代理店 賠責の 必要性 保険募集における 平成26年1月23日 作成 平成29年9月29日(改) 使用期限 平成31年3月31日 皆さんこんにちは、 長時間にわたる研修会でお疲れの中、貴重なお時間を頂戴しまして誠にありがとうございます。 私は、〇〇代協の○○と申します。 本日は10分程度のお時間を頂戴しまして、代理店経営に必須である 保険募集における『代理店賠責の必要性』についてご説明させて頂きます。 平成26年1月23日 作成 平成29年9月29日(改) 使用期限 平成31年3月31日 一般社団法人 日本損害保険代理業協会
『賠償資力確保の必要性』 何故? 契約者からの被害申立て等に対する 本日のキーワードは、 ■■ 契約者からの被害申立て等に対する 『賠償資力確保の必要性』 保険代理業は、お客様から損害賠償を求められて、訴訟に発展するケースが潜在的にある業種である!! 本日のキーワードは、 契約者からの被害申し立て等に対する 『賠償資力確保の必要性』でございます。 皆様ご承知の通り、保険代理業は、お客様から損害賠償を求められて、訴訟に発展するケースが潜在的にある業種です。 例えば、約款改訂があり、無責になった事を知らずに、有責であると案内してしまったりとか、 保険会社の社員に確認した上で、お客様へ案内していたにも関わらず、 社員も間違っており、その後保険事故が発生してしまった…等々、 代理店に賠償責任が発生するであろう事案は、多岐に渡ります。 本日は、何を根拠に、何処まで我々代理店に責任があるのか?という事について理解を深める事で、 『賠償資力確保の必要性』更には、『代理店賠責の必要性』についても感じ取って頂けると確信しております。 それでは、説明に入らせて頂きます。 何故? 一般社団法人 日本損害保険代理業協会
『見えない』 『形がない』 『約束事が詰まった契約商品』 1.そもそも保険商品とは? ■■ 『見えない』 『形がない』 『約束事が詰まった契約商品』 だからこそ、お客様には重要事項等説明書をしっかりと読んで頂き、ご質問なども含めて分かりやすい説明をした上で納得してご契約頂く必要があります。 また、改正保険業法が施行され、私達は、法律に課せられた義務として、 体制整備を行い、お客様に対して「当初の意向を把握」し、「適切な情報提供」を行い、最終的な「意向確認」をしなければなりません。 そもそも保険商品とは、 『見えない』 『形がない』 『約束事が詰まった契約商品』 でございます。 だからこそ、お客様には重要事項説明書をしっかりと読んで頂き、ご質問なども含めて分かりやすい説明をした上で納得してご契約頂くことが必要です。 また、改正保険業法が施行され、私達は法律に課せられた義務として、体制整備を行い、お客様に対して「当初の意向を把握」し、「適切な情報提供」を行い、最終的な「意向確認」をしなければなりません。 社会性・公共性の高い事業である保険代理業は、コンプライアンスに留意した事業活動を行い、保険業界の信頼性を維持していく必要があります。 それでは、次のページから代理店の責任に関わる保険業法について解説いたします。 一般社団法人 日本損害保険代理業協会
2.保険募集に関する禁止行為 保険業法 第300条 虚偽のことを告げる行為・重要な事項を告げない行為 ■■ 虚偽のことを告げる行為・重要な事項を告げない行為 虚偽の告知を進める行為・告知を妨害する行為 不当な乗換募集行為 特別利益を提供する行為 誤解を招く比較表示行為 誤解を招く予想配当表示 その他保険契約者等の保護に欠けるおそれのある行為 ■圧力募集行為 ■誤解を招く保険会社の信用、支払能力の表示行為 ■保険の種類・保険会社 まずは、保険業法第300条です。 禁止事項のコンプライアンスとして、皆様も良く耳にされるかと思います。 中でも、「4.特別利益を提供する行為」や「7.圧力募集行為」等の禁止行為については、ご理解頂いている方も多いと思いますが、 実は、それだけではなく、「1.説明の際に虚偽のことを告げる行為・重要な事項を告げない行為」等も、禁止項目として規定されています。 一般社団法人 日本損害保険代理業協会
「つい、うっかり」 でも、損害賠償リスク!! 2.保険募集に関する禁止行為 保険業法 第300条 ■■ 怖いのは、 「つい、うっかり」 でも、損害賠償リスク!! 禁止行為とみなされた場合、それが、「つい、うっかり」の場合であったとしても、保険業法に抵触したとして、損害賠償を生じさせてしまうという事になります。 怖いのは、それが「つい、うっかり」の場合であったとしても、この保険業法300条に抵触し、禁止行為とみなされた場合には、損害賠償を生じさせてしまうという事になります。 しかも、代理店が損害賠償を請求されるケースの約9割がこの保険業法300条を根拠にしたものになっており、残る1割弱は、民法上の「信義誠実の原則」を根拠にした損害賠償請求になっております。 実際にあった裁判例については、後程少し触れさせて頂きたいと思います。 しかも、代理店が損害賠償を請求されるケースの約9割がこの保険業法を根拠にしたものになっており、残る1割弱は民法を根拠にした損害賠償請求になっております。 一般社団法人 日本損害保険代理業協会
3-1.保険代理店の責任 保険業法 第283条 代理店のミスは、所属保険会社が責任を負うと定めているが… 保険業法第283条より抜粋 3-1.保険代理店の責任 保険業法 第283条 ■■ 保険業法第283条より抜粋 所属保険会社等は、保険募集人が保険募集について保険契約者に加えた損害を賠償する責任を負う。 2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。 (中略) 三 所属保険会社等の委託に基づく特定保険募集人又はその役員若しくは使用人である保険募集人が行う保険募集については、所属保険会社等が当該特定保険募集人の委託をするについて相当の注意をし、かつ、これらの者の行う保険募集について保険契約者に加えた損害の発生の防止に努めたとき。 代理店のミスは、所属保険会社が責任を負うと定めているが… 次に、保険業法第283条です。 業法上の「保険代理店の責任」について書かれてある条文で、 「代理店のミスは、所属保険会社が責任を負う」と定めてあります。 しかし、同条2項では、保険会社が相当の注意をし、損害発生の防止に努めたにも係わらず発生した損害については「免責」とされてますので、 該当すれば、我々代理店に責任が発生するという事になります。 また、これに関連した求償権についての条文が同条4項にありますので、次ページをご覧ください。 一般社団法人 日本損害保険代理業協会
求償権行使 3-2.求償権について 保険業法 第283条 保険業法第283条より抜粋 ■■ 保険業法第283条より抜粋 4 第一項の規定は所属保険会社等から保険募集人に対する求償権の行使を妨げず、また、前項の規定は保険募集再委託者から保険募集再受託者等に対する求償権の行使を妨げない。 求償権行使 上記同第4項において所属保険会社は代理店に対し求償権を行使できると書かれてます。つまり、保険会社が訴えられて、損害賠償金を支払った場合、代理店に対して過失分を請求できると定めてあります。 求償権について、所属保険会社は代理店に対し求償権を行使できる と書かれてあります。 つまり、保険会社が訴えられて、損害賠償金を支払った場合、 代理店に対して過失分を請求できるという事になります。 一般社団法人 日本損害保険代理業協会
求償権の義務化?! 株主代表訴訟に耐えられない!! 3-2.求償権について 保険業法 第283条 保険会社も ■■ 求償権の義務化?! また、保険会社の求償権義務化については、平成25年開催の金融審議会(※)の討論の中でも検討されています。今後、金融庁検査において、保険会社は代理店に求償しているのか?とした指摘が出てくるのではないかとも言われてます。 保険会社も ※金融制度、金融資本市場等に関する重要事項の企画・立案について横断的に調査審議することを目的に設置された、内閣総理大臣、金融庁長官および財務大臣の諮問機関 株主代表訴訟に耐えられない!! 更には、上記を踏まえて株主代表訴訟に発展する恐れもあると言われていますので、保険会社としても適切に求償しないと経営責任を問われかねない厳しい時代となっております。 また、保険会社の求償権義務化についても、平成25年の金融審議会の中で既に検討されています。今後、金融庁検査において、保険会社は代理店に求償しているのか?といった指摘が出てくるのではないかとも言われています。 更には上記を踏まえて、代理店に過失分を求償してない事が、会社に損害を与えているのではないか?という観点から 「株主代表訴訟」に発展する恐れもあると言われていますので、保険会社としても適切に求償しないと経営責任を問われかねない厳しい時代となっております。 この様に、代理店のミスは保険会社の責任であると謳ってはいるものの、 免責条項により、求償権を行使されてしまったり、 「ついうっかり」のミスであったとしても損害賠償リスクを生じさせてしまい、 訴訟されるようなケースが確実に増えております。 一般社団法人 日本損害保険代理業協会 うた
代理店に落ち度が無いと思われる場合にも係わらず… 4.いわれ無き賠償請求 ■■ 代理店に落ち度が無いと思われる場合にも係わらず… ■無責・免責を不服として訴訟に持ち込まれる ■支払われた保険金が不服とし、訴訟に持ち込まれる など 更には、いわれ無き賠償請求と言った事案も増加しております。 代理店に落ち度が無いと思われる場合にも係わらず 「無責・免責を不服として訴訟に持ち込まれる」ケースや、 「有責であったとしても、支払われた保険金が不服とし、訴訟に持ち込まれる」と言うようなケースも実際に起こっております。 この場合、保険金支払訴訟という事で、保険募集側の当事者は保険会社になる事がほとんどだと思いますが、共同被告のような形で巻き込まれた場合、勝ったとしても、弁護士費用などの負担が大きく代理店にのしかかってくる事実も知っておいて下さい。 訴訟には勝ったのに、弁護士費用の負担が… 一般社団法人 日本損害保険代理業協会
5.参考:保険募集に係わる損害賠償請求 裁判例 5.参考:保険募集に係わる損害賠償請求 裁判例 ■■ ■保険会社及び代理店の責任とされた判決(保険業法300条・283条により) 保険種目 裁判所 原因となった募集行為 判決 自動車 大阪高裁 更改申込書の保険料誤記 おすすめ契約車両保険なし 認める(保険料の6割) 店舗総合 名古屋地裁 重要事項の告知義務違反(誤った説明) 認める(控訴⇒和解) 地震 最高裁 免責条項、地震保険説明義務違反 (阪神淡路大震災) 否認(大阪高裁認める)※ ※最高裁では否認されてますが、訴訟費用のみ掛かった ■代理店の責任とされた判決(民法1条により「信義誠実の原則」) 保険種目 裁判所 原因となった募集行為 判決 自動車 東京地裁 満期更改契約締結 保険料未収 督促せず 20%の過失(110万円) 店装・利益 松山地裁 満期案内はしたが、保険会社の引受け不可の連絡はせず、満期日以降も放置 20%の過失(120万円) 火災 前橋地裁 満期案内はしたが、更改確認なし 20%の過失(200万円) 続きまして、保険募集に係わる損害賠償請求で実際に起こった裁判例をいくつかご紹介します。 上から2段目の判例です。 名古屋地裁の判例ですが、店舗総合の水災保険金についての誤った説明です。水災が発生し、保険金で100万円しか支払われなかったとして、1,894万円の損害賠償を請求されています。代理店は45cmを超えれば1億円限度で保険金が支払われると何度か説明しており、そのことを認めた様で、裁判所は、代理店に保険業法300条1項1号違反による不法行為を、保険会社に第283条1項により連帯責任を認めました。 次に一番下、前橋地裁の判例です。 民法上の「信義誠実の原則」に関する判例になります。 自動車保険で、事故処理をめぐるトラブルがあり、他社に切替えられました。その後、火災保険の満期が来た為、契約者の奥様に案内したが、信頼関係が薄れていた事などから、更新する意思がないものと判断し、最終確認はしていなかったという事です。 不継続後、火災が発生し保険金支払を受けられなかった為、保険会社及び代理店に損害賠償請求があり、代理店は過失を認めたが、保険会社は認めなかったという事で、代理店の過失20%、200万円の支払いとなっております。 このような裁判が実際起こっております。 一般社団法人 日本損害保険代理業協会
保 険 代 理 店 契 約 者 求償 保 険 会 社 6.最後に!! 苦情・ 損害賠償 ■■ 保 険 代 理 店 契 約 者 苦情・ 損害賠償 求償 保 険 会 社 判例のように、我々保険代理店は、 お客様からは、保険業法や民法を根拠に、苦情を受けたり、損害賠償を請求され、 保険会社からも求償される厳しい時代に直面しています。 トラブルが起きないように努める事も大切ですが、いわれ無き損害賠償請求のように、防ぎきれない事案も発生しております。 お客様からは、保険業法や、民法を根拠に、苦情を受けたり・損害賠償を請求され、保険会社からも求償される厳しい時代に直面しています!! 一般社団法人 日本損害保険代理業協会
ご清聴いただきありがとうございました!! ■■ 保険販売をする我々だからこそ! 万一に備え 「賠償資力の確保」 が必要です!! 私たち損害保険代理業協会では、これらに備える「代理店経営のプロテクター」として、代理店賠責『日本代協プラン』をご用意しております。 代協会員の約8割強、1万店を超える代理店がこの制度に加入しております。 年間の事故報告件数をお伝えしますと、 書面による報告は、2015年度で128件。書面提出までは至らなかったものの、電話での相談・問合せだけでも、1日3~5件入っている状況でございます。 お客様や保険会社に迷惑を掛けない安定した保険代理店経営の為に、 保険販売をする我々だからこそ、 万一に備え『賠償資力の確保』が必要である!!という事をお伝えして お話しを終わらせて頂きたいと思います。 一般社団法人 日本損害保険代理業協会
お問合せは、各都道府県代協事務局までお願いします!! ■■ 『代理店賠責』お問合せ先 ●●●代協事務局 ●●●-●●●-●●● 代理店賠責のお問合せにつきましては、〇〇〇代協事務局まで よろしくお願い致します。 ご清聴誠にありがとうございました。 Protect yourself!! 一般社団法人 日本損害保険代理業協会