Ⅳ 交換相互作用 1.モット絶縁体、ハバード・モデル 2.交換相互作用 3.共有結合性(covalency)

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Ⅳ 交換相互作用 1.モット絶縁体、ハバード・モデル 2.交換相互作用 3.共有結合性(covalency) 4.超交換相互作用、異方的交換相互作用

電子相関(electronic correlation) Ⅳ-1 モット絶縁体、ハバード・モデル 金属、絶縁体、モット絶縁体 バンド理論 (tight binding model) odd number of electrons : metals even number of electrons: insulators or (semi)metals 電子相関(electronic correlation) 1原子あたり整数個の電子 バンド幅 w=zt << Uのとき、 モット絶縁体 U ハバード・モデル(単一バンド) t 絶縁体:t を摂動として考える。

超交換相互作用(transferの2次摂動) Ⅳ-2 交換相互作用 クーロン相互作用の期待値 直接交換相互作用 超交換相互作用(transferの2次摂動)  Pauli原理によりホップできない。 (2次摂動のプロセスはない。) (1)平行スピン (2)反平行スピン 始状態 1 2 中間状態 1 2 1 2 終状態 1 2 1 2 1 2 1 2

スピンに関する縮退がある場合の2次摂動エネルギー 等方的ハイゼンベルグ相互作用 1

Ⅳ-3 共有結合性(covalency) 殆どのイオン結晶中では磁性イオンは陰イオンを介して結ばれている。 交換相互作用のベースのなる軌道(スピンが乗っている軌道)      d-p混成軌道(分子軌道) s-bond x2 p-bond y2 -y3 y1 x3 -x1 -y4 -x4

p-d 混成 Ed t Ep エネルギー固有値 Ed Ep 反結合軌道 anti-bonding 結合軌道 bonding

p状態のスピン密度はNMRによって観測できる。 スピン密度は反結合軌道上に分布する。 陰イオンps軌道のスピン偏極度 p状態のスピン密度はNMRによって観測できる。 19F NMR in KMnF3, KNiF3, K2NaCrF6 (R. G. Shulman and S. Sugano, Phys. Rev. 130 (1963) 503.) F原子核の内部磁場の原因 1.隣接d-スピンからの双極子磁場 2.偏極したp状態から超微細磁場 双極子磁場 3.偏極したs状態からの超微細磁場 Fermi contact field 

KNiF3 KMnF3 周波数一定:w=60 MHz 磁場を掃引 K2NaCrF6

z pz z px, py 1.隣接d-スピンとの双極子相互作用 双極子磁場: シフト: 2.偏極した2pスピンとの双極子相互作用 各軌道の寄与を加えて:

z K2NaCrF6 KMnF3 KNiF3 どれも軌道縮退なし (3d)3 (3d)5 (3d)8 3.偏極した2sスピンとの双極子相互作用 実験値よりfs, fs-fpを決める。 K2NaCrF6 KMnF3 KNiF3 どれも軌道縮退なし (3d)3 (3d)5 (3d)8

Mn2+: fS=0.5 %, fs-fp=0.2 % Ni2+: fS=0.54 %, fs=3.8 % KNiF3 KMnF3 Mn2+: fS=0.5 %, fs-fp=0.2 % Ni2+: fS=0.54 %, fs=3.8 % Cr3+: fS=0.02 %, fp=4.9 % K2NaCrF6

Ⅳ-4 超交換相互作用(superexchange interaction) molecular orbital Wannier orbital 180度結合 縮退がない場合: Superexchange (反強磁性):

Goodenough-Kanamori rule 90度結合 異種スピン間の 相互作用 Hoppingがない。 Direct Exchange(Hund rule)のみ。 強磁性的。 運動交換が支配的 --- 反強磁性的。 交換相互作用の値は軌道状態に依存する。

軌道縮退がある場合:スピンと軌道自由度の結合 例:立方対称場中の Mn3+ (3d)4 Eg スピン:S=1/2 軌道:2重に縮退した Eg 状態 T2g 擬(軌道)スピン: t=1/2 LaMnO3 スピンと軌道と格子変形が結合した秩序状態 ab面内:軌道反強秩序、スピン強磁性 c軸方向:軌道強磁性、スピン反強磁性

交替的Jahn-Teller効果 反強軌道秩序 KCuF3 c軸方向:反強磁性 ab面内:強磁性 良い1次元反強磁性体