北極振動指数、エルニーニョ監視海域の水温と 地球科学実験@横浜市大 演習: 北極振動指数、エルニーニョ監視海域の水温と 日本各地の気温の関係を調べる 【1968年~2017年=50年分のデータを用いること】 日本各地の気温 http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/index.php 北極振動指数 http://www.cpc.ncep.noaa.gov/products/precip/CWlink/daily_ao_index/ao_index.html エルニーニョ指数http://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/data/elnino/index/dattab.html 担当:島田浩二(東京海洋大学) koji@kaiyodai.ac.jp
課題 解析すること: ①担当気象観測地点の月平均気温の時系列を作る(1968年~2017年)。 ※観測地点によっては、データ欠損している年月がある地点もある。 その場合は、観測開始以降(1~12月までデータが揃っている最初の年以降)を対象とする。 ②①で作成した時系列のトレンドを調べる。 トレンドは温暖化であったり、都市化だったりする。 ③月平均気温の時系列からトレンドを除去し、各月の変動成分を取り出す。 ④担当気象観測地点の気温と (A)北極振動指数 (B)エルニーニョ監視海域(NINO.3)の海面水温の基準値との差 との相関(1~12月)を調べる。 ※1月と9月については、授業時間内に日本各地(全員)の相関係数をホワイトボードに記入する。 考えてまとめること(レポート課題): ①調べた地点の月平均気温のトレンドから言えることを論じる。 ②調べた時点の月毎の相関係数から、その地点の気候がどのようにして決まっているかを論じる。 ③1月と9月については、全員分の相関係数のデータがあるので、1月と9月について日本の気候がどのようにして決まっているかについて論じる。 ④本実験で得たことを書く。 地球スケールで考えてみよう!授業で解説しなかった影響もあるかもしれない。 その他、講義の感想なども書いてくれると嬉しい。
北極振動指数データ http://www.cpc.ncep.noaa.gov/products/precip/CWlink/daily_ao_index/ao_index.html
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各地の気温データ
ここをクリック
サイズが小さい場合は右下端をつまんで、大きくする http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/index.php を入力し、「移動」ボタンをクリック すると、背景の画面になる。 サイズが小さい場合は右下端をつまんで、大きくする
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選択する 例えば東京を選択
調べたい地点を選択 ◎の地点を選ぼう!
これを選択 選択した 都道府県+地点 が表示されている
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①ここをクリックする。 BOXが緑色に代わりチェック印となる ②次に、 ここをクリックする
別のシートにデータを読み込みたいときは、ここをチェックした後、「OK」
数値以外の文字が含まれているときは、数値だけにする。 読み込み完了! データに「)」や「[」 や「]」など 数値以外の文字が含まれているときは、数値だけにする。 この場合は、 24.2) 24.2 にする。 ホーム置換 で一気に変換できる
エルニーニョ関係の指数データ http://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/data/elnino/index/dattab.html
これを読み込む。 基準値の差とは、平均値との差
ドラッグ&コピーして もしくは、気温データの場合と 同じようにエクセル(WEBクエリ) で読み込む
①「メモ帳」または「ワードパッド」を 開いて ペースト(貼り付ける) ②nino3.txt で保存する。 この後は、北極振動指数の時と同じ
課題1:温暖化しているか? 自分で選んだ地点の月平均気温のデータのうち、1950年~2015年のデータを対象とする。 1月、7月、年平均値の時系列グラフを作成する。 グラフにマウスを持って行き、右クリックする。 近似曲線を追加
傾きが一年でどれだけ気温が上昇しているのか(温暖化)を表している。 このペースでゆくと、100年で何度上昇するか? R2は相関係数(R)を2乗したもの。 相関係数は有意であるか考えよう! 有意なら、温暖化していることになる。 全ての月で温暖化しているわけではないし、 ある場所では、温暖化していないかもしれない
=CORREL($A2:$A67, B2:B67) 「年」と1月の気温の相関係数。 ($A2:$A67, B2:B67)にある「 $ 」は、 「セルB68」を「セルC68」にコピーしたとき、($A2:$A67, C2:C67)になるようにするおまじない。 (A2:A67, B2:B67)の場合には、 (B2:B67, C2:C67)になり、全ての月のデータの相関を計算できる。 「年」と1月の気温の相関係数。
②気温データのトレンド(温暖化)の除去
=B2-(0.037*A2-77.483) トレンドを除去
全ての月のトレンドを計算しよう 年、各月のデータをドラックして 散布図を作れば一気にできる
北極振動指数=CORREL(B3:B69,O3:O69) トレンドを除いた気温データ 月毎の相関係数 横軸:月、縦軸:相関係数 相関係数の計算=CORREL(B3:B69,O3:O69)
北極振動指数(緑)と日本のある地点の気温(青) 上段はトレンドを含む そのままのデータ 近似曲線(1次)を求める 下段は、 近似曲線からのずれに直したもの。 結構、あってる。 ⇒北極振動に冬の気候 は支配されている
相関について
相関を計算してみよう R=0.4069 この関係が有意か どうかチェックしよう 相関係数はRなので、R2の平方根を計算すればよい (上の図は、トレンドを除いていないもの)
散布図と相関の感覚的理解 直線からのズレが小さい
相関係数1とは? (xn+1, yn+1) (xn, yn) (xn+1, yn+1)=α(xn, yn) のとき、散布図は一直線 になる。 つまり、 y=αx の関係が成り立っていて、 xの値とyの値が1対1に対応 する場合に相当。 このケースが相関係数1 (xn+1, yn+1) (xn, yn)
相関係数の数学的な意味 (x2 y2) (x1, y1) (0,0) A とBのなす角度(θ)は ベクトルの内積 a =(x1, y1) , 数学的には、ベクトルのなす角度 に関係している。 直線に“のっかる”とは、ベクトルの なす角度が小さいこととして表現できる (x1, y1) (0,0) A とBのなす角度(θ)は ベクトルの内積 a =(x1, y1) , b =(x2, y2) = cosθ a ・b | a | ・| b |
相関係数の計算では、この性質を使っている。
と北極振動指数(AO)との相関係数を求め、 データの数が3個だったら? これでも、相関はあるといえるの? たまたま、何じゃない? ってことも考えられる。 データの個数に応じて、相関があり と言える相関係数の閾値がある 次のページの表で、 5%の有意水準というのは、 95%の確率で確からしい 1%の有意水準というのは、 99%の確率で確からしい ことを意味している。(詳細は省略) いくつかの地点の月平均気温を、 と北極振動指数(AO)との相関係数を求め、 相関を調べなさい。
標本数(データ数)と相関係数の限界値 例えば、データ数が60個の場合、 相関係数が0.254以上の場合、95%の信頼で相関があると言える
奄美大島、石垣島、南大東、八丈島、小笠原(父島)