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市場の失敗と政府の失敗 市場経済:価格がシグナルとなって財(goods)・サービスの効率的な分配が行われる。 一方、負の財(bads)とは第3者に悪影響を及ぼす排出物のような負の財 (例)工場からのばい煙、排水など 外部性の考え方: A.マーシャルが取り入れ、A.C.ピグーが外部不経済の重要性を指摘
市場の失敗と政府の失敗(2) ピグー:外部不経済の内部化(課税・補助金(どちらにせよ税金)によって) 外部不経済:「市場の失敗」 外部不経済:「市場の失敗」 K.W.カップ:私企業体制の下で経済活動は普遍的に費用不払いの傾向を持つ →費用概念に還元できない社会的損失が蓄積 R.コース:「損害を補償するルールさえ確定 すればよい」=>コースの定理 (ノーベル経済学賞) 政府の介入に反対
市場の失敗と政府の失敗(3) E.J.ミッシャン:アメニティー権(環境権に基づく法・ルール制定の重要性を指摘) J.ブキャナン:公共選択論 環境政策における政府の失敗:市場の失敗が生じる場合の政府の公的介入が環境保全という所期の目的を果たせず、不公正であったり、効率性を阻害する場合
ポリシーミックスとは(p.87) 図3.9:ポリシーミックスのイメージ 新たな政策手段の開発や既存の政策手段の改良、適応範囲の拡大など あらゆる政策手段を組み合わせて相乗的な効果を生み出す
ポリシーミックスとは(p.87)
ポリシーミックスとは(p.88) 直接規制的手法:法令に基づく統制的な手段(大気汚染防止法による硫黄酸化物などの排出規制など) エンド・オブ・パイプ処理技術等の対処療法的政策による対応でなく、予防的アプローチによる対処が重要(生産工程野生品の変更など) 枠組規制的手法:マニュフェスト(管理票)制度など(一定の手順・手続きなどによる)
ポリシーミックスとは(p.88) 経済的手法:市場メカニズムを前提に経済的インセンティブを与えるなど、経済合理性による(デポジット制、課徴金、税金等) ・デポジット(預託払い戻し) ・課徴金:環境の利用に対し直接価格づけを行うもの(排出課徴金、製品課徴金、使用者課徴金など)
ポリシーミックスとは(p.88) ・環境税:炭素税(化石燃料の炭素含有量に 応じて炭素換算1トンあたりに課税) ・フィンランドで1990年に初めて温暖化対 策税として導入、相次いで北欧諸国が導 入に踏み切る。 ・約10年遅れでイタリアやイギリスなどEU 主要国も環境税を導入。 ・日本は「まだ」(導入の検討はしている)。
環境リスクと環境情報(p.90) ・化学物質:約2800万種登録(CAS:化学物質登録機関) ・PRTR(化学物質排出移動量届出制度) 日本:2001年4月より:354物質(表3.4) 米国:1986年より:約620種 (大学もPRTR法により規制を受ける) ・ PCB(カネミ油症)、アスベスト等 → ストック公害ともいわれる
環境リスクと環境情報(p.90)
持続可能な発展の条件 (1)持続可能な発展とは(p.92) ノルウェイの元首相ブルントラント女史の委員会報告書で打ち出された概念(1987) 定義: 「持続可能な発展とは、将来の世代が自らの欲求を充足する能力を損なうことなく、今日の世代の欲求を満たすような開発」
(1)持続可能な発展とは(p.93) ・国連大学「ゼロエミッション」を提唱(1994)
(1)持続可能な発展とは(p.94) ・日本「環境基本計画」策定(2000)<図3.10> 1)再生可能な資源は長く利用し、再生不可能な 資源はできるだけ使わず、できるだけ再生資源 で代替する 2)環境負荷の排出を、環境の自浄能力の範囲に とどめる 3)人間活動を生態系の機能を維持できる範囲内 にとどめる 4)不可逆的な生物多様性の減少を回避する
(2)循環型社会への転換(p.94) ・循環型社会構築のためのキーワード: 「環境効率性(eco-efficiency)」 図3.11 これまで:豊かさの拡大が環境への負荷に直結 これから:経済活動量を増やしながら環境負荷を 減らす → 環境効率性を高める
しかし・・・、 やはり、問題の根幹は 「人口問題」? それに直結した 「水問題(食糧問題)」? しかし・・・、 やはり、問題の根幹は 「人口問題」? それに直結した 「水問題(食糧問題)」?
60億人 17億人
経済成長・地域化 環境保全・地域化 経済成長・環境保全 グロ-バル化 沖大幹教授 ホ-ムペ-ジより
出典:沖大幹教授ホ-ムペ-ジ
20世紀の世界の水使用量と21世紀型水資源 ロンドン ・ ニュ-ヨ-ク市長:PETボトル水禁止 21世紀の循環型社会における水資源 20世紀の世界の水使用量と21世紀型水資源 ・国際水管理研究所(IWMI) 2025年には世界52の国と地域で 30億人が水不足 ・ボトル水の市場(2010年) 10兆円 (100 円/ℓ) 500万トンの PETの生産と廃棄 日本のボトル水消費量:18 L/日/人 (2006) EUの1/10 10年前は5L/日/人 A.D ロンドン ・ ニュ-ヨ-ク市長:PETボトル水禁止 21世紀の循環型社会における水資源 ・統合的水資源管理 ・質の使い分け ・水循環サイクルの小規模化・分散化 20世紀の水資源開発 ・ダム建設、長距離導水 ・大規模集中化 地球規模の気候変動 対応策 水の再利用
水の原単位(生産量1トン当たりの用水量) 食糧生産 米:2,000 トン 麦:1,000 トン 牛肉:20,000 トン 水の原単位(生産量1トン当たりの用水量) 食糧生産 米:2,000 トン 麦:1,000 トン 牛肉:20,000 トン 工業生産 小型乗用車:400 トン 鉄鋼:90 トン 石油精製:180 トン 紙:250 トン 家庭用水(1人/日) 全自動洗濯機 :105 L/回 風呂: 200 L/回 水洗トイレ(大便型) : 10 L/回 食器洗浄(手洗い) : 90 L/回 200 L/人/日
グリーン・ウォーター (Virtual water) 1トンの米を生産 :2000m3の水 1トンの穀物を生産 :1000m3の水 日本は年間3000万トンの穀物を輸入 300億m3の淡水を輸入していることに匹敵 日本の農業用水(600億m3/年)の約半分に匹敵 小麦の輸入 年間650万トン輸入
出典:沖大幹教授ホ-ムペ-ジ
Virtual Water
出典:沖大幹教授ホ-ムペ-ジ
日本の水収支 工業用水の再利用率は極めて高い 日本の水ストレス Official:944/4200=0.22 各国の水資源量(一人当たりの降雨量) Japan:6000 m3/capita/year China:7700 France:7800 India:6600 Spain:8400 USA:33300 Egypt:1700 日本の水ストレス Official:944/4200=0.22 Actual :944/2000=0.47 水ストレスが0.4以上で水問題が深刻化する 工業用水の再利用率は極めて高い
環境学 第14回目 (H25. 7. 8) http://ds. cc. yamaguchi-u. ac 環境学 第14回目 (H25.7.8) http://ds.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~imai/ kankyougaku/kannkyougaku.html
定期試験に代わる最終レポートの提出について レポート用資料(講義資料11に同じ)この講義のHPよりダウンロードしてください 提出期限は7/8(最終講義日)の講義時 環境学HP http://ds.cc.yamaguchi-u.ac.jp/ ~imai/kankyougaku/kankyougaku.html
??の宿題 ・日本における環境税の現状 について調べる レポート用紙(A4で1枚程度)に記述し、次回講義時に提出して下さい。