日本における電子書籍の普及とその展望 08A2175C 芳川大輝
電子書籍の歴史 ・1980年代 電子辞書(CD-R) ・1990年 初の電子書籍端末登場 ・1990年代半ば 電子辞書(端末) インターネットの普及によって 電子書籍の配信が始まる ・1999年 携帯電話を媒体とした電子書籍 市場が生まれる ・2010年 電子書籍元年
アメリカにおける電子書籍の普及 ・普及のきっかけ 2007年のキンドルの発売。キンドルは当時、初の3G回線による通信機能を持った電子書籍端末であった。 ・電子書籍普及の原因 ①書店が少ない ②本を通販で買う習慣があった ③本の装丁にはこだわらない
電子書籍が望まれる理由 ・紙の書籍の限界 ①本が十分書店に行き渡らない ②高い返本率 ③新刊書籍増加による本の寿命の短期化 ・電子書籍の利点 ①品切れが発生しない ②在庫が発生しない ③コストがかからない
電子書籍の課題 ・ファイル形式の違い 電子書籍端末や配信サイトごとにコンテンツのファイル形式が異なっており、互換性が無い為普及の妨げになる。 ・著作権の問題 既に紙の書籍として出ているものは、電子化の際にもう一度利権関係の調整が必要 ・海賊版の問題 電子コンテンツはコピーが容易であり不正利用されやすい
電子端末 ・液晶タイプ(iPad、ガラパゴスなど) タブレットPCなど、電子書籍端末以外の用途を持つのに多いタイプ。多機能であるため高価 カラー画像を表示出来る。 ・電子ペーパータイプ(Kindle、Readerなど) 電子書籍専用端末に多いタイプ。基本的に白黒しか表現できないが、ディスプレイに表示される文字は紙の書籍に近い質感。機能が限定的であるため安価。
日本の出版社の電子書籍に対する 取り組み ・日本電子書籍出版社協会 昨今の電子書籍普及に対応する為、2010年大手出版社を含む21社が設立。各社合同の電子書籍配信サイト等を作る ・出版社に期待される役割 ①編集としての役割 ②権利問題への対応 ③ブランドの創造
出版取次の電子書籍市場への取り組み ・トーハン 書店を巻き込み、電子書籍業界でも出版取次としての地位を確立を狙う。 ・日本出版販売 書店や出版社に情報提供は行うが、直接的には関わらない。 ・印刷会社の台頭 書籍の電子化に関するノウハウがあり、市場理解も深い。
音楽市場との比較 ・音楽市場の推移 市場規模は年々縮小しているが、音楽配信サービスの占める割合は年々増えている。 ・出版と音楽業界の今後 音楽では配信サービスがCDの上位互換として成り立ったため、CD廃れたが、電子書籍は紙の書籍のそれとしては成り立たないため、電子書籍の普及に伴い廃れる事はない。
今後の日本における電子書籍の普及 ・電子書籍は普及するのか ①普及に必要な環境と技術と環境は整っている ②出版業界の窮状を救う鍵となりうる。 ⇒よって今後、普及していく ・今後電子書籍が普及していく上で必要な事 ①ファイル形式の統一 ②出版社による市場牽引 ・電子書籍は紙の書籍と共存できるか 可能。電子書籍は紙の書籍の上位互換ではなくあくまで別のコンテンツとして成り立つ。