2010年9月19日 県立ぐんま天文台 賛助: IRAF研究会(天文学校参加生) 他

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2010年9月19日 県立ぐんま天文台 賛助: IRAF研究会(天文学校参加生) 他 TISF(東京国際科学フェスティバル)参加イベント 丸くてでこぼこな月 ~月の立体画像~ 2010年9月19日 県立ぐんま天文台 賛助: IRAF研究会(天文学校参加生) 他

お盆のような月。。。 鏡のような月。。。 クレーターだらけの月。。。 月の形のイメージ。。。 お盆のような月。。。 鏡のような月。。。 クレーターだらけの月。。。

超高解像度でみると。。。 影の様子から凹凸が推察される

ぐんま天文台 新井 寿作 製作秘話は9月23日「私の天文学」講演会にて 月の凹凸が見える特別な場合 ぐんま天文台 新井 寿作 製作秘話は9月23日「私の天文学」講演会にて

超高解像度で凹凸は推認でき、 日食で月面の凹凸は確認できた。。。 月の立体的な形をとらえよう しかし、ふつうは奥行きはみえない(望遠鏡を使っても) 日食でさえ、その瞬間に、縁の凹凸だけ、影としてわかる程度 日常的に、 月面のどんな場所でも、 影でなく光のあたる姿として、   でこぼこを見る方法は?!?

立体視(Stereograph) 立体視 肉眼での立体認識 奥行きを識別する能力 10cmくらい離れている左目と右目でものを見る 視力とは別 肉眼での立体認識 10cmくらい離れている左目と右目でものを見る 見える方向の違いが奥行きとして感じられる

立体視の原理 Õ 左目で見た風景 右目で見た風景

サンプルが待機室に

立体視できる距離 経験値 立体視できる(奥行きが感じられる)距離 約600mまで(両目の距離の6000倍) 100mとして応用すると。。。 経験なども勘案して判断しているらしい きっと凹凸の深さにもよると思うが。。。 100mとして応用すると。。。 異なる場所でとった2枚の画像を並べると、 その二点間の距離の1000倍の距離まで 立体にみえる。 経験値

月への応用 月の奥行きを立体視するには 月までの距離の1/1000の距離だけ離れた 2地点で観測した2枚の画像を並べる 月までの距離の1/1000の距離だけ離れた 2地点で観測した2枚の画像を並べる 月までの距離は約38万km 380000km / 1000 ~ 380 km 群馬と大阪くらいで撮影すれば十分 南半球の人の画像と合わせてもよい

一地点で観測する工夫 他に?? 「一地点」で「距離」を出すには??? 相手の動きを利用する 月の動き 自分の動き ??? 自分だけではどうしようもない 他の助けが必要 動きを使う、時間差攻撃 相手の動きを利用する  月の動き 自分の動き ??? 「群馬」は固定 「群馬」をのせて動いているもの? 他に?? あなたは天動説から解放されているか

一地点で観測する工夫 月の自転 月の公転 地球の公転 地球の自転 太陽の運動

一地点で観測する工夫 月面と相対的に動く 地球の公転(太陽周り) 月も引き連れて同じ動き → 使えない 月の自転と公転 月も引き連れて同じ動き → 使えない 月の自転と公転 月の自転と相殺  → 月の運動は使えない 地球の自転 → 使える

一地点で観測する工夫 月の自転 月の公転 地球の公転 地球の自転 太陽の運動

一地点で観測する工夫 40000km / 24時間 ~ 1600 km/時間(赤道) >> 400 km 約1時間あいだをあけて 月を撮影して並べてみる あまり時間を開けると月相の違いがみえる 6400km

月の地形の特徴 海と高地 うさぎの餅つきのようにみると、 高地にはクレーターがたくさん 海にはほとんどなし うさぎや杵にあたる灰色の部分が海 より白い部分が高地 高地にはクレーターがたくさん 海にはほとんどなし 月は、ほぼ地球と同時に、短い期間で誕生 誕生直後は小さな岩石の破片が無数に衝突 火山の噴火により溶岩が表面を流れ海を形成 日本のシミュレーションが活躍

クレーターの名称 アサダ 麻田剛立(医者、天文学者) ハタナカ 畑中武夫(天文学者) ヒラヤマ 平山清次 or 平山信(天文学者) アサダ 麻田剛立(医者、天文学者) ハタナカ 畑中武夫(天文学者) ヒラヤマ 平山清次 or 平山信(天文学者) キムラ 木村栄(位置天文学者) ムラヤマ 村上春太郎(天文学者) ナガオカ 長岡半太郎(物理学者) アジマ 安島直円(数学者) ニシナ 仁科芳雄(物理学者) ヤマモト 山本一清(天文学者) レイコ(日本の女性名) タイゾウ(日本の男性名) ヨシ(日本の男性名)        などなどなど       (IRAF研究会による)

月の裏側には海がほとんどない 月は地球にほぼ同じ面を向けている 月の地形の形成 月の裏側には海がほとんどない 月は地球にほぼ同じ面を向けている アポロ(米)、ルナ(ソ)衛星の活躍

かぐやの活躍 主な月探査 1959 ルナ3号(ソ連) 1969 アポロ11号(米) 1979 アポロ17号 長いブランク 月の裏面撮影 1959  ルナ3号(ソ連)  月の裏面撮影 1969 アポロ11号(米)  世界初月面着陸 1979  アポロ17号  6回目の月面着陸 6回で計80時間の滞在、岩石400kg採取 長いブランク

かぐやの活躍 2007年9月14日うちあげ 2009年6月11日まで

かぐやの活躍 2007.9 かぐや(日) 現在 LRO(米) 今後 インド、中国 2年間の月面調査 2007.9  かぐや(日)   2年間の月面調査 「おきな」、「おうな」という   二つの小衛星 ハイヴィジョン その他さまざまな装置 現在  LRO(米) 今後 インド、中国

   アポロ15号着陸時        かぐや撮影

かぐやの活躍~わかったこと アポロ以来の超細密月面図( ハイビジョン等) 標高地形図(レーザー測距) 1kmサイズのクレーターまでとらえる クレーター年代学の進歩へ 標高地形図(レーザー測距) 最高地点と最低地点の標高差  ~20km   エベレスト~海溝に匹敵 永久に日照がない地域   氷の存在? → NO 永久に日照があたる地域  エネルギー源

重力測定(おうな/おきな) クレーター領域の重力場 裏面: 多重リング 堅い地形 表面: 一重 高温でやわらかい地形 かぐやの活躍 重力測定(おうな/おきな) クレーター領域の重力場   裏面: 多重リング  堅い地形  表面: 一重      高温でやわらかい地形

JAXA、ビデオアーカイブで検索 http://jda.jaxa.jp/jda/v3_j.php?time=N&mode=level&gen かぐやの活躍 (動画) JAXA、ビデオアーカイブで検索 http://jda.jaxa.jp/jda/v3_j.php?time=N&mode=level&gen ポシドニウス 100km 雨の海 1100km ライプニッツ 2500km ジョルダノブルーノ

Jeremy Bailey (University of New South Wales) and Steve Lee (AAO) かぐやの最期 http://wms.selene.jaxa.jp/selene_viewer/jpn/observation_mission/hdtv/077/hdtv_077_hdtv_last.html 地上からも見届けられた。。。 Jeremy Bailey (University of New South Wales) and Steve Lee (AAO)

今日のみなさんの動き この会場で撮影券で班を確認(A/B/C/D) 説明会会場から撮影広場へ移動(しおり裏) 通路が複雑なので誘導に従ってください 撮影会場では班ごとに望遠鏡へ進む スタッフの指示により撮影 撮影後、立体画像を受取りに待機室へ 画像作成に30分程度かかるので、その間は 望遠鏡による観望会などもご利用下さい 最終画像は各班のベスト画像と別の一枚で構成 立体視の資料が待機室にあります

All you need to do tonight 今日のみなさんの作業 All you need to do tonight セットアップ  フォーカスや画角の微調整 (スタッフ指示) 望遠鏡はほぼ月に向き、カメラも取り付けてあります 微調整の内容は天候等によりかわります シャッターを押す

撮影会場への長い未知の道