GIスライドデッキ2018 以下の会議で発表された特定の抄録:

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急性腹症は定番 CT の重要性 解剖、腫瘍疾患の所見は必須 MRI 婦人科疾患の鑑別 T1 強調像、 T2 強調像の意味 消化管造影は減少? 内視鏡との相補的な扱い ポリポーシス、大腸疾患は依然重 要 肝、胆道系(腫瘍の鑑別)は? 腹部の画像診断のポイント.
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Fukuyama City Hospital Sorafenib とは Sorafenib とは 2012 年 7 月 28 日 福山市民病院 内科 ○ 辰川 匡史 藪下 和久 下江 俊成 坂口 孝作.
結果 副作用 患者背景 序論 ベバシズマブ(アバスチン)は VEGF に対するモノクローナル抗体である。ベバ シズマブは血管新生を阻害し、抗がん剤の腫瘍内への到達を増加させることで抗 がん剤の効果を増強すると考えられる。 再発進行大腸がん・非小細胞肺がんに対して用いられており、一定の評価を得て いる。
GIスライドデッキ2015 以下の会議で発表された結腸直腸癌に関する特定の抄録:
GIスライドデッキ2016 以下の会議で発表された非結腸直腸癌に関する特定の抄録:
Rolf Stahel教授からの書簡 会員各位 今回、このETOPスライドセットをご紹介できることを大変光栄に思います。このスライドセットは、2016年に 開催された主要な学会で発表された、胸部癌に関する重要な所見に焦点を合わせて概要を示すことを目 的としています。このスライドは特に 米国臨床腫瘍学会(ASCO)2016.
2012年7月28日 福山市民病院 内科 ○辰川 匡史 藪下 和久 下江 俊成 坂口 孝作
つちだ小児科  土田晋也
LDL-C代謝機構の 新たなパスウェイ PCSK9 野原 淳 先生 監修: 金沢大学大学院 医薬保健学総合研究科 脂質研究講座 特任准教授
背景 CABGを必要とする虚血性冠動脈疾患の背景には動脈硬化の影響があり、プラークの退縮効果が明らかにされているスタチンを投与することで予後を改善する効果が期待される CABGを行った患者に対しスタチンを投与することで予後を改善する効果を検証することが本研究の目的である 2015/2/17 第45回日本心臓血管外科学会.
GIスライドデッキ2016 以下の会議で発表された結腸直腸癌に関する特定の抄録:
GIスライドデッキ2016 以下の会議で発表された特定の抄録:
『腹腔内または骨盤内のがん』 と診断された患者さんへ
I gA腎症と診断された患者さんおよびご家族の皆様へ
卵巣腫瘍(2)悪性卵巣腫瘍 女性生殖器コース講義 .
用法・用量 通常、成人には初回投与量(1回量)を体表面積に合せて次の基準量とし、朝食後および夕食後の1日2回、28日間連日経口投与し、その後14日間休薬する。これを1クールとして投与を繰り返す。ただし、本剤の投与によると判断される臨床検査値異常(血液検査、肝・腎機能検査)および消化器症状が発現せず、安全性に問題がない場合には休薬を短縮できるが、その場合でも少なくとも7日間休薬する。
がんの家族教室 第2回 がんとは何か? 症状,治療,経過を中心に
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Hironori Kitaoka.
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GIスライドデッキ2016 以下の会議で発表された結腸直腸癌に関する特定の抄録:
疫学概論 患者対照研究 Lesson 13. 患者対照研究 §A. 患者対照研究 S.Harano,MD,PhD,MPH.
Rolf Stahel教授からの書簡 会員各位 今回、このETOPスライドセットをご紹介できることを大変光栄に思います。このスライドセットは、2016年 に開催された主要な学会で発表された、胸部癌に関する重要な所見に焦点を合わせて概要を示すこと を目的としています。このスライドは特に第17回世界肺癌学会議(IASLC.
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GIスライドデッキ2017 以下の会議で発表された特定の抄録:
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医療法人社団 高山泌尿器科 臨床工学部門 斎藤 寿 友西 寛 工藤 和歌子 佐藤 友紀
福島県立医科大学 医学部4年 実習●班 〇〇、〇〇、〇〇、〇〇、〇〇、〇〇
Rolf Stahel教授からの書簡 会員各位 今回、このETOPスライドセットをご紹介できることを大変光栄に思います。このスライドセットは、2018年に 開催された主要な学会で発表された、胸部癌に関する重要な所見に焦点を合わせて概要を示すことを目 的としています。このスライドは特に第19回世界肺癌学会議(IASLC)に焦点を当てており、英語、フラン.
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UFT服薬に関しての注意事項 ☆ 患者さんには「UFT服用のてびき」をお渡し下さい。.
2015年症例報告 地域がん診療連携拠点病院 水戸医療センター
背景:在宅医療の現状と意義 入院・外来に次ぐ『第三の診療体系』として 入院 外来 在宅 意義 ・多様化する病態や『生き方』への対応
GIスライドデッキ2017 以下の会議で発表された特定の抄録:
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GIスライドデッキ2018 以下の会議で発表された特定の抄録:
GIスライドデッキ2018 以下の会議で発表された特定の抄録:
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GIスライドデッキ2019 以下の会議で発表された特定の抄録:
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「JSEPTIC-BW ICU における体重測定の意義」 経緯と今後
疫学概論 臨床試験の種類 Lesson 14. 無作為化臨床試験 §B. 臨床試験の種類 S.Harano,MD,PhD,MPH.
Rolf Stahel教授からの書簡 会員各位 今回、この ETOPスライドセットをご紹介できることを大変光栄に思います。このスライドセット は、2019年に開催された主要な学会で発表された、胸部がんに関する重要な所見に焦点を合わせ て概要を示すことを目的としています。このスライドは特に米国臨床腫瘍学会年次会議に重点を.
私のカルテ 発熱性好中球減少に対する予防的G-CSF製剤使用のための地域連携パス(通称:G連携)
日本医科大学千葉北総病院 地域がん診療連携拠点病院講演会
Presentation transcript:

GIスライドデッキ2018 以下の会議で発表された特定の抄録:

ESDOからの書簡 親愛なる会員の皆様 今回、このESDOスライドセットをご紹介できることを大変光栄に思います。このスライドセットは、2018年に開催された主 要学会で発表された、消化器癌に関する重要な所見を強調・要約することを企図したものです。このスライドは特に 2018年 消化器癌シンポジウムに重点を置いており、英語、フランス語および日本語でご利用いただけます。 腫瘍学における臨床研究の分野は、絶えず変化し続ける、厳しい環境下にあります。そうした環境下において、我々は 皆、科学者、臨床医および教育者としての役割において、知識の深化を促進し、さらなる進歩の契機をもたらしてくれる、 科学的なデータや研究所見の入手の機会を貴重なものであると考えています。消化器癌の領域における最新情報に関 する今回のレビューが、皆さまの臨床診療にとって有益なものとなることを期待しています。本件につきましてご意見・ご感 想などございましたら、是非お聞かせ下さい。お問い合わせはinfo@esdo.euまでお送りください。 最後に、このような活動の実現に際し、資金、運営管理および物流管理の面においてご支援いただいたLilly Oncology 社様に心より御礼申し上げます。 敬具 Eric Van Cutsem Ulrich Güller Thomas Seufferlein Thomas Grünberger Côme Lepage Tamara Matysiak-Budnik Wolff Schmiegel Jaroslaw Regula Phillippe Rougier (名誉教授) Jean-Luc Van Laethem (ESDO運営委員会)

ESDO腫瘍内科研究スライドデッキ 編集者(2018年) 結腸直腸癌 Eric Van Cutsem教授 ベルギー、ルーバン、大学病院、消化器腫瘍科 Wolff Schmiegel教授 ドイツ、ボーフム、フール大学、医学部 Thomas Gruenberger教授 オーストリア、ウィーン、ルドルフ財団クリニック、外科 I Jaroslaw Regula教授 ポーランド、ワルシャワ、腫瘍学研究所、消化器病学・肝臓学 膵癌および肝胆道系腫瘍 Jean-Luc Van Laethem教授 ベルギー、ブリュッセル、エラスムス大学病院、消化器癌 Thomas Seufferlein教授 ドイツ、ウルム、ウルム大学、内科 I Ulrich Güller教授 スイス、ザンクトガレン、ザンクトガレン州立病院、臨床腫瘍内科・血液科 胃食道・神経内分泌腫瘍 Côme Lepage教授 フランス、ディジョン、大学病院および国立衛生医学研究所 Tamara Matysiak教授 フランス、ナント、消化器系疾患研究所、肝胆膵・消化器病・ 消化器腫瘍学 バイオマーカー Eric Van Cutsem教授 ベルギー、ルーバン、大学病院、消化器腫瘍科 Thomas Seufferlein教授 ドイツ、ウルム、ウルム大学、内科 I

用語集 1L 第一選択 GEJ 胃食道接合部 PD-1 プログラム死-タンパク1 5FU 5-フルオロウラシル GEM ゲムシタビン PD-L1 プログラム死-リガンド1 AE 有害事象 gGT γ-グルタミルトランスフェラーゼ PK 薬物動態 ALT アラニン・アミノトランスフェラーゼ HBV B型肝炎ウイルス (m)PFS 無増悪生存期間(中央値) AST アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ HCV C型肝炎ウイルス PR 部分奏効 BICR 盲検下独立中央判定 HCC 肝細胞癌 PS 一般状態 bid 1日2回 HER2 ヒト上皮成長因子受容体2 q2/3w 2/3週間ごと BOR 最良総合効果 HIPEC 腹腔内温熱化学療法 QoL 生活の質 CAPOX カペシタビン + オキサリプラチン HR ハザード比 R 無作為化 CI 信頼区間 HRQoL 健康関連生活の質 RAMIE ロボット支援型低侵襲胸腔鏡下食道切除 術 CPK クレアチニンホスホキナーゼ IHC 免疫組織化学 CR 完全奏効 IV 静脈内 RECIST 固形腫瘍の治療効果判定のためのガイド イラン (m)CRC (転移性)結腸直腸癌 IP 腹腔内投与 CRS 腫瘍減量手術 LMWH 低分子量ヘパリン RFS 無再発生存期間 CT 化学療法 mAb モノクローナル抗体 RT 放射線療法 D 日 MCDC 修正版Clavien–Dindo分類 RT-PCR 逆転写ポリメラーゼ連鎖反応 S-1 テガフール + ギメラシル + オテラシル DCR 病勢コントロール率 mFOLFIRINOX 修正版ロイコボリン + 5-フルオロウラシル + イリノテカン + オキサリプラチン DFS 無病生存期間 SAE 重篤な有害事象 dMMR DNAミスマッチ修復欠損 SD 病勢安定 DoR 奏効持続期間 MMR ミスマッチ修復 SE 標準誤差 ECOG 米国東海岸癌臨床試験グループ mRNA メッセンジャーRNA SoC 標準的治療 EHS 肝外転移 MSI-H 高マイクロサテライト不安定性 SSI 手術部位感染 EIPL 腹腔内大量生食洗浄 MSS マイクロサテライト安定性 TCR 治療完遂率 EpCAM 上皮細胞接着分子 MVI 肉眼的門脈浸潤 TIC 腫瘍浸潤免疫細胞 FFPE ホルマリン固定パラフィン包埋 NE 評価不能 TRAE 治療関連有害事象 FLOT ドセタキセル + 5-フルオロウラシル + ロイコボリン + オキサリプラチン ORR 客観的奏効率 VAS ビジュアル・アナログ・スケール (m)OS 全生存期間(中央値) WBC 白血球 FOLFOX ロイコボリン + 5-フルオロウラシル + オキサリプラチン OTE 開胸食道切除術 PD 病勢進行

目次 胃・食道癌 6 膵・小腸・肝胆道癌 41 膵癌 42 肝細胞癌 48 胆道癌 54 結腸・直腸・肛門癌 60 胃・食道癌 6 膵・小腸・肝胆道癌 41 膵癌 42 肝細胞癌 48 胆道癌 54 結腸・直腸・肛門癌 60 注:特定のセクションにジャンプするには、番号を右クリックし、「ハイパーリンクを開く」を選択 してください

胃・食道癌

cT3(SS)、T4a(SE)またはT4b(SI) cH0およびM0 R0手術可能 術後補助CT容認 ECOGのPSスコアが0~1 1: 切除可能な≧ T3胃癌に対して標準治療に追加する腹腔内大量生食洗浄の意義を探索する無作為化第Ⅲ相試験の長期予後:CCOG 1102 – Morimoto Dら 試験の目的 ≧T3胃癌患者において、従来型の洗浄に対して、腹腔内大量生食洗浄(EIPL)の優越性を示す 主要な患者選択基準 進行胃腺癌 cT3(SS)、T4a(SE)またはT4b(SI) cH0およびM0 R0手術可能 術後補助CT容認 ECOGのPSスコアが0~1 (n=314) EIPL 生理食塩水10,000 mL (n=145) pStage I~ 投与なし pStage II/III – S-1を 12カ月 p/cStage IV – 医師が選択 層別化 治験実施施設 cT3 vs cT4a vs cT4b 術後補助療法(ありvsなし) R 1:1 非EIPL 生理食塩水3,000 mL (n=150) 主要エンドポイント DFS 副次的エンドポイント OS、腹膜RFS、安全性 Morimoto Dら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 1

1: 切除可能な≧ T3胃癌に対して標準治療に追加する腹腔内大量生食洗浄の意義を探索する無作為化第Ⅲ相試験の長期予後:CCOG 1102 – Morimoto Dら 主な結果 DFS 1.0 HR 0.82 (95%CI 0.57,1.16) p=0.25 0.8 0.6 EIPL群 非EIPL群 生存率 0.4 3年DFS、% 5年DFS、% EIPL 63.9 58.0 非EIPL 59.7 51.9 0.2 145 150 12 121 113 24 105 95 36 90 88 48 29 34 60 18 17 術後経過期間 リスクに晒されていた患者数 EIPL 非EIPL Morimoto Dら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 1

1: 切除可能な≧ T3胃癌に対して標準治療に追加する腹腔内大量生食洗浄の意義を探索する無作為化第Ⅲ相試験の長期予後:CCOG 1102 – Morimoto Dら 主要な結果(続き) OS 1.0 HR 0.91 (95%CI 0.60, 1.37) p=0.65 0.8 0.6 EIPL群 非EIPL群 生存率 0.4 3年OS、% 5年OS、% EIPL 75.0 62.5 非EIPL 73.7 57.1 0.2 145 150 12 135 134 24 121 36 105 109 48 31 40 60 20 18 術後経過期間 リスクに晒されていた患者数 EIPL 非EIPL Morimoto Dら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 1

1: 切除可能な≧ T3胃癌に対して標準治療に追加する腹腔内大量生食洗浄の意義を探索する無作為化第Ⅲ相試験の長期予後:CCOG 1102 – Morimoto Dら 主要な結果(続き) 腹膜RFS 1.0 HR 0.92 (95%CI 0.62, 1.36) p=0.68 0.8 0.6 EIPL群 非EIPL群 生存率 0.4 3年RFS, % 5年RFS, % EIPL 72.3 59.3 非EIPL 69.7 59.2 0.2 145 150 12 127 130 24 114 112 36 102 103 48 32 37 60 19 18 術後経過期間 リスクに晒されていた患者数 EIPL 非EIPL Morimoto Dら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 1

1: 切除可能な≧ T3胃癌に対して標準治療に追加する腹腔内大量生食洗浄の意義を探索する無作為化第Ⅲ相試験の長期予後:CCOG 1102 – Morimoto Dら 主要な結果(続き) 結論 進行胃癌患者において、EIPLは忍容性があったが、従来の洗浄に対する優越性は示されなかった 腹腔内SSI患者において、EIPLにより再発率低下の傾向が示された グレード2以上の手術合併症 EIPL (n=145) 非EIPL (n=150) P値 全体、n (%) 29 (20.0) 41 (27.3) 0.17 腹腔内SSI、n (%) 漏出 膵瘻 膿瘍 15 (10.3) 3 (2.1) 7 (4.8) 11 (7.6) 19 (12.7) 3 (2.0) 14 (9.3) 7 (4.7) 0.59 0.97 0.13 0.30 Morimoto Dら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 1

6:切除可能な食道癌に対する、ロボット支援型低侵襲胸腔鏡下食道切除術と開胸食道切除術の比較:無作為化比較対照試験 – van der Sluis PCら 試験の目的 切除可能な胸腔内食道癌患者に対する、ロボット支援型低侵襲胸腔鏡下食道切除術 (RAMIE) と、 開胸食道切除術 (OTE) の有効性と安全性を比較する RAMIE (n=54) PD 主要な患者選択基準 切除可能な食道癌 (n=112) R OTE (n=55) PD 主要エンドポイント 全術後合併症発生率 (MCDCグレード2~5) 副次的エンドポイント 医療資源の利用、QoL、術後痛、OS、DFS van der Sluis PCら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 6

6:切除可能な食道癌に対する、ロボット支援型低侵襲胸腔鏡下食道切除術と開胸食道切除術の比較:無作為化比較対照試験 – van der Sluis PCら 主な結果 術後合併症、n (%) RAMIE (n=54) OTE (n=55) P値 全体 (MCDC 2、3、4および5) 32 (59) 44 (80) 0.02 呼吸器合併症 17 (32) 32 (58) 0.005 心合併症 12 (22) 26 (47) 0.006 創感染 2 (4) 8 (14) 0.09 吻合部からの漏出 13 (24) 11 (20) 0.57 縦隔炎 0.42 乳び胸 0.69 反回神経損傷 5 (9) 6 (11) 0.78 van der Sluis PCら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 6

6:切除可能な食道癌に対する、ロボット支援型低侵襲胸腔鏡下食道切除術と開胸食道切除術の比較:無作為化比較対照試験 – van der Sluis PCら 主要な結果(続き) RAMIE (n=54) OTE (n=55) P値 院内死亡率、n (%) 2 (4) 1(2) 0.62 2週間以内の機能回復、n (%) 38 (70) 28 (51) 0.04 短期QoL (QLQ-C30) HRQoL(退院) HRQoL(6週間) 身体機能(退院) 身体機能(6週間) 57.9 (49.9~66.1) 68.7 (61.5~75.9) 54.5 (45.8~63.3) 69.3 (61.6~76.9) 44.6 (36.7~52.5) 57.6 (50.6~64.6) 41.0 (32.4~49.6) 58.6 (51.1~66.0) 0.02 0.03 0.049 手術の根治性、n (%) R0 R1 切除不能 50 (93) 53 (96) 0 (0) 0.35 van der Sluis PCら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 6

6:切除可能な食道癌に対する、ロボット支援型低侵襲胸腔鏡下食道切除術と開胸食道切除術の比較:無作為化比較対照試験 – van der Sluis PCら 主要な結果(続き) 疼痛スコア(VAS、1~14日目) 疼痛、VASスコア 術後経過期間、日 4.0 3.0 2.0 1.0 2 4 6 8 10 12 14 p<0.001 RAMIE OTE 硬膜外 カテーテルの 抜去 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 全体 RAMIE 2.45 2.58 2.97 2.38 2.29 2.18 1.73 1.48 1.13 0.95 0.89 0.93 1.86 OTE 3.22 3.39 3.41 3.09 2.91 3.13 2.71 2.51 2.31 1.97 1.88 1.85 1.72 2.62 SE 0.40 0.39 0.13 P値 0.05 0.04 0.76 0.18 0.03 0.15 0.01 0.02 <0.001 van der Sluis PCら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 6

6:切除可能な食道癌に対する、ロボット支援型低侵襲胸腔鏡下食道切除術と開胸食道切除術の比較:無作為化比較対照試験 – van der Sluis PCら 主要な結果(続き) 結論 切除可能な食道癌患者を対象に、OTEと比較した結果、RAMIEでは術後合併症発生率の減少、術後疼痛の低下、短期QoLの改善、術後の短期機能回復の改善が見られた 腫瘍学的転帰に差はなかった 累積生存率 カ月 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 54 55 12 33 34 24 19 18 36 11 9 48 6 3 60 1 OS p=0.427 リスクに晒 されていた患者数 RAMIE OTE 累積生存率 カ月 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 52 55 12 30 31 24 18 17 36 10 9 48 6 3 60 1 DFS p=0.983 リスクに晒 されていた患者数 RAMIE OTE van der Sluis PCら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 6

胃腺癌による、組織的に確認された、および/または細胞診陽性の癌性腹膜炎および/または卵巣転移 8: CYTO-CHIP: 腹膜転移を有する胃癌患者を対象とした、腫瘍減量手術と、腫瘍減量手術 + 腹腔内温熱化学療法の比較:ワーキング・グループBIG RENAPEおよびFREGATを使用した傾向スコア解析 – Bonnot P-Eら 試験の目的 完全腫瘍減量手術 (CRS) 後の腹腔内温熱化学療法 (HIPEC) が生存率および術後転帰に与える 影響についてCRS単独と比較して評価する 主要な患者選択基準 胃腺癌による、組織的に確認された、および/または細胞診陽性の癌性腹膜炎および/または卵巣転移 2つのデータベース(BIG-RENAPEおよびFREGAT)から、1989年~2014年に診断された患者 傾向解析には、年齢、原発腫瘍、腹膜病変の範囲および術前治療を含めた (n=277) 完全CRS + HIPEC (n=180) 完全CRS (n=97) エンドポイント OS、術後転帰 Bonnot P-Eら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 8

8: CYTO-CHIP: 腹膜転移を有する胃癌患者を対象とした、腫瘍減量手術と、腫瘍減量手術 + 腹腔内温熱化学療法の比較:ワーキング・グループBIG RENAPEおよびFREGATを使用した傾向スコア解析 – Bonnot P-Eら 主な結果 腫瘍縮小の質に関して、両群で有意差は見られなかった 変数 死亡率 全体(n=277) HIPEC (n=180) CRS単独 (n=97) P値 PSに関する補正P値 腹膜細胞診 陽性 100 (54.3) 69 (54.3) 31 (54.4) 0.994 0.807 腹膜播種係数* 中央値(範囲) 3 (0~25) 6 (0~25) 2 (0~13) <0.001 0.004 平均 (SD) 5.42 (5.47) 7.2 (5.87) 2.11 (2.23) 腫瘍縮小スコアの完全性 CC-0 219 (79.1) 138 (76.7) 81 (83.5) 0.182 0.904 CC-1 58 (20.9) 42 (23.3) 16 (16.5) 卵巣転移 あり 60 (22.5) 53 (30.8) 7 (7.4) 0.604 *0 = 手術中に肉眼的病変は観察されず、最終的な病理検査の結果、採 取細胞による腹膜細胞診が陽性、卵巣転移 ± 、未分化腫瘍に接する顕 微鏡的腹膜腫瘍沈着 ±; CC-0、肉眼的な残存癌がない; CC-1、手術 終了時、>2.5 mmの残存結節がない。PS、傾向スコア Bonnot P-Eら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 8

8: CYTO-CHIP: 腹膜転移を有する胃癌患者を対象とした、腫瘍減量手術と、腫瘍減量手術 + 腹腔内温熱化学療法の比較:ワーキング・グループBIG RENAPEおよびFREGATを使用した傾向スコア解析 – Bonnot P-Eら 主要な結果(続き) OS DFS 1.00 1.00 OS中央値 (IPTW) 18.8 vs. 12.1 カ月 DFS中央値 (IPTW) 13.6 vs. 7.8 カ月 0.75 0.75 HIPEC HIPEC(加重) CRS単独 CRS単独(加重) HIPEC HIPEC(加重) CRS単独 CRS単独(加重) 生存率 0.50 生存率 0.50 0.25 0.25 非加重P値:0.002 IPTWで補正したログランク検定によるP値:0.005 非加重P値:0.009 IPTWで補正したログランク検定によるP値:0.001 0.00 0.00 6 12 18 24 30 36 6 12 18 24 30 36 経過期間、カ月 経過期間、カ月 IPTW、逆確率加重法 Bonnot P-Eら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 8

8: CYTO-CHIP: 腹膜転移を有する胃癌患者を対象とした、腫瘍減量手術と、腫瘍減量手術 + 腹腔内温熱化学療法の比較:ワーキング・グループBIG RENAPEおよびFREGATを使用した傾向スコア解析 – Bonnot P-Eら 主要な結果(続き) PS解析前 PSおよびIPTW解析後 HIPEC CRS単独 OS 中央値、カ月 HR (95%CI) 3年生存率、% 5年生存率、% 18.6 1.00 26.72 19.92 11.4 1.53 (1.16, 2.03) 13.08 7.36 18.8 26.21 19.87 12.1 1.66 (1.17, 2.37) 10.82 6.43 DFS 11.6 16.52 13.51 7.60 1.46 (1.1, 1.94) 5.85 2.92 13.6 20.40 17.05 7.8 1.78 (1.26, 2.52) 5.87 3.76 Bonnot P-Eら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 8

8: CYTO-CHIP: 腹膜転移を有する胃癌患者を対象とした、腫瘍減量手術と、腫瘍減量手術 + 腹腔内温熱化学療法の比較:ワーキング・グループBIG RENAPEおよびFREGATを使用した傾向スコア解析 – Bonnot P-Eら 主要な結果(続き) 結論 CRSにHIPECを組み合わせることで、局所性または限定的な腹膜転移を有する胃癌患者のOSおよ びDFSを改善した HIPEC + CRSは、術後の死亡率または合併症を増加させなかった 変数、n (%IPTW) 全体 (n=277) HIPEC (n=180) CRS単独 (n=97) PSに関する 補正P値 グレード3~4の全合併症 134 (54.3) 87 (53.7) 47 (55.3) 0.496 手術合併症 92 (37.7) 59 (37.1) 33 (38.8) 0.922 インターベンショナル・ラジオロジーによる処置 39 (15.8) 27 (16.9) 12 (13.8) 0.982 再手術 65 (26.1) 42 (25.9) 23 (26.4) 0.424 90日死亡率 21 (8.4) 12 (7.4) 9 (10.1) 0.820 30日死亡率 8 (3.2) 4 (2.5) 4 (4.1) 0.707 入院期間中央値、日(範囲) 19 (3~157) 20 (5~157) 19 (3~130) 0.911 Bonnot P-Eら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 8

9: 化学療法未施行の胃食道腺癌患者におけるミスマッチ修復欠損の有無および予後と、PD-1およびPD-L1発現の関連 – Svensson MCら 目的 胃食道腺癌患者における、腫瘍細胞およびTICのPD-L1発現、およびTICの受容体PD-1について検 証する 方法 化学療法未施行の胃食道腺癌切除患者174名の後ろ向き連続コホートから得られた原発腫瘍では、 腫瘍細胞および/またはTICにおいてPD-L1およびPD-1が発現していた(組織マイクロアレイをIHCで評 価) IHC分析によりMMRの状態も評価した(MLH1、PMS2、MSH2またはMSH6のIHC発現消失により 定義) さらに、検証を目的として、がんゲノムアトラス(Cancer Genome Atlas)の胃腺癌354例について mRNAレベルで検証し、PD-L1およびPD-1の予後予測能を評価した Svensson MCら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 9

9: 化学療法未施行の胃食道腺癌患者におけるミスマッチ修復欠損の有無および予後と、PD-1およびPD-L1発現の関連 – Svensson MCら 主な結果 TICでの高いPD-1 (>10%) およびPD-L1 (>50%) 発現率について、OS延長との有意な関連性が示 された 関連する臨床病理学的因子およびMMRの欠損の有無について補正した後も、PD-L1の高い発現率 は独立予後因子であった (HR 0.39; 95%CI 0.15, 0.99) 腫瘍細胞PD-L1またはMMRの欠損の有無のいずれも予後因子ではなかった 転写レベルにおいては、胃腺癌のPD-L1発現は予後因子ではなかったが、PD-1の高い発現率はOSの 延長と有意な関連性が示された (p=0.012) Svensson MCら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 9

OSとPD-L1およびPD-1の発現との関連 9: 化学療法未施行の胃食道腺癌患者におけるミスマッチ修復欠損の有無および予後と、PD-1およびPD-L1発現の関連 – Svensson MCら 主要な結果(続き) OSとPD-L1およびPD-1の発現との関連 PD-L1腫瘍細胞 PD-L1免疫細胞 PD-1免疫細胞 1.0 1.0 1.0 0% 1~4% 5~9% 10~49% >50% 0~10% 10~50% >50% 0~10% 11~50% >50% 0.8 0.8 0.8 0.6 0.6 0.6 生存率 生存率 生存率 0.4 0.4 0.4 0.2 0.2 0.2 p=0.023 p=0.004 2 4 6 8 10 2 4 6 8 10 2 4 6 8 10 診断からの経過年数 診断からの経過年数 診断からの経過年数 Svensson MCら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 9

がんゲノムアトラスの胃腺癌患者における OSとPD-L1遺伝子発現との関連 9: 化学療法未施行の胃食道腺癌患者におけるミスマッチ修復欠損の有無および予後と、PD-1およびPD-L1発現の関連 – Svensson MCら 主要な結果(続き) がんゲノムアトラスの胃腺癌患者における OSとPD-L1遺伝子発現との関連 1.0 0.8 0.6 生存率 0.4 0.2 低発現 (n=218) 高発現 (n=136) 2 4 6 8 10 12 年 Svensson MCら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 9

9: 化学療法未施行の胃食道腺癌患者におけるミスマッチ修復欠損の有無および予後と、PD-1およびPD-L1発現の関連 – Svensson MCら 結論 胃食道腺癌患者において、腫瘍細胞およびTICのPD-L1高発現とMMR欠損には有意な関連性が認 められた TICでのPD-1の高い発現率は、生存期間の延長と関連していた TIC(腫瘍細胞ではない)でのPD-L1の高い発現率は、その他の予後因子およびMMRの欠損の有無 とは関係なく、生存期間の延長に関連していた 胃腺癌においては、PD-1の発現は転写レベルでOSの延長と有意な関連性が示された Svensson MCら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 9

pStage II/III(日本の規約による分類) (n=202) 91: 日本において、胃癌患者に対する術後補助化学療法としてS-1 + ラフチジンとS-1を比較する前向き多施設共同試験:AEOLUS – Machida Nら 試験の目的 日本人胃癌切除患者において毒性を軽減し、術後補助療法としてのS-1にラフチジンを追加した場合 の完遂率改善を評価した S-1† + ラフチジン‡ (n=101) 主要な患者選択基準 組織学的に確認された胃癌 R0切除 + D≧2のリンパ節郭清 pStage II/III(日本の規約による分類) (n=202) 層別化 治験実施施設 pStage (II vs IIIA vs IIIB) 全体 vs 幽門側胃切除術 R 1:1 S-1† 単独 (n=101) 主要エンドポイント S-1のTCR# 副次的エンドポイント 安全性、S-1の相対的総投与量 †80~120 mg/日を4週間投与後に2週間休薬し、1年間継続; ‡20 mg/日を1年間; #完遂は、S-1を計画投与の>70%で1年間の継続と定 義した Machida Nら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 91

91: 日本において、胃癌患者に対する術後補助化学療法としてS-1 + ラフチジンとS-1を比較する前向き多施設共同試験:AEOLUS – Machida Nら 主な結果 治療完遂率 S-1 + ラフチジン (n=101) S-1単独 P値 完遂した患者数 69 61 完遂率、% 68.3 60.4 0.072 相対的総投与量 S-1 + ラフチジン (n=101) S-1単独 P値 用量強度、n (%) <70% ≧70% 32 (31.7) 69 (68.3) 40 (39.6) 61 (60.4) 0.152 Machida Nら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 91

91: 日本において、胃癌患者に対する術後補助化学療法としてS-1 + ラフチジンとS-1を比較する前向き多施設共同試験:AEOLUS – Machida Nら 主要な結果(続き) 有害事象、n (%) S-1 + ラフチジン (n=102) S-1単独 (n=100) 全てのグレード グレード3以上 全グレード 99 (97.1) 31 (30.4) 97 (97.0) 36 (36.0) 好中球減少症 2 (2.0) 0 (0) 3 (3.0) 1 (1.0) 血小板減少症 29 (28.4) 34 (34.0) 総ビリルビン増加 33 (32.4) 35 (35.0) AST増加 24 (23.5) 38 (38.0) 食欲不振 74 (72.5) 15 (14.7) 70 (70.0) 17 (17.0) 悪心 56 (54.9) 5 (4.9) 45 (45.0) 5 (5.0) 口内炎 49 (48.0) 43 (43.0) 下痢 67 (65.7) 63 (63.0) 6 (6.0) 疲労 71 (69.6) 11 (10.8) 72 (72.0) 8 (8.0) 流涙 48 (47.1) 3 (2.9) Machida Nら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 91

91: 日本において、胃癌患者に対する術後補助化学療法としてS-1 + ラフチジンとS-1を比較する前向き多施設共同試験:AEOLUS – Machida Nら 結論 病期II/IIIの日本人胃癌患者において、ラフチジンにより術後補助化学療法S-1の完遂率が増加する 可能性がある 相対用量強度またはAEについて、群間で差は見られなかった Machida Nら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 91

胃切除または腹膜切除または12カ月の追跡調査 4:胃癌による癌性腹膜炎患者に対する、二重特異性抗EpCAM x 抗CD3標的化抗体catumaxomabによる腹腔内免疫療法:無作為化第Ⅱ相AIO試験の最終結果 – Lordick Fら 試験の目的 胃癌による癌性腹膜炎患者を対象として、二重特異性抗EpCAM/CD3 mAb catumaxomab投与 後のFLOTとFLOT単独について、有効性と安全性を比較して評価する 1回目の腹腔鏡検査 2回目の腹腔鏡検査 catumaxomab* IP 、その後FLOTを7日間† (n=15) 主要な患者選択基準 病期IVの胃癌で癌性腹膜炎を有する Gilly P1~4 他に転移がない (n=31) 胃切除または腹膜切除または12カ月の追跡調査 層別化 Gilly P1 vs P2/3 vs P4 R 1:1 FLOT† 単独 (n=16) 主要エンドポイント 2回目の腹腔鏡検査において癌性腹膜炎の完全 寛解 副次的エンドポイント OS、PFS、安全性 *10 µg D0、20 µg D3、50 µg D7、150 µg D10; †オキサリプラチン 85 mg/m2 D1、ロイコボリン 200 mg/m2 D1、5FU 2600 mg/m2 (24時間注入)D1、ドセ タキセル 50 mg/m2 D1(6サイクル) Lordick Fら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 4

catumaxomab + FLOT (n=15) catumaxomab + FLOT (n=15) 4:胃癌による癌性腹膜炎患者に対する、二重特異性抗EpCAM x 抗CD3標的化抗体catumaxomabによる腹腔内免疫療法:無作為化第Ⅱ相AIO試験の最終結果 – Lordick Fら 主な結果 癌性腹膜炎の肉眼的完全寛解 catumaxomab + FLOT (n=15) FLOT単独 (n=16) 完全寛解、n (%) 4 (27) 3 (19) P値 0.69 非寛解、n (%) 9 (60) 9 (56) データなし、n (%) 2 (13) 4 (25) catumaxomab + FLOT (n=15) FLOT単独 (n=16) 二次切除率、n (%) 8 (53) 5 (31) Lordick Fら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 4

catumaxomab + FLOT (n=15) 4:胃癌による癌性腹膜炎患者に対する、二重特異性抗EpCAM x 抗CD3標的化抗体catumaxomabによる腹腔内免疫療法:無作為化第Ⅱ相AIO試験の最終結果 – Lordick Fら 主要な結果(続き) PFS 1.0 catumaxomab + FLOT (n=15) FLOT (n=16) mPFS、カ月 6.7 5.4 HR (95%CI) 0.85 (0.35, 2.05) P値* 0.71 0.8 0.6 事象非発生率 0.4 0.2 A: catumaxomab + FLOT B: FLOT 0.0 6 12 18 24 30 36 42 リスクに晒 されていた患者数 経過期間、カ月 A: B: 15 16 9 5 4 1 3 1 2 2 2 *参考として、FLOTのログランクt検定 Lordick Fら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 4

catumaxomab + FLOT (n=15) 4:胃癌による癌性腹膜炎患者に対する、二重特異性抗EpCAM x 抗CD3標的化抗体catumaxomabによる腹腔内免疫療法:無作為化第Ⅱ相AIO試験の最終結果 – Lordick Fら 主要な結果(続き) OS 1.0 catumaxomab + FLOT (n=15) FLOT (n=16) mOS、カ月 13.2 13.0 HR (95%CI) 0.98 (0.45, 2.13) P値* 0.97 0.8 0.6 事象非発生率 0.4 0.2 A: catumaxomab + FLOT B: FLOT 0.0 6 12 18 24 30 36 42 48 54 経過期間、カ月 A: B: 15 16 14 11 8 5 6 5 4 1 2 2 1 1 *参考として、FLOTのログランクt検定 Lordick Fら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 4

4:胃癌による癌性腹膜炎患者に対する、二重特異性抗EpCAM x 抗CD3標的化抗体catumaxomabによる腹腔内免疫療法:無作為化第Ⅱ相AIO試験の最終結果 – Lordick Fら 主要な結果(続き) catumaxomab群に発生したグレード3/4のAEには、悪心 (15%)、発熱 (23%)、腹痛(31%) および肝 酵素上昇 – gGT (31%)、ビリルビン (23%) があった catumaxomab群の患者4例 (29%) にSAEが発現した catumaxomab後のFLOT群の患者3例 (23%) 、FLOT単独群の患者5例 (29%) にSAEが発現し た 結論 胃癌による癌性腹膜炎患者において、catumaxomab IPとその後のFLOT投与は、FLOT単独と比 べて、完全寛解率に優越性の傾向が示された しかし、有意な群間差はなかった PFS率およびOS率は群間で同様であり、病期Ⅳの胃癌患者の想定の範囲内であった FLOT前のcatumaxomabはこの患者集団において忍容性が認められ、catumaxomab後のFLOT もFLOT単独と同様に忍容性が認められた Lordick Fら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 4

5: RAINFALL: 転移性胃腺癌患者または胃食道接合部 (G-GEJ) 腺癌患者を対象として、第一選択治療としての、シスプラチン (Cis) + カペシタビン (Cape) または5FU + ラムシルマブ (RAM) 併用/非併用療法を評価する無作為化二重盲検プラセボ対照第Ⅲ相試験 – Fuchs CSら 試験の目的 転移性胃/GEJ癌患者に対する第一選択治療として、ラムシルマブ + CTとプラセボ + CTの有効性と 安全性を比較して評価する ラムシルマブ 8 mg/kg IV D1、D8 + シスプラチン* + カペシタビン† q3w (n=326) PD/毒性 主要な患者選択基準 転移性胃癌/GEJ癌 全身療法の治療歴がないこと HER2陰性 ECOGのPSスコアが0/1 (n=645) 層別化 ECOGのPSスコア(0 vs. 1) 原発腫瘍の場所(胃vs GEJ) 疾患の測定可能性 地理的地域(日本vsその他の国) R 1:1 プラセボ + シスプラチン* + カペシタビン† q3w (n=319) PD/毒性 主要エンドポイント PFS(治験責任医師による評価) 副次的エンドポイント OS、ORR、DoR、安全性、QoL、PKプロファ イル *シスプラチン 80 mg/m2 IV D1 (6サイクル); †カペシタビン 1000 mg/m2 経口、bid D1~14またはカペシタビンの経口投与ができない患者に対し ては5FU 800 mg/m2/日 IV D1~5 Fuchs CSら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 5

5: RAINFALL: 転移性胃腺癌患者または胃食道接合部 (G-GEJ) 腺癌患者を対象として、第一選択治療としての、シスプラチン (Cis) + カペシタビン (Cape) または5FU + ラムシルマブ (RAM) 併用/非併用療法を評価する無作為化二重盲検プラセボ対照第Ⅲ相試験 – Fuchs CSら 主な結果 PFS(治験責任医師による評価) PFS、% 経過期間、カ月 40 60 80 100 20 リスクに晒 されていた患者数 ラムシルマブ プラセボ 255 253 2 194 179 4 144 141 6 89 78 8 51 10 29 21 12 15 14 7 1 16 18 n=508 ラムシルマブ プラセボ P値 mPFS、カ月 5.72 5.39 0.011 HR (95%CI) 0.75 (0.61, 0.94) ラムシルマブ + CT プラセボ + CT 打ち切り時点 Fuchs CSら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 5

5: RAINFALL: 転移性胃腺癌患者または胃食道接合部 (G-GEJ) 腺癌患者を対象として、第一選択治療としての、シスプラチン (Cis) + カペシタビン (Cape) または5FU + ラムシルマブ (RAM) 併用/非併用療法を評価する無作為化二重盲検プラセボ対照第Ⅲ相試験 – Fuchs CSら 主要な結果(続き) OS OS、% 経過期間、カ月 40 60 80 100 20 ラムシルマブ プラセボ 326 319 2 301 290 4 267 256 6 237 225 8 198 184 10 166 152 12 127 125 14 99 89 16 75 68 18 54 52 31 33 22 21 17 24 11 26 5 28 1 30 n=645 ラムシルマブ プラセボ P値 mOS、カ月 11.17 10.74 0.68 HR (95%CI) 0.96 (0.80, 1.16) ラムシルマブ + CT プラセボ + CT 打ち切り時点 リスクに晒 されていた患者数 Fuchs CSら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 5

5: RAINFALL: 転移性胃腺癌患者または胃食道接合部 (G-GEJ) 腺癌患者を対象として、第一選択治療としての、シスプラチン (Cis) + カペシタビン (Cape) または5FU + ラムシルマブ (RAM) 併用/非併用療法を評価する無作為化二重盲検プラセボ対照第Ⅲ相試験 – Fuchs CSら 主要な結果(続き) 患者の5%以上で発生したグレード3以上のTEAE、% ラムシルマブ + CT (n=326) プラセボ + CT (n=319) 好中球減少症 26 27 貧血 12 14章 高血圧 9.9 1.6 手足症候群 8.7 3.8 疲労 8.4 7.9 血小板減少症 7.7 3.5 悪心 6.8 8.3 嘔吐 6.5 9.8 食欲低下 3.2 腹痛 5.6 白血球減少症 5.0 5.4 下痢 4.6 7.3 発熱性好中球減少症 3.7 5.1 Fuchs CSら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 5

5: RAINFALL: 転移性胃腺癌患者または胃食道接合部 (G-GEJ) 腺癌患者を対象として、第一選択治療としての、シスプラチン (Cis) + カペシタビン (Cape) または5FU + ラムシルマブ (RAM) 併用/非併用療法を評価する無作為化二重盲検プラセボ対照第Ⅲ相試験 – Fuchs CSら 主要な結果(続き) 結論 転移性胃/GEJ腺癌患者において、第一選択治療CTへのラムシルマブ追加により、病勢進行または 死亡のリスクが25%減少したが、OSには改善は見られなかった 新たな安全性シグナルは認められなかった 最良総合効果率、 % ラムシルマブ + CT (n=326) プラセボ + CT (n=319) 層別化P値 CR 1.2 1.6 PR 40 35 SD 41 PD 7.1 12 ORR (CR + PR) 36 0.17 DCR (CR + PR + SD) 82 77 0.10 Fuchs CSら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 5

膵・小腸・肝胆道癌

膵・小腸・肝胆道癌 膵癌

PEGPH20† 3 μg/kg D1 q2w + mFOLFIRINOX# 208: 全身状態が良好な転移性膵臓腺癌 (mPC) 患者を対照に、mFOLFIRINOX (mFFOX) + ペグ化遺伝子組換えヒト型ヒアルロン酸分解酵素 (PEGPH20) と、mFFOX単独を比較する、第IB/II相無作為化試験:SWOG S1313 (NCT #01959139) – Ramanathan Rら 試験の目的 転移性膵臓癌患者において、mFOLFIRINOXにPEGH20*を組み合わせた場合の有効性と安全性 を評価する(計画された中間解析) PEGPH20† 3 μg/kg D1 q2w + mFOLFIRINOX# (n=55‡) 主要な患者選択基準 治療歴のない転移性膵臓癌患者 十分な臓器機能の保持 PS 0~1 (n=111‡) PD R 1:1 mFOLFIRINOX# 単独 (n=56‡) PD 主要エンドポイント OS 副次的エンドポイント PFS、奏効率、治療曝露、毒性 *ヒアルロン酸を分解するペグ化遺伝子組換えヒト型ヒアルロン酸 分解酵素; †治験実施計画書の改訂でLMWHの予防投与を PEGPH20群に追加した; ‡計画では各群 n=138(全体 n=276); #5FUのボーラス投与なし Ramanathan Rら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 208 43 43

208: 全身状態が良好な転移性膵臓腺癌 (mPC) 患者を対照に、mFOLFIRINOX (mFFOX) + ペグ化遺伝子組換えヒト型ヒアルロン酸分解酵素 (PEGPH20) と、mFFOX単独を比較する、第IB/II相無作為化試験:SWOG S1313 (NCT #01959139) – Ramanathan Rら 主な結果 OS リスクに晒されていた患者数、n 無効だった患者数、n mOS、カ月 mFOLFIRINOX 56 30 14.4 PEGPH20 + mFOLFIRINOX 55 39 7.7 OS、% 登録後月数 100 80 60 40 20 56 55 5 43 30 10 29 17 15 13 6 4 25 2 1 HR 0.50 (95%CI 0.31, 0.81) p<0.01 リスクに晒されていた患者数 mFOLFIRINOX PEGPH20 + mFOLFIRINOX Ramanathan Rら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 208

208: 全身状態が良好な転移性膵臓腺癌 (mPC) 患者を対照に、mFOLFIRINOX (mFFOX) + ペグ化遺伝子組換えヒト型ヒアルロン酸分解酵素 (PEGPH20) と、mFFOX単独を比較する、第IB/II相無作為化試験:SWOG S1313 (NCT #01959139) – Ramanathan Rら 主要な結果(続き) PFS リスクに晒されていた患者数、n 無効だった患者数、n mPFS、カ月 mFOLFIRINOX 56 42 6.2 PEGPH20 + mFOLFIRINOX 55 47 4.3 HR 0.61 (95%CI 0.40, 0.93) p=0.02 PFS、% 登録後月数 100 80 60 40 20 56 55 5 31 22 10 19 6 15 2 3 1 25 リスクに晒されていた患者数 mFOLFIRINOX PEGPH20 + mFOLFIRINOX Ramanathan Rら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 208

208: 全身状態が良好な転移性膵臓腺癌 (mPC) 患者を対照に、mFOLFIRINOX (mFFOX) + ペグ化遺伝子組換えヒト型ヒアルロン酸分解酵素 (PEGPH20) と、mFFOX単独を比較する、第IB/II相無作為化試験:SWOG S1313 (NCT #01959139) – Ramanathan Rら 主要な結果(続き) mFOLFIRINOX群において、敗血症によるグレード5のAEが1件発生した PEGPH20 + mFOLFIRINOX mFOLFIRINOX単独 奏効率、% (95%CI) 33 (21, 47) 45 (31, 59) 治療曝露、サイクル数の中央値(範囲) 4 (0~43) 8 (0~37) P値 p=0.05 特定のAE(特記がない限りグレード3~4)、% PEGPH20 + mFOLFIRINOX (n=54) mFOLFIRINOX単独 (n=51) 下痢 24 19 脱水 8 13 疲労 20 11 悪心 25 15 嘔吐 22 TEイベント(全グレード) 18 4 LMWH後のTEイベント 9 5 Ramanathan Rら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 208

208: 全身状態が良好な転移性膵臓腺癌 (mPC) 患者を対照に、mFOLFIRINOX (mFFOX) + ペグ化遺伝子組換えヒト型ヒアルロン酸分解酵素 (PEGPH20) と、mFFOX単独を比較する、第IB/II相無作為化試験:SWOG S1313 (NCT #01959139) – Ramanathan Rら 結論 転移性膵臓癌患者において、mFOLFIRINOX単独はPEGPH20 + mFOLFIRINOXよりも、生存 率について優れていた mFOLFIRINOXへのPEGPH20の追加は毒性の増加につながり、有害であると見られる PEGPH20群のmFOLFIRINOXの治療曝露はより少なかった 一方、過去の試験では、PEGPH20 + nab-パクリタキセル/ゲムシタビンについて良好な結果が報告さ れている1 腫瘍細胞内のヒアルロン酸の含有量を分析する非臨床試験が計画されている 1Hingorani SRら J Clin Oncol 2017;[epub ahead of print]. Ramanathan Rら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 208

膵・小腸・肝胆道癌 肝細胞癌

臨床的恩恵/毒性が認められなくなるまで 臨床的恩恵/毒性が認められなくなるまで 207: ソラフェニブ投与歴のある進行肝細胞癌 (HCC) 患者 (pts) を対象とした、カボザンチニブ (C) とプラセボ (P) の比較:無作為化第Ⅲ相CELESTIAL試験の結果 – Abou-Alfa Gら 試験の目的 全身療法の治療歴がある進行HCC患者において、カボザンチニブとプラセボを比較して有効性と安全 性を評価する 臨床的恩恵/毒性が認められなくなるまで 主要な患者選択基準 進行性HCC Child-Pugh分類のスコアがA ソラフェニブの投与歴 HCCに対する ≧1 種の過去の全身療法後に進行 進行HCCに対する ≦2 種の全身療法レジメンを施行 ECOGのPSスコアが0~1 (n=760) カボザンチニブ 60 mg/日 (n=470) 層別化 疾患の発生原因 (HBV、HCV、その他) 地理的地域(アジア、その他) 肝外転移および/または 肉眼的浸潤の有無 (EHS/MVI) R 2:1 臨床的恩恵/毒性が認められなくなるまで プラセボ (n=237) 主要エンドポイント OS 副次的エンドポイント PFS、ORR Abou-Alfa Gら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 207

207: ソラフェニブ投与歴のある進行肝細胞癌 (HCC) 患者 (pts) を対象とした、カボザンチニブ (C) とプラセボ (P) の比較:無作為化第Ⅲ相CELESTIAL試験の結果 – Abou-Alfa Gら 主な結果 OSおよびPFS mOS、 カ月 (95% CI) 死亡 例数 カボザンチニブ(n=470) 10.2 (9.1, 12.0) 317 プラセボ (n=237) 8.0 (6.8, 9.4) 167 mPFS、 カ月 (95% CI) 死亡 例数 カボザンチニブ(n=470) 5.2 (4.0, 5.5) 349 プラセボ (n=237) 1.9 (1.9, 1.9) 205 OS率 経過期間、カ月 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 470 237 3 382 190 6 281 117 9 206 82 12 159 57 15 116 37 18 93 25 21 63 20 42 24 44 27 31 10 30 22 7 33 5 36 4 39 1 PFS率 経過期間、カ月 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 470 237 3 266 70 6 131 21 9 80 13 12 39 5 24 1 15 2 18 10 HR 0.44 (95%CI 0.36, 0.52); p<0.0001 HR 0.76 (95%CI 0.63, 0.92); p=0.0049* リスクに晒されていた患者数 リスクに晒されていた患者数 *2回目の中間解析の臨界P値は ≦0.021 Abou-Alfa Gら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 207

207: ソラフェニブ投与歴のある進行肝細胞癌 (HCC) 患者 (pts) を対象とした、カボザンチニブ (C) とプラセボ (P) の比較:無作為化第Ⅲ相CELESTIAL試験の結果 – Abou-Alfa Gら 主要な結果(続き) サブグループにおけるOSおよびPFS 全体 地域 アジア その他の地域 人種 アジア人 非アジア人 EHSおよび/またはMV1 あり なし 発生原因 HBV HCV その他 過去の治療ライン* 1種類の治療レジメンの治療歴 2種類の治療レジメンの治療歴 OS PFS 患者の数 707 175 532 241 423 598 109 267 156 284 509 192 カボザンチニブ におけるリスクが小 0.25 0.5 1 2 プラセボ群 におけるリスクが小 HR 0.76 1.01 0.71 0.86 0.75 0.73 0.99 0.69 1.11 0.74 0.90 0.44 0.46 0.45 0.43 0.47 0.31 0.61 0.48 0.58 *進行HCCに対する全身抗癌療法歴 Abou-Alfa Gら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 207

207: ソラフェニブ投与歴のある進行肝細胞癌 (HCC) 患者 (pts) を対象とした、カボザンチニブ (C) とプラセボ (P) の比較:無作為化第Ⅲ相CELESTIAL試験の結果 – Abou-Alfa Gら 主要な結果(続き) カボザンチニブ (n=467) プラセボ (n=237) 曝露期間中央値、カ月(範囲) 3.8 (0.1~37.3) 2.0 (0~27.2) 1日平均投与量の中央値、mg 35.8 58.9 用量減量(全て)、n (%) 62 13 TRAEによる中止、% 16 3 グレード3/4のAE、% カボザンチニブ (n=467) プラセボ (n=237) 全てのAE 68 36 手掌・足底発赤知覚不全 17 高血圧 16 2 AST増加 12 37 疲労 10 4 下痢 無力症 7 食欲低下 6 <1 貧血 5 Abou-Alfa Gら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 207

207: ソラフェニブ投与歴のある進行肝細胞癌 (HCC) 患者 (pts) を対象とした、カボザンチニブ (C) とプラセボ (P) の比較:無作為化第Ⅲ相CELESTIAL試験の結果 – Abou-Alfa Gら 結論 進行HCC患者において、全身抗癌療法後のカボザンチニブはOS、PFSおよびORRを有意に改善した カボザンチニブの安全性プロファイルは容認可能で、TRAEによる中止率は低かった 全身抗癌療法歴のある進行HCC患者に対して、カボザンチニブは新しい治療選択肢となり得る Abou-Alfa Gら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 207

膵・小腸・肝胆道癌 胆道癌

205: 進行胆道癌を対象としたゲムシタビン+シスプラチン併用療法(GC療法)とゲムシタビン+S-1併用療法(GS療法)の第III相比較試験:日本臨床腫瘍研究グループ試験 (JCOG1113, FUGA-BT) – Morizane Cら 試験の目的 進行胆道癌患者を対象として、ゲムシタビン + シスプラチン(SoC) に対して、ゲムシタビン + S-1 が生 存期間において非劣性であることを検証する 主要な患者選択基準 切除不能もしくは再発胆道腺癌 治療歴がない(外科切除術および減黄処置は除く) CT歴またはRT歴がない 水様性の下痢がない ECOGのPSスコアが0~1 (n=354) ゲムシタビン† + S-1 (n=179) PD 層別化 原発腫瘍病変部(胆嚢 vs その他) 原発巣の切除歴(あり vs なし) 治験実施施設 R ゲムシタビン‡ + シスプラチン (n=175) PD 主要エンドポイント OS 副次的エンドポイント PFS、ORR、安全性 †ゲムシタビン 1000 mg/m2 D1、D8 + S-1 60、80 または 100 mg/body/日 D1~14 q3w; ‡ゲムシタビン 1000 mg/m2 + シスプラチン 25 mg/m2 D1、D8 q3w Morizane Cら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 205

205: 進行胆道癌を対象としたゲムシタビン+シスプラチン併用療法(GC療法)とゲムシタビン+S-1併用療法(GS療法)の第III相比較試験:日本臨床腫瘍研究グループ試験 (JCOG1113, FUGA-BT) – Morizane Cら 主な結果 OS 1.0 GEM + シスプラチン (n=175) GEM + S-1 (n=179) 1年OS、% (95% CI) 58.3 (50.6, 65.2) 59.2 (51.6, 66.0) mOS、カ月 (95%CI) 13.4 (12.4, 15.5) 15.1 (12.2, 16.4) 0.8 0.6 生存率 HR* 0.945 (90%CI 0.777, 1.149) 非劣性の検定におけるP値:0.0459 <0.05 0.4 ゲムシタビン+ S-1 ゲムシタビン + シスプラチン 0.2 リスクに晒 されていた患者数 GEM + シスプラチン GEM + S-1 175 179 6 151 159 12 102 106 18 53 71 24 30 36 30 15 17 36 7 12 42 3 4 48 54 無作為化後の経過期間 GEM、ゲムシタビン *原発腫瘍病変部および原発巣切除で層別化 したCox比例モデル Morizane Cら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 205

205: 進行胆道癌を対象としたゲムシタビン+シスプラチン併用療法(GC療法)とゲムシタビン+S-1併用療法(GS療法)の第III相比較試験:日本臨床腫瘍研究グループ試験 (JCOG1113, FUGA-BT) – Morizane Cら 主要な結果(続き) PFS 1.0 GEM + シスプラチン (n=175) GEM + S-1 (n=179) 1年 PFS、% (95%CI) 19.4 (13.9, 25.6) 27.9 (21.6, 34.6) mPFS、カ月(95%CI) 5.8 (5.5, 7.0) 6.8 (5.4, 8.0) 0.8 0.6 生存率 0.4 HR* 0.864 (95%CI 0.697, 1.070) ゲムシタビン+ S-1 ゲムシタビン + シスプラチン 0.2 リスクに晒 されていた患者数 GEM + シスプラチン GEM + S-1 175 179 6 86 93 12 34 50 18 12 22 24 5 8 30 2 4 36 1 2 42 1 2 48 54 無作為化後の経過期間 *非層別化Cox比例モデル Morizane Cら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 205

205: 進行胆道癌を対象としたゲムシタビン+シスプラチン併用療法(GC療法)とゲムシタビン+S-1併用療法(GS療法)の第III相比較試験:日本臨床腫瘍研究グループ試験 (JCOG1113, FUGA-BT) – Morizane Cら 主要な結果(続き) ゲムシタビン + S-1 (n=141) ゲムシタビン + シスプラチン (n=148) P値* ORR、% (95%CI) 29.8 (22.4, 38.1) 32.4 (25.0, 40.6) 0.70 CR、n (%) 2 (1) 0 (0) - PR、n (%) 40 (28) 48 (32) SD、n (%) 76 (54) 74 (50) PD、n (%) 19 (13) 21 (14) NE、n (%) 4 (3) 5 (3) グレード 3~4 の AE (5%超の患者)、% ゲムシタビン + S-1 (n=177) ゲムシタビン + シスプラチン (n=171) WBC減少 24.9 31.6 貧血 6.2 24.0 血小板数減少 7.3 16.4 好中球数減少 59.9 60.8 斑状丘疹状皮疹 胆道感染 20.9 19.3 疲労 5.6 4.7 食欲不振 5.8 *Fisher の直接確率検定による両側P値 Morizane Cら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 205

205: 進行胆道癌を対象としたゲムシタビン+シスプラチン併用療法(GC療法)とゲムシタビン+S-1併用療法(GS療法)の第III相比較試験:日本臨床腫瘍研究グループ試験 (JCOG1113, FUGA-BT) – Morizane Cら 主要な結果(続き) 結論 進行胆道癌患者を対象として、ゲムシタビン + S-1は、ゲムシタビン + シスプラチンに対してOSにおいて 非劣性であることが示された ゲムシタビン + S-1は忍容性が良好で、本患者集団での、水分補給を必要としないSoCの簡便な新し い治療選択肢になり得ると考えられる 臨床的に意義のあるAE*、n (%) ゲムシタビン + S-1 (n=177) ゲムシタビン + シスプラチン (n=171) グレード2以上 53 (29.9) 60 (35.1) グレード3以上 19 (10.7) 14 (8.2) グレード4以上 1 (0.6) 0 (0) *グレード 2以上のAEは、疲労、悪心、口腔粘膜炎、食欲不振、嘔 吐または下痢 Morizane Cら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 205

結腸・直腸・肛門癌

558: SCOT: 腫瘍の側性および化学療法期間がDFSに与える影響 – Saunders Mら 試験の目的 3カ月と6カ月のオキサリプラチンを含む術後補助CTを受けるCRC患者において、腫瘍の側性がDFSに 与える影響を比較、評価する(SCOT試験サブ解析) 3,219名の患者について、側性の情報が得られた(右 n=1,207、左 n=2,012)* 3カ月のオキサリプラチンを含む術後補助CT (n=3,035) PD 主要な患者選択基準 病期Ⅲ/高リスクの病期Ⅱの結腸または直腸癌 術後補助療法 CAPOX/FOLFOX (患者/医師が選択) (n=6,088) R 6カ月のオキサリプラチンを含む術後補助CT (n=3,030) PD 主要エンドポイント 3年DFS *腫瘍部位は、病理学的報告書を照合した(無作為化時点では情 報は記録されなかった) Saunders Mら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 558

558: SCOT: 腫瘍の側性および化学療法期間がDFSに与える影響 – Saunders Mら 主な結果 追跡調査3年の時点の患者情報 右側腫瘍 (n=1,207) 左側腫瘍 (n=2,012) P値* 年齢中央値、歳 66 64 <0.001 男性、% 53 T2、% 41 24 病期II、% 17 21 0.001 *左 vs 右 Saunders Mら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 558

558: SCOT: 腫瘍の側性および化学療法期間がDFSに与える影響 – Saunders Mら 主要な結果(続き) DFS 無病生存患者、% 無作為化からの経過期間、年 100 80 60 40 20 2,011 1,207 1 1,822 1,033 2 1,601 891 3 1,051 578 4 419 259 5 124 7 8 6 33 19 リスクに晒されていた患者数 左側 右側 右側 左側 右側腫瘍 (n=1,207) 左側腫瘍 (n=2,012) 3年DFS、% 73 80 HR (95%CI) 1.401 (1.216, 1.615) P値 <0.0001 Saunders Mら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 558

558: SCOT: 腫瘍の側性および化学療法期間がDFSに与える影響 – Saunders Mら 主要な結果(続き) HR (95%CI) P値 腫瘍の側性による3年DFS* 1.401 (1.216, 1.615) <0.0001 腫瘍の側性による3年DFS*、TステージおよびNステージで調整 1.215 (1.051, 1.404) 0.009 CT期間による3年DFS† 右側腫瘍 左側腫瘍 1.049 (0.849, 1.296) 0.910 (0.753, 1.099) 0.327 *左側性 vs 右側性腫瘍; †3カ月 vs 6カ月 Saunders Mら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 558

558: SCOT: 腫瘍の側性および化学療法期間がDFSに与える影響 – Saunders Mら 結論 3カ月または6カ月の術後補助CTを受けるCRC患者において、右側性腫瘍を有する患者は、左側性 腫瘍を有する患者よりもDFSが有意に悪化した これは、左側性腫瘍と比べ、右側性腫瘍を有する非選択患者についてDFS悪化が示された初め ての試験である これにより、予後は、OSに影響する要因よりも、主に再発による影響が大きいことが示された 腫瘍の側性は、CT期間(3カ月 vs 6カ月)がDFSに及ぼす効果に影響しなかった Saunders Mら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 558

ニボルマブ 3 mg/kg + イピリムマブ 1 mg/kg q3w、4回投与 553: DNAミスマッチ修復機構の欠損/高頻度マイクロサテライト不安定性 (dMMR/MSI-H) を認める転移性結腸直腸癌 (mCRC) 患者におけるニボルマブ + イピリムマブ併用療法: CheckMate-142試験の全コホートの初回報告 – André Tら 試験の目的 CheckMate-142試験において、dMMR/MSI-Hを認めるmCRC患者を対象として、ニボルマブとイピリ ムマブの併用療法の有効性と安全性を評価する 併用療法コホート ニボルマブ 3 mg/kg + イピリムマブ 1 mg/kg q3w、4回投与 主要な患者選択基準 再発または転移性CRC dMMR/MSI-H 1ライン以上の治療歴 ECOGのPSスコアが0~1 (n=119) PD/ 中止 単剤療法コホート ニボルマブ 3mg/kg q2w PD/ 中止 主要エンドポイント RECIST v1.1によるORR (治験医師評価) 副次的エンドポイント ORR (BICR)、DCR、DoR、PFS、OS、安 全性 André Tら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 553

ニボルマブ + イピリムマブ (n=119) ニボルマブ (n=74) 553: DNAミスマッチ修復機構の欠損/高頻度マイクロサテライト不安定性 (dMMR/MSI-H) を認める転移性結腸直腸癌 (mCRC) 患者におけるニボルマブ + イピリムマブ併用療法: CheckMate-142試験の全コホートの初回報告 – André Tら 主な結果 ニボルマブ + イピリムマブコホートにおいて、DoR中央値は到達しなかった 持続的な奏効が、94%の奏効例で認められ、データカットオフ時点で奏効が持続しており、83%は奏効 が≧6カ月持続した ニボルマブ + イピリムマブ (n=119) ニボルマブ (n=74) ORR、% (95%CI) 55 (45.2, 63.8) 31 (20.8, 42.9) BOR、% CR PR SD PD 不明 3.4 51.3 31.0 12.0 9.0 38.0 26.0 5.0 DCR、% (95% CI) 80 (71.5, 86.6) 69 (57.1, 79.2) André Tら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 553

553: DNAミスマッチ修復機構の欠損/高頻度マイクロサテライト不安定性 (dMMR/MSI-H) を認める転移性結腸直腸癌 (mCRC) 患者におけるニボルマブ + イピリムマブ併用療法: CheckMate-142試験の全コホートの初回報告 – André Tら 主要な結果(続き) PFS OS ニボルマブ + イピリムマブ ニボルマブ 9カ月PFS率、% (95%CI) 76 (67.0, 82.7) 54 (41.5, 64.5) 12カ月PFS率、% (95%CI) 71 (61.4, 78.7) 50 (38.1, 61.4) ニボルマブ + イピリムマブ ニボルマブ 9カ月OS率、% (95%CI) 87 (80.0, 92.2) 78 (66.2, 85.7) 12カ月OS率、% (95%CI) 85 (77.0, 90.2) 73 (61.5, 82.1) PFS、% カ月 100 80 60 40 20 119 74 3 95 48 6 86 41 9 78 32 12 39 17 15 18 11 21 10 24 27 30 リスクに晒 されていた患者数 ニボルマブ + イピリムマブ ニボルマブ ニボルマブ + イピリムマブ OS、% カ月 100 80 60 40 20 119 74 3 113 64 6 107 59 9 104 55 12 78 37 15 33 21 18 19 17 24 11 27 30 1 リスクに晒 されていた患者数 ニボルマブ + イピリムマブ ニボルマブ ニボルマブ + イピリムマブ André Tら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 553

ニボルマブ + イピリムマブ (n=119)a 全てのグレード グレード3~4 553: DNAミスマッチ修復機構の欠損/高頻度マイクロサテライト不安定性 (dMMR/MSI-H) を認める転移性結腸直腸癌 (mCRC) 患者におけるニボルマブ + イピリムマブ併用療法: CheckMate-142試験の全コホートの初回報告 – André Tら 主要な結果(続き) AE、n (%) ニボルマブ + イピリムマブ (n=119)a 全てのグレード グレード3~4 全てのTRAE 87 (73) 38 (32) 重篤なTRAE(種類を問わない) 27 (23) 24 (20) 投与中止に至ったTRAE(種類を問わない) 15 (13)b 12 (10) >10%の患者に発生したTRAE 下痢 甲状腺機能低下症 悪心 ALT増加 発疹 甲状腺機能亢進症 26 (22) 16 (13) 15 (13) 14 (12) 13 (11) 2 (2) 1 (1) 8 (7) a追跡調査期間中央値13.4 カ月 (範囲 9~25); b自己免疫性肝 炎 および急性腎障害のみが投与中止に至ったTRAEであり、患者 >1名で認められた (各2%) André Tら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 553

553: DNAミスマッチ修復機構の欠損/高頻度マイクロサテライト不安定性 (dMMR/MSI-H) を認める転移性結腸直腸癌 (mCRC) 患者におけるニボルマブ + イピリムマブ併用療法: CheckMate-142試験の全コホートの初回報告 – André Tら 結論 治療歴のあるdMMR/MSI-Hを示すmCRC患者において、ニボルマブ + イピリムマブにより持続的な臨 床的恩恵が示された ニボルマブ + イピリムマブは管理可能な安全性プロファイルを示した 治療歴のあるdMMR/MSI-Hを示すmCRC患者に対して、ニボルマブ + イピリムマブは、新しい治療選 択肢候補となる可能性がある André Tら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 553

化学療法に対して難治性を示す転移性または局所進行性CRC 560: 転移性結腸直腸癌 (mCRC) 患者 (pts) を対象として、アテゾリズマブ (A) およびcobimetinib (C) の安全性および臨床活性を評価する第Ib相試験 – Bendell JCら 試験の目的 CRCを含む、局所進行性または転移性固形腫瘍を有する患者における、アテゾリズマブ + cobimetinib の安全性および活性を評価する 主要な患者選択基準 化学療法に対して難治性を示す転移性または局所進行性CRC PD-L1の状態は適格基準としない ECOGのPSスコアが0~1 (n=84) 用量拡大 アテゾリズマブ 800 mg q2w + cobimetinib 60 mg/日 (21日間投薬/7日間休薬*) 用量漸増 アテゾリズマブ 800 mg q2w + cobimetinib 20~60 mg/日 (21日間投薬/7日間休薬) PD 主要エンドポイント 安全性 副次的エンドポイント ORR、DoR、PFS、OS mCRC連続生検コホート (n=21) の患者において、 14日間投薬/14日間休薬 Bendell JCら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 560

560: 転移性結腸直腸癌 (mCRC) 患者 (pts) を対象として、アテゾリズマブ (A) およびcobimetinib (C) の安全性および臨床活性を評価する第Ib相試験 – Bendell JCら 主な結果 治療に対する奏効の範囲および頻度 最良効果 MSI状態 BOR、n (%) n=84 ORR, n (%) [95%CI] 7 (8) [3, 16] CR PR 7 (8) SD 19 (23) DCR 36 (31) PD 51 (61) PR SD PD S MSS L 低頻度MSI H 高頻度MSI 100 S S S S 50 S S L S L S S S S S S S S L S S H S L 最大SLD縮小率、% ベースラインからの S S S S S S S S S L S S S S S S S –50 S S L S S –100 Bendell JCら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 560

560: 転移性結腸直腸癌 (mCRC) 患者 (pts) を対象として、アテゾリズマブ (A) およびcobimetinib (C) の安全性および臨床活性を評価する第Ib相試験 – Bendell JCら 主要な結果(続き) 全患者 (n=84) 打ち切り時点 全患者 (n=84) 打ち切り時点 無増悪生存率 経過期間、カ月 100 80 60 40 20 84 3 25 6 13 9 11 12 8 24 2 27 1 30 33 36 15 18 21 リスクに晒されていた患者数 全生存率、% 経過期間、カ月 100 80 60 40 20 84 3 73 6 45 9 36 12 29 24 5 27 30 2 33 1 15 22 18 10 21 リスクに晒されていた患者数 全部 (n=84) MSS (n=42) PFS 中央値、カ月間(95%CI) 6カ月PFS率、% 1.9 (1.8, 2.3) 18 2.5 (1.8, 3.7) 27 OS 6カ月OS率、% 12カ月OS率、% 9.8 (6.2, 14.1) 65 43 13.0 (6.0, 25.8) 71 51 Bendell JCら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 560

アテゾリズマブの投与中止につながったもの cobimetinibの投与中止につながったもの 20 (24) 11 (13) 560: 転移性結腸直腸癌 (mCRC) 患者 (pts) を対象として、アテゾリズマブ (A) およびcobimetinib (C) の安全性および臨床活性を評価する第Ib相試験 – Bendell JCら 主要な結果(続き) グレード3~4のTRAEには、下痢 (5%)、発疹 (5%)、疲労 (5%)、血中CPK上昇 (5%)、斑点状丘 疹 (2%)、そう痒症 (1%) および悪心 (1%) があった AE、n (%) n=84 全要因、全グレード 82 (98) 治療関連 全てのグレード グレード3~4 グレード5 81 (96) 32 (38) 重篤 38 (45) 10 (12) 試験薬の投与中止につながったもの アテゾリズマブの投与中止につながったもの cobimetinibの投与中止につながったもの 20 (24) 11 (13) Bendell JCら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 560

560: 転移性結腸直腸癌 (mCRC) 患者 (pts) を対象として、アテゾリズマブ (A) およびcobimetinib (C) の安全性および臨床活性を評価する第Ib相試験 – Bendell JCら 結論 多数の治療歴を有する、局所進行性または転移性CRC患者における、アテゾリズマブとcobimetinib の併用療法は忍容性があった AEは、アテゾリズマブおよびcobimetinibの単剤療法で見られたものと同様であった mCRC患者においては、OS中央値は9.8カ月で、追跡期間中央値17.0カ月後の12カ月OS率は 43%だった アテゾリズマブとcobimetinibの併用療法は、MSSを示すmCRC患者に対する、初めての免疫調整の 併用療法候補となる可能性がある Bendell JCら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 560

552: 病期II/IIIの結腸癌患者における腫瘍遺伝子発現の年齢分布 – Hochster HSら 試験の目的 病期II/IIIの結腸癌について、高齢患者と若年患者の腫瘍遺伝子発現の差を検証する 方法 12の遺伝子によるColon Recurrence Score™検査により、以下の年齢カテゴリを使用して、病期 II/IIIの結腸癌患者の再発リスクを予測した: <40歳、40~54歳、55~64歳および≧65歳 または <55歳かつ≧55歳 Colon Recurrence Score™アッセイでは、患者22,052名のFFPE腫瘍組織サンプルに対するRT- PCRにより、12の遺伝子(癌関連遺伝子7個、参照遺伝子5個)のRNA発現を測定する Colon Recurrence Score™検査の結果は、患者のリスク群に従って記述した 低リスク:スコア<30 中リスク:スコア30~40 高リスク:スコア≧41 Hochster HSら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 552

552: 病期II/IIIの結腸癌患者における腫瘍遺伝子発現の年齢分布 – Hochster HSら 主な結果 年齢群別のColon Recurrence Score™群の分布 低 (<30) 中 (30~40) 高 (≧41) 患者の割合 全患者 年齢群 Hochster HSら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 552

552: 病期II/IIIの結腸癌患者における腫瘍遺伝子発現の年齢分布 – Hochster HSら 主要な結果(続き) 病期および年齢群別のColon Recurrence Score™群の分布 低 (<30) 中 (30~40) 高 (≧41) 患者の割合 病期および年齢群 Hochster HSら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 552

552: 病期II/IIIの結腸癌患者における腫瘍遺伝子発現の年齢分布 – Hochster HSら 主要な結果(続き) 単一の遺伝子についての、年齢群別のColon Recurrence Score™検査の結果 結果 遺伝子 14 12 10 8 4 2 FAP INHBA BGN C-MYC MYBL2 GADD45B 6 Ki-67 + + + + + + + + + + + + + + + 年齢 <55 歳 ≧55 歳 Hochster HSら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 552

552: 病期II/IIIの結腸癌患者における腫瘍遺伝子発現の年齢分布 – Hochster HSら 結論 病期II/IIIの結腸癌患者において、>22,000名の患者のサンプルを使用した検証済みのColon Recurrence Score™検査を用いることで、本試験では年齢群全体で同様の遺伝子発現が認めら れた この結果から、結腸癌を有する若年患者と高齢患者では、生物学的に差がないことが示された 病期II/IIIの結腸癌患者の多くは、若年患者 (<55 歳) も含め、低リスクであった Colon Recurrence Score™検査は、術後補助CTが不要である可能性がある若年患者を特定す る上でも同様に有効である Hochster HSら J Clin Oncol 2018;36(Suppl 4S):Abstr 552