すざく衛星搭載XISの軌道上での性能:検出効率と応答関数

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2013 年度課題研究 P6 Suzaku によるガンマ線連星 LS I の観測データの解析 2014 年 02 月 24 日 種村剛.
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すざく衛星搭載XISの軌道上での性能:検出効率と応答関数 林田 清, Eric Miller,穴吹直久、勝田 哲,鳥居研一,宮内智文, 田和憲明,内田裕之,並木雅章,常深 博 (阪大理), 中嶋 大,山口弘悦,松本弘典,鶴 剛,小山勝二 (京大理), 堂谷忠靖,村上弘志,竹井 洋 (JAXA), 馬場 彩 (理研),国分紀秀 (東大理), Beverly LaMarr,Steve Kissel, Mark Bautz (MIT),他すざくXISチーム

X-ray Imaging Spectrometer (XIS) すざく衛星搭載のX線CCDカメラ 3台は(XIS0,XIS2,XIS3)は表面照射型、1台(XIS1)は裏面照射型 CCD動作温度-90℃ 1024x1024pixels 視野18’x18’ エネルギー範囲0.2-12keV

初期運用と現状 2005/7/10 「すざく」衛星打ち上げ 2005/7/25 XISシステム立ち上げ開始 2006/3/27現在                    80を越える天体を観測し            4台のカメラとも正常に動作 E0102-72 JAXAプレスリリースより

すざくXIS 7/10 0パス非可視で電磁バルブの開閉。 7/11 電磁バルブの開(4パス)閉(5パス)。 7/21 温度を上げてバルブ開。 7/10 0パス非可視で電磁バルブの開閉。 7/11 電磁バルブの開(4パス)閉(5パス)。 7/21 温度を上げてバルブ開。 7/24 MPU, PPU立ち上げ。 7/25 AE立ち上げ。データ取得開始(frame mode) 7/26 CCD設定温度:−60℃ 7/27 CCD設定温度:−90℃(ノミナル動作温度) 8/11 CCD設定温度: −80℃。HP設定温度: −35℃。 8/12 XIS-3ドア開。 8/13 XIS-2,1,0 ドア開。 低エネルギー側での高いエネルギー分解能

Suzaku Team Compiled by Fujimoto et al.

Ex-PHA 関係(地上較正データ) Si K edge (E=1839 eV) 1本の直線でフィットした場合の残差 折れ線モデルでフィットした場合の残差 +10eV -10eV Si K edge (E=1839 eV)

55Feソース→ 軌道上でのPHの変化 ゲインの変化 ~2%/year エネルギー分解能 140eV ->170~180eV Mn-Ka 5.9keV Mn-Kb 6.5keV 55Feソース→ 軌道上でのPHの変化 counts PH [ch] Mn-Kaのピークch (ファーストライト時の値で規格化) エネルギー分解能FWHM@5.9keV ゲインの変化 ~2%/year エネルギー分解能 140eV ->170~180eV =放射線損傷による電荷転送非効率(CTI)の増加

エネルギースケール補正(電荷もれ&CTI) CTIのエネルギー依存性(Ex^-0.5) 転送回数依存性(ACTY=0ではCTI劣化なし) を仮定し、時間、場所、エネルギーの関数として補正(rev0.6 processing)。 はくちょう座ループ 銀河中心 Sgr C XIS0:黒 , XIS1:赤 , XIS2:緑 , XIS3:青 XIS0:黒 , XIS1:赤 , XIS2:緑 , XIS3:青 line center energy [keV] line center energy [keV] 1% 1% 点線:エネルギーの期待値 点線:エネルギーの期待値 ACTY ACTY 低エネルギー側で2%以下、高エネルギーで1%以下の精度 現在、上記の仮定を見直し改良中

検出効率(特に低エネルギー側)の較正 RXJ1856.5-3754の観測 2005/10/24-26 クォーク星候補 C-K edge ~0.3keV Rev0.3 data -10eV offset 温度63.5eVの黒体輻射 a: Based Cal on the Ground b: a x excess0.15mmC c: Dead Layer =Design Value d: c x excess0.15mmC 0.3keVより上で期待値の1/3-1/2

ブレーザーPKS2155-304 XIS1(BI) NH(Gal)*Pow NH(Gal)*N_C*Pow XIS3(FI) NH(Gal)=1.65e20cm~-2 XIS1(BI) XIS3(FI) NH(Gal)*Pow NH(Gal)*N_C*Pow NH(Gal)*N_C*N_O*Pow

吸収物質は炭素主体 XIS1(BI) XIS3(FI) N_C(1e18cm^-2) 2.4+/-0.030 4.4+/-0.098 N_O(1e17cm^-2) 1.4+/-0.29 5.4+/-0.55 N_O/N_C 0.059+/-0.012 0.12+/-0.013 Cf DEHP(C24H38O4) N_O/N_C=1/6=0.17

E0102-72の繰り返し観測 →検出効率の劣化 E0102: SNR in SMC, bright in soft X-ray lines excellent calibrator for low-E gain, QE changes 2005-08-13 2005-08-31 2005-12-16 2006-01-17 OVIII NeIX NeX MgXI OVII 2006-02-02 model thermal bremss + 24 Gaussian emission lines Galactic + SMC absorption pure C absorption from contaminant (varabs) gain shift -5 eV ~ -15 ev r2 ~ 1.6 (FIs) to 2.5 (BI)

吸収物質(炭素)量の変化 経験式を導出 XIS2,XIS3に関して2006年の観測では吸着率が減少している (?) SMC NH uncertainty  systematic error ±0.02 m independent of epoch change in effective C column: chip slope intercept (1016 cm-2/day) XIS0 1.6 ±0.1 4.4 ±4.0 XIS1 2.7 ±0.1 -9.6 ±15 XIS2 3.1 ±0.1 -3.2 ±14 XIS3 4.1 ±0.5 54. ±50.

地球大気からの蛍光X線 When the telescope is looking at the shining Earth or its atmosphere, fluorescence lines of the Earth atmosphere (N-K, O-K) by Solar X-rays are contaminated in the observed spectra. Intensity and line ratio depends on the elevation angle from the Earth rim and the Solar activity. 窒素 (0.39keV) 酸素 (0.52keV) DAY EARTH 0 < DYE_ELV < 5 5 < DYE_ELV < 10 10 < DYE_ELV < 20 20 < DYE_ELV < 30

地球大気からの窒素蛍光X線マップ 吸収物質厚みの非一様性 周辺部の吸収物質厚みは中央部の約1/2 × 望遠鏡(XRT)の熱遮断フィルター Color code is adjusted for each map N-K line (XIS1 BI) Day Earth 0 < DYE_ELV < 5 5 < DYE_ELV < 10 10 < DYE_ELV < 15 15 < DYE_ELV < 20 20 < DYE_ELV < 25 2005-8-13 2005-9-4 2005-10-22 2005-11-28 2005-12-24 2006-2-6 周辺部の吸収物質厚みは中央部の約1/2 × 望遠鏡(XRT)の熱遮断フィルター ○ XISカメラの可視光遮断フィルタ(OBF) (OBF中央部は周辺部に比べて7-8℃温度が低い) △ CCD表面 衛星内部に発生した有機ガスがOBF表面に吸着した?

まとめ 4台のXISは正常に動作している 放射線損傷による劣化(ゲイン減少2%/year等)を補償するCTI補正を導入した エネルギースケールの誤差は現状で1%-2%以下、改良中 低エネルギー側でXISの検出効率が低下している 炭素主体の物質がOBFに付着したため(?) 付着物質量はほぼ単調増加(2006年に入り減速の傾向がみえているカメラもあり) 周辺部の付着物質厚みは中央部の約1/2 解析に必要な時間変化、空間分布のモデルをE0102の観測、大気蛍光X線のデータで作成中 対抗策(e.g. OBFの温度を上昇させて付着物質を蒸発させる)も検討中 バッドコラムテーブルの更新、レスポンスビルダーへのエネルギー分解能の取り込み等々は作業中