神奈川労務安全衛生協会 『火災爆発災害防止講習会』 2017/03/21

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神奈川労務安全衛生協会 『火災爆発災害防止講習会』 2017/03/21 神奈川労務安全衛生協会 『火災爆発災害防止講習会』 2017/03/21 リスク管理の考え方  横浜国立大学先端科学高等研究院        三 宅 淳 巳  1.化学物質を取り巻く現状 2.燃焼爆発現象の基礎 3.リスク管理の考え方

はじめに リスク社会 食品 NBCテロ 情報セキュリティ 個人情報 感染症 金融危機 エレベーター 戦争 交通システム 回転ドア 有害化学物質 学校/通学路 電磁波 地震・津波 原子力施設 工場爆発火災

個々の化学物質の特性に応じた適正な管理が必要 化学物質を取り巻く現状 従来は・・・ 量産型製造プロセス   ・製造工程が単純   ・炭化水素が主体 法律により規制される時代 安全技術の規格化が容易 現在,そしてこれからは・・・ 法規制だけでは不十分 少量多品種製造プロセス   ・製造工程が多様化   ・特殊化学品が増加 自発的な自主管理の時代 個々の化学物質の特性に応じた適正な管理が必要

化学物質の総合安全管理と リスクアセスメント 化学物質の総合安全管理と リスクアセスメント (1)規制緩和と自主管理 1億2,500万種類の化学物質,2,000種類で約90% (2)化学物質の総合安全管理 S : Safety 【フィジカルリスク】 H : Health (健康リスク) E : Environment (環境リスク)     「Good SHE is good business ! 」 事故,災害に よる系外放出 【ケミカルリスク】 定常放出

石油コンビナート等における災害防止対策検討関係省庁連絡会議 報告書(H26年5月) 最近の爆発火災事故事例 ■塩ビモノマープラント爆発火災(2011年11月,徳山) ■エチレンプラント熱交換器破裂(2012年2月,大分) ■レゾルシンプラント爆発火災(2012年4月,岩国) ■アスファルトタンク爆発(2012年6月,千葉) ■製油所火災(2012年8月,水島) ■アクリル酸中間タンク爆発(2012年9月,姫路) ■多結晶シリコン製造施設爆発(2014年1月,四日市) etc. 石油コンビナート等における災害防止対策検討関係省庁連絡会議 報告書(H26年5月)

最近の化学産業災害の特徴 (1)少量多品種,高付加価値化,新規プロセス (2)エネルギー放出とそれに伴う有害物質の漏洩,拡散 (3)爆発・火災事故の増加傾向 ◇物性,危険性未知の物質群 (情報不足) ◇システムの巨大化,複雑化 (生産技術 vs 安全技術) ◇新規技術導入時の技術レベルの完成度不足 ◇複雑系の取り扱い (ハイブリッド系,廃棄物,混合危険) ◆安全技術ノウハウの継承の欠如 ◆コミュニケーション不足 (世代間,部署間,協力会社 等) ◆危険性認識の欠如 (マンネリ化) ◆緊急対応の不備,失敗(know-how から know-why へ!)

JCO,東電,雪印,出光,回転ドア,関電,JAL,JR西日本…… 事故の背景にある共通要因 JCO,東電,雪印,出光,回転ドア,関電,JAL,JR西日本…… ハードウエア  設備老朽化,安全技術不備 ソフトウエア   熟練不足,モラル低下 組織的要因   経費削減,悪しき習慣,風通し 社会的要因   社会的要請,効率化

事故の背景にある共通点 システムの合理化に伴う変更管理の失敗  リスクセンスの欠如 ◆ 経費削減による老朽化施設の非更新 ◆ マニュアルからの逸脱と容認 ◆ 目標達成の至上命令,タイムプレッシャー 等 システムの合理化に伴う変更管理の失敗  リスクセンスの欠如

近年のプラント事故では・・・ 施設の建設経験不足,維持管理中心  プロセスシステムの理解不足 ◆ システム,機器のトラブルや異常 ◆ マニュアルの意味,意図の理解不十分 ◆ 緊急対応の失敗 等 施設の建設経験不足,維持管理中心  プロセスシステムの理解不足

近年の爆発事故の分類 近年の事故の直接原因の分類 [1]そもそも設計ミス [2]変更管理の失敗 [3]オペレーションミス   [1]そもそも設計ミス   [2]変更管理の失敗   [3]オペレーションミス   [4]予見困難な事故

保安/安全文化の醸成と深化 重大災害の頻発  安全基盤の再構築,安全文化の醸成 ・リスクセンスの醸成(非定常作業,緊急停止) 経済産業省 産業構造審議会報告書(2013/03/29)    施設の老朽化,現場力の低下,    リスク管理の徹底,緊急対応措置 etc.  内閣官房,消防庁,厚生労働省,経済産業省    石油コンビナート等災害防止対策連絡会議(2014/05/16)    RA,人材育成,情報共有 不十分,関係機関の連携強化  安全基盤の再構築,安全文化の醸成     ・リスクセンスの醸成(非定常作業,緊急停止)     ・三種の神器(KYT,HH,指差呼称)     ・基本に帰れ(3E,4M,5S)

事故の本質的原因 安全基盤(技術)の再構築 安全文化の醸成 ◆ 施設,設備の老朽化・・・(?) ◆ 現場力,モラルの低下・・・(?)    ◆ 施設,設備の老朽化・・・(?)    ◆ 現場力,モラルの低下・・・(?)    ◆ 最悪シナリオの想定不足・・・(?) 安全基盤(技術)の再構築    ・プラント安全は「多重化」と「時間余裕」 安全文化の醸成    ・目標(あるべき姿)設定,愛着とプライド

安全と法規制 - 最近のkeyword 「社会実装」に向けて・・ ■技術革新,新技術の導入 ■従来の法規制の枠組みの限界 ■社会の安全要求レベルの高まり ■法規制と自主保安のベストミックス ■仕様規定から性能規定へ ■産業保安規制のスマート化   「社会実装」に向けて・・

プロセスプラントの構成 物質A 物質B 物質C プロセス条件 環境条件 ヒューマンファクター 組織的条件

化学プラントの高経年化 [1]施設,設備の老朽化 [2]作業者,技術者,管理者の高齢化 [3]管理システムの陳腐化    ・設備の劣化    ・制御システムの陳腐化    ・情報・通信技術の対応遅れ [2]作業者,技術者,管理者の高齢化    ・物理的,体力的衰え    ・不適切な判断,職業意識の低下 [3]管理システムの陳腐化    ・人事制度の変更不十分    ・技術伝承の対応不足 [4]社会/産業構造変化への対応遅れ    ・保全・安全技術 vs 社会の安全要求 不整合  安全・健全性,  異常診断技術  リスクベース工学 Human Factor  組織風土  安全文化   リスク管理   危機管理

物質/システムのライフサイクル バスタブ曲線(故障率と時間の関係) 故 障 率 故障率ゼロ にはならない 初期故障 磨耗故障 偶発故障 時  間

プロセス条件,操作の危険性 多重防護 ■プロセスパラメータ ■故障(機器,制御系),誤操作 温度,圧力,流量,組成,液レベル・・・ 原料の不足,供給過剰 弁(バルブ)の故障(開/閉) センサ類の故障 制御系の故障 安全装置の故障 多重防護

スイスチーズモデル – James Reason(1991) 防御装置 アラーム 安全装置 修復装置 事故 潜在的原因 による穴 即発的エラー

多重防護の考え方 (1)プロセス異常を発生させない設計 → 異常の発生防止 (2)プロセス異常が発生しても事故にまで発展させ ない設計            → 異常の発生防止 (2)プロセス異常が発生しても事故にまで発展させ ない設計            → 事故の発生防止 (3)事故が発生しても、事故の拡大を阻止し、被害を    局限化する設計            → 被害の局限化 制御による未然防止に力点を置く日本人は不得意・・・

Independent Protection Layer (多重防護層) IPL Example 1 プロセス設計(本質安全) 2 基本プロセス制御システム(BPCS) 3 BPCSが発する警報と区別された 「クリティカルアラーム」や人の介入 4 自動安全計装システム(自動シャットダウンシステムなど) 5 事故に至らせないための物理的防護(1)(圧力開放弁など) 6 被害が広がらないための物理的防護(2)(防液堤など) 7 プラント内緊急対応計画 8 地域防災計画

燃 焼 と 爆 発 燃 焼(combustion) 爆 発(explosion) 光と熱の発生を伴う化学反応で,定圧または  光と熱の発生を伴う化学反応で,定圧または  それに近い状態で起こる現象。 爆 発(explosion)  急激なエネルギーの放出によって,圧力波や  爆風が生じる現象。

燃焼の3要素 エネルギー(着火源) 燃 料  (可燃剤) 酸化剤(支燃剤)

燃焼現象の分類  燃焼は気相で生じる (1)気体の燃焼 (2)液体の燃焼 (3)固体の燃焼 可燃性ガスと空気の混合物 アルコール,灯油の蒸気と空気 (3)固体の燃焼 石炭,木炭,プラスチックの熱分解ガスと空気  燃焼は気相で生じる

爆発現象とは・・・ 高温(500~10,000 K) 高速(1~10,000 m/s) の現象 高圧(1~1,000,000 atm) 凝縮相  爆発  気相  気体運動  圧力 固体物性論,気体運動論,熱力学,反応速度論,    移動速度論,流体力学,光学,音響学,材料力学 etc.

爆発現象の分類 物理爆発 化学爆発 核爆発 (Physical explosion) (Chemical explosion) (Nuclear explosion) 凝縮相爆発 粉じん・ミスト爆発 気相(ガス)爆発 爆発性化合物 爆発性混合物

化学的な爆発 酸化による爆発 分解等による爆発 燃焼が加速的に進み、急激な熱、圧力、火炎の 発生を引き起こす  燃焼が加速的に進み、急激な熱、圧力、火炎の  発生を引き起こす 分解等による爆発  物質自身が急激な分解等を起こし、急激な温度  上昇や圧力上昇を引き起こす

理想気体の状態式 PV = nRT P = nRT/V 密閉容器中ではR,Vは一定だから,Pの増加は,n,Tの増加による。 (例)爆発反応によって,モル数nが3倍,温度Tが5倍     (300K1,500K)になると,圧力Pは15倍 ! !

化学爆発の特性値比較 気相爆発 粉塵爆発 凝縮相爆発 反応熱 [J/g] 初期密度 [g/cm3] 燃焼速度 [m/sec] 2,000 ~ 3,000 2,000 ~ 6,000 初期密度 [g/cm3] 10-4 ~ 10-2 10-3 ~ 1 0.5 ~ 5.0 燃焼速度 [m/sec] 0.2 ~ 100 0.01 ~ 100 爆轟速度 [m/sec] 1,500 ~ 3,000 2,000 ~ 10,000 発生圧力 [atm] 1 ~ 20 10 4 ~ 10 6 最小発火エネルギー [mJ] 0.02 ~ 2 1 ~ 100 100 ~ 10,000

爆 燃 と 爆 轟 爆 燃 (deflagration) 爆 轟 (detonation)    化学反応による爆発であって,反応波面が未反応物質中を進行    する速度が音速には満たないが,爆風を伴う激しい化学反応 爆 轟 (detonation)    化学反応による爆発であって,反応波面が未反応物質中を進行     する速度が音速を超え,衝撃波を伴う非常に急激な化学反応

可燃性ガスの爆発危険性と評価方法 (1)爆発範囲(爆発下限界LELと爆発上限界UEL) 燃料-空気2成分系,多成分系(Le-Chaterieの法則), Fナンバー 温度,圧力の影響(Burgess-Wheelerの法則) (2)最小発火エネルギー(Minimum Ignition Energy) 熱,機械的刺激,電気火花,電磁波,衝撃波 電気火花の場合 E=1/2 CV2 (3)爆発エネルギー  気体の運動 パラメータ:圧力,温度,火炎伝播速度 物理的効果:爆風圧力,放射熱,飛散物 被害:人間(鼓膜,肺),構造物(ガラス窓,家屋,タンク etc.) 爆発のしやすさ 爆発時の威力

× 爆発範囲の考え方 爆発範囲 爆発下限界(LEL) 爆発上限界(UEL) Lower Explosion Limit Upper Explosion Limit × ■ 爆発の成否は可燃剤と支燃剤の組成のみによって決まる。 ■ 着火エネルギーは十分大きいものとする。

主な可燃性ガスの空気中での爆発限界 (室温,大気圧) ガ ス 名 化 学 式 爆発限界[vol%] 下限界 上限界 メタン エタン プロパン ブタン ペンタン ヘキサン ヘプタン エチレン プロピレン 1-ブテン 1,3-ブタジエン アセチレン ベンゼン トルエン メタノール エタノール エチルエーテル CH4 C2H6 C3H8 C4H10 C5H12 C6H14 C7H16 C2H4 C3H6 C4H8 C4H6 C2H2 C6H6 C7H8 CH3OH C2H5OH C2H5OC2H5 5.0 3.0 2.1 1.8 1.4 1.2 1.05 2.7 2.4 1.7 2.0 2.5 1.3 *2 1.2 *2 6.7 3.3 1.9 15.0 12.4 9.5 8.4 7.8 7.4 36 11 9.7 12 100 *4 7.9 *2 7.1 *2 19 *1 酸化エチレン アセトン アセトアルデヒド 塩化ビニル 水 素 一酸化炭素 アンモニア シアン化水素 硫化水素 二硫化炭素 モノシラン ジクロルシラン ジボラン ホスフィン アルシン ゲルマン セレン化水素 C2H4O CH3COCH3 CH3CHO C2H3Cl H2 CO NH3 HCN H2S CS2 SiH4 SiH2Cl2 B2H6 PH3 AsH3 GeH4 H2Se 3 2.6 4.0 12.5 15 5.6 1.3 1.37 4.1 0.8 1.6 5.1 2.3 8.8 13 60 22 75 74 28 40 44 50 - *3 98 93 78 62 *1:60℃,*2:100℃,*3:自然発火,*4:分解爆発

可燃性ガスの化学量論組成 メタン-酸素系 CH4 + 2・O2  CO2 + 2・H2O (メタンのモル数) (混合気のモル数)      (メタンのモル数)      (混合気のモル数) メタン-空気系    CH4 + air  a・CO2 + b・H2O + g・NOx +・・・    air中の酸素を20%とすると,メタンの完全酸化反応には5倍の空気が必要       (メタンのモル数)       (混合気のモル数) = 1/(1+2) = 1/3 = 0.333・・・  33.3% = 1/(1+2×5) = 1/11 = 0.0909・・・  9.1%

Minimum Ignition Energy 最小発火エネルギーの考え方 爆発下限界(LEL) 爆発上限界(UEL) × 爆発領域 最小発火  エネルギー(MIE) Minimum Ignition Energy エネルギー ○○○×  ×  × ○○○○××  × ○○○×  ×  × ■ 爆発は「燃焼の3要素」を満足する場合にのみ生じる。

主な可燃性ガス・蒸気の 最小発火エネルギー(Minimum Ignition Energy) 可燃性ガス・蒸気 最小発火エネルギー (mJ) 濃 度 (vol%) メタン エタン プロパン ブタン ペンタン ヘキサン ヘプタン 酸化エチレン 酸化プロピレン アセチレン 水素 二硫化炭素 0.28 0.25 0.24 0.065 0.13 0.02 0.01 8.5 6.5 5.2 4.7 3.3 3.8 3.4 10.8 7.5 7.7 29.0 7.8

静電気の放電エネルギーの試算 W = ½ CV2 W:放電エネルギー[J], C:静電容量[F], V:帯電電圧[V] [人間の例]   C=200pF, V=5kV とすると,    W=1/2(200×10-12)(5×103)2 = 2.5×10-3  2.5 mJ [タンクローリーの例]   C=1,000pF, V=15kV とすると,   W=1/2(1,000×10-12)(15×103)2 = 1.125×10-1  100 mJ 十分大きな着火源 ! !

リスクの概念 絶対安全はない !!  許容される安全水準(社会的,工学的) 確率論的安全目標の設定  リスク(Risk)の概念の導入 絶対安全はない !!  許容される安全水準(社会的,工学的) 確率論的安全目標の設定        リスク(Risk)の概念の導入 ◆対象物質が存在する限り,リスクをなくすことはできない ◆合理的/現実的に達成可能な安全目標の設定が重要! ◆リスク-ベネフィット,コスト-ベネフィット分析による評価 ◆Riskの 解析評価管理コミュニケーション  Public Acceptance

ハザード(hazard)とリスク(Risk) ある状況下で,人,物および環境に不利益な影響を起こしうる事象またはシステムに固有の性質 リスク(Risk) 特定の条件で起こりうる有害な事象の予測される発生確率(または頻度,可能性)とその影響の大きさ 「対象物質が存在する限り,リスクをなくすことはできない」

ハザードとリスクの関係 ■リスクは相対的なもの #ハザードの受け手(receptor)があるときにリスクは 存在する。     存在する。   #ハザードの強度と,受け手(receptor)との相対的        距離で,リスクの大小が変わる。 Hazard Risk

「安全」 と 「リスク」 安 全 リスク 許容されないリスクから解放された状態   許容されないリスクから解放された状態    (Freedom from unacceptable risk) リスク   事象の発生確率,頻度と影響度の組み合わせ    (Combination of the probability of an event and its consequence ) ISO/IEC Guide 51 (1999),Guide 73 (2002)

Risk = f (Pi*Ci) リスクの工学的定義 Pi :Probability (発生確率,頻度)   Ci :Consequence (影響度)    i :Scenario(シナリオ)

シナリオの想定とトータルリスク i=1 爆発 i=2 火災 i=3 非着火漏洩 i=n n番目のシナリオ    爆発の発生確率:P1, 爆発時の影響度:C1  爆発リスク R1=P1*C1 i=2 火災     火災の発生確率:P2, 火災時の影響度:C2  火災のリスク R2=P2*C2 i=3 非着火漏洩     漏洩の発生確率:P3, 漏洩時の影響度:C3  漏洩リスク:R3=P3*C3 ・・・・・・ i=n n番目のシナリオ    シナリオの発生確率:Pn, シナリオの影響度:Cn  シナリオのリスク Rn=Pn*Cn トータルリスク Risk(total)=S Ri =S Pi*Ci

リスク管理とは・・・ リスクに関して組織を指揮し,制御する活動  組織の危機管理に,日常の予防やリスクの抑制,   緊急事態発生後の長期にわたる復旧活動を含め   たあらゆる対応の総称 Risk management : coordinated activities to direct and control an organization with regard to risk (ISO/IEC Guide 73, 2002)

リスク管理の目的 ◆ 自分や自分の組織を守る ◆ 社会,顧客への被害を与えない 日常のリスク対応+危機管理 (crisis management) ・顕在化する以前の対応 ・判断の総合性,合理性 ・事故発生後,短時間での対応  ・優先順位が重要

有効な資源配分 全コスト 最適ポイント 費用 安全コスト 損害コスト 低 安全レベル 高

安全目標の考え方 1.リスクと便益の比較 2.代替手段のリスクとの比較 3.受容されているリスクとの比較   検討対象のリスクと便益を定量的に比較し,バランスする点に   目標を設定する。 2.代替手段のリスクとの比較   同等の便益を実現するほかの手段のリスクと比較し,   最も小さなリスクを基準に目標を設定する。 3.受容されているリスクとの比較   社会に受容されていると判断される既存のリスクとの比較により

全体最適化における安全 ■部門最適化  全体最適化へ ■最適化における安全 安全だけでは意味がない ■部門最適化  全体最適化へ ■最適化における安全 安全だけでは意味がない ■魅力ある持続的なシステムとは・・・? ■施設,システムの目的設定 目的に適した安全レベルの設定と     適切な資源(resource)の投入

リスクマネジメントのプロセス (ISO 31000,2009)

リスクの分析・評価・管理 事象の洗い出し(発見) 事象の想定(特定) リスク分析 リスクの算定 (発生確率×影響度) リスクの低減対策 リスクの評価 リスクアセスメント NO 許容可能か? YES 対策実施・維持 リスクマネジメント 危機回避・局限化

リスクマネジメントの考え方 多  発生頻度  少 小  被害(額)  大 リスクの保有 リスクの最適化 リスクの移転 リスクの回避

お わ り に  「守る安全」 から 「創る安全」 へ 社会/組織の資源の戦略的配分を・・・