クラスター分析を用いた施設内レイアウト技法LOGICの改良

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クラスター分析を用いた施設内レイアウト技法LOGICの改良 流通情報工学課程 99747 松葉 泰剛 松葉泰剛です。「クラスター分析を用いた施設内レイアウト技法LOGICの改良」について発表を行います。

新物流施策大綱 国際的に魅力ある事業環境・生活環境、及び効率的な物流基盤の整備を進める必要がある 特に物流の効率化・高齢者及び女性にも適した作業環境の整備への対応には 研究の背景の説明を説明します。 現在の日本の物流に対し、新物流施策大綱では、国際的に魅力ある事業環境・生活環境、及び効率的な物流基盤の整備を進める必要がある と示されています。 その中でも特に、物流の効率化・高齢者及び女性にも適した作業環境の整備への対応には、物流施設におけるレイアウトの検討が非常に重要な要素となってきます。 物流施設におけるレイアウトの検討が重要

研究目的 施設内レイアウト技法LOGICの改良 そこで本研究では、有効なレイアウト設計を行えるよう、施設内レイアウト設計のためのLOGICという技法を、多変量解析の1つであるクラスター分析を用いることで改良を行い、レイアウト技法改良型LOGICを作成する。そして、この改良型LOGICを用いてレイアウト設計を支援することを目的とします。

発表の構成 施設内レイアウトにおける検討項目 従来のレイアウト技法 LOGICの改良点 改良型LOGICの説明 改良型LOGICの検証 結論 リンク法 LOGIC LOGICの改良点 改良型LOGICの説明 改良型LOGICの検証 評価方法 結果 結論 これが発表の構成になります。 施設内レイアウト技法改良型LOGICを構築する上で、まず、施設内レイアウトにおける検討すべき項目にふれ、過去の研究におけるレイアウト技法について見ていきます。

物流施設におけるレイアウトの検討 考慮項目 決定事項 ・物の流れ ・情報の流れ ・運搬経路 ・敷地形状 ・敷地面積 ・取扱い貨物の種類 ・物の流れ ・情報の流れ ・運搬経路 ・敷地形状 ・敷地面積 ・取扱い貨物の種類 ・取扱い貨物量 決定事項 ・場所どうしのつながり ・位置関係 ・各場所面積 ・各場所形状 物流施設におけるレイアウトの検討を行うにあたって、このような考慮すべき項目があります。そして、これらの考慮項目をふまえて、(クリック)このようなことを決定します。 しかし、これらの項目を1度に考慮できるレイアウト技法はなく、過去の研究におけるレイアウト技法は1つ1つ考慮し、決定しています。

リンク法 定性的な部分を定量的に表した それらの中の1つにリンク法というものがあります。 この技法は、古典的なレイアウト手順での、各場所どうしの近接関係を表した近接性相互関連表から、各場所どうしのつながりを、ネットワークとして捉え、定量的に、各場所どうしの位置関係を決定するものである。

施設内レイアウト技法LOGIC 場所の面積を考慮した上で場所どうしの位置関係を決める手法 (Layout Optimization with Guillotine Induced Cuts) developed by Tam(1991) 場所の面積を考慮した上で場所どうしの位置関係を決める手法 また、その他にLOGICという施設内レイアウト技法があります。 これは、先ほどのものとは違い、場所の面積を考慮したうえでの場所どうしの位置関係を決めるレイアウト技法です。 「FACILITIES PLANNING SECOND EDITION」

施設内レイアウト技法LOGIC V:縦 h:横 E:東 W:西 S:南 N:北 A,B,C,E,H D,F,G E N S A,B G W E N S A,B G C,E,H D,F A B C,H E G D F このLOGICとい技法は、左側の構造木というものを基に、場所の集合を分割していくことでレイアウトを決めていくものです。 この構造木は、場所の集合を分けていく過程、そのときの対象エリアを縦にカットするか横にカットするか、分割された集合を東西南北のどこに割り振るかという3つの情報をもっているものです。レイアウトを決めていく過程はこのようになります。(アニメーション) しかし、この技法には、こういった基本的な考えのみしかなく、具体的な手順・方法は示されていません。 そこで、このLOGICという技法の改良を行い、改良型LOGICを構築を行います。 A B C D E F G H

発表の構成 施設内レイアウトにおける検討項目 従来のレイアウト技法 LOGICの改良点 改良型LOGICの説明 改良型LOGICの検証 結論 リンク法 LOGIC LOGICの改良点 改良型LOGICの説明 改良型LOGICの検証 評価方法 結果 結論 ここで、実際に改良した点、そして改良型LOGICの説明を行います。

施設内レイアウト技法LOGICの改良理由と改良内容 改良内容は、場所の集合を分割していく順序をクラスター分析を用いて決定し、カット方法と場所の割り当て方は、評価式を考案して決定する。 施設内レイアウト技法LOGICの、基となっている構造木の、具体的な作成手順が示されていないので、改良する必要があります。 そこで、LOGICを改良し、改良型LOGICを構築することを試みました。 改良内容は、場所の集合を分割していく順序をクラスター分析を用いて決定し、カット方法と場所の割り当て方は、評価式を考案して決定することです。

改良型LOGICアルゴリズム 改良型LOGICの説明に入ります。 これが改良型LOGICの手順になります。

Step1. 入力 ・近接性相互関連表(数値化したもの) ・各アクティビティの面積、総面積 ・縦幅と横幅の比 ・パラメータ 入力データは、近接性相互関連表を数値化したものと、各アクティビティの面積、総面積、敷地の縦幅と横幅の比、パラメータです。

Step2. クラスター分析 次にクラスター分析を利用し、クラスター分析の類似のものをグルーピングしていくという点を近接性の高い場所どうしをグルーピングしていくというように捉え、入力された近接性相互関連表を基に、近接性重要度の値が大きいアクティビティどうしの順にグルーピングしていきます。そして、クラスター分析結果のグルーピングされた順を逆から見ることで、場所の集合の分割順序を決定します。

Step3. 1カット目 1,2,3,4,5,7,8 6 1,2,3,4,5,7,8 6 1カット目は、水平カットと垂直カットの2通りであり、割り振り方は1カット目に関してはどちらでも同じである。 また、1カット目の段階では一概にどちらが良いと判断できないので、ここで1カット目が水平カットと垂直カットの場合に分岐させ最後に比較する形をとります。

カット種類と場所の割り当て判断 Step4. C D B A C D B A C D B A C D B A 2カット目以降は、水平カットの場合、一方が北でもう一方が南、もしくは一方が南でもう一方が北の2通り、垂直カットの場合、一方が東でもう一方が西、もしくは一方が西でもう一方が東の2通り、計4通りを考案した評価式を行って、値が最大の場合を選択し、それをカットの仕方、部の割り当て方とする。

評価式の考案(カットの選択と場所割り当て判断) 評価値 接しているグループどうしの接線の長さ 近接性重要度 パラメータ 評価式は、隣り合っている場所どうしの接線の幅を利用して考案したものである。(クリック)この式の初めの部分はそれぞれの隣り合った場所どうしの接線幅の長さ、1と2の場合オレンジ色で示した部分、これと近接性重要度を数値化したものとの積の総和です。(クリック)後半の部分は1と3のように離れてしまった関係を考慮するために設けたものです。パラメータによりこの離れてしまった関係のペナルティ度合いうを変化できるようしています。 2 3 1 4

Step 5.6.7. そして全ての場所の振り分けが終わったら、1カット目が水平の場合と垂直の場合とを評価式を使用して比較して評価の良いほうを選択します。 (クリック)。そして、離れた関係の考慮度合いであるパラメータを調整し、最終案を出します。

最終結果 Step7. これが最終レイアウト案になります。

発表の構成 施設内レイアウトにおける検討項目 従来のレイアウト技法 LOGICの改良点 改良型LOGICの説明 改良型LOGICの検証 結論 リンク法 LOGIC LOGICの改良点 改良型LOGICの説明 改良型LOGICの検証 評価方法 結果 結論 次に改良型LOGICの検証を行います。

過去の研究リンク法との比較により検証するための評価項目 改良型LOGICの検証は、先ほど取り上げた過去の研究であるリンク法との比較により行います。 比較するためリンク法においてもプログラム化しています。 検証するための評価項目は、アクティビティ相互関連はよいか、物の流れはスムーズか、情報の流れは円滑か、全体のスペースバランス、実際のレイアウト設計図への適用は容易か、という項目で行いました。

リンク法出力 改良型LOGIC出力 土地形状考慮結果 場所間つながり考慮結果 改良型LOGIC結果 S:2.0S:2.0S:7.0S:0.0S:1.0S:7.0S:2.0S:6.0S:3.0S:4.0S:402.5S:1.0S:0.0S:0.0S:20.4S:19.8S:10.2S:9.9S:-1.0S:1.0S:1.0S:1.0S:5.0S:12.5S:0.0S:0.0S:19.8S:20.4S:20.4S:10.2S:20.1S:-1.0S:-2.0 S:1.0S:4.0S:4.0S:2.0S:6.0S:3.0S:4.0S:247.5S:0.6S:0.0S:0.0S:12.5S:19.8S:6.3S:9.9S:0.0S:2.0S:3.0S:3.0S:0.0S:1.0S:7.0S:155.0S:0.4S:12.5S:0.0S:20.4S:19.8S:16.4S:9.9S:0.0S:4.0 S:2.0S:2.0S:3.0S:2.0S:6.0S:3.0S:235.0S:0.9S:0.0S:0.0S:12.5S:18.8S:6.3S:9.4S:1.0S:3.0S:1.0S:1.0S:4.0S:12.5S:0.1S:0.0S:18.8S:12.5S:19.8S:6.3S:19.3S:1.0S:-2.0 S:2.0S:2.0S:2.0S:2.0S:6.0S:200.0S:0.9S:0.0S:0.0S:12.5S:16.0S:6.3S:8.0S:2.0S:5.0S:1.0S:1.0S:3.0S:35.0S:0.1S:0.0S:16.0S:12.5S:18.8S:6.3S:17.4S:2.0S:-2.0 S:2.0S:2.0S:2.0S:0.0S:1.0S:125.0S:0.8S:12.5S:0.0S:20.4S:15.9S:16.4S:8.0S:1.0S:6.0S:1.0S:1.0S:7.0S:30.0S:0.2S:12.5S:15.9S:20.4S:19.8S:16.4S:17.8S:1.0S:-2.0 S:2.0S:2.0S:1.0S:2.0S:75.0S:0.4S:0.0S:0.0S:12.5S:6.0S:6.3S:3.0S:3.0S:-2.0S:1.0S:1.0S:6.0S:125.0S:0.6S:0.0S:6.0S:12.5S:16.0S:6.3S:11.0S:3.0S:-2.0 S:2.0S:1.0S:1.0S:0.0S:65.0S:0.5S:12.5S:7.6S:20.4S:15.9S:16.4S:11.8S:4.0S:-2.0S:2.0S:1.0S:1.0S:60.0S:0.5S:12.5S:0.0S:20.4S:7.6S:16.4S:3.8S:4.0S:-2.0 これがそれぞれの結果になります。リンク法の出力は抽象的なものであるので、与えた敷地形状を考慮して面積を加えたたものと、位置関係を考慮して面積を加えたものを作図しました。 土地形状考慮結果 場所間つながり考慮結果 改良型LOGIC結果

検証結果 敷地形状考慮リンク法 つながり考慮リンク法 改良型LOGIC結果 それぞれの評価結果です。敷地形状を考慮したリンク法の結果は、敷地内に収めようとすると場所同士のつながり、位置関係が崩れてしまう傾向にある。また、位置関係を考慮したリンク法の結果は与えた面積をはみ出てしまう傾向にあった。これら両方ともに、もっと場所どうしの面積差があった場合、形状もしくは位置関係のどちらかが大きく崩れる可能性がある。 この結果により面積を考慮したうえで位置関係を決定することが有効であることがわかる。 そして改良型LOGICにより得られる結果が、良好なレイアウト案であることも示せた。 敷地形状考慮リンク法 つながり考慮リンク法 改良型LOGIC結果

発表の構成 施設内レイアウトにおける検討項目 従来のレイアウト技法 LOGICの改良点 改良型LOGICの説明 改良型LOGICの検証 結論 リンク法 LOGIC LOGICの改良点 改良型LOGICの説明 改良型LOGICの検証 評価方法 結果 結論 結論に入ります。

結論 施設内レイアウト技法LOGICをクラスター分析を用いることで改良し、改良型LOGICを構築した。 終わります。

今後の課題 ・シミュレーションを行い詳細な考慮を行なう。 ・運搬経路・通路の配置 ・立体施設への対応 改良型LOGICに加え、シミュレーションを行うことで保管率、稼働率、時間別の物の流れ、将来への対応性など詳細な点まで考慮できるようにする。 施設内の運搬などによる通路の配置を考慮できるようすべきである。 評価の計算方法を近接性重要度が高い関係の部どうしは、離れた場所に配置されにくく、接する幅も長くなりやすい。また、近接性重要度が低い関係のものどうしは、接しても幅は短くなりやすく、離れた場所に配置されやすいように考慮するため作成したが、グループどうしの間に総面積の差が大きいと、パラメータを設けたことによりある程度は対応できるが、長細いアクティビティができる傾向にあるので、評価計算方法に制約条件を設けるなどして、改善すべきである。 近接性相互関連表の作成に関しての検討が必要である。 立体施設への対応ができるよう検討する必要がある。

改良方針(1) クラスター分析を用いて構造木のベースを作成

フロムトゥチャート→近接性相互関連表+面積データ 改良方針(3) フロムトゥチャート→近接性相互関連表+面積データ + 面積データ

古典的レイアウト手法 荷受場 検品場 仕分場 流通加工場 保管場 特殊商品置場 発送場 事務所 A B C D

古典的レイアウト手法

古典的レイアウト手法 事務所 特殊商品置場 保管場 流 通加工場 発送場 仕分場 荷受場(検品兼)

施設内レイアウト技法LOGICの利用理由 具体的手順が示されておらず、改良が必要 W E N S

Step1. 入力(2) 縦幅6:横幅4 パラメータ 

レイアウトの評価項目 ・無駄な配置がされているか ・物の流れはスムーズか ・将来の拡張を計画に入れているか ・全体のスペースバランスはよいか ・保管効率は高まったか ・現品管理は容易になったか ・物流コストは減少したか ・稼働率は向上したか ・作業能率は高まったか ・アクティビティ相互関連表はよいか ・情報の流れは円滑か ・各アクティビティの面積は十分であるか ・作業進歩状況は把握しやすいか ・品質劣化は減少したか ・品質損傷率は減ったか ・リード・タイムは短縮したか ・運搬経路は確保されているか また、レイアウトの評価項目にはこのようなものがあります。(クリック)赤丸で示したものはレイアウト技法により得られたレイアウト案の評価対象とできるもので、無駄な配置がされているか、アクティビティ相互関連表はよいか、物の流れはスムーズか、情報の流れは円滑か、 全体のスペースバランスはよいか、運搬経路は確保されているかがあり、以後本研究で作成した技法の検証、評価で使います。

レイアウト設計例 さらに、改良型LOGICを用いて、実際に存在する施設の設計を行い設計例として、既存施設の改善を試みました。対象施設は、パレットレンタルシステムにおける直営デポを取り上げています。左の図が既存のものであり、右が実際に設計してみた結果です。赤いラインはパレットの主な流れを表しているものですが、既存施設が逆流・交錯などが起きており、スムーズとはいえない。改良型LOGICによる結果は赤いラインが円状になっておりパレットの流れはスムーズである。また、既存施設では未選別パレットなど同じ機能をもつ場所が複数に分裂している。同じ機能を持つものは1つの場所に必要な面積設けるべきであり、改良型LOGICの結果はスペースバランスが比較的良い結果である。しかし、改良型LOGICの結果でパレットが主に流れる部分ではないが中古・廃棄パレットが事務所の裏に配置されており非効率である。また、伝票の受け渡しを行う事務所と荷役作業場が離れてしまっており、情報の流れは円滑ではない。これらの問題の原因に入力データである近接性相互関連表が挙げられ、検討し直す必要がある。