山口大輝・瀬沢玲二・堀口心太郎・吉村誠也

Slides:



Advertisements
Similar presentations
太田 有香.  太陽光の中での割合はわずか約 5 ~ 6 %  季節によって変化  天気によって変化するが微量  1 日の紫外線量が最大になる時間帯は正午  オゾン層と密接な関係.
Advertisements

都市域で起こる水害の防止対 策 C07047 村上彰一 C07048 森田紘 矢 C07049 矢口善嵩 C07050 矢田陽 佑 C07051 山河亮太 C07052 山下優 人.
「神奈川県条例」の意義と課題 ・サービス産業も良好な遵守姿勢 ・ただし、分煙の実効性は・・・ ? ・官公庁の喫煙室は撤廃を サービス産業のタバコ煙( PM2.5 )は北京並み 〜従業員の健康を守るために全面禁煙化を〜 産業医科大学 産業生態科学研究所 教授 大和 サービス産業のタバコ煙( PM2.5.
健診時血圧 160/100 以上 ⑨ 市町村主催の 健康教室等へ の勧誘 健診時血圧 160/100 以上 健診時血圧 160/100 以上 健診時血圧 160/100 未満 かつ未治療 のもの 汎用性の高い行動変容プログラ ム 高血圧対策(案)
少子高齢化 高橋香央里 加藤裕子 松本結 海老澤優.
熱海健康福祉センター 後藤 幹生 (静岡県熱海保健所) 資料提供; 静岡市保健所 加治 正行
歯の健康と歯科健診の受診について 〈6月4日は「虫歯予防デー」です〉 2013年6月 出光興産健康保険組合.
タバコ煙はPM2.5  ~自家用車内 (子どもの居住環境) での曝露濃度~ 愛知県、中川先生、小児科.
中間報告 C08027 酒井翔太 C08028 佐藤史隆 C08029 下岡亮太 C08030 下方大史
1.大気汚染とその原因 2.大気汚染による健康影響
化学物質による健康障害を防ぐために 滋賀労働局 各労働基準監督署(大津 彦根 東近江) 液体、粉末、気体などの化学物質を扱う事業主へ
エアゾール缶等の収集処理時の 事故発生状況と今後の課題
第13回 タバコと死の五重奏研究会 肥満、高血圧、脂質異常、糖尿病を併せ持つ人は 死亡率が高い=死の四重奏
煙の広がり.
化学的侵食 コンクリート工学研究室 岩城 一郎.
北京市内のPM2.5 PM2.5:草木、石炭、石油の燃焼から発生 左の写真が曇っているのは、粉じんが光を乱反射しているため。
4.「血液透析看護共通転院サマリーVer.2」 の説明
【資料5】 条例の基本的な方向性について 平成28年8月30日 福岡市障がい者在宅支援課.
第19課 人の寿命と病気 背景知識.
屋外の測定では、PM10のうちPM2. 5が占める割合は50〜70%。 工業地帯ほど、PM2
LCAを用いたパレット運用における総合的な環境影響に関する研究
1.環境汚染の防止と改善 2.産業廃棄物の処理と健康
目 次 1.大阪府自動車NOx・PM総量削減計画〔第3次〕の目標について 2.大気環境の状況について 3.中間レビューについて.
公共の場での喫煙問題 c 尾崎千紗.
北京市内のPM2.5 PM2.5:草木、石炭、石油の燃焼から発生 左の写真が曇っているのは、粉じんが光を乱反射しているため。
経済データのダウンロードと グラフの作成 経済データ解析 2011年度.
2012年度 九州大学 経済学部 専門科目 環境経済学 2013年1月21日 九州大学大学院 経済学研究院 藤田敏之.
消費者は食品の安全性についてどのように感じているのか?
「リステリア」による食中毒を 防ぐために衛生管理を徹底しましょう
新しい自動車排出ガス処理システムの試作と検証
化学的侵食 コンクリート工学研究室 岩城 一郎.
食糧自給率低下によって 日本が抱える危機とその対策
日本糖尿病学会のアクションプラン2010(DREAMS)
図表で見る環境・社会 ナレッジ ボックス 第2部 環境編 2013年4月 .
日中自動車産業と環境問題 第一章 中国自動車企業の発展 01w713 コウシュンエン 第二章 日本自動車メーカーの中国戦略
光触媒を用いた 効率的発生源対策技術の検討 金沢大学大学院 大気環境工学研究室 M1 吉田充宏.
Fig. 1 日本のタバコの箱の表示 1. 喫煙は、あなたにとって肺がんの原因の一つとなります。 疫学的な推計によると、喫煙者は肺がんにより死亡する危険性が非喫煙者に比べて約2倍から4倍高くなります。 (詳細については、厚生労働省のホーム・ページ
都道府県も国民健康保険制度を担うことになりました
第19課 人の寿命と病気 背景知識.
都道府県も国民健康保険制度を担うことになりました
「ベトナムにおける協同組合とマイクロインシュアランスを活用した保険市場開拓の可能性」
経済データのダウンロードと グラフの作成 経済データ解析 2009年度.
大阪府健康づくり推進条例の概要について (1) 条例制定の背景・必要性 (3) 条例案の概要 (2) 条例制定のポイント
化学的侵食 コンクリート工学研究室 岩城一郎.
地球温暖化防止に必要なものは何か E 石井 啓貴.
GHSラベルの読み方の基本 【○○部○○チーム】(所属等) 社内安全衛生教育用資料 ○○(名前) 【教育担当者さまへ】
堆肥を使用する際にはご留意ください! 〇 耕種農家・育苗業者の皆様へ 〇 輸入飼料を給与した家畜に由来する 被害を未然に防止するために
Environment Risk Analysis
現在の環境問題の特色 ● 環境問題の第一の波: 1960年代の公害 (水俣病、イタイイタイ病、四日市・川崎喘息など)
地球温暖化と京都議定書 E020303 豊川 拓生.
環境・エネルギー工学 アウトライン 序 章 環境・エネルギー問題と工学の役割 第1章 バイオ技術を使った環境技術
厚生労働省 ラベル表示を活用した労働者の教育推進事業 委託先 株式会社三菱化学テクノリサーチ
図表で見る環境・社会 ナレッジ ボックス 第2部 環境編 2015年4月 .
資料2-1 地球温暖化対策実行計画の改定について 1 地球温暖化対策実行計画の改定の必要性について 3
2015 年 5 月下旬のインドの熱波について 報 道 発 表 資 料 平成 27 年 6 月 2 日 気 象 庁
2015 年5 月下旬のインドの熱波について 報道発表資料平成27 年6 月2 日気 象 庁
~健康で安心して暮らせる社会の構築に向けて~
まちづくりと交通 (株)ライトレール 阿部 等
環境触媒グループ ガソリン車と比べて ディーゼル車の利点 現在ディーゼル車の走行台数が増加している ディーゼル車排ガス中での汚染物質 危害
仙台管区気象台 気象防災部 地球環境・海洋課 渕上 隆雄
呼吸用保護具の 適切な着用について -フィットテストのご紹介-
タバコと健康 喫煙の現状と対策.
ORT・LGSについて 担当者:明間、喜多.
「リステリア」による食中毒を 防ぐために衛生管理を徹底しましょう
C08011:大澤直弥 C08012:太田邦亨 C08013:大場友和 C08014:大矢英雅 C08015:岡井成樹
2018年7月西日本豪雨広島県呉市の1時間降水量と降り始めからの積算降水量
ディーゼルエンジンについて 尾崎文香 基礎セミナー発表.
環境学 第9回目 (H ) 環境法と循環型社会 p.68~
花粉前線・2週前! まずは自分で予防して!! ムズムズしたら医療機関!!!
大阪府生活環境の保全等に関する条例に基づく水銀の大気排出規制のあり方について
Presentation transcript:

山口大輝・瀬沢玲二・堀口心太郎・吉村誠也 PM2.5の現状と これからについて 山口大輝・瀬沢玲二・堀口心太郎・吉村誠也

目次 →PM2.5とは何か、何故発生するのか、人体に及ぼす影響 他国に与える影響、中国政府の対応策を研究する。   ・本研究の目的   →PM2.5とは何か、何故発生するのか、人体に及ぼす影響  他国に与える影響、中国政府の対応策を研究する。 ・第1章 PM2.5問題の発生原因とPM2.5の健康被害 ・第2章 日本でのPM2.5発生状況と対策 ・第3章 中国のPM2.5問題と日本への影響 ・第4章 PM2.5に関する市民意識調査(アンケート)  要約と今後の課題

本研究の目的 この研究の背景 近年よく耳にする環境問題として、中国における微小粒子状物質PM2.5による大規模かつ深刻な大 気汚染が発生したことを契機に、日本への越境大気汚染が大きく報道され、社会的な話題となってい るから。 ・目的 PM2.5 をめぐる問題について、PM2.5 の定義や歴史的経緯を紹介した上で、 日本や中国におけるPM2.5による大気汚染の現状、今後の課題について述べていく。 ・研究方法 Webのホームページを参考にする 本で調べる

第1章 PM2.5問題の発生原因 PM2.5の発生メカニズム 微小粒子状物質(PM2.5)は粒子の大きさが非常に小さいことから、肺の奥まで入りやすく、ぜん息や気管支炎などの呼吸器系の疾患、肺ガンのリスクの上昇や、循環器系への影響を引き起こすおそれがあるとされています。そのため、小さなお子さんや高齢の方、呼吸器系・循環器系の疾患のある方は、1日のPM2.5濃度が高くなると予想される場合には特に注意が必要です。 また、近年では大陸からの大気汚染物質が日本に影響を与えることが懸念されています

1-2 PM2.5が人間の体に及ぼす健康被害 鼻水や目のかゆみなどのアレルギー 気管支炎やぜんそくなどの呼吸系疾患

1-2 PM2.5が人間の体に及ぼす健康被害2 心筋梗塞などの心疾患 皮膚疾患 毛穴に炎症を起こしてしまいます。そのため、じんましんや肌荒れの原因になります。

1−3 PM2.5が人間の体に及ぼす健康被害3 肺がん PM2.5の主成分の1つである硫酸塩などが化学反応を起こし、アスベストと同じ最高レベルの発がん性物質に変化。 それを吸い込むと、肺が炎症を起こし、肺がん発症のリスクが高まってしまいます。

第2章 日本でのPM2.5発生状況と対策 現在、大気汚染防止法に基づき、地方自治体によって全国700カ所以上でPM2.5の常 時監視が実施されています。 PM2.5を始めとする大気汚染物質濃度の現在の状況については、環境省(大気汚染 物質広域監視システム【そらまめ君】)や多くの都道府県等のホームページで速報 値が公表されています。 常時監視結果については、各自治体がデータ確定作業を行った上で、測定された翌 年度に一括して国へ報告されています。

日本でのPM2.5発生状況

東海地方のPM2.5情報 2017年12月2日午後23時頃

第2章 日本でのPM2.5の対応策 花粉よりも小さな微粒子の吸引を防ぐためには、素材や着用方法などによっては完全には防御できない。 確実に防ぐには、対応したマスクを選ぶことが大事 現在、流通しているマスクの中では、N99またはN95と呼ばれる規格のものがこれにふさわしい。 0.1~0.3μmの微粒子を99%以上、95%以上遮断する性能を持ち、選ぶ際にはこの規格を目安

モースダブルプロテクション (エースインターナショナルジャパン) 最高峰のN99に対応したマスク。4層構造の 医療用マスクで、2層目と3層目に米国で開 発されたN99対応の特殊フィルターを採用し、 静電気で微粒子を誘引する加工が施されてい る。レギュラーサイズとミディアムサイズ (婦人用)、スモールサイズ(子供用)の3種類 を展開。

三次元高密着マスク(コーワ)  N95規格に相当するフィルターに より、0.1μm以上の微粒子を99% カット。左右上下にプロテクター を配備し、顔への密着度を高め、 隙間からの侵入を防ぐ。ふつうサ イズから小さめの女性用、子供用 サイズの3種類が揃う。

第3章 中国のPM2.5問題 中国ではこれまで硫黄酸化物(SOx)などの大気汚染対策に取り組んできた経緯も あり、 地域によっては 2000年から2010 年頃にかけて PM2.5 濃度が低下したとみ られる。 米国の研究チームが、NASA の人工衛星データを用いて 2001〜2003 年頃から 2008〜2010 年頃ま での PM2.5 濃度の変化を分析し、北京市や北部のいくつかの 省では濃度が低下したことを 示している。北京市も、市内の PM2.5 濃度が2000 年の 100〜110μg/m3 から 2010 年の 70 ~80μg/m3 までの低下したと発表している。

3−1 中国のPM2.5問題 北京大学の研究 2013年のPM2.5 汚染により、北京など中国 31 都市の死亡者数は、WHO大気質基準(10μg/m3)を満たした場合と比較して 25.7 万人増加したと推計されている。 中国医師協会が北京など 20 都市 68 万人を調査 住民の77%がのどの炎症や気管の疾患などの異常を、43%が動悸やめまいなど心臓・血液系の疾患を 訴えており、その主な原因は PM2.5 とみられるという。

中国のPM2.5濃度(中国政府発表、2013年) 地域 年平均値 備考 全国74都市 72μg/m3 範囲は 26~160μg/m3 京津冀 13 都市(北京市、天津市、河北省) 106μg/m3 北京市は 89μg/m3 長江デルタ 25 都市(上海市、江蘇省南部、浙江省北部) 67μg/m3 上海市は 62μg/m3 珠江デルタ 9 都市(広州市、深圳市、珠海市等) 47μg/m3 広州市は 53μg/m3 近年は、より詳細な測定結果が得られるようになった。2013 年には、中国 74 都市で PM2.5 濃度の測定が始まり、中国政府が測定結果を公表している。74 都市の年平均値は 26~ 160μg/m3(平均 72μg/m3)であり、京津冀地域(106μg/m3)や北京市(89μg/m3)の濃度が 高い(表 3)。他方、北京の米国大使館が測定している 1 時間ごとのデータによれば、2009 ~2014 年の年平均値は 90~105μg/m3 程度で推移しているものの、各年とも最高値は 500μg/m3 を超え、気象条件等によっては非常に高濃度の汚染状態になることが明らかにな っている(表 4)。北京市における PM2.5 の主な汚染源(2012~2013 年度)は、自動車(31.1%)、 石炭燃焼(22.4%)、工業生産(18.1%)であり、これら合計で全体の約 7 割を占めている。 北京大学の研究によれば、2013 年の PM2.5 汚染により、北京など中国 31 都市の死亡者 数は、WHO 大気質基準(10μg/m3)を満たした場合と比較して 25.7 万人増加したと推計さ れています。

第4章 PM2.5に関する市民意識調査(アンケート) 11月21日(火) 場所 名城大学 対象者 学生 11月28日(火) 場所 名古屋駅 対象者 会社員

4−1 PM2.5に関する市民意識調査(アンケート) どのような健康影響があるか。 どの程度の濃度になると健康影響が生じるか。 中国の大気汚染による日本への影響は、どの程度か

4−2 PM2.5に関する市民意識調査(アンケート) マスクの着用は有効か  農産物の安全性に影響はないか。 現在の濃度に関する情報は、どうすれば入手できるか。

今後の課題 PM2.5 については、環境基準の達成率が低く、 健康影響や生成メカニズムなど未解明な部分が多い 国内観測網の強化や成分分析の実施、健康影響に関する疫学的な知見の集積を進め、国内の排出削減対策につなげる まず国内対策を積極的に推進することが求められる

OECD(経済協力開発機構)の 「環境アウトルック 2050」によると、 粒子状物質(PM)による世界全体の早期死亡者数 は 併せて国際的な取組も重要となる OECD(経済協力開発機構)の 「環境アウトルック 2050」によると、 粒子状物質(PM)による世界全体の早期死亡者数 は 2030 年に 2010 年比の 1.6 倍、2050 年に 2010 年比の 2.5 倍に増加し、 年間 360 万人に 達するという予測が出されている。

特に今後、途上国では都市化やモータリゼーションが進展することが 見込まれることから、早期に有効な対策を打ち出す必要がある。 その際日本は、過去に多くの公害問題を克服してきたことをいかし、 その高い環境技術を積極的に供与 各国と連携した国際的な取組を一層強化していくことが求められる。