健康づくりのための 運動療法.

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クイズ: 嘘! 本当? Q1:高齢化による筋力低下は、生物学的老化現象であるので、防ぐことが出来ない。 □:嘘! □:本当! Q2:脳の中にある神経細胞の数は20歳ぐらいから一定のペースで直線的に減り続けていき、増えることはないので、如何なる努力によっても脳の老化を防ぐことは出来ない。 Q3:ウオーキングやラジオ体操は低下した体力を回復する効果的な方法である。
生活習慣病の予防.
肥満 肥満とは「脂肪が一定以上に多くなった状態」のことです 肥満は BMI(Body Mass Index=肥満指数)で判定します
肥満の治療 1)食事療法 2)行動療法 3)運動療法 4)薬物療法. 肥満の治療 1)食事療法 2)行動療法 3)運動療法 4)薬物療法.
今 日 の ポ イ ン ト 1. 糖尿病治療のための食事は「健康食」です 2. まず初めに、食生活の基本をチェックしましょう 3.
肥満症は病気です 肥満症の定義: 肥満症とは肥満に起因ないし関連する健康障害を合併するか、その合併が予測される場合で、医学的に減量を必要とする病態をいい、疾患単位として取り扱う 日本肥満学会 「肥満症」は、日本肥満学会により明確に疾患として定義されている。 「肥満」とは身長にくらべ、体重の割合が大きい状態のこと。
健康を維持していくうえで重要な食事・お口や運動、社会性・こころの元気さを調べてみましょう。意外に十分ではない部分が見つかるかもしれませんよ!
ライフスタイル・ウオーキングを習慣化すると
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骨格筋のインスリン抵抗性が肥満の引き金 1 参考 最近、エール大学のグループは、骨格筋のインスリン抵抗性がメタボリック症候群を引き起こす最初のステップであることを報告した。BMIが22-24の男性をインスリン感受性度で2グループに分け、食事(55%炭水化物、10%蛋白質、35%脂肪)を摂取してから、筋肉のグリコーゲン量をMRI(核磁気共鳴画像法)で調べたところ、インスリン感受性群に比べて、抵抗性群ではグリコーゲン生成が61%減少していた。肝臓のグリコーゲン量は2群間で有意差はみられなかった。しかし、肝臓の
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生活習慣を変え、内臓脂肪を減らすことで生活習慣病の危険因子が改善されます
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無理なく内臓脂肪を減らすために C-7 ~運動と食事でバランスよく~ 7,000kcal kcal kcal
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40歳未満にも メタボリックシンドローム基準の適用を
+ = 身体活動で消費する量の計算 A:項目 B:実施項目 生活 活 動 運 動 1: 2: 1: 2: C-17 生活活動で 消費する量
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運動療法のコツ ★続けることのメリット ・血糖値が下がる エネルギー源としてブドウ糖が消費されます。
A-3 女性用 健診結果から今の自分の体を知る 内臓脂肪の蓄積 ~今の段階と将来の見通し~ 氏名 ( )歳 摂取エネルギーの収支
肥満のシミュレーション 1日50Kcal※余分に摂取するとどうなるの? 自分は1日あたり何Kcal余分に摂取しているの? A-8 現在
1. 糖尿病による腎臓の病気 =糖尿病腎症 2. 腎症が進むと、生命維持のために 透析療法が必要になります 3. 糖尿病腎症の予防法・治療法
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1. ご高齢の糖尿病患者さんと 若い人との違いはなに? 2. ご高齢の糖尿病患者さんの 治療上の注意点 3. ご高齢の糖尿病患者さんの
拡張現実を用いた階段ダイエット モチベーション向上支援システムの開発と評価
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What did you eat for lunch?
(2)-ア-a-A 食事摂取基準.
衛生委員会用 がんの健康講話用スライド.
健康再生療養型リゾート計画.
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健康づくりのための 運動療法

目 次 Index 健康のための身体活動に関する国際勧告 健康づくりのための身体活動基準2013 性・年代別の全身持久力の基準 目 次 Index 1 健康のための身体活動に関する国際勧告 2 健康づくりのための身体活動基準2013 3 性・年代別の全身持久力の基準 4 適正な運動強度を知る 5 身体活動の量からエネルギー消費量へ 6 生活習慣病患者等に推奨される身体活動量 7a 3メッツ以上の生活活動 7b 3メッツ以上の生活活動

1 健康のための身体活動に関する国際勧告 高血圧(13%)、喫煙(9%)、高血糖(6%)に次いで、身体活動不足(6%)を全世界の死亡に対する危険因子の第4位として位置づけています。 2010年、その対策として「健康のための身体活動に関する国際勧告」が 発表されました。 この中では各年齢群に対して、有酸素性の身体活動の時間と強度に関する指針及び筋骨格系の機能低下を防止するための運動の行うべき頻度等が 示されています。 参照:Global Recommendations on Physical Activity for Health, World Health Organization 2010

健康づくりのための身体活動基準2013 2 65歳以上 強度を問わず 身体活動を毎日40分 ー 運動習慣を持つ (30分以上・週2日以上) 血糖・血圧・脂質に 関する状況 身体活動 (生活活動・運動) 体力 (うち全身持久力) 運動 65歳以上 強度を問わず 身体活動を毎日40分 (=10Mets・時/週) ー 運動習慣を持つ (30分以上・週2日以上) ー 健康結果が基準範囲内 今より少しでも増やす (10分多く歩く) 18-64歳 3Mets以上の強度の 身体活動を毎日60分 (=23Mets・時/週) 3Mets以上の強度の運動を毎週60分 (=4Mets・時/週) 年・年代別に示した強度での運動を約3分間継続可能 18歳未満 ー ー ー 血糖・血圧・脂質のいずれかが保健指導レベルのもの 医療機関にかかっておらず、「身体活動のリスクに関するスクリーニングシート」でリスクがないことを確認できれば、対象者が運動開始前・実施中に自ら体調確認ができるよう支援した上で、保健指導の一環としての運動指導を積極的に行う。 リスク重複者又はすぐ受診を要するもの 生活習慣病患者が積極的に運動をする際には、安全面での配慮がより特に重要になるので、まずかかりつけの医師に相談する。 ※1 「身体活動」は、「生活活動」と「運動」に分けられる。生活活動とは、日常生活における労働、家事、通勤・通学などの身体活動 を指す。 運動とは、スポーツ等の、特に体力の維持・向上を目的として計画的・意図的に実施し、継続性のある身体活動を指す。 ※2 「3メッツ以上の強度の身体活動」とは、歩行又はそれと同等以上の身体活動。 ※3 「3メッツ以上の強度の運動」とは、息が弾み汗をかく程度の運動。 ※4 年齢別の基準とは別に、世代共通の方向性として示したもの。 参照:健康づくりのための身体活動基準2013

性・年代別の全身持久力の基準 3 年齢 18~39 歳 40~59 歳 60~69 歳 男性 11.0 メッツ 10.0 メッツ 下表に示す強度での運動を約3分以上継続できた場合、基準を満たすと評価できます 年齢 18~39 歳 40~59 歳 60~69 歳 男性 11.0 メッツ 10.0 メッツ 9.0 メッツ 女性 9.5 メッツ 8.5 メッツ 7.5 メッツ 全身持久力に関する基準値の活用方法 ○体力のアセスメント  10.0 メッツの強度の運動、例えばランニングなら10km/時の速度で3 分間以上  継続できるのであれば、「少なくとも40~59 歳男性の基準値に相当する10.0メッツ  の全身持久力がある」と言える。 ○至適なトレーニング強度の設定  基準値の50~75%の強度の運動を習慣的に(1 回30 分以上、週2日以上)行うことで、      安全かつ効果的に基準の全身持久力を達成・維持することができる。

4 適正な運動強度を知る 自分に合った適正な有酸素運動の運動強度を知るには1分間の「最大心拍数」を基準とします。最大心拍数は「220 ‐ 年齢」で求めることができます。運動に不慣れの人は、まずは最大心拍数の50~70%を目標に運動してみましょう。 例)年齢50歳の人の場合   最大心拍数:220 – 50 = 170   目標とする運動強度:170 × 0.5 ~ 0.7 = 85 ~ 119   ※ 長時間最大心拍数に近い運動を続けると心臓に負担が掛かり            危険です。    無理せず自分に適した運動強度で継続することが大切です。

身体活動の量からエネルギー消費量へ 5 エネルギー消費量 例えば70kgの人がジョギング(7.0Mets)を30分した時のエネルギー消費量は エネルギー消費量  = 身体活動量(Mets・時) × 体重(kg) エネルギー消費量(kcal)  = 7.0Mets × 0.5hr × 72kg = 245kcal なお体脂肪燃焼に必要なエネルギー消費量を求めるには、身体活動の量から安静時のエネルギー消費量(1.0Mets)を引きます。  = (7.0Mets-1.0Mets) × 0.5hr × 70kg = 210kcal ※体脂肪は1kgあたりのエネルギー量は約7200kcalあります。

6 生活習慣病患者等に推奨される身体活動量 身体活動(生活活動・運動)が不足している場合、強度が3~6メッツの運動を10Mets・時/週行うことが望ましいとされています。 ・歩行又はそれと同等できついと感じない程度の30~ 60分の運動を週3回以上行うことが望ましい。 ・運動の実施だけでなく、食生活の改善も合わせて行う。 ・安全に運動を実施するために、かかりつけの医師や保 健指導の専門家と相談する。 日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本動脈硬化学会では、糖尿病、高血圧症、脂質異常症の治療方法と一つとして運動療法を推奨しています。

3メッツ以上の生活活動 7a 普通歩行 3.0 Mets 犬の散歩をする 3.0 Mets 掃除をする 3.3 Mets

3メッツ以上の生活活動 7b ラジオ体操第一 4.0 Mets 卓球 4.0 Mets ウォーキング 4.3 Mets