与信ポートフォリオの信用リスクの解析的な評価手法 :極限損失分布およびグラニュラリティ調整を軸に

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与信ポートフォリオの信用リスクの解析的な評価手法 :極限損失分布およびグラニュラリティ調整を軸に 三井住友銀行 統合リスク管理部 安藤美孝 本発表は、発表者が日本銀行金融研究所に在籍していた当時の研究に基づいている。また、発表内容は、すべて発表者個人に属し、日本銀行もしくは三井住友銀行の公式見解を示すものではない。

0.はじめに  与信ポートフォリオの信用リスク(VaR)の計算は、計算負荷の高いモンテカルロ・シミュレーションに頼ることが一般的であるが、近年、近似的な解析解を得る方法がいくつか提案されている。  本発表では、幅広い水準のパラメータで精度のよい近似を与える        「極限損失分布」 および 「グラニュラリティ調整」 の考え方を紹介する。  1ファクターのマートン型モデルの枠組みに、極限損失分布の考え方を 適用したモデルは、バーゼルⅡ(新BIS規制)における「内部格付手法の リスクウェイト関数」や、「証券化商品の取扱いにおける指定関数方式」 にも用いられている。

0.はじめに ■構成 <基礎編> 1.極限損失分布とは 2.グラニュラリティ調整とは <応用編> 3.1ファクター・マートン型モデルへの適用 4.証券化商品の経済的資本 5.まとめ

1.極限損失分布とは ◎ポートフォリオのエクスポージャーが分散化している場合には、 極限損失分布の考え方を用いて近似解析表現が得られる。  極限損失分布の考え方を用いて近似解析表現が得られる。 ■極限損失分布による信用VaR導出(Gordy(2003)) ・債務者数 M  ・各債務者への与信額 Ai ・各債務者の損失率 Li ・システマティック・ファクター X (全債務者のデフォルトに影響を与える共通の変数。 X 所与の下で Li は互いに独立とする。) ポートフォリオ全体の損失率は、            で与えられる。 以下、L のa 分位点の近似解析表現を導出する。

1.極限損失分布とは 仮定1(エクスポージャーに関する仮定) (a) (b) を満たす z > 0 が存在する。 ⇒ 無限に細分化された (infinitely fine-grained) ポートフォリオと呼ぶ。 定理1(極限損失分布)  無限に細分化されたポートフォリオの損失率分布は、極限損失分布(limiting loss distribution) E [ L | X ] で与えられる。すなわち、 X = x のとき以下が成立する。 L - E[ L | x ] → 0 (a.s.) ⇒ 例えば、エクスポージャーが均一ならば

1.極限損失分布とは ◎ポートフォリオが十分に細分化されていれば、 L のα分位点 qa(L) は qa (E [ L | X ] ) で近似できる。  さらに、以下の仮定を設ける。 仮定2  システマティック・ファクター X は単変量。 仮定3  E [ Li | X ] は、 X の単調減少関数である。  このとき以下の定理2が成立。 定理2   L のα分位点 qa(L) は、X の 1-a 分位点を x1-a として、   qa (E [ L | X ] ) = E [ L | x1-a ] =  で計算される。 仮定3E[Li|X]は連続かつ微分可能

2.グラニュラリティ調整とは ◎債務者数が少ない場合や、特定の債務者に与信が集中している  場合は、損失率 L と極限損失分布 E [ L | X ] の乖離が大きくなる。 ⇒ 両者の差異を調整するために用いられるのがグラニュラリティ調整   である。 L=E [ L | X ] + U 、 Le= E [ L | X ] + eU として、 e =1 として、3次以上の項を無視すると、 となる。

2.グラニュラリティ調整とは 定理3 はグラニュラリティ調整項と呼ばれ、    はグラニュラリティ調整項と呼ばれ、 で与えられる。ただし、 l (x)=E [ L | X=x ] 。 fX(x) は X の確率密度 関数。 ※VaRの微分については、Martin and Wilde(2002) 参照。

3.1ファクター・マートン型モデルへの適用 ◎1ファクター・マートン型モデルに、極限損失分布およびグラニュラリティ 調整を適用し、信用VaRの近似解析解を導出する。 ■1ファクター・マートン型モデルの枠組み 債務者 i の資産を表わす確率変数を Yi ~N (0,1) とし、Yi が閾値 N -1 (pi) を下回った場合にデフォルトすると考える (デフォルト率は pi )。 また、 と表わせるとする ( X と xi は互いに独立に標準正規分布に従う)。 X = x 所与のときのデフォルト率 pi(x) は、 で与えられる。 YiとYjの相関は√ρiρj である。

3.1ファクター・マートン型モデルへの適用 ■1ファクター・マートン型モデルの枠組み(続き) 債務者 i のLGD(デフォルト時損失率):  Qi~N(mi , si2) 債務者 i のデフォルトを表わす定義関数: Di=1{Yi < N -1 (pi) } ポートフォリオ全体の損失率は、 で与えられる (ただし、wi = Ai / S Ai )。 このとき極限損失分布 E [ L | X ] は、 で与えられる。

3.1ファクター・マートン型モデルへの適用 ■α分位点の解析表現 L のα分位点 qa(L)は、 qa(E[ L | X ]) + Dqa(L) で近似できる。 

3.1ファクター・マートン型モデルへの適用 ■近似解と厳密解の比較(均一ポートフォリオ)

3.1ファクター・マートン型モデルへの適用 ■エクスポージャー分布を変更してのシミュレーション  モンテカルロ・シミュレーション(または厳密解)によるVaRと  近似解によるVaRの乖離率を計算

3.1ファクター・マートン型モデルへの適用 ①均一分布

3.1ファクター・マートン型モデルへの適用 ② 10%の先に集中

3.1ファクター・マートン型モデルへの適用 ③ 5段階分布

3.1ファクター・マートン型モデルへの適用 ■まとめ ・極限損失分布およびグラニュラリティ調整による損失分布の分位点の解析表現は、幅広いパラメータの水準で、比較的良好な精度の近似を与える。 ・債務者数が少ない場合や、与信が集中している場合には、近似精度が悪くなる恐れがある。

3.1ファクター・マートン型モデルへの適用 (参考)バーゼルⅡにおける信用リスク測定手法 (Basel(2004)) ・標準的手法:外部格付に応じてリスクウェイトが定まる手法。 ・内部格付手法:定められたリスクウェイト関数に、銀行推計による  PD、LGD 等のパラメータを代入し、リスクウェイトを決定する手法。 例:事業法人向けのリスクウェイト関数 1ファクター・マートン型モデルおよび極限損失分布の考え方が用いられている。

3.1ファクター・マートン型モデルへの適用 若干の考察 ・内部格付手法のリスクウェイト関数には、1ファクター・マートン型モデルの枠組みに、極限損失分布の考え方が適用されている。 ⇒ ポートフォリオの構成に依らず、債務者の性質のみによってリスクウェイトが決定される(ポートフォリオ不変性)。 ・債務者数が少ない場合や、与信が集中している場合には、実際のリスク量とは乖離する恐れがある。 ⇒ 銀行が保有するような大きなポートフォリオでは、債務者数は十分で あるが、与信の集中には注意が必要である。

4.証券化商品の経済的資本 ◎ Gordy and Jones(2002) による証券化商品の経済的資本の近似解析 表現導出について述べる。導出には、極限損失分布の考え方が用い られている。 (参考)バーゼルⅡの証券化商品における内部格付手法 ・外部格付準拠方式:  外部格付に応じてリスクウェイトが定まる方式 ・指定関数方式:  当局設定の関数(supervisory formula)による方式  → Gordy and Jones(2002) による方法が基になっている

4.証券化商品の経済的資本 ■証券化商品の経済的資本算出の考え方

4.証券化商品の経済的資本 ■前提(ポートフォリオ) ・ 証券化商品の原資産ポートフォリオおよび、証券化商品に投資してい  る投資家のポートフォリオは十分に細分化されている ・ 共通のシステマティック・ファクター X ・ 原資産ポートフォリオの損失率 L ・ X = x1-a 所与のときの L の分布関数 ・ 原資産ポートフォリオは均一で、債務者数 M ・ 債務者のデフォルトは、1ファクター・マートン型モデルの枠組みに従  い、デフォルト率 p、資産相関 r、LGDは平均 m、分散s2の同一分布に 従う

4.証券化商品の経済的資本 ■前提(ポートフォリオ) (続き) このとき、 となる。ただし、 pa は X = x1-a 所与のときのデフォルト率で である。

4.証券化商品の経済的資本 ■前提(証券化商品のモデル化) 証券化商品は m 個のトランシェ 1 からトランシェ m で構成されていると考える。各トランシェの原資産ポートフォリオに占める割合を、 とし、 はパラメータ                    のディリクレ分布に 従うとする( の期待値は(w1,…, wn) )。t は、 の不確実性を表わす パラメータとなる。 さらに、累積補完水準および期待累積補完水準を で定義する。

4.証券化商品の経済的資本 ■経済的資本の導出 投資家が、補完水準 0、厚さ z(定数)の最劣後トランシェに投資するときの経済的資本 C(z) は、 X = x1-a 所与のときの期待損失 で与えられる。 ⇒ トランシェ j の経済的資本は Kj= E[C(Zj) - C(Zj-1) ] で与えられる。 Zj はベータ分布 Beta(tzj , t (zj - 1) ) に従うので、 となる。ただじ、 B(z; a, b) はベータ分布 Beta(a, b) の分布関数。

4.証券化商品の経済的資本 ■経済的資本の導出(続き) 期待累積補完水準 z までの最劣後部分の経済的資本は で与えられる。 K(z ) を解析的に計算することは難しいが、t が100より大きい場合には、 と近似することができる。

4.証券化商品の経済的資本 ■数値例(限界経済的資本)

5.まとめ ・極限損失分布の考え方は、バーゼルⅡに広く採用されており、その考え方を理解することは実務上有益である。 ・極限損失分布およびグラニュラリティ調整を用いた近似解析表現は、幅広いパラメータでよい近似精度を示し、実務上の利用価値も高いと考えられる。 ・ただし、債務者数が少ない場合や、与信が集中している場合には、近似精度が悪くなるため、その特性および限界を把握することが重要である。

主な参考文献 ・安藤 美孝、「与信ポートフォリオの信用リスクの解析的な評価手法 :極限損失分布およびグラニュラリティ調整を軸に 」、『金融研究』、第24巻別冊第1号、日本銀行金融研究所、pp. 39-120、2005年 ・Basel Committee on Banking Supervision, “International Convergence of Capital Measurement and Capital Standards,” Basel Committee Publications No. 107, June 2004. ・Gordy, M. and D. Jones, “Capital allocation for securitizations with uncertainty in loss prioritization,” Basel Committee Working paper, 2002. ・Gordy, M., “A risk-factor model foundation for ratings-based bank capital rules,” Journal of Financial Intermediation, 12(3), July 2003, pp. 199-232. ・ Martin, R. and T. Wilde, “Unsystematic credit risk,” Risk, 15(11), 2002, pp. 123-128.