「日本の核物理の将来」レポート作成について ーハイパー核・ストレンジネスWGー

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担当教官 理論: 菅沼 秀夫 実験: 成木 恵 前期: それぞれ週1回のゼミ 後期: 理論ゼミ + 実験作業
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「日本の核物理の将来」レポート作成について ーハイパー核・ストレンジネスWGー 2010/12/4 研究会「ストレンジネス核物理2010」 高橋俊行

「日本の核物理の将来」レポート作成と WG設立の経緯(説明) ハイパー核・ストレンジネスWGについて WGでの議論の紹介 討論 5年後の研究内容 10年後 20年後 Kaon Project時の将来の研究計画 討論 高橋 中村

レポート作成の目的 ー中村さん(東工大)の資料よりー 日本の核物理は、21世紀に入りRIBF、J-PARCという世界の拠点となる巨大研究施設の建設により飛躍的な発展を遂げようとしている。こうした転換期に、5年後、10年後、20年後、さらには、より先の将来を見据えて、核物理をどう展開し発展させるか(させたいか)について、若手を中心とした議論の場を設け、それをもとにレポートにまとめることを目指す。

趣旨 日本の核物理の将来について、その方向性を示す。 核物理の将来像について、特に若手研究者が各自っじっくり考え議論する機会を設ける。 日本の核物理に今どんな研究テーマがあって、それが今後どうなっていくのかを、研究者が互いに知る機会とする。 RIBF, J-PARC, RCNP, ELPHなどの国内拠点施設や、その他の加速器施設の将来計画を合わせて考える機会ともする。 このレポートはあくまでも自分たちのためのレポートであり、外部向けのレポートではない。もちろん外部向けのレポート作成の材料とはなりうる。 2011年の夏までに完成をめざす(来年の秋の学会で報告)

8 Working Groups 分野 :現在の施設 世話人 不安定核(超重元素を含む): RIBF/TRIAC 中村 分野 :現在の施設 世話人 不安定核(超重元素を含む): RIBF/TRIAC 中村 ハイパー核、ストレンジネス: J-PARC,Jlab 永江 ハドロン: J-PARC, RCNP-LEPS(SPring-8),ELPH 中野 高エネルギー重イオン: PHENIX, ALICE 早野 精密核物理(軽イオン分光、ガンマ分光、3体力など) RCNP, RIBF 野呂 基礎物理(EDM,反陽子物理、ダブルβ等): 各大学、CERN, RCNP,J-PARC 岸本 核子構造: RHIC, COMPASS(CERN), Fermi-lab, J-PARC 斉藤 計算核物理: スパコン 大西 最終レポート章建てもこの枠組みで

Schedule 2011年2月 代表者会議 2011年3月or4月 全体会議 2011年6月頃 ドラフト0次案? 2011年2月  代表者会議 2011年3月or4月 全体会議 2011年6月頃 ドラフト0次案? このあたりで必要なら軌道修正? 2011年8月末 最終ドラフト提出 2011年秋の学会 シンポジウムで報告

ドラフトの内容 物理の目的や目標、これまでの経緯など、当該分野の簡単な紹介 現在進行中~約5年後までの研究計画 中期的な(およそ10年後の)研究の展望 長期的な(およそ20年後の)研究の展望 加速器施設、大型装置の更新・新設も 予算、必要人員、タイムテーブルも

ハイパー核・ストレンジネスWG 高橋俊行(KEK,代表)、中村哲(東北、副代表)、永江知文(京都、世話人) 味村周平(RCNP)、佐久間史典(理研)、鈴木隆俊(東京)、三輪浩司(東北)、藤岡宏之(京都)、高橋仁(KEK)、谷田聖(ソウル) 肥山詠美子(理研)、土手昭伸(KEK) メンバー以外の参加も歓迎 ML: np_strange_wg@nexus.kek.jp URL:http://nexus.kek.jp/np_strange_wg/

ハイパー核・ストレンジネスWG 第1回 2010/11/3 @理研 第2回 2010/12/3(Fri.) 19:00 @KEK 第1回 2010/11/3 @理研 第2回 2010/12/3(Fri.) 19:00 @KEK Open Discussion on 12/4 at Workshop 第3回 2011/1/16(Sun.) PM@KEK 第4回 2011/2/19(Sat.) PM 第5回 2011/3/12(Sat.) PM 第6回 2011/4/16(Sat.) PM

議論の進め方 中村さんからの提案 まず手始めに次の問いに答える Q1. あなたの5年後の研究テーマは何か? 次に10年後を想定して Q2. あなたが現在拠点としている研究施設について、どのようなアップグレードを行いたいか、行うべきか? Q3. そのアップグレードによりどのような物理が展開できるか? Q4. あなたの10年後の研究テーマは何か? Q5. あなたの分野について10年後に鍵となっているQuestionとは何か? Q6.ーQ9. 次に20年後を想定して、Q2.ーQ5.に答える

まずはじめは、、、 どんどんアイデアを出しましょう どんな荒唐無稽なことでも将来花開くかもしれない。 ストレンジネスの枠にとらわれない発想を

次には 物理的・学問的な意義づけを 20年後も「ハイパー核・ストレンジネス」研究は最前線の研究テーマであるのか? 核物理分野内での優先順位付け 他分野に対しての説明 20年後も「ハイパー核・ストレンジネス」研究は最前線の研究テーマであるのか? 進化しない研究分野は滅びる 「もうやることがない」まで

昨日のWGで出た意見

5年後 -J-PARCー X核スペクトロスコピー Hybrid-EmulsionでのS=-2核の研究(100Events) 採択されている(今後される)実験の着実な遂行 X核スペクトロスコピー Hybrid-EmulsionでのS=-2核の研究(100Events) X-Atom X-ray分光 ガンマ線分光 S N散乱実験(手法の確立) K核(K-pp)存在の決着 ->その物性の測定 L(1405), Kaonic Atom (H,D,4He) 中性子過剰核 12LBe 

現在のJ-PARC問題点 K1.8/K1.8BRの2か所のみ 他の可能性/近い将来建設される?BL ホールは手狭 同時に運転はできないー>実質的に1つ 他の可能性/近い将来建設される?BL K1.1BR テストビームライン・TREK K1.1 High-pとの干渉 High-p運転時には、エリアを撤去 ホールは手狭 セットアップ変更・準備にも困難 電力、冷却水は充分か?

Beam lines in Hadron Hall as Kaon Factory (2x1014 ppp, 30GeV-9mA) K1.8BR K1.8 pmax = 1.1 GeV/c IK~106 ppp @ 1 GeV/c pmax = 2.0 GeV/c IK~106 ppp @ 1.8GeV/c Double stages   Electrostatic Separators K-/(p-+m-) ~3.5@1.8GeV/c Ni Target KL K1.1BR pmax = 0.8 GeV/c IK~106 ppp @ 0.8GeV/c pmean ~2 GeV/c IKL = 1.8x107 ppp pencil-beam of 7.8msr

High-p 建設時

5年後 ー電子加速器ー JLab (12GeV upgrade project 2012-2013) (e,e’K+)分光 ->中重核領域への展開 HKS/HESでのハドロン物理 decay –p-sectroscopy(手法の確立)@Mani/JLab J-PARCでの展開へ ストレンジネス生成by電磁相互作用@ELPH

5年後 ーOthersー LC(2765)分光@Belle 重イオンでのハイパー核生成@GSI Lattice QCDによる核力が現実的に Invariant Mass Spectroscopy for L-hypernuclei 確立から展開へ Lattice QCDによる核力が現実的に 将来、現象論的核力を超え、神のような存在になるかも?

Phase II Extension (Blue) 多数の実験の同時進行(高能率) 多彩なビームの利用による多様な実験の展開(広領域) 世界でただひとつの大強度ハドロン実験施設(世界の中心)

ハドロンホール拡張とビームライン (案) T1 T2 K1.8 K1.8BR HR(高分解能パイ中間子ライン) test K0.8 KL K0.8 or K1.1, KL, m-e, g-2, … T2 K1.1 1次(高運動量)ライン

ハドロンホールとその周辺(現況)