Chapter 2 ユースケース図 FM12011 バユウユウ 山内研究室 ここではUMLの図(ダイアグラム)の1つであるユースケース図について学習します。 ユースケース図はユーザの要求を表現する目的で使用します。 そのためシステム開発(かいはつ)の初期(しょき)階段(かいだん)では特に頻繁(ひんぱん)に利用(りよう)します。 またその後ユースケース図をもとに、分析設計(せっけい)を進めUMLの他の図を作成していきますので、分析設計の出発点になる図でもあります。
システムを開発するとき、その動機はどこにあるのでしょうか? 2-1 ユースケース図とは システムを開発するとき、その動機はどこにあるのでしょうか?
ユーザの動機について、システム化を行います 2-1 ユースケース図とは 動機:現在抱えている問題や、自動化したい仕事……………. ユーザの動機について、システム化を行います まずユーザに何らかの動機があります。 ユーザは現在抱えている問題や、自動化したい仕事に対してシステム化を行いたいのです。 開発者がどのようにシステムを作りたいかは、あくまで2次的なものにすぎません。 ユーザ 開発者
2-1 ユースケース図とは ユースケース図はユーザのシステムに対する要求を表現するものです。 2-1 ユースケース図とは ユースケース図はユーザのシステムに対する要求を表現するものです。 そのためここではシステム自体はブラックボックスとして捉え、利用するユーザがシステムに要求する機能について表現します。
2-1 ユースケース図とは ユースケース図はスースケース、アクター、関係で構成されます。 システムの境界 システム ユースケース1 2-1 ユースケース図とは ユースケース図はスースケース、アクター、関係で構成されます。 システムの境界 システム ユースケース1 ユースケースはシステム内の機能を表現します。 アクターはシステム外でその機能を利用します。 システム内部とシステム外部との境界を表現するためにユースケースを四角(しかく)で囲む(かこむ)ことがあります。これをシステム境界と言います。 ユースケース2 アクター2 アクター1 関連
2-2 アクター アクターとはシステムを起動したり、システムと情報のやり取りなど相互利用を行うシステムの外部の人です。 2-2 アクター アクターとはシステムを起動したり、システムと情報のやり取りなど相互利用を行うシステムの外部の人です。 人以外にもシステムやハードウェアがアクターになる場合もあります。 相互(そうご)
2-2 アクター表記 アクターは人型アイコン(「スティックマン」)で表現します。またステレオタイプ<<actor>>を待った長方形で表現することもできます。 <<actor>> お客さん お客さん UML2.xでは、アクターとして人型以外のアイコンも自由に利用できるようになりました。 人型(ひとがた) 長方形(ちょうほうけい) パソコンのアイコンを使ったアクターの表記
2-2 アクター表記 アクターはユースケースを利用する実体を、代理的に役割として表現します。 例1 Bさん Cさん Aさん 登録 登録 登録 2-2 アクター表記 アクターはユースケースを利用する実体を、代理的に役割として表現します。 例1 Bさん Cさん Aさん 登録 登録 登録 Webショッピングシステム 実体(じったい) 代理的(だいりてき) 役割(やくわり) お客さんが三人ですが、「お客さん」アクターは1つだけあれば良いのです。 A,B,Cさんは同じアクションがありますから。
2-2 アクター表記 店員田中さん 店長 例2 顧客の登録という作業をしています ビデオの貸出や返却の仕事をしています 2-2 アクター表記 店員田中さん 店長 例2 顧客の登録という作業をしています ビデオの貸出や返却の仕事をしています レンタルビデオ店の店員田中さんは、通常はビデオの貸出(かしだし)や返却(へんきゃく)の仕事をしています。 しかし店長に依頼(いらい)され店長(てんちょう)の仕事(しごと)である、顧客の登録という作業(さぎょう)を行う(おこなう)こともあります。 演じた(えんじた) 違うアクションですから、このとき田中さんは「店員」アクターと「店長」アクターの両方をそれぞれ演じたということになります。
2-2 アクター表記 アクターは役割を表現しますので、アクター名は固有名詞ではなく、システムに対する人や物の役割を端的に表す名称を選びます。 2-2 アクター表記 アクターは役割を表現しますので、アクター名は固有名詞ではなく、システムに対する人や物の役割を端的に表す名称を選びます。 役割(やくわり) 固有(こゆう)名詞(めいし) 端的(たんてき) 表す(あらわす) 名称(めいしょう) 選びます(えらびます)
2-2 アクター分類 アクターはシステム起動したり、情報のやり取りをしますが、アクターになるのは主に次の三つです。 1、ユーザ 2-2 アクター分類 アクターはシステム起動したり、情報のやり取りをしますが、アクターになるのは主に次の三つです。 1、ユーザ 2、他システム 3、ハードウェア 主(ぬし)
2-2 アクター分類 1、ユーザ システム直接的に操作するユーザや、システムから結果を受け取るユーザが最も一般的なアクターなります。 2-2 アクター分類 1、ユーザ システム直接的に操作するユーザや、システムから結果を受け取るユーザが最も一般的なアクターなります。 操作(そうさ) 最も(もっとも) 一般的(いっぱんてき)
2-2 アクター分類 2、他システム 今回対象としているシステムは別に既存にシステムが存在しており、今回のシステムと既存のシステム間でデータのやり取りが行われる場合、既存システムをアクターとして考えます。 例:Web ショッピングシステムを例に考えてみます。 DM発送システム Webショッピングシステム 顧客情報管理システム 既存(きぞん) 存在(そんざい) このwebショッピングシステムを運用(うんよう)しようとしている会社では、 顧客情報管理システム、 DM(ダイレクトメール)発送(はっそう)システム、 アンケートシステムが既に稼働(かどう)しています。 顧客情報は、顧客情報管理システムで管理されています。 今回作成するWebショッピングシステムでも既存の顧客情報管理システムを利用することにしました。 このとき顧客情報管理システムをアクーとして考えることができます。 お客さん アンケートシステム
ユースケース図 WEBショッピングシステム 会員登録する お客さん 顧客情報管理システム
2-2 アクター分類 3、ハードウェア 外部のハードウェアと直接データのやり取りを行う場合は、このハードウェア自体をアクターとして表現します。 例:気圧や、温度などのデータを観測、記録する気象観測システムを考えてみましょう。 この気象観測システムは気圧、温度などのデータを気圧計、温度計と直接やり取りします。 そのため気圧計、温度計といったハードウェアをアクターとして考えることができる。 観測(かんそく)
コラム:システム境界 違うシステムに、同じものは異なる役割があります。この場合は、システム境界が必要します。 例 サーバ 登録する 違うシステムに、同じものは異なる役割があります。この場合は、システム境界が必要します。 例 サーバ 登録する クライアント アクターはシステムの外部からシステムを起動したり、 システムと情報のやり取りなど相互作用(さよう)をしたりします。 ここでアクター自体はシステムの範囲外(はんいがい)ですので、 何がアクターになっているかによって、システムの境界を示すことができます。 登録する システム境界 エンドユーザ
2-3 ユースケース ユースケースはシステム内の機能を表現します。 2-3 ユースケース ユースケースはシステム内の機能を表現します。 その際システムの提供する機能(振る舞い)をシステムの内部構造ではなく、あくまでもシステムの外部から見た機能に着目して表現します。 提供(ていきょう) 着目(ちゃくもく)
2-3 ユースケース表記 楕円を使います ユースケース ユースケース ースケースは楕円の中にユースケース名を書いて表現します。 2-3 ユースケース表記 楕円を使います ユースケース ースケースは楕円の中にユースケース名を書いて表現します。 ユースケース名は楕円に下に書いてもかまいません。 ユースケース
2-3 ユースケースサイズ アクターから見たシステムの機能の大きさ尺度とした場合、以下の条件に適合なサイズのユースケースと言えます。 2-3 ユースケースサイズ アクターから見たシステムの機能の大きさ尺度とした場合、以下の条件に適合なサイズのユースケースと言えます。 「1つのユースケースの機能が終了したらその目的が達成される」 「1つのユースケースの中で中断が発生しない」 例:もレンタルビデオ店の例を使います 適合(てきごう) 中断(ちゅうだん)
2-3 ユースケースサイズ ユースケースが粗すぎる例 レンタル業務を行う 店員 粗(あら) 業務(ぎょうむ)
2-3 ユースケースサイズ ユースケースが細かすぎる例 会員証のチェックをする ビデオの貸出記録を書く 料金の精算を行う 細か(こまか) 2-3 ユースケースサイズ ユースケースが細かすぎる例 会員証のチェックをする ビデオの貸出記録を書く 細か(こまか) 精算(せいさん) 料金の精算を行う
2-3 ユースケースサイズ 適切なサイズのユースケース ビデオを貸し出す ビデオを返却する 2-3 ユースケースサイズ 適切なサイズのユースケース ビデオを貸し出す ビデオを返却する 返却(へんきゃく) 「ビデオを貸し出す」と「ビデオを返却する」が適切な大きさです
まとめ 誰は何をする ユースケース アクター