溶接 第3回 本日のテーマ ろう(はんだづけ) (硬いろうと軟らかいろう・・はんだも!) 溶射 (硬い膜を厚くつける方法)
レーザー(LASER)とは? Light(光)Amplification(増幅)by Stimulated(励起)Emission(放出)of Radiation(放射)日本語に訳せば「誘導放出による光の増幅」 物質を熱すると光が出ます。これは物質中に含んでいる電子が加熱されることによって速い振動運動を起こし光を放出することによるものです。加熱を強くすると電子振動もどんどん速くなるため光の色も赤からだんだん青みがかった光になります。 自然界では光はすべていろいろな物質に吸収されてしまいます(熱平衡状態)が、吸収されるよりも誘導放出が多ければ(大きければ)発光することになります。このときレーザ物質を媒体として、光発振器、ポンピング装置を用いて外部からエネルギーを供給してやることによってレーザ光の発光が可能になります。
気体レーザ He, Ne、Xe, などの希ガスが使われることが多い。He-Neの混合ガスのほかにHe-Xe、,He-Cd、Co2、Ar,Cu蒸気、Hg蒸気のようなガスでレーザ発振が実現されている。 ガスを気圧を低くしてガラス管に封じ込め(反転分布状態)て放電する,このガス放電管を2枚の平行な鏡ではさみフィードバックを実現させレーザ発振を起こさせます。
ろう付け ろう付け(鑞付け、ろうづけ、brazing)とは、金属を接合する方法である溶接の一種。接合する部材(母材)よりも融点の低い合金(ろう)を溶かして一種の接着剤として用いる事により、母材自体を溶融させずに複数の部品を接合する方法。蝋付けと表記される場合もあるが当て字である。はんだ付け(soldering)と併せてろう接(鑞接、ろうせつ、brazing and soldering)とも呼ぶ。部材自体を溶融させないので、融点の異なる異種金属を容易に接合する事ができる。 はんだ付けに用いる合金を「軟ろう」といい、電気機器の配線等を接合するのに利用されるはんだが有名である。これに対して、ろう付けに用いる合金を硬ろうといい、金属加工の分野では銀の合金を用いた銀ろうが最も多用されている。
硬ろう 450℃以上の高い融点を持つろう付用溶加材 「黄銅ろう」は、(900℃)銅と亜鉛を主成分としたもので、真鍮ろうとも呼ばれており、銅、及び、銅合金、鋳鉄等の接合に用いられ、黄色から白色まで各種のものがあります。 又、黄銅を黄銅ろうで、ろう付けする場合には、溶融温度が極めて近いため困難をきたしますので、一般的に、銀ろうが用いられています。 銀を含むろうを総称して「銀ろう」といいます。(960℃)銀ろうの種類は多く、銀に銅と 亜鉛を加えたものか、それに、カドミニウム、或いは、ニッケルを含有させたものです。 一般に、銀ろうは、銀白色で美しく、溶融点が低く、流動性が良く、微細な隙間に浸透し、ろう付け部は平滑で仕上げに要する手間も省けるので、他のろうに比べ高価ですが、鋼、黄銅、銅等のろう付けに広く用いられています。 「アルミニウム合金ろう」は、(660℃)アルミニウムにけい素、又は、銅を含有させ溶融温度を低くしたもので、アルミニウムやアルミニウム合金のろう付けに用いられています。
はんだ(軟ろう) はんだは「すず」と「鉛」との合金(180℃前後)で、白ろうともいい、ぶりき、亜鉛鉄板、黄銅等の接合に用いられ、形状には、棒、線、角状の3種類があります。 はんだを用いたろう付けをはんだ付けといい、はんだ、溶剤(フラックス)、はんだごてが必要になりますが、溶融点が低いので、作業が簡単で手軽に出来ますので、広く用いられています。しかしながら、力や熱に対して弱いという欠点があります。 溶融温度、及び、用途範囲は、すずと鉛の成分によって変わり、鉛が多くなると溶融温度が高くなり、酸化し易く、はんだ付けが困難になります。 はんだ付けに最も良い状態のはんだは、溶融温度の低い60:40(すず60%、鉛40%)付近のものです。 又、鉛害を避けるため、飲食物が直接触れる容器には、鉛5% 以下のものを用います。
ガス切断 ガス切断の最大の特徴は、エネルギ-の供給が外部からではなく、切断される材料の燃焼に依って供給される事である。この為外部からエネルギを供給しにくい厚い板の切断は最も得意とするところであり、3m程度の板厚でも切断できる。しかし、切断材料の燃焼熱を利用する事から、逆に鉄材料しか切断できない欠点もある。 通常のガス切断は、図に示す如く切断火口から噴出する高温の火炎により、鋼材を発火温度(約900゜C)まで加熱する。その部分に高純度の酸素を吹き付け、鋼材を燃焼させ、その熱で鋼材を溶融させると同時に、燃焼生成物と溶融金属を切断酸素の持つ機械的エネルギ(噴出力)で吹き飛ばすものである。この状態で火口を連続的に動かす事で、溝状に鋼材が除去され、切断が行われる。 つまり、鉄を燃やしてその時発生する熱で前方の鉄を溶かし、それらを酸素気流で吹き飛ばす。この繰り返しを行っているのが、ガス切断である。 従って、ガス切断は、切断酸素気流の、鉄を燃焼させる,燃焼生成物と溶融物を吹き飛ばして除去するという2つの作用に依って行われている。
プラズマ切断 アークよりもさらに高温(2万度)のプラズマ炎のジェット流すなわちプラズマジェットを利用して切断する方法. 棒状のタングステン電極と円筒状の電極ノズルとの間に直流電流をかけてアークを発生させ,そのアークプラズマの周りの高速ガス流によって強制的に冷却し,アークの平衡状態を維持している.このとき電流密度の増加に伴い著しく温度が上昇し,高温のプラズマが得られ,このプラズマを電極ノズルの一端から噴出させたものがプラズマジェットである.
プラズマ切断法の形式 非移行式アークのプラズマ切断:電極棒と電極ノズル間にアークを発生させ,ノズルからプラズマジェットだけを噴出させる切断法. 移行式アークのプラズマ切断:電極棒と電極ノズル間にアークを発生させ,ノズルからアークとプラズマジェットを噴出させる切断法. 移行式は非移行式より熱効率が良く,容量も大きく取れるので,金属切断場合はほとんど移行式である. 非常に高温であるので高融点のセラミックなどの非金属の切断に適している.
溶射 『溶射』は、コーティング材料を、加熱により溶融もしくは軟化させ(「溶」)、微粒子状にして加速し被覆対象物表面に衝突させて(「射」)、扁平に潰れた粒子を凝固・堆積させることにより皮膜を形成するコーティング技術の一種です。
溶線式フレーム溶射 線状の溶射材料を連続的に送給しながらガス炎で溶融し,さらに二次的に流す圧縮空気流によって細粒化した溶滴を加速して被覆対象物に衝突堆積させて皮膜とする溶射法. 炭素鋼,アルミニウム,亜鉛などの溶射に利用される.
溶棒式フレーム溶射 溶射材料に棒状の材料を用いる溶射法. 線材に加工することができないセラミックスの溶射などに用いる.
粉末式フレーム溶射 材料を粉末の形で燃焼炎中に送り溶射する.ほとんどすべての金属と合金,セラミックス,サーメットおよびプラスチックの粉末に応用できる.
高速フレーム溶射 高圧の酸素と炭化水素系燃料ガスなどの燃焼炎を利用したフレーム溶射法の一種.燃焼室の圧力を高めることにより,連続燃焼炎でありながら爆発溶射炎に匹敵する高速火炎を発生させることができ,溶射粉末が高速度で基材に衝突しち密な膜を形成する. 連続的に皮膜が形成されるので爆発溶射法より皮膜形成速度が大きくできる. HVOF(high velocity oxy-fuel)法とも呼ばれる.高圧酸素に代えて圧縮空気を用いる方法をHVAF(high velocity air fuel)法と呼び区別することがある.爆発溶射法同様,サーメットなどの耐摩耗性皮膜形成に優れた性能を示す. 一般には粉末材料が用いられるが,最近では溶射材料として線材を用いることができる装置も開発されている.
アーク溶射 ワイヤアーク溶射とも呼ばれる.2本の金属ワイヤの間にアークを発生させ,アークの熱によってワイヤを溶融し,その溶融速度にあわせてワイヤを送給しながら,圧縮空気などのガス噴射によって溶滴を微細化させ,被覆対象物に向かって吹きつけ皮膜を形成させる溶射法. アルミニウム,亜鉛,銅,鋼などの金属の溶射に多く用いられる.導電性材料にしか適用できないが,金属チューブにセラミックを充填したセラミック充填金属チューブ(cored wire)を用いることによってサーメットの溶射も可能になる.
プラズマ溶射 電極の間に不活性ガスを流して放電すると,電離して高温・高速のプラズマができる.このプラズマを溶射の熱源として用いる溶射法をプラズマ溶射と呼ぶ. 一般には,アルゴンを作動ガスとして,水冷されたノズル状の銅製陽極とタングステン製陰極を用いる.電極の間にアークを発生させると作動ガスがアークによってプラズマ化され,ノズルから高温高速のプラズマジェットとなって噴出する.このプラズマジェットに溶射材料粉末を投入し加熱加速して基材に吹き付ける.燃焼炎を用いるフレーム溶射では溶射フレームの理論的最高温度は高々3000℃程度であるが,プラズマガス温度の上限は理論的には存在せず,通常は5000から10000℃程度の熱プラズマが用いられ,高融点材料の溶射に適している. 通常の大気中で行うプラズマ溶射を下記の減圧プラズマ溶射との対比において大気プラズマ溶射(APS: atmospheric plasma spraying, air plasma spraying)と呼ぶ.
線爆溶射 溶射材料の金属を線や箔にし,これにコンデンサに蓄えた電荷を瞬間的に放電して大電流を流し,爆発的に溶融・微粒子化した材料を被覆対象物に吹き付けて,皮膜を形成する溶射. 材料の導線はきわめて短時間に加熱され溶融し,溶滴と蒸気は周りを取り囲む被覆対象物に高速度で衝突し,溶射皮膜を形成する.パイプの内面溶射に適しており,エンジンシリンダ内面への適用例がある.
摩擦攪拌接合 (Friction Stir Welding) 摩擦攪拌接合は,英国公立溶接研究所(TWI)が1991年に国際特許を取得した接合法であり,部材突合わせ部に工具を押し込み,界面に沿って回転移動させることで,摩擦熱により塑性流動状態で攪拌される部材同士が効率よく接合される. この接合法の利点は,基本的に材料を溶かさないので材料固有の特性が維持される,入熱量が小さいために歪みが少ない,ヒュームや有害光線が発生しない等にあり,最近では鉄道車両(新幹線,大江戸線12-000系車両、近畿日本鉄道シリーズ21等),宇宙用ロケット(ボーイング社デルタロケット)等を構成するアルミニウム合金同士の接合法として,すでに実用化されている. また同法は,溶融による接合の困難な異種材料間の接合にも適用され,すでにアルミニウム合金/銅, アルミニウム合金/ステンレス鋼等の接合製品も報告されている.
溶接の欠陥 溶接ひずみ 割れと気泡 腐食