大阪府都市基盤施設維持管理技術審議会 第1回 幹事会 ~戦略的な維持管理の推進について~ 資料4 大阪府都市基盤施設維持管理技術審議会 第1回 幹事会 ~戦略的な維持管理の推進について~ 議論テーマ1:効率的・効果的な維持管理手法の確立 大阪府 都市整備部
点検・診断・評価・計画・維持管理・更新の一連の業務実施プロセスの充実と明確化 戦略的な維持管理の推進に向けて 論点整理 議論テーマ1:効率的・効果的な維持管理手法の確立 劣化進行要素 都 市 基 盤 施 設 作 用 ・荷重 ・地震 ・洪水 等 防潮堤 護 岸 橋 梁 水門等設備 下水道 トンネル 公 園 経過年数 (経年劣化) 施工技術 使用環境 ・設置位置 ・気象条件 ・地盤条件等 設計基準 等 事後保全から 予防保全への拡充等最適な維持管理手法の設定 施設にとっての 更新時期を見極める サインは? 最適な 補修タイミングは? 点検の検証や データの蓄積、活用 長寿命化に資する 新材料・新技術・ 新工法は? 新設への長寿命化 技術の反映 土木構造物 鉄鋼(鋼) コンクリート 鋼とコンクリート 材 料 電気機械設備 鋼構造物 コンクリート構造物 複合構造物 劣化要因 腐食 疲労 など 中性化、塩害、アルカリシリカ反応、疲労など 中性化、塩害、アルカリシリカ反応、腐食、疲労など 性能低下、故障、腐食 など 点検・診断・評価・計画・維持管理・更新の一連の業務実施プロセスの充実と明確化
1 1 点検、診断、評価の手法や体制等の充実(検証等) 1 1 点検、診断、評価の手法や体制等の充実(検証等) 点検等の検証方針(案) 1.致命的な不具合を見逃さない (日常的な安全の視点) ①高齢化や使用環境、構造等により致命的な不具合 が発生する 可能性のある箇所(部位)、構造等 ②施設の劣化や損傷等により人的・物的被害を与える 又はその恐れを生じさせると予想される箇所(部 位)、構造など ※不可視部分がある場合は点検方法を明確にする。 ③災害を誘発する可能性のある状態や箇所など (既往災害の被災事例等に習う) 2.維持管理・更新に資する効率的・ 効果的な点検及びデータ蓄積 ①予防保全の拡充 ②最適な補修タイミング ③更新時期の見極め を導くための点検やデータ蓄積など ※材料等を主眼にした点検の有無の確認。 (分野横断的に整理する必要性の検討) 3.データ蓄積・活用 〇データ蓄積・活用及び管理体制 4.点検の重点化(頻度の見直し等) ○安全確保を最優先とし、施設の重要度、特性や状 態に応じた点検の実施 5.府民の理解と参画 〇協働による点検やモニタリング等 2.各分野施設毎の点検等検証 ・点 検 どこをみるのか、どのタイミングで、どのようにして? ・診断・評価 だれが、どのタイミングで、どのようにして? ・データ蓄積(活用) 何を、何のために、どのように利用するのか、その蓄積方法は? ・点検の重点化(頻度の見直し等) 施設毎にメリハリをつける必要があるか? など 各分野部会の検討事項 1.各分野施設毎の現状把握等 様式1「点検及びデータ蓄積の検証」により検証する。 ◇全体検討部会:分野横断的な検証 3.各分野施設毎の点検等アウトプットイメージ ・点検方針(重点化) 点検実施方針(重点度、特性等を考慮し点検方針を設定) 点検フロー(簡易、緊急、定期、詳細、データ蓄積等の業務プロセスを明確化) ・点検計画 点検実施方針に基づき、目的、体制(直営or委託、実施方法(遠望・ 近接、打音や機器計測など)、 頻度、診断・評価、データ蓄積・活用、点 検コストなどを明確にする。 など
1 2 点検、診断、評価の手法や体制等の充実(検証等) 1 2 点検、診断、評価の手法や体制等の充実(検証等) (対象) 〇全ての施設(構造物単位)を対象に検証。 (次ページ 対象施設一覧表 参照) 〇現在、実施している各施設、点検分類毎に検証。 (検証の流れ) ○第1ステップ:各分野部会の事務局で記入。 ○第2ステップ:各分野部会委員による検証(点検等の追加項目を記入) (参考:点検の分類) 簡易点検 日常パトロール 定期点検 緊急点検 (臨時点検) 詳細点検 (モニタリング含む) 緊急的 定期的 施設状態の必要性の分類 遠望目視 近接目視又は各種試験等 点検実施手法による分類 【点検の実施手法による分類】 [簡易点検] 日常的に施設を目視できる範囲内で行う点検(パトロール) ・施設の不具合(劣化・損傷等)を早期発見、早期対応するための巡回。 ・府民等ボランティアなど協働による点検 [定期点検] 施設状態を5年に一度など、定期的に把握するための点検 ・安全性の確認(第三者に与える被害防止等)と施設の各部位の劣化、損傷等を把握・評価し、対策区分を判定する点検。 [詳細点検] 施設の劣化・損傷状態を詳細に把握するための点検 ・補修の必要性や補修方法の検討のために劣化・損傷状態をより詳細に調査する点検。 [緊急点検] 施設の劣化・損傷状態の有無を把握するための点検 ・地震や台風、集中豪雨等の災害や社会的に大きな事故が発生した場合に必要に応じて実施する点検。
3-1点検、診断、評価の手法や体制等の充実(検証対象施設一覧) 3-1点検、診断、評価の手法や体制等の充実(検証対象施設一覧) (対象施設一覧表:土木構造物)担当部会:道路・橋梁等部会、河川・港湾・公園部会、下水等設備部会 分野 道路 モノレール含む 河川 砂防・ダム含む 港湾 海岸 公園 下水 施設・構造物 橋梁 堤防・護岸 (特殊堤を除く) 砂防堰堤 岸壁 防潮堤 遊具 管渠 トンネル 特殊堤 (コンクリート) 急傾斜施設 (擁壁・法枠・アンカー) 物揚場 突堤 園路 水槽等 舗装 (鋼構造) 地すべり施設 (集水井・横ボーリング・杭・アンカー・法枠) 防波堤 離岸堤 Co構造物 (擁壁、BOX、共同溝) 堰・床止等 均一型フィルダム 護岸 導流堤 街路樹 歩道橋 河道 中央心壁型ロックフィルダム 潜堤 排水施設 (側溝、集水桝) 地下河川・ 地下調節池 臨港道路 養浜・ 砂浜等 道路法面 緑地 交通安全施設 (道路標識、防護柵、 カーブミラー、デリネータ) 泊地 モノレール (橋脚、軌道桁)
1 3-2点検、診断、評価の手法や体制等の充実(検証対象施設一覧) 1 3-2点検、診断、評価の手法や体制等の充実(検証対象施設一覧) (対象施設一覧表:設備)担当部会:道路・橋梁等部会、河川・港湾・公園部会、下水等設備部会 分野 道路 モノレール含む 河川 砂防・ダム含む 海岸 公園 下水 施設・構造物 排水設備 (ポンプ) 水門 (樋門含む) 親水設備 沈殿池 トンネル設備 (トンネルジェットファン) 排水機場 排水等 ポンプ設備 生物反応槽 防潮扉 急速ろ過 放流ポンプ 送風機 重力濃縮 機械濃縮 消化 脱水設備 焼却・熔融 汚水ポンプ 雨水ポンプ スクリーン設備 沈砂設備 ゲート設備
1 4 点検、診断、評価の手法や体制等の充実(検証様式(案)) 様式1参照
1 5 点検、診断、評価の手法や体制等の充実 (参考) 1 5 点検、診断、評価の手法や体制等の充実 (参考) 戦略的維持管理の検討 主要な施設の定期点検状況 区分 準拠基準等 点検の 種類 頻度 (1回/●年) 対象施設 点検内容 道路 路面性状調査要領 道路防災点検要領 定期点検 3年 5年 舗装 道路法面 ひびわれ、わだち掘れ等 法面の変状 橋梁 大阪府橋梁定期点検要領(案) 道路橋 近接目視、打音 トンネル 大阪府TN点検マニュアル(案) 治水 河川 河川安全点検旬間実施要領 維持管理アクションプログラム 1年 河川管理施設 施設の損傷等を職員が目視・計測 定期調査 河道 縦横断測量による堆積・洗掘状況調査 (設備) ゲート点検・整備要領(案) 揚排水機場設備点検・整備指針(案)同解説 年1回以上 水門・樋門 排水機場 等 動作状況確認 分解整備 等 砂防 砂防・急傾斜・ 地すべり施設 施設機能の維持状況 ダム ダム操作規則及び同細則に基づく点検整備基準、調査測定基準 月1回(堤体)、年2回(設備) 堤体、ダム設備 堤体等の変状について目視・計測・放流設備の点検・整備 海岸 下水道 管渠 下水道維持管理指針 下水道管路施設点検調査マニュアル 等 カメラ点検等 原則10年 下水管渠 腐食状況確認 設備 維持管理アクションプログラム 等 定期点検等 ポンプ設備 処理設備 分解設備 等 土木 構造物 目視点検 可視部)日常 水密部)設備更新時 水処理施設 土木躯体等 港湾 施設 大阪府港湾施設 維持管理基本計画 詳細点検 10年 係留施設 外郭施設等 目視点検等 公園 大阪府営公園 公園施設安全管理要領 日常点検 毎日 月1回(精密年1回) 遊具 目視、打音など モノレール 大阪モノレール点検要領(案) 軌道桁等インフラ施設 近接目視、打音等
2 1 施設の特性に応じた維持管理手法の体系化 (検証等) 2 1 施設の特性に応じた維持管理手法の体系化 (検証等) 維持管理手法等の検証方針(案) 安全かつLCC最小化の観点から適切な維持管理手法や最適な補修時期・手法を導くために以下の点について考慮する。 Ⅰ点検結果を踏まえた損傷の程度(健全度等)や点検結果などデータの蓄積状況 Ⅱ施設の重要度(施設の利用状況、不具合が発生した場合の社会的影響度や代替性、補修・更新コスト、防災上の位置づけ等) Ⅲ施設の特性(材料、設計基準(設置時の施工技術)、使用環境、経過年数、施設が受ける外力など) 各分野部会の検討事項 1.各分野施設毎の検証 1.予防保全の拡充と適切な維持管理手法の設定(様式2) ①現在の維持管理手法と補修時期や手法の考え方(目標管理水準)の検証、維持管理手法に関する課題を抽出 ②今後の維持管理手法(めざすべき手法、適切な手法)を設定、そのために必要となる点検やデータなどを抽出 ③維持管理手法の選定におけるメリハリの必要性とメリハリのポイントの検証 施設の重要度や特性、状態に応じて、維持管理手法を変える必要があるか否か、またメリハリポイントとその理由 2.最適な補修時期・手法の検討(様式2) ①各分野施設毎に最適な補修時期・手法の考え方、最適な補修時期・手法を導くための検討内容、目標とする管理水準(施設が 確保すべき信頼性)の考え方を検討。 ②①を踏まえて、最適な補修タイミングの評価・判断基準を検討 3.重点化指標(優先順位)の設定(様式3) ○現在の重点化指標(優先順位)を検証 ◇全体検討部会:分野横断的な検証 2.各分野施設毎の維持管理手法等のアウトプットイメージ 補修・部分更新等の考え方 ・維持管理手法の選定方針、補修、部分更新等の重点化の考え方(優先順位の設定) ・維持管理手法及び目標管理水準の設定 ・最適補修時期・手法の評価・判断基準 補修、部分更新等計画 など
2 2 施設の特性に応じた維持管理手法の体系化(検証等) 2 2 施設の特性に応じた維持管理手法の体系化(検証等) (対 象) 〇全ての施設(構造物単位)を対象に検証。 〇現在、実施している各施設、維持管理手法分類毎に検証。 (検証の流れ) ○第1ステップ:各分野部会の事務局で記入。 ○第2ステップ:各分野部会委員による検証。(最適補修時期や手法については委員に意見を貰う。) (標準的な維持管理手法) (次ページ 参照)
2 3 施設の特性に応じた維持管理手法の体系化(検証等) 2 3 施設の特性に応じた維持管理手法の体系化(検証等) (標準的な維持管理手法) 維持管理手法 事後保全 予防保全 事後保全:施設の機能や性能に関する明らかな不具合が生じてから(限界管理水準を下回った後)修繕を行う。 予防保全:安全性・信頼性を損なう不具合が発生する前(規定の間隔又は基準に従って目標管理水準を下回る前)に対応を講じる。予防保全管理には、時間計画型、状態監視型、予測計画型がある。 時間計画型 状態監視型 予測計画型 時間計画型:施設の信頼性から定期的に補修、交換・部分更新を行う。 状態監視型:劣化や変状を評価し、必要と認められた場合に補修や部分更新を行う。 予測計画型:劣化を予測し、最適な補修タイミングで修繕を行う。 事後保全 性能 時間 大規模補修、更新 性能 時間 予防保全(時間計画型) 定期的な点検 性能 時間 限界管理水準 予防保全(状態監視型) 定期的な点検 目標管理水準 補修 性能 時間 限界管理水準 予防保全(予測計画型) 定期的な点検 目標(最適)管理水準 補修 定期的な補修、 交換・部分更新 限界管理水準 限界管理水準 定期的な点検により、目標管理水準を下回る直前の状態を把握し補修を行う 定期的な点検を基に劣化を予測し、LCC最小となる目標(最適)管理水準で補修を行う。
4 施設の特性に応じた維持管理手法の体系化 (検証様式(案)) 別紙様式2参照
別紙様式3参照 2 5 施設の特性に応じた維持管理手法の体系化 (検証等) 重点化指標(優先順位)の設定 2 5 施設の特性に応じた維持管理手法の体系化 (検証等) 重点化指標(優先順位)の設定 効率的かつ効果的に維持管理を行うために、不具合が発生した場合のリスクに着目して重点化を図る。 【発生確率】事故や損傷の起こる可能性に関する要素 【社会的影響度】被害の大きさに関わる要素 ※1 維持管理アクションプログラム(案) 平成17年 より リスクマトリックスの縦軸(発生確率)、横軸(社会的影響度)の 指標(健全度、経過年数・・・等)については、各分野部会で検討。 別紙様式3参照
2 6 施設の特性に応じた維持管理手法の体系化 (検証等) 2 6 施設の特性に応じた維持管理手法の体系化 (検証等) 更新時期の見極めの検討 更新時期の見極めの検討方針(案) 安全性(信頼性)かつLCC最小化の観点から更新時期の見極めについて以下の点について考慮し検討。 Ⅰ安全の観点から物理的な要因により更新すべき施設の有無。 Ⅱ機能的な視点、社会的な視点を考慮。 Ⅲ技術的・経済的実現可能性の視点を考慮。(①更新or②更新と長寿命化or③長寿命化) Ⅳ安全性(信頼性)、施設の重要度や特性、経済性、社会的影響度などを総合的に考慮。 ※部分的な更新(部材取替え)は含まない。 各分野部会の検討事項 1.各分野施設毎の検証 更新時期の見極めの検討(様式4、様式5) ①過去15年の更新及び今後10年程度の更新予定についての更新理由を検証(大規模な更新を対象とし部分更新は含まない) ②物理的な要因により更新すべき施設の有無。 「こういった施設は更新」「こうなったら更新」 ※見極めるための兆候(サイン)など評価・判断基準を検討 ③更新時期の見極めの考え方の整理(更新に至るまでのフロー等) ④ライフサイクル(寿命)の検討 「いつまで持たすか」 を明確にする。また、明確にすることが必要か否かも含め分野施設毎に検討。 ◇全体検討部会:分野横断的な検証 2.各分野施設毎の更新時期の見極めアウトプットイメージ ・更新時期の見極めの考え方(更新に至るまでのフロー等、優先順位) ・施設寿命の考え方 ・更新を見極めるためのサイン(評価・判断指標) ・更新等計画の策定 など
2 7 施設の特性に応じた維持管理手法の体系化 (検証等) 2 7 施設の特性に応じた維持管理手法の体系化 (検証等) 更新判定フローのイメージ 将来の地域・社会の構造変化を踏また構造物等の必要性など対応方針の検討 (更新or撤去・廃止、集約化等) START あ り ※1安全の観点から物理的な要因により更新 すべき施設 (見極めるための兆候(サイン)など評価・判断基準を検討) 更 新 物理的要因 (老朽化状況) から更新が必要※1 ステップ1 な し 機能的・社会的 要因を考慮した判断 あ り 更 新 ステップ2 撤 去 な し 技術的・経済的 実現性を考慮した判断 不可能 ステップ3 長寿命化 可 能 ステップ4 不 要 詳細検討の要否判断※2 長寿命化 必 要 ※2 更新検討判定マトリックス(イメージ) LCC・総合評価 ステップ5 更 新 長寿命化 更新判定フローや更新検討判定マトリックスについては、イメージを示したもので各分野部会で検討。
2 8 施設の特性に応じた維持管理手法の体系化(様式(案)) 別紙様式4参照
2 9 施設の特性に応じた維持管理手法の体系化(様式(案)) 別紙様式5参照
3 1 施設の特性に応じた維持管理手法の体系化(参考1) 3 1 施設の特性に応じた維持管理手法の体系化(参考1) 維持管理手法の分類例 H21年度 国土交通白書 今後の社会資本の維持管理・更新のあり方について 答申 H25.12 社会資本整備審議会 社会資本メンテナンス戦略小委員会 安全を持続的に確保するための今後の河川管理のあり方について 中間とりまとめH25.2.5 社会資本整備審議会河川分科会 下水道事業におけるストックマネジメントの基本的な考え方 H20.3 下水道事業におけるストックマネジメント検討委員会 静岡県 社会資本長寿命化行動方針 H25.3 【予防保全的管理】 事前に点検し、以上が確認または予測された場合、致命的欠陥が発言する前にすみやかに措置する 不具合が発生する前に対応を講ずる <時間計画保全> 定期的に交換・更新を行う <状態監視保全> 劣化や変状を評価し、必要と認められた場合に修繕・更新を行う 【予防保全】 <状態監視型> 点検・診断により劣化部位を把握し、劣化状況に応じて必要な補修等を行う (ゲート・ポンプ等の機械設備) 施設・設備の状態に応じて保全を行う 施設・設備の状態を問わず、一定期間ごとに保全を行う 【予防保全管理】 工種手全体の劣化状況分布を把握の上、目標管理水準を下回る前に補修・更新を行う <予測計画型> LCC最小化を目指した適切なサイクルでの機能延命化を行う。 構造物個別の劣化予測を行い、目標管理水準を下回る前に補修・更新を行う 【事後的管理】 損傷等が発生した後に対象する 施設の機能や性能に関する明らかな不具合が生じてから修繕を行う 【事後保全】 故障・異常の発生後に更新を行う 限界管理水準を下回る状況まで構造物を利用し続け、必要時に交換・更新を行う
3 2 施設の特性に応じた維持管理手法の体系化(参考2) 3 2 施設の特性に応じた維持管理手法の体系化(参考2) 維持管理手法の分類と用語の定義(例) 道路 港湾 海岸 公園 設備 【予防保全】 構造物の性能低下を引き起こさないことを目的として実施する維持管理 【事後保全】構造物の性能低下の程度に対応して実施する維持管理 【観察保全】目視観察による点検を主体とし、構造物に対して補修、補強といった直接的な対策を実施しない維持管理 変状および劣化による性能低下を事前に防止する 【事後保全】 施設の変状および劣化により性能低下に至ってから補修、更新を実施することで性能回復をする 【予防保全型】 損傷劣化が軽微な段階で、小規模な対策を頻繁に行うことにより、供用期間中に要求性能が満たされなくなる状態に至らないように性能の低下を予防する。 【事後保全型】 要求性能が満たされる範囲内で、損傷劣化に起因する性能低下をある程度許容し、供用期間中に1~2回程度の大規模な対策を行うことにより、損傷劣化に事後的に対処する。 施設の性能低下を引き起こさせないことを目的として事前に実施する行為。 そのままでは施設の機能が維持できなくなるほど大きくなった変状を修復する行為。 【予防保全型管理】 施設の劣化や損傷の進行を未然に防止し長持ちさせることを目的に、計画的な手入れを行うよう管理する方法をいう。 【事後保全型管理】 施設の日常的な維持管理や点検を行い、施設の機能が果たせなくなった段階で取り換えるよう管理する方法をいう。 アイテムの使用中の故障の発生を未然に防止するために,アイテムの機能劣化又は故障の確率を低減するために行う保全。 <状態監視型> 使用中の動作値及びその傾向を監視する予防保全。 <時間計画型> 定められた時間計画に従って遂行される予防保全。 【事後保全】フォールト発見後,アイテムを要求機能遂行状態に修復させるために行われる保全。 2007年制定 コンクリート標準示方書、土木学会 国総研資料No.376 港湾施設の維持管理計画作成に関する基本的考え方、H19.3 港湾の施設の維持管理計画書作成の手引きH20.12、(財)港湾空港建設技術サービスセンター ライフサイクルマネジメントのための 海岸保全施設維持管理マニュアル(案) 国土交通省 公園施設長寿命化計画策定指針(案) H24.4、国土交通省都市局 公園緑地・景観課 JIS Z8115 信頼性用語 河川用ゲート設備 点検・整備・更新検討マニュアル(案)平成20年3月
3 3 施設の特性に応じた維持管理手法の体系化(参考) 3 3 施設の特性に応じた維持管理手法の体系化(参考) 用語の定義 (寿命について) 物理的寿命:自然条件と荷重などにより逐次その機能を減耗し、通常の維持・修繕を加え てもやがて使用に耐えなくなる限界としての寿命 機能的寿命:施設が建設された時点でのプロジェクトの機能が、その後の情勢によって 変化し、これに施設の仕様が対応できない場合の寿命 経済的寿命:引き続き維持修繕によって使用するより、取替えを行う方が経済的に得策と なる限界としての寿命 社会的寿命:他のプロジェクトを要因とする環境の変化や新しいプロジェクトの出現により、 当初の施設を引き続き使用することができなくなる場合の寿命
3 4 他機関における寿命の考え方(参考) ●橋梁では、H24道示(共通編P.6)で「設計上目 標とする時間」として、一定の知見が得られているものに ついては100年を目安に設定されている。 ●表現は様々であるが、橋梁に関しては、以下のような 設定例がみられる。 大阪市 橋梁保全更新計画 H25.3 事後保全 予防保全 国交省 更新までの期間 50~75年 60~100年 大阪市 平均寿命 95年 目標寿命 120年 山口県 架替判断橋齢 札幌市 目標供用年数 橋長15m未満 60年 橋長15m以上 100年 新潟県 目標耐用年須 塩害環境 50年 それ以外 100年 国交省(自治体管理・道路橋の長寿命化修繕計画(仮称)計画策定マニュアル(案))H19.4 山口県 橋梁長寿命化修繕計画 H25.3
3 5 札幌市(橋梁)の事例(参考) 札幌市橋梁長寿命化修繕計画(H24.3改訂版)より抜粋
3 6 新潟県(橋梁)の事例(参考) 新潟県橋梁長寿命化検討委員会(第7回 H25.1.29)資料 より抜粋
3 7 H24道示の記述(参考) 道路橋示方書・同解説 I 共通編、平成24年3月 より抜粋