フランスの年金調整会議 年金調整会議は、2000年に創設された。常設の団体であり、メンバーは国会議員、経営者・労働組合の代表、専門家、国の代表である。その主たる目的は、フランスの年金制度を監視すること、年金に関連する公的政策への勧告をすることであり、専門的知識と全ての参加者による協議に基づいている。 2003年8月21日のフランス年金制度改革法の第6項により、会議の責任が広がり、2004年5月28日の布告により、新しい構成の会議メンバーが配置された。 会議のメンバーにより、課題や指針が決められる。創設以降、首相への報告書(2つ)提出、会議の計画(3つ)、年金に関する主要な問題についての資料の発行を行ってきた。 Ⅰ 会議の権限 会議は、独立した団体であり、首相に対して報告が行われる。広範囲にわたる組織や政府機関の代表が呼び集められている。 会議は、39人のメンバーからなる。仕事は議長の指揮の下で実行されている。メンバーは、選任された公務員、雇用主団体・自営業者の代表、公私部門の雇用者の代表、家族団体・高齢者団体の代表、年金政策に最も直接に関係する政府当局の長、企画室のコミッショナー、経験や能力により選ばれた専門家、である。
会議は、少なくとも2年ごとに、首相に対して報告書を提出しなければならない。これらの報告書は、議会に配付され、国民も入手可能となる。 会議には、事務局長と専門家からなる小チームがある。政府当局と公的機関は、法律上、事務局の求めに対し、情報を開示することが必要である。 2003年8月21日の法律により、2000年原始の会議の権限が広がった。現在では、会議には次のような責任がある。 ・ 強制的な年金制度における現在の変化を、経済、社会、人口の動向について、その中長期見通しと同様に監視すること; ・ 強制的な年金制度の長期の財政の実行可能性を確保するために必要なものを評価すること; ・ 制度の財政を分析し、財政の動向を監視すること; ・ 2003年8月21日の法律に規定されているように、満額年金の資格を得るために必要とされる拠出期間数を増加させることが2008年、2012年、2016年に考慮され、当会議において決断に先立って協議されると言われているような、将来の決断についての意見を(組織的に)述べること; ・ 年金制度についての情報や財政を保証するために着手される改革の効果についての情報を普及させること; ・ 年金制度の基礎となる原則に対する事項を監視すること、また労働人口と比較した退職者の生活水準を、所得代替率を含む年金制度の動向を示すその他の指標と同様に監視すること;
Ⅱ 会議の機能 会議のメンバーは、その責任を遂行する方法を決定している。その任務の各段階において、会議は協議結果や学問分野としての専門的知識を信頼している。 会合 十分な会議が、定期的に開催されている。背景となる資料が、会議の事前にメンバーに送付されている。これらの資料は、ワーキングペーパー形式で、会議の後に公開されており、その大半はウェブサイトに掲載されている。 普及させること 情報や見解を公開することは、会議の優先事項である。政府に対して準備された報告書は発行され、広く配付されている。また公開会議が開催され、現在まで次のようなテーマを扱ってきた: ・ 年齢と労働の関係; ・ 年金制度における個人の選択と連帯; ・ ヨーロッパとアメリカの年金制度; また、会議においては、広い読者をねらった教育的資料が作成され、広められている。
協力 会議は、フランスの年金制度の運営に参加している行政機関やその他の団体と密接に機能している。そのような協力は、会議がその役割を果たすために必要な情報を得るに当たり不可欠である。 専門的知識 会議は、そのメンバーや外部から専門的知識を求めている。必要なときには、その議事において、特定の話題に焦点を当てた研究を委託している。 Ⅲ メンバー 会議は、首相から任命される議長を含み39人で構成されている。その他のメンバーは、次の通りである: 8人の国会議員: 16人の労働組合、事業主、職業団体の代表: 6人の国の代表: 6人の専門家(能力や経験により選定): 議長・副議長等である。