IoT/AIの時代、データ駆動型社会がやってくる! ITはいま何を変えようとしているのか この変化にどのように向き合えばいいのか 8.Feb.2017 IoT/AIの時代、データ駆動型社会がやってくる! 2016年10月28日 システムインテグレーション崩壊の時代に 勝ち上がる戦略 第1回 いまここにある未来 そして新しい常識
自己紹介
ITの専門家ではないお客様に語る力を持つ ITの役割や価値、ITとの付き合い方を伝えたい! ITで変わる未来や新しい常識を、具体的な事例を通じて知って欲しい! ITに関わる仕事をしている人たちが、経営者や事業部門の方と話すための言葉を手に入れて欲しい。 人工知能、IoT、FinTech(フィンテック)、シェアリングエコノミ― 、bot(ボット)、農業IT、マーケティングオートメーション・・・ そんな先端事例から“あたらしい常識” の作り方が見えてくる。 決済や融資、国際送金など、既存の金融機関が収益の柱としている事業を、わずかな手数料で、しかもスマートフォンから即座におこなえるようにする 航空機のジェットエンジンや建設機械、自動車のタイヤなどのメーカーが商品をサービスとして貸し出し、使用時間や利用内容に応じて課金する 特注品を標準品と変わらない金額と納期で提供する リモートワークで子育て世代の女性を労働力として活用したり、社員の労働生産性を向上させたりする 個人の自家用車をタクシーや荷物の配送に使えるようにする 個人住宅を宿泊用に貸し出す 本書内で全てのチャートは、ロイヤリティ・フリーの パワーポイント・データとして、ダウンロードできます。
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ITの最新トレンド サイバー・フィジカル・システム
IoT(Internet of Things) コレ一枚でわかる最新のITトレンド(1) Cyber Physical System/現実世界とサイバー世界が緊密に結合されたシステム サイバー世界/Cyber World クラウド・コンピューティング サービス サービス サービス サービス サービス サービス ソーシャル・メディア ビッグ・データ アナリティクス 人と人の繋がり 行動 文章 構造化 データ SQL 非構造化データ NoSQL 人工知能 左脳型 思考・論理 統計的アプローチ 右脳型 知覚・感性 ニューラル・ネット 音声 動画 写真 情報 Information 制御 Actuation 【図解】コレ1枚でわかる最新ITトレンド 「トレンド(Trend)」という言葉を辞書で調べると「流行」、「傾向」、「動向」と説明されています。古典英語では、「回転する」、あるいは「向く」といった説明もありました。こんな説明を頼りに考えてみると、「過去から現在を通り越して未来に向かう流れ」すなわち「時流」という解釈もできそうです。 そう考えれば、「トレンドを知る」とは、ネットや雑誌、書籍に散在する最新のキーワードを脳みそにコピペして並べることではなさそうです。それらのキーワードの意味を理解し、お互いの関係や、それらが未来にどのようにつながってゆくのかを知ることと理解した方がいいかもしれません。 改めて整理してみると、トレンドを知るとは、つぎの言葉に置き換えることができます。 お互いの関係や構造を知ること 注目されるようになった理由を知ること そのキーワードが生みだされたメカニズムや法則を知ること これが理解できれば、テクノロジーの価値が理解できるばかりでなく、将来どのようなキーワードが注目され、定着してゆくかを読み取ることができます。 「トレンドを知る」ために、もうひとつ押さえておきたいことがあります。それは、あるテクノロジーがトレンドの中に浮かび上がってくるようになるには、そこに需要や要求、あるいは社会的要請があることです。 例えば「クラウド」も、始めに「クラウド」というテクノロジーがあったから、世の中が注目したのではありません。まずは、クラウドを求める理由が世の中にあったのです。 社会的な要請に応えようと様々なテクノロジーが生みだされ、その要請にかなうものが、生き残ってゆきます。生き残ったテクノロジーは、世の中の要請にさらに応えようとして、その完成度を高めてゆきます。そして、やがては新しいテクノロジーと融合することや、置き換えられることで、その役目を終えてゆくのです。 ですから、「トレンドを知る」とは、そのテクノロジーの背後にある社会的な要請もあわせて理解しなければなりません。単なる言葉の解釈だけでは、本当の意味も価値も理解することはできません。では、いまITはどのようなトレンドはどこに向かっているのでしょうか。 いま私たちはこれまでにないパラダイムの転換に直面しています。クラウド、人工知能、モバイル、ソーシャルといった、これまでの常識を上書きするような大きな変化が折り重なり、お互いに影響を及ぼし合っています。かつて、メインフレームがオフコンやミニコン、PCにダウンサイジングしたような、あるいは、集中処理から分散処理やクライアントサーバーに移行してきたような、インフラやプラットフォームの構成やトポロジーが変わるといった、分かりやすいものではありません。そのことが、ITトレンドの先読みを難しくしているのです。ただ、それは無秩序なものではありません。キーとなるテクノロジーは、お互いに役割を分かちながら連鎖しています。 この「ITトレンド」を1枚のチャートにまとめてみました。解説と共にご覧頂ければ、ITトレンドの全体像を俯瞰していだくことができるはずです。 感覚器としてのIoTとソーシャル・メディア 私たちの日常は、様々なモノに囲まれ、それらモノとの係わりを通して、活動しています。それらのモノにセンサーと通信機能を組み込みデータとして捉える仕組みがIoTです。 スマートフォンには、位置情報を取得するGPSや身体の動きや動作を取得する様々なセンサーが組み込まれています。私たちが、それを持ち歩き、使用することで、日常の生活や活動がデータ化されます。ウェアラブルは身体に密着し、脈拍や発汗、体温などの身体状態がデータ化されます。 自動車には既に100を越えるセンサーが組み込まれています。住宅や家電製品、空調設備や照明器具などの「モノ」にもセンサーが組み込まれ、様々な行動がデータ化される時代を迎えようとしています。 それらがインターネットにつながり、取得した様々なデータを送り出す仕組みが作られつつあります。このような仕組みが、IoT(Internet of Things)です。 IoT機能を持ったデバイスであるスマートフォンやタブレットで、私たちはFacebookやLINEなどのソーシャル・メディアを使い、写真や動画、自分の居場所の情報と共に、流行や話題、製品やサービスの評判について会話を交わしています。また「友達になる」や「フォローする」ことで、人と人とのつながり(ソーシャル・グラフ)についての情報をつくり、インターネットに送り出しています。 これらソーシャル・メディアは、スマートフォンやタブレットだけではなく、自動車や住宅、家電製品とも繋がり、持ち主に必要な情報を送り出し、また、それらを遠隔から操作できるようにもなりました。また、自動車会社や様々なサービス提供会社とも繋がり、自動車の点検や整備に関するお知らせを受け取ったり、お勧めのレストランに案内したりするなどの便宜をもたらしてくれます。 また、自動車や家電製品、工場の設備などの動作や使用状況は、IoT機能によってデータとしてメーカーに送られると、それらを分析して、保守点検のタイミングを知らせ、製品開発にも活かされます。また、機器類の多くはそこに組み込まれたソフトウエアによって制御されています。そのソフトウエアを遠隔から入れ替えることで、性能を向上させたり、機能を追加したりすることができるようになります。その一方で、そこでやり取りされるデータは、マーケティングのためにも利用されることになります。 インターネットにつながっているデバイスは、2009年に25億個だったものが2020年には300〜500億個へと急増するとされています。このように見てゆくとIoTとスマート・メディアは、「現実世界をデータ化」する巨大なプラットフォームになろうとしているのです。 神経としての「インターネット」 モノに組み込まれたセンサーは、位置や方角、気圧の変化や活動量などの物理的なデータを計測します(Physical Sensing)。また、ソーシャル・メディアでのやり取りや何処へ行ったかなどの社会的行動もデータとして取得されます(Social Sensing)。これらデータは、インターネットを介して、クラウドに送られます。クラウドには、送られてきたデータを蓄積・分析・活用するためのサービスが備わっています。そのサービスで処理された結果は、インターネットを介して、再び現実世界にフィードバックされます。 インターネットは、身近なモノ同士やモノとスマートフォンをつなぐBluetoothやNFC(Near Field Communication)などの近接通信技術、携帯電話に使われるLTE(Long Term Evolution)などのモバイル通信技術に支えられ、常時どこからでも通信できる環境が整いつつあります。そうなるとインターネットは意識されることはなく、空気のような存在となり、同時に不可欠な要素として日常の中に定着してゆきます。 2020年頃には、5G(第5世代)モバイル通信が、普及していることでしょう。その通信速度は、10GBですから、現行LTEの最高速度15oMBの約70倍になります。IoT機能によって通信できる様々なモノが、お互いに大量にデータをやり取りできるコネクテッド(つながっている)社会が実現することになるでしょう。 大脳としての「クラウド」 IoTから生みだされるデータは、インターネットを介して、クラウドに送られます。インターネットにつながるデバイスの数が劇的な拡大を続ける中、そのデータ量は、急速な勢いで増え続けています。このようなデータを「ビック・データ」と呼びます。 ビッグ・データは、日常のオフィス業務で使う表形式で整理できるようなデータは少なく、その大半は、センサー、会話の音声、文書、画像や動画などです。前者は、データをある決まり事に従って整理できるデータという意味で「構造化データ」と呼ばれています。後者は、そういう整理が難しい様々な形式を持つデータで、「非構造化データ」と呼ばれています。 ビッグ・データとして集まった現実世界のデータは、分析(アナリティクス)されなければ、活かされることはありません。しかし、そのデータの内容や形式は多種多様であり、しかも膨大です。そのため、単純な統計解析だけでは、その価値を引き出すことはできません。そこで、「人工知能(AI : Artificial Intelligence)」に注目が集まっています。 例えば、日本語の文書や音声でのやり取りなら、言葉の意味や文脈を理解しなければなりません。また、写真や動画であれば、そこにどのような情景が写っているか、誰が写っているかを取り出さなければ役に立ちません。さらには、誰と誰がどの程度親しいのか、商品やサービスについて、どのような話題が交わされ、それは何らかの対処が必要なのかというような意味を読み取らなければなりません。このようなことに「人工知能」が活躍するのです。 「人工知能」は、かつては、人間の作った規則に基づいて処理されるものが主流でした。しかし、昨今は、ビッグ・データを解析することでコンピューターが自らルールや判断基準を作り出す機械学習方式が主流になりつつあります。その背景には、コンピューターやストレージなどのハードウェアの劇的なコスト低下と高性能化があります。加えて、大規模なデータを効率よく処理するためのソフトウエア技術も開発されたことがあります。これにより、コンピューターが自身でビッグ・データを学習し、そこに内在するノウハウ、知見を見つけ出し、整理すると共に、推論や判断のルールを自分で作り出し最適化してゆき、自律的に性能を高めてゆくことが可能になりました。 例えば、チェスや将棋のチャンピオンと勝負して彼らを破ったり、米国の人気クイズ番組でチャンピオンになったりと、コンピューターが、高度な人間の知的な活動や判断に近づきつつあるのも、この機械学習の成果です。 このような人間の左脳の働きにあたる思考や論理だけではなく、右脳の働きに当たる人間の知覚や感性をコンピューターで再現できるようにもなりつつあります。このような働きを実現するために人間の脳の神経活動を模倣したアルゴリズム「ニューラル・ネット」が使われています。この技術が、ここ数年急速な進歩を遂げ、人間の能力に近づきつつある分野も生まれつつあります。 人工知能で処理された結果は、機器の制御や運転、交通管制やエネルギー需給の調整などの産業活動の制御や、ユーザーへの健康アドバイス、商品やサービスの推奨として、スマートフォンやウェアラブルを使用する一般利用者にもフィードバックされるようになるでしょう。またその人の趣味嗜好に合わせた最適な広告・宣伝にも使われるでしょう。また、手足となる「ロボット」の知識や能力の向上にも使われるようになります。 ビッグ・データや人工知能、その他の様々なサービスを提供するアプリケーションはクラウド上で動かされ、お互いに連携し、多様な組合せを生みだします。そこに新たな価値やサービスが生みだされてゆきます。 手足としての「ロボット」 自動走行車、産業用ロボット、建設ロボット、介護ロボット、生活支援ロボット、輸送ロボットなど、様々なロボットが私たちの日常で使われるようになるでしょう。また、インターネットを介して様々な知識や制御をうけ、自らの行動を状況に応じて最適化してゆきます。また、ロボットに組み込まれたセンサーによって、自分自身で情報を収集し、インターネットに送り出しています。その意味では、ロボットもまた「IoTデバイス」といえるでしょう。 ロボットは、周囲の人の動きや周辺環境をデータとして取得し、自身に組み込まれた人工知能によって、人間の操作を受けることなく自律的に制御する仕組みも備えています。 これまでのITは、情報を処理し、その結果を人や機械に伝えるしくみでした。しかし、ロボットは自らが、情報収集、処理、判断して行動します。さらに、インターネットを介してクラウドとつながり、一体となって強力な情報処理あるいは知的能力を持つことになります。 人工知能が人間の知的活動を補い、拡張してくれるように、ロボットが、人間の身体能力を補い、拡張しようとしています。一方で、これまで人間にしかできなかった労働を奪うのではないかと懸念する声も出始めています。 現実世界とサイバー世界が緊密に結合された「Cyber Physical System」 IoTやソーシャル・メディアによって、現実世界はデジタル・データ化され、インターネットによって、クラウドすなわちサイバー(電脳)世界に送りだされています。つまり、サイバー世界には、現実世界のデジタル・コピーが作られてゆくのです。このような現実世界とサイバー世界が緊密に結合された仕組みが「Cyber Physical System(CPS)」です。 このデジタル・コピーされたデータを分析し、様々な予測やシミュレーションを行えば、そのデータをもたらした個人の趣味嗜好、行動特性、あるいは行動を予測することができます。さらに、膨大な人数の人間行動や社会での出来事を調べ上げ、未来を予測することもできるようになるかもしれません。また、運送業務であれば、無駄のない最適な流通経路や配車計画を策定することができます。工場であれば、もの作りの手順や使う設備の最適な組合せをつくることができるでしょう。 つまり、現実世界では決してできない様々な実験を、「現実世界のデジタル・コピー」を使って、何度も繰り返しシミュレーションし、最適解を見つけ出そうということが可能になるのです。 IoTデバイスの台数は今後さらに増加し、ソーシャル・メディアでのやり取りも盛んになるでしょう。そうなれば、現実世界のデータは益々増大し、その粒度もきめ細かくなってゆきます。これによって、より精緻な現実世界のデジタル・コピーがサイバー世界に構築され、より緻密な予測や最適化、アドバイスができるようになります。そして、その結果の行動を再びIoTによって取得し、サイバー世界にフィードバックされることで、さらに予測や最適化の精度は高まります。 このような現実世界とサイバー世界が一体となった仕組みが、Cyber Physical Systemなのです。 ITトレンドとITビジネス このチャートでもおわかりの通り、様々なテクノロジーは、それ自身が独立して存在しているわけではありません。それぞれに連携しながら役割を果たしています。私たちは、この一連のつながりを理解して、始めてテクノロジーの価値を理解することができます。 ここに紹介したことは、必ずしも全てが現時点で実現しているわけではありません。しかし、「トレンド=過去から現在を通り越して未来に向かう流れ」からみれば、近い将来必ず実現するものです。 ITビジネスはこのようなトレンドの中にあります。冒頭でも説明したように、これまでの常識を大きく塗り替えるテクノロジーが重なり合い、影響を及ぼしあっています。この様相は、かつてとは明らかに異質な状況なのです。 また、ITとビジネスが、これまでに無く深く結びついていることもかつてとは大きく異なることです。 これまでITは、既存業務の生産性や効率を高める手段として、主に使われてきました。しかし、いま、「ITを前提に新たなビジネスを創る」時代へと、ITの役割は拡がりつつあります。これまでも銀行システムや航空券発券予約システムなど、ITを前提としたビジネスはありましたが、その多くが既存業務の効率化や機能の拡張でした。そうではない、まったく新しいビジネスや生活のあり方が、ITによって生みだされつつあるのです。 ITの適用範囲が、いま大きく拡がりつつあます。ITと日常はこれまでに無く密接に関わり、活用の選択肢を拡げつつあります。ITの民主化といっても良いのかもしれません。ここにも、これまでとはことなるITビジネスとしての可能性が広がっています。 「トレンドは時流である」 この流れに乗るか、押し流されるか、ITビジネスは、いま、そんな選択を迫られているのかもしれません。 社会行動データ Social Sensing インターネット 物理計測データ Physical Sensing 近接通信 モバイル通信 IoT(Internet of Things) ロボット 住宅・建物 スマートフォン ウェアラブル 気象・環境 観測機器 自動走行車 介護用ロボット 生活支援 ロボット 家電・設備 タブレット・PC 交通設備 公共設備 ドローン 産業用ロボット 建設ロボット 人工知能 現実世界/Physical World
コレ一枚でわかる最新のITトレンド(2) データ解析 データ活用 データ収集 日常生活・社会活動 環境変化・産業活動 Cyber Physical System/現実世界とサイバー世界が緊密に結合されたシステム サイバー世界/Cyber World クラウド・コンピューティング データ解析 原因解明・発見/洞察 計画の最適化 データ活用 業務処理・情報提供 機器制御 日常生活・社会活動 環境変化・産業活動 データ収集 モニタリング 現実世界/Physical World ヒト・モノ
ITビジネスの収益は、工数提供の対価から ビジネス価値の対価へとシフトする クラウド・サービスによるインフラの代替 自動化ツールの普及 人工知能の活用 アプリケーションの開発と運用は、ビジネス・スピードとの同期化を求める ビジネスとITとの一体化 環境の変化にビジネスは即応しなければならず、ITにもまた同じスピードが必要 SaaSやPaaS、FaaSの適用拡大、DevOpsへの対応が急務 ビジネスは競争力の強化のために、テクノロジーへの依存を高めてゆく 効率化やコスト削減のためのITから、ビジネスを差別化するためのITへと役割が拡大 人工知能やIoTなど、先端テクノロジーをサービスとして利用する動きが加速 機能や性能から、それらを含むサービスやビジネスモデルにビジネス価値の重心が移動 ITビジネスの収益は、工数提供の対価から ビジネス価値の対価へとシフトする (ビジネス価値=スピード・変革・差別化) ITの常識が変われば、そこに関わる私たちの仕事が変わるのは当然のことです。何がどのように変わるのでしょうか。そして営業の役割や仕事は、どのように変えてゆかなければならないのでしょうか。 ITインフラの構築と運用は、クラウドや自動化ツールに代替されてゆく クラウドの普及によりインフラ構築の物理的作業は不要となります。サーバーやネットワーク機器の販売は減少し、それらの構築作業や保守・サポートの業務が減少することは避けられません。 また、運用管理には自動化ツールの利用が拡大し、人工知能の技術を活用して、高度な業務にも人手がかからなくなります。 アプリケーションの開発と運用はビジネス・スピードとの同期化を求める ビジネス環境の不確実性はかつてないほどに高まり、変化が加速しています。ビジネスはその変化に即応できなければ、生き残ることはできません。一方で、ビジネスはITなしでは機能しなくなり、ビジネスとITの一体化は、これからもますます進んでゆきます。 ビジネス・ニーズが変われば、ビジネス・プロセスも変えなくてはなりません。そうなればITもまた変化のスピードに対応できなくてはなりません。これまで同様に要件を精査し仕様を固め、工数を積算して見積書を提出する。ユーザーがはじめて動くシステムを確認できるようになるのは半年後・・・。こんなことでは、お客様から切られてしまうのは必定です。 もちろんこれまでと同様の需要がなくなることはないにしても、仕事の量は増えず、利益を期待することはできません。「稼働率が上がっているのに利益率が下がっている」といった現実が、そのことを物語っています。 SaaSやPaaS、FaaS(Function as a Service/AWSのLambdaやMicrosoftのAzure Functionsなど)を積極的に利用し、ビジネス・スピードに同期化する取り組みがますます求められるようになります。それに伴い工数の需要は伸び悩み、利益はコストに近づいてゆきます。 また、開発と運用も「スピード」を担保できるやり方に変わらなくてはなりません。そのためには運用と開発の新しい仕事のやり方を実現する「DevOps」への取り組みは必至です。 ビジネスは競争力の強化のために、テクノロジーへの依存を高めてゆく UberやAirbnbなが、既存のタクシー業界やホテル事業を破壊するほどの影響力を持ち始めています。 これまでITの役割は、業務の効率化やコスト削減に重心が置かれてきました。しかし、ITがもたらす新しい常識が、新しいビジネス・モデルを実現し、既存常識を崩壊に追んでいます。ITの役割は、ビジネスの競争優位を生みだすための新たな思想や手段を提供しはじめているのです。 人工知能やIoTなどの先端テクノロジーは、それを実現する基盤となります。だからといって自らそれらを開発しなくても、サービスとして利用できる時代になりました。それがビジネスの変化を加速する武器となります。 ビジネスの価値は、その事業そのものの機能から、それらを含むサービスや他のプレイヤーを巻き込んだエコシステムへと、重心を移しはじめ、ITはその基盤として重要性を高めています。 「ITの価値や需要はこれまでになく高まる一方で、工数需要は減少する」 いままさにそんな変化が加速しながら進行しているのです。ならば、ITビジネスの収益は工数提供の対価から、ビジネス価値すなわち「スピード・変革・差別化」の対価へとシフトしてゆかなければなりません。 営業はこの変化に、どう対処すればいいのでしょう。 「ITやビジネスのトレンドを掴み、お客様の未来を提案できなくてはならない」 ITはビジネスに新しい常識をもたらします。それが、お客様のビジネスをどのように変え、どう向き合うべきかを提言できなくてはならないでしょう。このような仕事はコンサルタントの役割だと思っているなら、営業の仕事はなくなります。 銀行の窓口業務がATMに変わり、店舗での書籍や物品販売はAmazonや楽天にシフトしてしまいました。それでも、銀行の窓口や店舗に足を運ぶのは、「自分は、どうすればいいのか」を相談するためです。そこには、まだまだ人間の知識や創造性が求められています。それとても人工知能に置き換わってゆくとすれば、お客様の人生や生活に踏み込んだ未来へのアドバイスが人間の役割となるでしょう。 IT営業もまた同様の変化、つまりは、お客様の未来の相談相手になることが求められるでしょう。そのためには、次の3つの力を磨かなければなりません。 知識力:お客様のあらゆる質問に答えられる知識の引き出しを増やし、その鮮度を維持しつつけること。 対話力:お客様と対話でき、悩みを聞き出して整理し、何が最適なゴールなのかを見つけ出すこと。 共創力:知識力と対話力を駆使して、お客様と一緒になって解決策を見つけ出してゆけること。 カタログに書かれているような機能や性能の説明、システム構成の策定や見積金額の積算、情報の収集や整理などの「知的力仕事」は、人工知能が代わりにやってくれます。しかし、何をゴールにするのか、それを実現するためのビジネス・モデルやビジネス・プロセスはどうするかは、これからも人間の役割です。 テクノロジーの進化の流れに棹をさしても、流れる方向が変わることはなく、やがては自分たちが流されるだけです。ならば、その流れの方向を見据えて、自らの役割を変えてゆくしかありません。 「それは会社の役割で、自分は与えられた仕事をするだけのこと」 そんなあなたにお客様は大切な仕事を任せたいとは思わないでしょう。それは、自分の営業成績と直結しています。 もはや会社に自分の人生を預けても一生面倒をみてもらえる時代ではありません。会社は自分の保護者でもなく、財産でもありません。自分力という財産を持ち、会社ではなく社会での価値を高めてゆくしかないのです。営業力もまた、そんな自分の財産の一部であると心得ておくべきです。
innovation 新しい組合せを創る ビジネス価値を生みだす! ITビジネスはどこへ向かうのか 人工知能 IoT ロボット ビッグデータ ソーシャル オープン ウェアラブル クラウド モバイル ・・・
これからの開発と運用
これからの「ITビジネスの方程式」 情報システムの 品 質 成 果 生産量 スピード 最大 ビジネス
アプリケーション開発・変更への迅速な対応 本番環境への迅速な移行・継続的デリバリー これからのシステム開発 ビジネス・スピードの加速 アジャイル開発 Agile Development アプリケーション開発・変更への迅速な対応 DevOps Development/Operation 本番環境への迅速な移行・継続的デリバリー ビジネス環境は不確実性を増し、変化のスピードは加速しています。ビジネスはこの変化に柔軟・迅速に対応できなくてはなりません。そんな変化への即応力こそが、強い経営基盤となるのです。 そんなビジネスは、ITとの一体化がすすんでいます。もはやITは、ビジネス・プロセスを支える基盤として欠かすことのできない存在です。もしITが使えなければ、ビジネス活動が大混乱に陥り、業務が停止してしまうかもしれません。また、ITを武器にビジネスを差別化する「デジタル・ビジネス」への取り組みも拡大しています。そうなると、ビジネス環境の変化に、柔軟・迅速に対応するためには、ITもまた、同じスピードで対応できなければなりません。 このような状況にあって、 時間をかけて業務要件を定義し、仕様を固める。 工数と見積金額で競合させて業者を選定する。 仕様凍結し、その仕様書に従ってコーディングとテストを行う。 数ヶ月を経て、ユーザーにリリースし、改修箇所・追加機能を洗い出す。 改修作業や機能の追加、変更のために作業する。 インフラや実行環境を、アプリケーションに合わせて構築・調整する。 十分なテストを行った後、ユーザーにリリースする。 こんなやり方で、加速するビジネス・スピードに対応することはできないのです。 ビジネス・スピードが緩やかだった時代は、このようなやり方でも対応できました。しかし、ビジネス・スピードが加速し、日々めまぐるしく変化するいま、業務要件も日々変わってしまいます。あるいは、業務要件も決まらない先に、開発を先行しなければならないこともあります。さらに、インフラやプラットフォームの仕様をアプリケーションに合わせて決定し、調達、構築していては、開発途中でアプリケーションの仕様が変わっても対応できません。もはや従来までのやり方では、いまのビジネス・スピードに対応できないのです。 「仕様書や手順に従い情報システムを開発・運用することではなく、情報システムを使ってビジネスの成果に直接貢献する」 そんな取り組みが求められています。そのためには、次の3つの条件を満たさなくてはなりません。 ビジネス・ニーズに迅速に対応でき、その変更にも柔軟に対応できること。 アプリケーションでの変更を、直ちに本番環境に反映できること。 予期せぬ負荷の増大や縮小に直ちに対応できること。 この条件を満たすために、次のような取り組みが始まっています。 ■アプリケーション開発・変更に迅速に対応するアジャイル開発 アジャイル開発が生まれるきっかけは、1986年に経営学者である野中郁次郎と竹内弘高が、日本の製造業の高い効率と品質を研究した論文をハーバード・ビジネスレビュー誌に掲載したことにあります。それを読んだジェフ・サザーランド(Jeff Sutherland)らが、システム開発への適用を考え、1990年代半ばにアジャイル開発の方法論としてまとめました。ですから、アジャイル開発には、伝統的な日本の「ものづくり」にある、「不断の改善により、品質と生産性の向上を両立させる」という精神が、埋め込まれているといっても良いでしょう。 その精神の根本には、現場重視の考え方があります。現場とは、「業務」と「製造」の現場です。「業務の現場」であるユーザーと「製造の現場」である開発チームが、ビジネスでどのような成果をあげたいのか、そのために何をしたいのか、その優先順位や使い勝手はどうなのかを共有し、不断の工夫と改善によって無駄を省き、迅速・柔軟に、コストを掛けずに高品質なシステムを開発しようというのです。 「仕様書通りのシステムを手間暇掛けて開発し、工数を稼ぐ」ビジネスとは相容れません。少ない工数と短い期間で、ビジネスの成果に直ちに貢献できるシステムを開発する。アジャイル開発は、そんな取り組みと言えるでしょう。 ■本番環境への迅速な移行、継続的なデリバリーを実現するDevOps 開発チームが、アプリケーションの開発や変更に即応できても、本番環境に反映できなければ、その成果を業務の現場が享受することはできません。一方、運用チームは、システムを安定稼働させる責任を負っています。開発できたからといって、すぐに受け入れて本番環境に移行させることで、安定稼働ができないとなると大問題です。そこで慎重に検証し、システムの調達や設定などの対応をし、大丈夫となれば本番移行を受け入れます。それには相応の時間が必要であり、加速するビジネスのスピードに対応できません。 そこで、開発チーム(Development)と運用チーム(Operations)が、お互いに協調し合い、また運用や本番移行を自動化する仕組みなどを積極的に取り入れ、開発と運用が途切れることなく連続する仕組みを実現し、ビジネスを止めずに、継続的にデリバリーする取り組み「DevOps」が、注目されています。 ■迅速な調達を実現するインフラ、高速開発と実行を支えるプラットフォーム DevOpsを実現するためには、インフラ資源の調達・変更も柔軟・迅速でなくてはなりません。そのためにサーバーやストレージなどの物理資源を個々のアプリケーションに合わせて導入、設定している余裕はありません。そこでインフラはSDIや、そのクラウド・サービスであるIaaSが前提となります。 それでもまだインフラを意識して、アプリケーションを開発しなくてはなりません。そんなことに気をかけることなく開発、実行できれば、その柔軟性と迅速性は高まります。そのためには予め用意された機能部品を組合せ、連係させてアプリケーションを開発実行させる仕組みや、業務プロセスを記述し、画面や帳票を定義すれば、プログラム・コードを生成してくれるツールなども登場し、開発スピードだけではなく、変更への柔軟性を担保できるようになりました。 こんな様々な取り組みが、これからの開発や運用を支えようとしています。 クラウド SDI/IaaS PaaS/FaaS インフラ環境の迅速な調達・構築・変更 高速で俊敏な開発・実行環境
お客様と自分たちのビジネス価値を再定義する お客様のビジネス価値は ビジネス・プロセスとデータ 自社資産・自社運用 ビジネス・プロセス ビジネス・プロセス ビジネス・プロセス ビジネス・プロセス データ データ データ データ アプリケーション アプリケーション アプリケーション アプリケーション SaaS API FaaS 超高速開発ツール プラットフォーム プラットフォーム PaaS PaaS インフラストラクチャ IaaS お客様のビジネス価値を実現する手段は 使用 へシフト サービス・運用委託 1960〜 2010〜 2015〜 2016〜
できるだけ作らないで使用の拡大へシフトする お客様が開発と運用に求めていること 情報システムの 品 質 新しいビジネス・プロセスに対応し データをいち早く生みだすために 成 果 生産量 スピード 最大 できるだけ作らないで使用の拡大へシフトする
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