新春講演会 腎臓病  について知っていますか? 田名内科クリニック    田名 毅.

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A-3 女性用 健診結果から今の自分の体を知る 内臓脂肪の蓄積 ~今の段階と将来の見通し~ 氏名 ( )歳 摂取エネルギーの収支
1. 糖尿病による腎臓の病気 =糖尿病腎症 2. 腎症が進むと、生命維持のために 透析療法が必要になります 3. 糖尿病腎症の予防法・治療法
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1. ご高齢の糖尿病患者さんと 若い人との違いはなに? 2. ご高齢の糖尿病患者さんの 治療上の注意点 3. ご高齢の糖尿病患者さんの
腎臓の働き ●体内の水分量やいろいろな成分のバランスを保つ ●血液をろ過し、不要なものを尿中に捨て、必要なものを再吸 収する浄化装置作用  収する浄化装置作用 ●赤血球を作るホルモンを分泌 ●血圧を調節するホルモンを分泌 ●ビタミンDを活性化し、骨を丈夫にする.
三重大学医学部附属病院 総合診療部 竹村 洋典
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新春講演会 腎臓病  について知っていますか? 田名内科クリニック    田名 毅

人の身体はどういう構成になっているでしょうか? 五臓六腑の五臓とは? 肝臓 心臓 脾臓 肺 腎臓 主な臓器で専門科を分けると・・・・・ 脳・・・・神経内科、精神科、脳外科 心臓・・・・循環器科 肺・・・・呼吸器科 胃・大腸・・・・・消化器科 肝臓・膵臓・・・・消化器科 腎臓・・・・腎臓内科、泌尿器科

腎臓はどこにあるの? その大きさは? 9-11cm 腎臓が二個あるのは 神様が、万が一の ためにスペアを 作ってくれた と考えてもいい

腎臓の働き

腎臓はどのような働きをしているのでしょうか? (1)身体でできた老廃物を排泄    蛋白質ももえかすである尿素は尿から排泄されます (2)身体でできた酸を排泄    細胞は酸に弱いのでこの働きは重要です (3)ミネラルの調節    食事でとった塩分はほぼ同じ量、尿から排泄されます (4)循環する血液の量を調整 (5)ビタミンDの活性化    ビタミンDは骨において大切な働きをします (6)赤血球を作るホルモンであるエリスロポエチンを産生 あまり知られていない働き

では、腎臓病にはどういうものがあるのでしょうか? (1)尿タンパクが出る病気 身体にとって大切なたんぱく質がもれてしまう 一過性の尿タンパク      良性蛋白尿         運動時、発熱時、起立性      急性腎炎   発熱、倦怠感など症状を伴う 持続性の尿タンパク(いつはかってもでている)      慢性腎炎         主にIgA腎症      糖尿病性腎症   ※ 十分に気をつけないと腎不全になってしまう

(2)尿潜血(目ではわかりにくい血尿)、血尿が出る病気 ただの尿潜血     中高年の女性でよくみられる、悪いものではない 腎臓からの血尿     慢性腎炎       特にIgA腎症は、かぜをひくと血尿がでることがある       尿タンパクを伴うときは要注意 泌尿器科に関する血尿     尿管結石   痛みを伴うときはほとんどがこの病気     出血性膀胱炎、腎盂腎炎     腎癌、尿管癌     膀胱癌 70歳以上の人は注意

腎結石や腎盂腎炎を繰り返しても悪くなることがある (3)腎臓を悪くするその他の病気 痛風腎     尿酸が高いことが腎臓に負担をかける 腎硬化症     高血圧、加齢により徐々に腎機能が悪くなる     これによって透析になる人がふえている 多発性嚢胞腎     遺伝的な病気、徐々に腎機能が悪くなる     ※ 2-3個程度の嚢胞なら問題はない 膠原病が関係した腎臓病     全身性エリテマトーデス     リウマチによるアミロイドーシス  腎結石や腎盂腎炎を繰り返しても悪くなることがある   

(4)腎不全 腎臓が働かなくなった状態 急性腎不全 慢性腎不全 一時的な腎不全だが、透析が必要なときもある (4)腎不全  腎臓が働かなくなった状態 急性腎不全     一時的な腎不全だが、透析が必要なときもある     原因が取り除かれ、手当てがよければ治る 慢性腎不全     この状態になるとよくなることはない     いかに進行を遅らせるかが、大切になる     体調に変化(食欲不振など)がでたときは透析が必要 腎不全はこうして進みます。

慢性腎不全の症状 (腎臓が働かなくなった状態) 気分不良、倦怠感 食欲不振、吐き気 皮膚のかゆみ (1)身体でできた老廃物を排泄 (2)身体でできた酸を排泄 (3)ミネラルの調節 (4)循環する血液の量を調整 (5)ビタミンDを活性化 (6)赤血球を作る カリウム、リンの上昇 血圧上昇、心不全 Caの低下 骨への影響 貧血 ※腎臓の働きはたくさんあるのです

最近は腎臓が悪くなり、 透析が必要になる人が 増えている・・・。 これはなぜなのか? 沖縄は本当に多いのか?

導入患者数 (人口100万人対、2000年度) 患者数(人口百万人対) 300 200 100 日本 アメリカ 台湾 ブルネイ ドイツ アメリカ 台湾 ブルネイ ドイツ ギリシャ チェコ カナダ カタロニア オーストリア ハンガリー ウルグアイ スウェーデン チリ ニュージーランド フィンランド オランダ オーストラリア ノルウェイ ブルガリア ポーランド フィリピン ロシア バングラデシュ USRDS

年令別透析導入数 透析導入数(対人口一万・十年) 年 度 120 100 80 60 40 20 1971-1980 1981-1990 70- 60-69 80 50-59 40-49 60 -39 40 20 1971-1980 1981-1990 1991-2000 年 度 Kidney Int 61: 668-675, 2002

導入患者数および増加率(対前年度) 米国 日本 患者数(人口百万人対) 350 350 300 300 250 250 200 200 全体 患者数(人口百万人対) 300 300 全体 250 250 200 200 糖尿病 150 150 高血圧 糖尿病 100 100 腎炎 50 腎炎 50 高血圧 のう胞腎 92 94 96 98 00 92 94 96 98 00 年 度 年 度 USRDS JSDT

原疾患別透析導入数 糖尿病 透析導入数(対人口一万・十年) 年 度 30 25 20 15 10 5 1971-1980 1981-1990 その他 25 腎硬化症 SLE 20 多発性のう胞腎 15 糖尿病 10 5 慢性腎炎 1971-1980 1981-1990 1991-2000 年 度 Kidney Int 61: 668-675, 2002

一般住民における糖尿病の頻度と透析導入率 200 透析導入率・糖尿病患者(人口百万対) y = 28.637x - 49.788 R2=0.8217 P<0.01 150 100 50 4 5 6 7 8 一般住民における糖尿病の頻度、% USRDS1991-2000

導入患者 (人口100万対) 平均 SD 最大 最小 266.7 42.7 366.8 192.1 低 - 高 ;1-9 位 ;1-9 位 ;10-19 位 ;20-29 位 ;30-39 位 ;40-47 位 JSDT2001

日本に腎不全が多い理由 (1)慢性腎炎は治療方法が確立してきたため、 増加は頭うちになっている しかし、減っているわけではない   増加は頭うちになっている                   しかし、減っているわけではない (2)糖尿病の増加とともに、これにより透析になる患者が   増加している (3)医療の発達により寿命が延びた分、腎硬化症により   高齢になって透析を始める人が増加している

では沖縄に腎不全が多いのはなぜ? ※ 沖縄は全国一、肥満の人が多い県!! 脂質摂取量が多く、肥満が多い沖縄は 糖尿病にかかる人が増え、腎臓をわずらう人も 増えている ※ 沖縄は全国一、肥満の人が多い県!!

肥満の割合の全国ワースト5(2004年度) 男性 ダントツの第一位!! 46.9% 全国 平均

肥満の割合の全国ワースト5(2004年度) 女性 男性に負けず女性も第一位!! 26.1% 全国 平均

透析患者の発生率と降圧薬の使用状況の関係 人口10万 あたりの 発生率 降圧薬 の使用量 (総売上) ACE 阻害薬 の売上 東北 216 5790 1530 関東 224 4150 1020 近畿 238 4190 1010 九州 264 4440 1040 沖縄 274 2980 730 ※ 沖縄は降圧薬、なかでもACE阻害薬の使用量   が少ないことが透析患者を増加させている。

腎不全にはどんな治療方法があるのか? (1)血液透析    週に3回 1回3-4時間    ※現在は90-95%はこの治療

(2)腹膜透析   主に自宅でできるが、自己管理が必要

(3)腎臓移植    身内からもらう生体腎移植    提供者からもらう死体腎移植     ※沖縄県で年間10名程度                                                                                                                             

今、腎臓医療に  求められているのは    何でしょうか?

(1)腎臓病を早くに見つけて、 腎臓病をもつ人を継続的して追跡する 尿タンパク陽性の人をいかに早くみつけるか 検診を受ける人を増やす   腎臓病をもつ人を継続的して追跡する 尿タンパク陽性の人をいかに早くみつけるか   検診を受ける人を増やす    ※自営業、中小企業の人たちへの働きかけ   糖尿病の人に尿タンパク陽性の意味を知ってもらう 学校検診、住民検診、職域検診、人間ドックで 尿タンパク陽性になった人をいかに継続して追跡するか  ※検診を受けなくなって、気付いたら腎不全という事態を    回避する  かかりつけ医のみでなく、尿タンパクを監視していく  システムづくり!!

(2)腎臓病に早期から取り組む 慢性腎炎(IgA腎症) 糖尿病性腎症 尿タンパク陽性、尿潜血陽性の人を腎臓専門の先生 に早めに受診させ、必要な人は腎生検を受けてもらう。 IgA腎症と診断がついたら、適切な時期に ステロイド治療、扁桃腺の摘出を受けてもらう。 糖尿病性腎症 糖尿病にかかった期間が2-3年以上たつと、 微量アルブミンをチェックし、陽性の人には 早めに腎臓を守る血圧の薬を飲んでもらう。

血圧コントロールの目標(JSH2004) 1)若年、中年者の降圧目標は 130/85mmHg未満とする。 2)高齢者高血圧の降圧目標は 2)高齢者高血圧の降圧目標は       140/90mmHg未満とする。 3)糖尿病、腎臓病患者の降圧目標は  130/80mmHg未満とする。

・・・・透析導入をふせぎたい、遅らせたい (3)腎不全になった人の腎臓をいかに   長持ちさせるか?   ・・・・透析導入をふせぎたい、遅らせたい ・血圧のコントロール・・・・130/80mmHg未満 ・タンパク質を食べる量を制限する                 ・・・・普通の半分 ・Kの制限・・・・生野菜、くだものをひかえる ・貧血の管理・・・・・Hb10g/dlを維持する ・腎臓が悪くなりかけたら、短期間でも入院し、            食事の見直し、血圧の薬の調整 ※このあたりからは腎臓専門の医者が診ることが望ましい

(4)質の高い透析医療・・・ 総合的な知識が必要になる ・透析を十分に行うことは第一条件 ・エリスロポエチンによる良好な貧血の管理           総合的な知識が必要になる ・透析を十分に行うことは第一条件 ・エリスロポエチンによる良好な貧血の管理 ・良好な血圧のコントロール・・・最近は脳卒中は減った! ・糖尿病の患者さん、腎硬化症による高齢の患者さん ・・・・狭心症、心筋梗塞の注意が必要 ・癌の早期発見・・・・必要な検査を定期的に実施する ※ 患者さんの日々の訴えに耳を傾ける姿勢が大切

(5)移植医療の普及 腎炎や膠原病で、若くして透析になってしまう 患者さんもいる 一時期でも透析をしない期間があれば、  (5)移植医療の普及 腎炎や膠原病で、若くして透析になってしまう 患者さんもいる 一時期でも透析をしない期間があれば、 その分だけ合併症が少なくて済む 日本の社会は移植に対する理解がえられにくい 風土がある 私は沖縄県臓器移植推進協議会の広報委員を しています

※ 9月から新体制で頑張ります!! 当院では 腎臓病の方に最善の治療ができるようにこれからも 努力していきます  腎臓病の方にはなるべく透析にならないような治療を           ・・・・外来部門の仕事です  透析を受けている人には           安心して治療が受けられる環境作りを           ・・・・透析部門の仕事です ※ 9月から新体制で頑張ります!!