ICEM のHIV/エイズへの対応と取り組み

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ICEM のHIV/エイズへの対応と取り組み ハンス J. シュヴァス ICEMグローバルHIV/エイズコーディネーター

グローバルレベルから見た統計 2004年の世界のHIV/エイズ感染者は 4000万人 この内、500万人は2004年にHIVに感染した人々  4000万人 この内、500万人は2004年にHIVに感染した人々 2004年、世界各国でエイズのため、300万人が死亡 これらの数値は国連UNAIDS/WHO エイズ感染速報2004年12月号から取った。 2004年のHIV感染者の総数は史上最高に達した。 HIV感染者数は毎年増えている。特に東アジア、東欧及び中央アジアでの感染者数の急増が顕在化している。 発行されている報告文書によれば、これらの数値は予想であり、感染者数の実態数の上下の予想枠を出している。感染者数はおよそ3590万人から-4430万人である。

地域レベルの統計 アジア アジアでは820万人がHIVに感染している。 2004年、120万人がエイズで死亡 1年に17.1%増加 エイズで亡くなった人の数は54万人 これらは UNAIDS/WHOのアジア地域、つまり南アジア、東南アジア及び東アジアの統計で、中央アジアは東欧地域の統計に入っており、アジアの統計には入っていない。 平均有病率は 0.4%と低いが、2004年だけでも17.1%増えた。. アジアの統計は小地域や国別の比較及び動向など重要な統計数値は出ていない。 東アジアの有病率はまだ0.1%であるが、神戸で開かれたアジア地域エイズ会議で発表された報告書によれば、2004年だけでもHIV感染者数は24%増えている。 アジア諸国の多くの人口は多いため、有病率が低くてもHIV感染者の数は多いわけである。インドの場合PLWHA(想定感染者数)は510万人と推定され、南アフリカの想定感染者数と約同数となっている。ただし、南アジアの人口はインドの人口の20分の1である。 タイとカンボジアは1990年代にエイズ蔓延が検知され、十分な資金を背景に組織、展開された各種のキャンペーンの結果、HIV/エイズ感染件数を低く抑えることに成功した。カンボジアの場合、HIVに感染した成人の数は1997年には3%であったが、2003年には1.9%に低下した。この数値はまだまだ高い。国連エイズ計画はこれを一般化された伝染病と呼んでいる。タイとカンボジアはHIV/エイズ対策に真剣に取り組んでいるようだ。また、地域内の他の諸国でも感染者が出ている。ビルマとパプアニューギニアの場合、感染率は それぞれ1.2%と1.7%だ。

HIV/エイズ – 労働組合が取り組べき問題 迫害と差別 職場へのアクセス 労働者の信用と確信 自発的カウンセリングとテスト(VCT)を支持 労働協約交渉とパートナーシップ HIV/エイズは労働組合の問題である。 HIV/エイズ感染者への差別と迫害は労働組合が取り組むべき問題である。労働組合は差別と迫害に立ち向かって闘う。 労働組合は職場にアクセスすることができる。私たちは組合員と彼らが生活している住民社会とともにHIV/エイズと闘う場合、ユニークな立場に位置している。 労働組合は労働者の信用と確信をを構築することができる。このため、極秘テストと反差別及び適正な治療について労働者の権利を擁護することについて中心的役割を果たすことができる。 VCT –自発的カウンセリングとテストがHIV/エイズとの闘いでは最初に対応するべきステップだ。 労働者にテストを受けることを奨励する取り組みが私たちに付された最大のハードルだ。労働者たちはテスト結果が極秘扱いされると信用していない。組合の幹部が自ら進んでテストを受けると、組合員もそれに続く。 差別のない職場と自発的カウンセリングとテスト並びに感染者の治療を保障する場合、労働組合の労働協約団体交渉及び企業とのパートナーシップ構築の能力が重要となる。

女性 女性が感染者の3分の1 女性は知っている 女性は家族の世話をする 女性はパートナーの不貞と性的暴力にさらされている アジアの場合、感染者の3分の1が女性である。サハラ砂漠以南のアフリカ地域の場合、この数値は57%である。 一般的に女性は男性よりもHIV/エイズ問題についての認識が高い。 女性は家族や子供たちの世話をする。また、NIF/エイズ感染者の世話をする。 女性はパートナーの不貞と性的暴力にさらされる率が男性より高い。

ICEM と HIV/エイズ 課題/挑戦 鉱業部門 製薬産業 ICEMは国際レベルで影響力を持っている。 ICEM プロジェクト計画 ICEMはHIV/エイズが最も蔓延している産業部門を組織している。鉱山部門が最もHIV/エイズ蔓延のインパクトを受けている産業である。これは鉱山労働者の仕事と生活環境 のためだ。南アの主要鉱業諸企業のケーススタディは30%近い有病率であるとした。同国の平均有病率は21.5%vである。 ICEMは製薬産業の労働者も組織している。 ICEMは国際レベルでその影響力を活用することができる。 可能な場合、ICEMは自発的カウンセリングとテスト及び治療を労働者に提供することについて主要多国籍企業との合意締結に取り組んでいる。 ICEMはまた、労働者と彼らが住んでいる住民社会のために医療施設を提供するために労働組合に資金を提供するための資金調達活動にも取り組みを拡大した。 ICEMはまた、国際組織や使用者団体と対話・協議し、保護と治療の提供についての国際社会のコミットメントを提起するよう要請している。. ICEM は現在、ICEM加盟組織を対象に、HIV/エイズに関する二つのプロジェクト計画を組織している。これらの計画について詳しく知りたい方はICEMのウェッブサイトをご覧ください。

ICEM加盟組織 課題・挑戦に取り組む 見解を提示 教育と意識向上計画 反差別と反迫害についての条項 企業とHIV/エイズに関して合意 見解を提示する: 最初の課題は労働組合が自組織内にHIV/エイズ問題の取り組み担当者を置くことである。ICEMの多くの加盟組織はそうした措置を取っており、また、HIV/エイズについての政策や行動計画を自組織内で策定している。. 教育と意識向上計画:多くのICEM加盟組織はしばしば企業、NGOとパートナーシップを結び、労働者や一般住民を対象に教育と意識向上計画を実施している。 反差別及び反迫害条項: ICEMの加盟組織の多くは労働協約の中に感染者の保護についての条項の挿入を交渉している。これは自発的カウンセリングとテストを労働者に受けるように説得する場合に肝要となる。 HIV/エイズに関する合意: 主要鉱山企業や使用者団体とHIV/エイズについて公式に合意している組合もある。さらに充実した内容の合意事項を交渉している加盟組織もある。こららの合意には自発的カウンセリングとテスト(VCT)及び高度抗レトロウイルス療法 (HAART)が含まれている。. VCT 及びHAARTの関連で、労働者に医薬品を提供することに合意した鉱山企業もある。しかしながら、労働組合は鉱山労働者以外の労働者やその家族にVCTとHAARTを提供することについて重要な役割を果たすことができる。 非典型的な労働者や周辺社会に住む人々への提供することについてだ。

HIV/エイズと労働の世界に関するILO行動規範 職場における計画のための具体的指針 国際的な認知 10の主要原則 20の言語に訳されている 教育訓練の手引き この重要な文書は労働組合が職場における活動計画を作成する時の一助となるもので、HIV/エイズと労働の世界に関するILO行動規範がそれだ。内容的は職場における活動計画のための具体的指針で、労使対話を始める時に使える文書であるため、交渉のベースとして活用できる。 ILO行動規範はILOの政労使討議の結果、策定され、2001年6月ILO理事会により採択された。 この行動規範の10原則は次の通り: HIV/エイズを職場の問題として認知する。 差別をしない。 男女を均等に待遇する。 衛生的な労働環境 労使対話 雇用機会から除外することを目的とする検査はしない。 秘密にする。 雇用関係の継続 予防 ケアとサポート この行動規範はヒンズー語、キスワヒリ語、ネパール語、タイ語、ウルヅー語、バハサインドネシア語を含む20ヶ国語に訳されている。 この行動規範の実施のための教育訓練手引きがある。この手引きのモジュールではフレキシブルな教育訓練コースが可能だ。この手引きは英語版、フランス語版、スペイン語版がある。印刷文書と CD-ROMの2形式で発行されている。.

ウェルネス・クリニックとは何か? HIV/エイズ患者のみを対象とするクリニックではない。 労働者や周辺住民が利用できる施設 自発的カウンセリングとテスト(VCT)及び高度抗レトロウイルス療法 ウェルネス・クリニック: これらのクリニックはHIV/エイズ患者のみを対象とするクリニックではない。一般的医療・保健を提供するために設置され、高度抗レトロウィルス療法を管理する訓練を受けた職員が配属されているクリニックである。 ウェルネス・クリニックは労働者だけではなく、彼らの家族や住民が利用できる施設である。契約労働者がいる場合、彼らも無料でアクセスできる施設であるべきである。 自発的カウンセリングとテスト(VCT)と高度抗レトロウィルス療法を提供しなければならない。そのためにはクリニックには医療訓練を受けたスタッフとカウンセリング担当者が配属されていなければならない。

リソース(原資) 国連エイズ計画 ILOエイズ グローバル基金 これらは皆さんが自国内あるいは国際レベルでコンタクトできる組織である。 国連エイズ計画は各国に事務所を置くとともに地域事務所のネットワークを持っている。国連エイズ計画は各種の文書を発行している。 Action · 国内にある国連エイズ計画のコーディネーターにコンタクトする。皆さんのHIV/エイズ政策とプロジェクト案を提示し、資金援助を受けることができるプロジェクト案を策定する。 · 詳しくは www.unaids.org 上でお読みください。 ILOエイズはHIV/エイズと労働の世界に関するILO計画である。この組織の強さは職場に関連する共催文書であること。従って、労働組合が実際に活用できるものだ。 HIV/エイズと労働の世界に関するILO計画はである。内容的は職場における活動計画のための具体的指針で、労使対話を始める時に使える文書であるため、交渉のベースとして活用できる。訓練教育用の報告文書も発行された。 Implementing the ILO Code of Practice on HIV/AIDS: an education and training manual. Action · 貴国内のILO事務所を訪問し、HIV/エイズの担当者と貴組織のプロジェクト案と資金援助を受ける可能性について協議する。 · 貴組織の活動やキャンペーンに関連するすべての刊行物を入手し、技術的協力計画についての情報を得る。 · ILOの活動や刊行物の詳細について知るために www.ilo.org/aids にアクセスする。 グローバル基金( Global Fund)現地の人材と能力で計画を立案、実施するための資金援助制度である。国内調整 委員会Country Coordinating Mechanism (CCM)を通じてローカルレベルで協力する公的及び民間パートナーが計画案を提出する。 CCMsへの指針には社会のすべての関係者を含むべきであるとしている。 ·CCMsのポジションと役割及び貴国内での計画の詳細について知るために www.theglobalfund.orgにアクセスする。  貴国のCCMと連絡を取る。CCMに計悪案を提出する手続きと総合的な案を作成する能力を構築する方法について調べる。 · グローバル資金のすべての報告書とガイドラインには明確に政府は非政府組織パートナーと利そーズをシェアしなければならないと述べている。 · ドイツのGTZは131各国で活動している。貴国の GTZ事務所と連絡を取ること。 BACKUP Initiative はプロジェクトアイディアを資金援助を受けることが出来るプロジェクト案にするために支援することができる。 詳しくは www.gtz.de/en/上を参照のこと。         

JAFとして何が出来るか? アジア地域にICEM計画を拡大 地域レベルのワークショップ ナショナルコーディネーター ナショナルレベルの計画 アジア地域にこのプロジェクトを拡大するためには、地域コーディネーターの任命、ナショナルレベルの委員会の設置、ナショナルコーディネーターの任命及びこれらのコーディネーターの教育訓練を含む地域プロジェクトの概念について地域会議で討議しなければならない。 当該地域での進展には2006年度に地域会議を開くことが第一優先事項である。

詳細について HIV/エイズの情報並びにICEMの取り組みについては以下のサイトをご参照ください。 www.icem.org また、お問い合わせは以下にお願いいたします。 hiv.aids@icem.org