日本産科婦人科学会 平成23年度 拡大医療改革委員会 兼 産婦人科医療改革公開フォーラム 「産婦人科医療における格差是正に向けて」

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「産婦人科医療における格差是正に向けて」
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日本産科婦人科学会 平成23年度 拡大医療改革委員会 兼 産婦人科医療改革公開フォーラム 「産婦人科医療における格差是正に向けて」 日本産科婦人科学会 平成23年度 拡大医療改革委員会 兼 産婦人科医療改革公開フォーラム 「産婦人科医療における格差是正に向けて」 司会: 斎藤 滋(富山大学・日本産科婦人科学会若手育成委員会委員長) 澤倫太郎(日本医科大学・日本産科婦人科学会副幹事長) 【第一部(午後1時開始予定)】 挨拶: 岡井 崇(昭和大学・日本産科婦人科学会副理事長) 泉 陽子(厚生労働省雇用均等児童家庭局・母子保健課長) 佐久間 敦(厚生労働省医政局指導課・救急周産期医療等対策室長) 基調講演 「産婦人科医数の現状等について」 海野信也(北里大学・医療改革委員会) 「婦人科腫瘍診療に関するアンケート調査報告」 高倉 聡(東京慈恵会医科大学・医療改革委員会) 「産婦人科勤務医の就労環境と編在-日本産婦人科医会調査から」  中井章人(日本医科大学・日本産婦人科医会勤務医部会) 【第二部(午後1時45分開始予定)】 各地域からの報告 「岩手県周産期医療情報システム(いーはとーぶ)による地域連携ー東日本大震災の経験を踏まえてー」 岩手県立大船渡病院副院長 小笠原敏浩 「秋田の現状:離れられない、学べない」 秋田大学医学部附属病院周産母子センター准教授 熊谷 仁 「埼玉県の大学病院における妊産婦の問題点」 防衛医科大学校産科婦人科教授 古谷健一 「長崎における医師確保の取りくみ」 佐世保市立総合病院産婦人科医長 三浦清徳 「熊本大学における医学生・初期臨床研修医に対する働きかけの紹介~東洋医学と産婦人科診療との関連性の提示を通じて~」上天草市立上天草総合病院産婦人科部長 姫野隆一 総合討論(午後4時までの予定)

日本産科婦人科学会 医療改革委員会 海野 信也 (北里大学医学部産婦人科) 「周産期医療の広場」 http://shusanki.org/ 2012年1月29日 日本産科婦人科学会 平成23年度 拡大医療改革委員会 兼 産婦人科医療改革公開フォーラム 「産婦人科医数の現状等について」 第4回産婦人科動向意識調査 第5回大学病院産婦人科待遇改善状況調査 平成22年医師・歯科医師・薬剤師調査における産婦人科医数の分析 2011年9月30日現在の 日本産科婦人科学会 新入会員数の推移 日本産科婦人科学会 年齢別・性別 会員数の推移 日本産科婦人科学会 医療改革委員会 海野 信也 (北里大学医学部産婦人科) 「周産期医療の広場」 http://shusanki.org/

「周産期医療の広場」施設検索 http://shusanki.org/

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日本産科婦人科学会 産婦人科動向 意識調査 「全体としての産婦人科の状況」 日本産科婦人科学会 産婦人科動向 意識調査 「全体としての産婦人科の状況」

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日本産科婦人科学会 産婦人科動向 意識調査 「産婦人科の状況に関する意識」 動向指数の変化 日本産科婦人科学会 産婦人科動向 意識調査 「産婦人科の状況に関する意識」 動向指数の変化

産婦人科 動向調査のまとめ 産婦人科専門医制度研修指導施設産婦人科責任者を対象としては4年連続のアンケート調査を行った。 産婦人科 動向調査のまとめ 産婦人科専門医制度研修指導施設産婦人科責任者を対象としては4年連続のアンケート調査を行った。 回答率は過去3年間62%程度となっている。 Positiveにとらえる回答の減少 過去3回の調査で産婦人科全体の状況および侍史施設の状況が改善傾向ととらえる回答は増加し続けてきたが、今回は前年より減少した。 動向指数はプラスを維持しており、状況が悪化しているとまでは結論できないが、「おどり場状態」にあると考えざるを得ない。 震災の影響を指摘する回答は比較的少数であった。 「学会として優先的に取り組む課題」 例年同様、産婦人科医を増やすための努力、勤務医の労働条件及び処遇の改善、女性医師の勤務環境改善、地域偏在対策をあげる回答が多かった。 上記の4点が今後の医療改革委員会の活動の中心軸となると考えられる。

大学病院産婦人科医師待遇改善状況調査 産婦人科の夜間・休日体制 当直翌日の勤務緩和 分娩あたりの手当 あり 2008 2009 2010 4旧国立大学病院で、MFICU勤務者、NICU勤務者等で導入 公立大学病院分院で1施設交代勤務制を導入 当直翌日の勤務緩和 分娩あたりの手当 あり 2008 2009 2010 2011 14 18 17 2008 2009 2010 2011 国立大学病院 (43病院  防衛医大を含む) 8 18 26 27 公立大学病院 (8病院) 3 6 6  私立大学病院本院 (29病院) 7 12 13 合計(分院を含む106病院) 14 32 48 54 2旧国立大学病院で、一度導入された分娩手当が廃止されるという事態が発生している。産婦人科の現状認識に重大な誤解がある可能性が懸念される。

日本産科婦人科学会 年齢別会員医師数 2011年12月

日本産科婦人科学会 年度別入会者数(産婦人科医) 2011年9月30日現在

日本産科婦人科学会 卒業年度別会員数(産婦人科医) 2011年9月30日現在

主たる診療科が産婦人科または産科の医師数の変化 都道府県別・平成22年と平成18年の比較 全体では578名の増加となっていますが、東京、大阪、神奈川、埼玉の増加分の和は全体の増加分の59%を占めています。 山形、福島、群馬、福井、山梨、鳥取、徳島、香川、高知、佐賀、長崎、熊本、鹿児島では減少しています。

主たる診療科が産婦人科または産科の医師数の変化 病院勤務・都道府県別・平成22年と平成18年の比較 病院勤務医は全国で566名増えたことになっています。東京、大阪、神奈川、福岡で増加が著しいようです。 山形、福島、山梨、鳥取、香川、高知、佐賀、大分、鹿児島では、産婦人科病院勤務医が減少しているという結果になりました。

主たる診療科が産婦人科または産科の医師数の変化 診療所勤務・都道府県別・平成22年と平成18年の比較 診療所医師数は増加と減少が相半ばしているようです。 その中で、東京と神奈川の増加が目立ちます。 東京と神奈川では病院も診療所も産婦人科医が増えていることになります。

都道府県別の直近5年間の新規産婦人科専攻医数 (後期研修医) 日産婦学会で把握している各都道府県における2006年から2010年までの新規専攻医数の合計を人口10万対で補正した場合、日本全体で年間500人のレベルを超えてたるのは、宮城、栃木、東京、石川、京都、大阪、徳島、福岡、沖縄でした。

都道府県別 初期臨床研修マッチング者数と 産婦人科専攻医数の関係 都道府県別 初期臨床研修マッチング者数と 産婦人科専攻医数の関係 Y=-5.531+0.0621X R2=0.955 P<0.001  初期臨床研修を終えてから専攻する診療科に進むこと、初期研修ではマッチングの制度があるが、後期研修ではないこと等の理由から、都道府県別初期研修医数と後期研修医数は相関すると考えられます。  事実、産婦人科では強い相関が認められました。  6%程度の研修医が産婦人科を専攻していることになります。

都道府県別 初期臨床研修マッチング者数と 産婦人科専攻医数の関係 都道府県別 初期臨床研修マッチング者数と 産婦人科専攻医数の関係 Y=0.114+0.0485X R2=0.537 P<0.001  都道府県別の人口10万あたりの初期臨床研修医数は埼玉の12.7から京都の56.0まで大きな幅があります。  このグラフで回帰直線の上側にプロットされた地域は、産婦人科専攻医数が初期研修医数と比較して相対的に多い地域と考えられます。

都道府県別 初期臨床研修マッチング者数(2004-2008)と 新規産婦人科専攻医数(2006-2010)の関係 都道府県別 初期臨床研修マッチング者数(2004-2008)と 新規産婦人科専攻医数(2006-2010)の関係 人口10万対 初期研修医 マッチング数 日本産科婦人科学会入会医 東 京 51.01 3.38 鹿児島 27.37 1.23 沖 縄 51.71 3.02 千 葉 23.26 1.22 京 都 56.02 2.84 兵 庫 28.02 大 阪 36.35 2.63 岩 手 24.88 1.20 栃 木 31.44 2.44 鳥 取 32.63 1.19 石 川 38.37 2.22 宮 崎 18.50 1.15 徳 島 31.94 2.16 滋 賀 26.80 1.13 福 岡 49.54 2.09 新 潟 18.19 1.05 宮 城 23.51 2.04 高 知 29.82 岡 山 40.41 1.90 茨 城 18.42 1.04 山 形 24.90 1.88 埼 玉 12.68 秋 田 30.39 1.84 山 口 24.12 1.03 青 森 20.75 1.82 香 川 27.92 1.00 島 根 34.20 1.81 大 分 21.90 長 野 25.13 和歌山 33.96 愛 知 33.97 1.71 福 島 19.27 0.99 静 岡 21.73 1.54 三 重 19.09 0.97 山 梨 26.89 1.51 岐 阜 23.16 0.96 富 山 25.70 1.46 広 島 24.50 0.94 神奈川 32.50 1.44 熊 本 29.00 群 馬 23.11 1.39 佐 賀 32.13 0.82 福 井 27.65 1.36 奈 良 28.50 長 崎 33.23 1.33 愛 媛 26.49 北海道 28.65

新規産婦人科医の養成について 現状認識 全体として 地域格差をどう考えるか 「踊り場状態」「伸び悩み」という認識は間違っている 「いきづまり」状態と考えるべき 地域格差をどう考えるか これまでのやり方は「大都市」「東京・大阪」にのみ有効。 初期臨床研修制度における大都市集中と同質の背景 多数の医学部・大病院が存在し、同一地域内で選択できる 「地方」については全く異なるアプローチが必要 「噴水方式」「散水器方式」「分散育成方式」??

産婦人科医の育成方式(1) 噴水方式 Pro 大都市集中という現状からの連続性を描きやすい。 東京・大阪に限定していては、医局所属でない産婦人科医が、安定した常勤職を確保できない。 専門医のためのJOBNETが必要ではないか。 Con 東京・大阪で専攻医研修を行った医師は、地方勤務を忌避することが多い。 地方では、症例数が限定され、指導医が少ないため、専門性を高めることが難しい。 地方では研修機会を確保しにくい。 地方では、将来の開業の展望が開けにくい。 専門医取得後の再マッチング:東京・大阪等の大都市で専門医になり、その後、各地域で臨床経験をつみつつ、専門性を高めていく。

産婦人科医の育成方式(2) 散水器方式 Pro 地域間のバランスをとりやすい。 各地域での専攻医数を均てん化できる。 安定的な医療体制の構築ができる Con 新規専攻医にとっての門戸が狭くなり、産婦人科志望者が減少する可能性がある。 大都市でも専攻医確保が困難になる危険性がある。 専攻医研修の段階でのマッチング:当時者の希望をききながら、地域間のバランスを考慮し、適正配置を行う

産婦人科医の育成方式(3) Pro 分散育成方式 地域と指導者の特殊性、適性を生かした展開ができる。 都道府県を超えたブロック内での競争、連携により、全体としての研修環境を確保する。 安定した常勤職確保を行いやすい。 地域での専門性を生かした開業の道が開ける可能性がある。 Con 各施設の指導者の資質に依存しており、指導者の負担が大きい。 専門性を高めることが、施設の収益に直結しない場合がある。 大規模病院にすべての診療領域の医療提供を期待する地域住民の要望に応えられない場合がある。 分散育成方式 各研修指導施設が、地域内で施設の特色を生かしバラエティに富んだ魅力ある専攻医プログラムを提示することによって、専攻医確保を行う。

産婦人科医の育成方式 考察 専攻医段階で配置を調整する「散水器方式」は、専攻医に受け入れられにくいだろう。 産婦人科医の育成方式 考察 専攻医段階で配置を調整する「散水器方式」は、専攻医に受け入れられにくいだろう。 「噴水方式」と「分散育成方式」の組み合わせが現実的か。 地域の施設の魅力を高める努力が必要。 大都市で専門医になった医師が、大都市に居続ける必要のない受け皿を整備する必要。 勤務環境:過度に現場に縛りつけられることがない 研修環境:専門性を高めることができる 合理的かつ当事者が納得できるマッチングのシステムを構築する必要。 JOBNETを発展させ、よりきめ細かい情報提供を行うとともに、病院側、医師側双方にアドバイスする相談機能も必要なのではないか