準解析的アプローチによる巨大ブラックホールの進化の解明

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Presentation transcript:

準解析的アプローチによる巨大ブラックホールの進化の解明 榎 基宏 この研究でお世話になっている方々:  長島雅裕(長崎大)、矢作日出樹(京大)  小林正和(国立天文台)、大越克也(東京理大)

Contents 1. Introduction 2. 準解析的AGN/銀河形成モデルの例 3.現状の準解析的モデルの問題点 4.AGN/galaxy進化多階層理論モデルの構築へ

§1. Introduction  多くの銀河の中心にSupermassive Black Hole (SMBH) (MBH=106-9 M8) があり、バルジ(spheroid)の物理量と、SMBHの質量に相関がある事が分かってきた。 --- MBH / Mbulge ~ 0.002 --- MBH ∝ sbulgen , n = 3.7 – 5.3 (e.g. Magorrian et al. 1998, Gebhardt et al 2000, Merritte & Ferrarese 2001, Marconi & Hunt 2003, Haring & Rix 2004 ) AGN/QSO  → 銀河中心のSMBH への物質の降積が放射機構

様々な観測結果は  - Growth of SMBHs  - Formation of spheroids  - Formation of AGN これらが密接に関連していることを示している。 ⇒ 銀河とSMBH・AGNの形成は統一的に論じるべき。 ⇒ SMBH・AGN形成・進化も、銀河と同様に宇宙論的  な構造形成理論の枠組みの中で考える必要がある。 ⇒ そのアプローチの一つが、   準解析的AGN/銀河形成モデルによるアプローチ

CDM宇宙における階層的銀河形成のシナリオ Galaxy Formation in Hierarchical Clustering Scenario ホットガス ダークハロー 銀河 (星間ガス, 星) 銀河同士の衝突合体 銀河の進化 銀河団ガス 銀河団の形成 CLUSTERLING OF DARK HALOS  ホットガスの冷却・収縮   → 星間ガスの形成   → 星形成   → 超新星爆発による      星間ガスの加熱  衝撃波加熱による  ホットガスの形成

dark haloの成長/clustering 銀河形成で考慮すべき物理過程 ・密度ゆらぎの重力的進化    dark haloの成長/clustering  ・ガス(ISM/ICM)の進化 ・星形成 ・超新星爆発によるガスの再加熱 ・銀河同士の合体 ・化学進化            などなど ⇒ 様々な物理過程が複雑に絡み合っている。 ⇒  個々の物理過程を詳しく調べるだけでなく、   物理過程同士の関係、物理過程と観測量の 関係を調べる必要がある。

SMBH・AGN形成で考慮すべき物理過程    -- 銀河スケール/銀河中心領域/降積円盤 ・AGNからの放射とその影響    -- 銀河の内・外のガス(ISM/ICM)への影響     (AGN feedback)    -- 周囲の銀河への影響 ・SMBH連星の進化・合体    星・ガスとの相互作用、重力波放射                                などなど ・銀河の形成・進化過程とつながっている。 ・広いスケールでの過程がお互いに関連しあっている。

準解析的モデル(Semi-Analytic modeling) 銀河形成の宇宙論的数値流体シミュレーション   ・現状ではresolutionが足りない   ・計算コスト(金額・時間)もかかる  ⇒ 準解析的銀河形成モデル(アプローチ) ・dark halo の成長をモンテカルロ法 or N-body simulationで追う。 ・dark halo 内での個々のバリオン(星とガス)の物理過程を 簡単にモデル化してつなげ、バリオンの進化を見る。 ⇒ ・物理過程同士や、観測量との関係を統合的に解析    ・統計的観測量の解釈に使う  ※ 特定のモデル名ではなく、モデル化のための指針・手法

§2. 準解析的AGN/銀河形成モデルの例(現状) Enoki et al. 2003,2004,2007 ・dark halo の成長をモンテカルロ法で追ったもの ・AGN feedback はまだ入っていない Nagashima et al. 2001の準解析的銀河形成モデルがベース ⇒ 銀河の合体を二つのタイプに分けている ・Major merger: msmall/ mlarge > fbulge   → star burst + bulge formation ・Minor merger: msmall/ mlarge < fbulge → 小さい銀河は、大きい銀河のdisk にする

Galaxy Merging (NOT dark halo merging) central galaxy satellite galaxies (in sub-halos) dark halo (common dark halo) hot gas progenitor dark halos dark halo merging ・satellite-central merger     dynamical friction  central galaxy satellite galaxies ・satellite-satellite merger     random collision satellite galaxies central galaxy

SMBH・AGNモデルの仮定 1) 銀河同士がmergeした時、バルジにあるSMBHs はbinaryとなり、重力波を放出してcoalesceする。 2)  銀河同士の合体が major merger である場合に、starburstを起きるとする。    その際、cold gasの一部をSMBHに降積させ、AGNとして光らせる。降積させるcold gasの量は、starburstで形成される星の質量に比例させる。 fBH: Mbulge-MBHの観測結果と比べて決定する。

MBulge– MBH 関係 @ z = 0 MBulge– MBH の観測結果と比べてfBHを決定。 ⇒ fBH=0.03

MBulge– MBH 関係の進化 high-z → cold gasが豊富にある → bulge,BHとも質量増加     の主因はstarburst  McLure et al. (2006)

SMBH mass function Galaxy merging processes; *Dynamical Friction [D.F.] (satellite-central merger) *Random Collision [R.C.] (satellite-satellite merger) central galaxyのSMBH  → 主にcold gasの降積で   成長 → SNe feedbackが効く小さ  い銀河では降積する    cold gas が減ってしまう。

SMBH mass growth rate  SMBHの質量函数で平均した、質量成長率。 質量増加の主要因 z > 1 では accretion  z < 1 では coalescence  low-zではcold gasが星になってしまい、SMBHに降着するガスは減る。

SMBH 個数密度の進化  軽いSMBH (MBH < 107 M8)は、z < 1 では数が減る。 ⇒ coalescenceで  飲み込まれる。

明るいAGNほど、high-zに存在する割合が高い。 ・ AGN down sizing Croom et al. (2009) Ueda et al. (2003) 明るいAGNほど、high-zに存在する割合が高い。 BH質量が大きなものほどhigh-zに存在する割合が高い?

SMBH 連星からの重力波背景放射 e0 =0.8 fp,0/fmax=1/103 fmax ∝ 1/MBH △:Parkes Pulsar Timing Array (PPTA) projectで期待されるdetection limit ( hc∝f –2/3を仮定) Jenet et al. (2006)

SMBH合体時のgravitational wave burstの rate Expected signals of GW burst; n(log[h], log[f]) Enoki, Inoue, Nagashima & Sugiyama (2004)

QSO Luminosity function :QSO lifetime scale eB : B-bandでの放射効率 放射効率、life time  ⇒  z=2の観測結果を再    現するように決定。 ⇒ 様々なredshift での   光度函数の比較が   重要

・銀河同士の相互作用がAGNの活動性を引き起こす? ・AGNが周辺の銀河に影響を与える? → AGNがどのような所にいるのかは重要。 AGN environments ・銀河同士の相互作用がAGNの活動性を引き起こす? ・AGNが周辺の銀河に影響を与える?  → AGNがどのような所にいるのかは重要。       *AGN-AGN空間相関 (large scale) *AGN-galaxy空間相関 (small scale) small scale large scale small scale (< 1Mpc) なら、 一つのdark halo中での銀河/AGNの分布を反映

QSO(AGN)空間相関 QSO形成モデルと観測結果の比較するには? → Halo Model の利用 Correlation function → Halo Model の利用 * bhalo(M) : 質量Mのdark halo のbias *n(M) : dark halo の mass function * <NQSO(M)> : 質量Mのdark haloに存在するQSOの平均個数 Effective bias (Baugh et al. 1999) QSO 形成モデルから予言される量  ← QSO のlife time、放射効率、などに依存 ⇔ 観測より求めた bQSO と比較

QSO effective biasの計算例 tlife = 3×108yr tlife = 3×107yr beff ⇔ AGN life time, host dark halo mass など L ∝ MBH/tlife ∝ Mdark halo /tlife

*hierarchical clustering scenario 注:host halo ? *hierarchical clustering scenario dark halo sub-halo galaxy bqso,eff : 異なるdark haloにいるQSO同士      の相関を表す。       => large scale の相関

QSO-Galaxy cross correlation QSO(AGN)のまわりはどうなっている?    => 銀河・QSOの位置情報が必要   => N体計算との結合 Semi-analytic model of galaxy formation and QSO/SMBH formation +Cosmological N-body simulation Numerical Galactic Catalog : nGC *モデル例(Nagashima, Yahagi, Enoki et al. 2005がベース ) 注)QSO自己相関をN-体数値計算で調べるのは厳しい。 → Box size(L~100Mpc)の問題      ⇔ nQSO ~ 10-6 Mpc  

Projected distributions of galaxies and QSOs in nGC SFB @z=1.5 ×: QSO ・ : galaxy MB < -18.0

Clustering of galaxies around QSOs QSO-galaxyの空間相関函数 と 銀河同士の空間相関函数

1つのdark haloにある、平均の銀河個数と QSOの個数 QSOは質量が1012~1013 M8 のdark halos にいる *galaxy merger rate ・1つの dark halo 中の銀河の個数が増えれば、増加。 ・dark haloの速度分散が大きくなれば、減少。        ⇒ 最大になるのは 、Mhalo~1013 M8 

我々(Nagashima, Enoki, et al.)の準解析的モデルの改良 現在進めていること、検討していること ・nGCコードの書き換え 様々な部分のupdate   我々のグループ以外の方でもある程度、 使えるものにする。 ・AGN feedbackの組込み ・minor mergerによるAGNのtriggerを考える Seyfert的なAGN low-zのlow luninosity AGNの増大を説明できるかも。

*その他の準解析的AGN/銀河形成モデル 準解析的手法による銀河形成過程も含めた研究の例 ・Kauffmann & Haehnelt (2000) : MPAグループ ・Cattaneo (2001) *Kauffmann & Haehnelt (2002) : MPAグループ , N体数値計算の導入  ・Enoki et al. (2003) ・Menci et al. (2003) * Cattaneo et al. (2005): AGNICS (GAlICS) *# Croton et al. (2006) : MPAグループ, Millennium simulation ・# Bower et al. (2006) : GALFORM + Millennium simulation ・# Menci et al. (2006) ・ Malbon et al. (2007) : GALFORM ・#Monaco et al. (2007) : MORGANA  *#Somerville et al. (2008) * N-body simulationを使用 #  AGN feedback あり

§3 .現状の準解析的アプローチの問題点・課題 ・SMBHの合体をちゃんと解いていない。   本当に合体するのか? 合体しないのなら、何がおきるのか? ・QSO/AGNのトリガーは銀河のmergerだけ?   AGN環境の観測で、本当に制限できる? ・QSOの可視光の観測でモデルパラメータを決め  ていいのか?    obscured AGN ? ・ガスの降積過程をきちんと解いていない。    AGNのlight curve のモデル化に影響       → AGN feedbackの強さにも影響

問題点 2 ・ SMBHのseed BHは? 候補例  remnants of the first generated stars MBH = 102-103 M8   (e.g. Madau et al. 2001)  collapsing gas cloud   MBH = 104-106 M8   (e.g. Begelman et al. 2006) → seedが異なれば、 z > 5での、BHの合体率が大きく   (一桁以上)異なる (Sesana 2007) → DECIGO (Deci-hertz Interferometer Gravitational    Wave Observatory ) で観測可能(?)

・ Gravitational Wave detection limit Hobbs, astro-ph/0802.1309

問題点3  ・AGN feedback そもそもの問題   SNe feedbackだけでは、gas coolingが進みすぎて、 “Monster galaxy ”ができてしまう。  → SA-modelでは、手でcoolingを止めている。    (あるVc 以上のdark haloではcooling を止める、とか) 解決法 ・hot gas のprofileを変える   コア入りのprofileにして、中心密度を下げる。 ・SNe feedback 以外の加熱源を考える    AGN/QSOとか ・その他

AGN feedback modelを組み込んだ準解析的モデルの例 Croton et al (2006), Bower et al.(2006) SMBHへの物質降積  ・QSO mode: merger 時にcold gas が降積   ・radio mode: hot gas が降積   AGN feedback ・radio mode 時に、hot gasを加熱しcoolingを止める  hot gas cold gas cooling SNe feedback star formation galaxy mass ejection black hole accretion AGN feedback(energyのみ)

AGN feedback modelの例の「ご利益」 radio mode  ・hot gas が降積  ・radio mode 時に、hot gasを直接加熱  low z → cooling time が長いのでhot gas が多く残る。     → ・SMBHに降積するhot gas多し。        ・SMBHも成長していて大きい。 → feedbackがよく効いて、hot gas が加熱される。  → cold gas ができなくなる。   → 星形成も止められる。       → ・down sizing説明可    ・明るい銀河の数を減らせる。 ・ICMのcooling flowも止められる。

AGN feedback を入れると、暗い銀河の数に影響を与えずに、明るい銀河の数を減らすことができる。 銀河の光度函数 Croton et al. (2006)  AGN feedback を入れると、暗い銀河の数に影響を与えずに、明るい銀河の数を減らすことができる。

§4 AGN/galaxy進化多階層理論モデルの構築へ ⇒ 様々な物理過程が絡み合っている。 スケールの違う過程も関係しあっている。 ・個々の物理過程を詳しく調べる。 ・物理過程同士の関係を調べる。 ・個々の物理過程と観測量との関係を調べ、 観測結果と比較する。 ⇒ 全て必要。 ⇒ 階層的アプローチによる   AGN/galaxy進化の多階層理論モデルの構築へ     「SWANS理論」

階層的アプローチ 宇宙論的 シミュレーション 銀河形成 シミュレーション 銀河中心領域 シミュレーション 降積円盤 シミュレーション >> Mpc 宇宙論的 シミュレーション > 10kpc 銀河形成 シミュレーション ガス・エネルギー供給など ~100pc ガス供給など 銀河中心領域 シミュレーション << 1pc 降積円盤 シミュレーション 相互フィードバックを取り入れた研究が必要! ©大須賀

AGN/galaxy進化多階層理論モデル(SWANS理論) ・各階層で最先端の結果(純国産)を反映させる 高精度宇宙論的N体計算(矢作、石山、牧野) ~ 100 Mpc 高精度銀河形成、合体計算+ BH (斎藤) ~ 100 kpc AGN共進化モデル(川勝) BH周辺のISM高精度計算(和田) ~ 100 pc 多次元輻射流体降積円盤(大須賀) < 1 pc SAM (長島、榎) 星団、BH@銀河中心の進化(岩澤、藤井、牧野) 準解析的モデル(SAM)と観測との比較 SWANS/HSC 低光度から高光度AGN(1<z < 5, z>6) 世界初の統計データ

まとめ ・AGN/SMBH形成の理解のためには、AGN/galaxy進化の多階層理論モデルが必要。 → 和田さんをリーダーとしてSWANS理論モデル   の構築がスタート ・準解析的モデルの役割 個々の物理過程の関係を統合的に調べることができる。 → 個々の物理過程と観測量との関係の解析が可能に。 → 観測で得られる各種統計量(光度函数、環境、   空間相関など)を解釈する上でのツールとなる。