護師資格あり 取得後 更新は上限なし
日本で就労する外国人のカテゴリー 就労目的で在留が認められているもの 特別活動等 身分に基づき在留するもの 資格外活動 外国人候補生 (資格取得後も) 就労目的で在留が認められる者(いわゆる「専門的・技術的分野」) ・その範囲は「産業及び国民生活等に与える影響」を総合的に勘案して個々の職種毎に決定。 → 「高度な専門的な職業」、「大卒ホワイトカラー、技術者」、 「外国人特有又は特殊な能力等を活かした職業」に大別される。 ・各在留資格に定められた範囲で報酬を受ける活動が可能 身分に基づき在留する者 (「定住者」(主に日系人)、「永住者」、「日本人の配偶者等」等) ・これら在留資格は在留中の活動に制限がないため、様々な分野で報酬を受ける活動が可能。 特定活動等 (技能実習、EPAに基づく外国人看護師・介護福祉士候補者、 外交官等に雇用される家事使用人、ワーキングホリデー等) ・「特定活動」の在留資格で我が国に在留する外国人は、個々の許可の内容により報酬を受ける活動の可否が決定。 ・技能実習生は、入国時は、雇用関係のない「研修」の在留資格で入国し、1年経過後に雇用関係のある技能実習(在留資格「特定活動」)に移行。(本年7月1日の改正入管法施行後に入国した者は、入国当初から雇用関係のある「技能実習」の在留資格が付与される。) 資格外活動(留学生のアルバイト等) ・本来の在留資格の活動を阻害しない範囲内(1週間当たり28時間以内)で、相当と認められる場合に報酬を受ける活動が許可
在留資格 (1)在留資格に定められた範囲で就労が認められる 在留資格 外交、公用、教授、芸術、宗教、報道、投資・経営、 法律・会計業務、医療、研究、教育、技術、人文知 識・国際業務、企業内転勤、興行、技能、特別活動 (ワーホリ、技能実習生、EPA) (2)原則として就労が認められない在留資格 文化活動、短期滞在、留学、就学、研修、家族滞在 (3)就労活動に制限がない在留資格 永住者、日本人の配偶者、永住者の配偶者、定住者
政府の見解 相手国からの強い要望に基づき交渉 国家資格取得のための「教育」と「研修」目的 看護・介護分野の労働力不足への対応として日本 から要望したものではない 年間の受け入れ最大数を設定(国内労働市場へ考 慮)
日本の医療の変化 無保険者の増大、受診抑制 医療供給体制の再編 65%が民間主体(厚労省、2009) 医療費の増大 医療スタッフの不足 医療供給体制の再編 65%が民間主体(厚労省、2009) 医療費の増大 医療スタッフの不足 小泉政権の新自由主義的政策→貧富の差拡大 2009.9厚労省 国民保険 加入2064、6836世帯 滞納389、7975 資格証明書交付30、4218 月80時間
医療スタッフの不足 3割の勤務医が過労死ライン超え ライン=月80時間以上の超過時間労働 ライン=月80時間以上の超過時間労働 第七次看護職員需給見通しに関する検討会(厚労 省,2010):2011年5万6000人不足、2050年には 100万人不足…? 離職率の高さ、潜在的看護師 看護師が不足→多忙→退職→…の悪循環
各団体の反応 日本看護協会“慎重に対処すべき” 日本医師会“実行されても人不足の解決にならな い” 医労連“安易な受け入れはさけるべき” 全日本病院協会“不足の対処は潜在的看護師の掘 り起し、外国人看護師の採用が直近の解決策” 経団連“外国人材も含めた人材の確保が考慮され てもよい状況が生じている”
問題点 日本語の壁 合格率の低さ:2009年度1.2% 2010年度4% (全体では約90%) 心の壁:サービス労働、習慣や文化の違い 合格率の低さ:2009年度1.2% 2010年度4% (全体では約90%) 心の壁:サービス労働、習慣や文化の違い 国内労働市場の保護:外国人労働者→労働環 境さらに悪化? 受け入れ機関の負担
問題点に対する意見 インドネシア、フィリピン人のほうがむしろ高齢 者などの扱いがうまい(大家族が多い) ケア労働のグローバル化の流れ 労働環境悪化と外国人労働者の関係性はない
諸外国の例 アメリカ 国内の看護師220万人中、8万8000人が外国人 CV審査→入国前に看護予備試験→合格者のみ入 国、看護試験 労働市場テスト(まずは国内で募集) ウェブサイトや出版物による牽制 実技試験がない(スクリーニング不十分) 試験の数が少ない
論点 日本は外国からの労働者の受け入れは必要か 人手不足の解消のために外国人看護師を受け入れ ることについてどう考えるか 受け入れる場合、どのような制度(もしくは現行 制度の改善)が必要か 受け入れない場合、増え続ける高齢者の介護はだ れがするのか、解決策として他に考えられるもの は
参考 厚生労働省 ホームページ 外務省 ホームページ 『移民政策へのアプローチ ライフサイクルと多 文化共生』川村千鶴子ほか 厚生労働省 ホームページ 外務省 ホームページ 『移民政策へのアプローチ ライフサイクルと多 文化共生』川村千鶴子ほか 『越境するケア労働』佐藤誠編