多職種連携による 在宅医療・在宅生活における 栄養士への期待

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実践編 次のような処方箋と簡単な患者情報とともに在宅訪問依頼が来 た。 さて、何を準備し、何をチェックし、どのように多職種と連携 をとることが求められるか。 ワークシートを参考に考えてみましょう。
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表1.入院医療から在宅療養への移行期での評価
ケアマネジャーの皆様 利用者さんのことでの悩みや困りごと ありませんか? 地域の訪問看護ステーションに ぜひ、ご相談ください ☎
先進予防医学共同専攻臨床疫学 臨床疫学とは 現在の取り組みと成果 研究材料・手法 未来のあるべき医療を見つめて改革の手法を研究します。 特徴
おくすり整理そうだんバッグ 地域医療委員会.
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模擬退院カンファレンス 退院後の療養計画立案を目指した模擬退院カンファレスを行いました。
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多職種連携による 在宅医療・在宅生活における 栄養士への期待 千葉大学予防医学センター 藤田伸輔 SHACHI

本日のお話 世界の医療改革 地域医療構想 地域医療連携 地域包括ケア 栄養士に望むこと

世界の医療改革 高齢社会への対応は1940年代に始まっている 世界の医療改革 地域医療構想 地域医療連携 地域包括ケア 栄養士に望むこと SHACHI 高齢社会への対応は1940年代に始まっている 民族主義・隔離時代 1871 1942 1965 1978 1987 2000 2002 ビスマルク ビバレッジ バザーリア アルマ・アタ 患者中心の医療

JPN

世界の医療改革 急性期 1/2 精神 1/6 慢性期 1/3

世界の医療改革 地域医療構想 地域医療連携 地域包括ケア 栄養士に望むこと 地域医療構想 SHACHI

(人口10万人あたり・人/日) 高齢の年齢階級ほど大幅な改善傾向が 見られる (年)

入院患者数の将来推計(全国、総数) シナリオ1 これまでの推計方法 入院患者数(人/日) シナリオ2 新たな推計方法 地域医療ビジョン案B 地域医療ビジョン案A シナリオ2 新たな推計方法

病床の過不足数の将来推計(2025年) シナリオ1と2で病床に対する配分率が60%を下回る病院 シナリオ1では全国約240病院、シナリオ2では約1700病院が該当 2012年の割合が持続 毎年1.5%受療率低下 全国的に 病床が余る 16万床 ※各大字別の推計入院患者数をもとに、1時間以内の医療機関に入院する仮定を置き推計  病床数は一般病院の一般・療養病床を対象とし集計

60万床 イタリア なみ

病床機能報告制度の意味 3000点/日 600点/日 225点/日 高度急性期 急性期 回復期 慢性期 病床利用率目安 75% 78% 90% 92% 特定機能病院 ◎ ○ △ △(緩和) 急性期病院 回復期病院 地域包括ケア 療養型病院 DPCとの関連 Ⅰの期間中に転院 Ⅱの期間中に転院 Ⅲの期間中に転院 病床機能は表現があいまいで区分がわかりにくいのですが、DPCのⅠの期間を診る為の病床です。院内でICUや重症管理加算室から一般病床に移るように、高度急性期病棟から退院の急性期病棟に移ることも想定されます。この場合は診療プロトコールの共有が必要です。 Ⅱの期間・Ⅲの期間においても同様に他院の病棟を使うことも考えられます。その場合は脳卒中パスのように診療情報提供書の精細化で十分です。

病床機能報告制度と在宅の関係 栄養士がいろいろなところで必要 在 宅 高度急性期 急性期 回復期 慢性期 病床利用率目安 75% 78% 90% 92% 特定機能病院 ◎ ○ △ △(緩和) 急性期病院 回復期病院 地域包括ケア 療養型病院 在 宅 急性期病床及び回復期病床から在宅へ 在宅から地域包括ケア病床へ 栄養士がいろいろなところで必要

世界の医療改革 地域医療構想 地域医療連携 地域包括ケア 栄養士に望むこと 地域医療連携 SHACHI

医療改革(診療報酬改訂) 機能分化 機能向上 自然淘汰 医療費削減 連携強化 職種連携 多職種連携 施設連携 患者連携

施設連携 相対連携 多施設連携 地域連携 施設特徴 施設葛藤 地域意識

千葉県脳卒中パス X20 計画管理病院:27病院+1 回復期病院:52病院 維持期:433医療機関 意見交換会 6回/年 8030名 死亡788名 計画管理病院:27病院+1 回復期病院:52病院 維持期:433医療機関 意見交換会      6回/年 脳卒中連携の会   1回/年 講習会        16回/年 自宅3619名 療養373名 老健333名 リハ2721名 X20 平成21年:1098名 リハ133名

脳卒中連携から地域連携へ 地域疾病管理推進委員会 計画管理病院協議会 回復期病院協議会 在宅医療推進委員会 パスシート 7×2 医師 看護師 パスシート 7×2 連携窓口リスト 連携担当行政部局リスト 多職種連携会議 多職種グループワーク 在宅提供体制推進ガイドライン リハ MSW 薬剤師 歯科 栄養 ケアマネ・介護 地域連携シート

多職種連携 階層型 職種理解 交代型 職種間葛藤 チーム意識

世界の医療改革 地域医療構想 地域医療連携 地域包括ケア 栄養士に望むこと 地域包括ケア SHACHI

住民全員が大阪のおばちゃんになる 適度なおせっかい 自主的行動

世界の医療改革 地域医療構想 地域医療連携 地域包括ケア 栄養士に望むこと 栄養士に望むこと SHACHI

USA Spain Sweden

医師と患者の情報共有が必要 慢性疼痛を抱える人の通院状況 慢性疼痛を抱える人のなかで、「現在、通院している」36.7%、通院していない状態 63.3% 病医院に通院していない慢性疼痛の約半数(48.4%)は、“痛みが緩和していない” 患者と医師の痛み治療における認識 「治療目標を確認した」と認識しているのは、医師では61.2%、患者では34.3% 医師の治療目標は「痛みの軽減」(52.4%)「日常生活動作の改善」(27.0%)。 医師と治療目標を確認していない患者は、「痛みの軽減」(42.5%)と「痛みの完 治」(41.3%) 医師と治療目標を確認した患者の71.5%が治療に満足している。 治療目標を確認しなかった患者で治療に満足しているのは34.4% 医師の91.3%が患者と治療内容について「十分に対話している」。 通院中患者で「十分に対話している」73.8%、治療中断者で44.6% 通院中患者と治療中断者との意識差 医師と治療目標を確認している:通院中患者47.6%、治療中断者20.4% 3ヵ月未満で治療効果が現れる思っている:治療中断者32.9%、通院中患者19.1% 医師からの治療内容の説明を「理解している」:通院中患者の81.3%、治療中断者 58.0% 医師と患者の情報共有が必要 http://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2013/2013_07_08.html

患者さんと家族が欲する情報 何をどう食べたら良いの? 運動と安静はどっちが良いの? 薬を飲み忘れた時どうすれば良いの? この症状は病気の悪化? 甘えているの?病気なの? 元気にするにはどうすれば良いの?

患者さんが栄養士に教えてほしいこと 医師に指示された食事 バランスの良い食事 元気の出る食事 外食で気を付けること 食欲の出る食事 便の出る食事 食後の薬に困らない食事 誤嚥しない食事 ☆ 私が知りたいこと ☆

患者さんが栄養士に望むこと その時々に合わせた食事指導 相談できる人 ぐちを聞いてくれる人 一緒に食べてくれる人

健康を総合的に考える

「食べる」を考えてみましょう 「食べる」の医学モデル 「食べる」の生活モデル 食事の準備 食事の時間を認識する 食事する 後片付け 食事を認識する 食事を適切な大きさに整える 液体の摂取 個体の摂取 適切な温度にする 冷たい物 熱い物 口に運ぶ 咀嚼する かむ 舌で運ぶ 唾液を分泌する 嚥下する 消化する 排泄する 食事の準備 食材を用意する 調理する 盛り付ける 食事の時間を認識する 適切な時間まで我慢する 食事時間に合わせて行動する 食事する マナーに従って食事をする 食べて良いものと悪いものが わかる 適切な味に調える 周囲の人々と会話を楽しむ 後片付け 食後の片づけをする

ICF:b5で「食べる」記載しましょう 消化器系に関する機能 摂食機能 消化機能 同化機能 排便機能 吸引 咬断(前歯の機能) 臼磨(奥歯の機能) 口中での食物の処理 唾液分泌 嚥下 口腔内嚥下 咽頭での嚥下 食道での嚥下 逆流と嘔吐 消化機能 同化機能 排便機能

食事をする 身体構造 意欲 心身機能 栄養素の提供から喜びの提供へ 鼻腔・口腔・上咽頭・喉頭・下咽頭・心肺・体幹・四肢・手 咀嚼・嚥下・呼吸・排痰 座位保持・食事 食欲・生きる意欲

患者中心の多職種連携=患者さんと情報交換する連携 処方 患者さんと医療情報を共有するSHACHI 栄養結果 サマリ 報告書 紹介状 看護実施 記録 看護結果 看護診断・ 計画書 訪問看護 計画 療養報告書 介護計画書 福祉進捗 福祉計画 診断サマリ 処方監査 服薬報告 処方報告 疑義照会 紹介患者 管理 診療結果 栄養計画 栄養評価 リハビリ 結果 入院時 情報提供書 口腔・嚥下 診療計画 検査結果 病院医師 診療所医師 歯科医 看護師 薬剤師 栄養士 ケアマネ・介護士 事務員 検査技師 入院予約 診療予約 入院情報 指示書 療養計画 患者中心の多職種連携=患者さんと情報交換する連携

患者連携 診療提供 診療目標 協働診療 EBM ビッグデータ 心理学 インフォームド・コンセント 診療への賛同 患者の主体的健康改善 コーチング プラセボ効果の活用 年間使用料 病院:10万円 診療所:5万円 調剤薬局:5万円 県○○師会:100万円 個人(ゴールド) :1200円 個人(ベーシック):無料 EBM ビッグデータ 心理学

SHACHIを使って食を支える 身体構造 意欲 心身機能 鼻腔・口腔・上咽頭・喉頭・下咽頭・心肺・体幹・四肢・手 歯科医師 医師 医師 栄養士 リハ 看護師 看護師 家族友人 咀嚼・嚥下・呼吸・排痰 座位保持・食事 食欲・生きる意欲