化学療法学 抗悪性腫瘍薬.

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化学療法学 抗悪性腫瘍薬

代表的な抗悪性腫瘍薬 アルキル化薬 シクロホスファミド 白金錯体 シスプラチン,オキサリプラチン 代謝拮抗薬   シクロホスファミド 白金錯体   シスプラチン,オキサリプラチン 代謝拮抗薬   フルオロウラシル,ゲムシタビン,ペメトレキセド 抗腫瘍抗生物質   ダウノルビシン,ドキソルビシン,ブレオマイシン 植物成分   エトポシド,ビンクリスチン,イリノテカン,パクリタキセル ホルモン関連薬   タモキシフェン,アナストロゾール,ビカルタミド,リュープロレリン 分子標的治療薬   イマチニブ,ゲフィチニブ,トラスツズマブ,ベバシズマブ,リツキシマブ

アルキル化薬

抗悪性腫瘍薬の発見 イペリット (マスタードガス) ナイトロジェンマスタード 動物実験で抗腫瘍作用(1942) リンパ腫,白血病に対する臨床試験(1942~1946)  ホジキン病に対して有効,強い副作用 世界最初の抗がん剤 DNAのアルキル化 → アルキル化薬

アルキル化薬 メルファラン ベンダムスチン 多発性骨髄腫(経口,注射) 低悪性度非ホジキンリンパ腫 マントル細胞リンパ腫(注射)

アルキル化薬 肝臓 シトクロムP450 シクロホスファミド ホスフォラミドマスタード マスクドコンパウンド 悪性リンパ腫,乳がん,肺がん,多発性骨髄腫,白血病(経口,注射) 副作用:出血性膀胱炎

アルキル化薬 イホスファミド 肺小細胞がん,前立腺がん,子宮頸がん,骨肉腫(注射) 副作用:出血性膀胱炎 併用禁忌:ペントスタチン(抗白血病薬)        心筋障害作用増強

アルキル化薬 ニトロソウレア系 ニムスチン ラニムスチン 脳腫瘍,消化器がん,肺がん, 膠芽腫,骨髄腫,悪性リンパ腫, 悪性リンパ腫,白血病(注射) 膠芽腫,骨髄腫,悪性リンパ腫, 慢性骨髄性白血病(注射)

アルキル化薬 ダカルバジン ホジキンリンパ腫,悪性黒色腫(注射) 生体内代謝で生じるジアゾメタンを介してアルキル化

アルキル化薬 テモゾロミド 悪性神経膠腫(経口) 作用機序:生体内で非酵素的に生成する メチルジアゾニウムイオンによりDNAをメチル化

白金錯体

白金錯体 DNA架橋形成 (グアニン残基) シスプラチン 肺がん,頭頸部がん,食道がん,胃がん,膀胱がん,前立腺がん, 2H2O DNA架橋形成 (グアニン残基) シスプラチン 肺がん,頭頸部がん,食道がん,胃がん,膀胱がん,前立腺がん, 骨肉腫,卵巣がん,子宮頸がん,睾丸腫瘍,腎盂・尿管腫瘍, 神経芽細胞腫,胚細胞腫瘍(注射) 白金錯体に特有の副作用 特にシスプラチンで顕著  腎毒性(輸液,利尿薬)  悪心・嘔吐(制吐剤)

白金錯体 カルボプラチン 頭頸部がん,小細胞肺がん,非小細胞肺がん,睾丸腫瘍, 卵巣がん,子宮頸がん,悪性リンパ腫(注射) シスプラチンの副作用軽減

白金錯体 ネダプラチン 頭頸部がん,肺がん,食道がん,膀胱がん, 睾丸腫瘍,卵巣がん,子宮頸がん(注射) ミリプラチン 肝細胞がん(肝動注)

白金錯体 オキサリプラチン 結腸・直腸がん(注射)  FOLFOX4  mFOLFOX6  XELOX 副作用:末梢神経障害

代謝拮抗薬

代謝拮抗薬 FdUMP フルオロウラシル(5-FU) DNA dTMP dUMP 生体(がん細胞)にとって重要な代謝物と構造上または機能上類似しているため,正常な物質代謝を阻害することにより活性を示す薬剤 FdUMP フルオロウラシル(5-FU) DNA チミジル酸合成酵素 dTMP dUMP

ピリミジン拮抗薬 フルオロウラシル(5-FU) 皮膚がん(軟膏) 胃がん,結腸・直腸がん,乳がん,子宮頸がん,(注射,経口) 子宮体がん,膵がん,肝がん,卵巣がん,食道がん,肺がん,頭頸部腫瘍(注射) 皮膚がん(軟膏) 副作用:消化器症状(下痢,出血性腸炎)

5-FUのプロドラッグ テガフール ドキシフルリジン 血中持続性の改善 胃がん,結腸・直腸がん,乳がん, 胃がん,結腸・直腸がん, 乳がん,頭頸部がん (経口,注射) 胃がん,結腸・直腸がん,乳がん, 子宮がん,膀胱がん,卵巣がん (経口)

ドキシフルリジンのプロドラッグ カペシタビン 腸管毒性,骨髄抑制を軽減 胃がん,結腸・直腸がん(XELOX療法),乳がん(経口) 副作用:手足症候群(手足の痺れやヒリヒリ感、発赤)

テガフール配合薬 + ウラシル(4) テガフール(1) + + ギメラシル(0.4) オテラシルカリウム(1) テガフール(1) UFT 頭頸部がん,胃がん,結腸・直腸がん, 肝臓がん,胆のう・胆管がん,膵臓がん, 肺がん,乳がん,膀胱がん,前立腺がん, 子宮頸がん(経口) + ウラシル(4) テガフール(1) 5-FUの代謝抑制 TS-1 胃がん,結腸・直腸がん, 非小細胞肺がん, 頭頸部がん(経口) + + ギメラシル(0.4) オテラシルカリウム(1) テガフール(1) 肝臓でジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ 阻害 (5-FU濃度上昇) 消化管でオロテートホスホリボシルトランシフェラーゼ阻害 (消化管毒性軽減)

ピリミジン拮抗薬 1 : 0.5 トリフルリジン・チピラシル塩酸塩(経口) 結腸・直腸がん(標準治療が困難な場合) ・HCl 1 : 0.5 トリフルリジン・チピラシル塩酸塩(経口) 結腸・直腸がん(標準治療が困難な場合) トリフルリジンはDNAに取り込まれDNA機能不全を起こす チピラシルはチミジンホスホリラーゼを阻害し,トリフルリジンの代謝を抑制

ピリミジン拮抗薬 シタラビン リン酸化され,dCTPに拮抗 → DNAポリメラーゼ阻害 急性白血病(急性骨髄性白血病) 消化器がん,肺がん,乳がん,女性性器がん, 膀胱腫瘍(注射)

ピリミジン拮抗薬 エノシタビン シタラビン オクホスファート シタラビンのプロドラッグ シタラビンのプロドラッグ 成人急性非リンパ性白血病 急性白血病 慢性白血病の急性転化(注射) 成人急性非リンパ性白血病 骨髄異形成症候群(経口)

ピリミジン拮抗薬 ゲムシタビン 非小細胞肺がん, 膵がん,乳がん(注射) リン酸化 → dFdCTP  dCTPに拮抗し,DNAポリメラーゼ阻害  DNAに取り込まれ,アポトーシス誘導 リン酸化 → dFdCDP  リボヌクレオチドレダクターゼ阻害 → dCTP濃度低下

ピリミジン拮抗薬 アザシチジン 骨髄異形成症候群(注射) リン酸化 → アザシチジントリリン酸 RNAに取り込まれ,タンパク質合成阻害 リン酸化,デオキシ化 → デオキシアザシチジントリリン酸  DNAに取り込まれ,DNAメチル化阻害

プリン拮抗薬 メルカプトプリン ペントスタチン ヌクレオチドに変換されて IMPに拮抗し,核酸合成阻害 アデノシンデアミナーゼ阻害 急性および慢性白血病(経口) 成人T細胞白血病リンパ腫, ヘアリー細胞白血病(注射) 併用禁忌  シクロホスファミド,イホスファミド(心毒性)  リン酸フルダラビン(肺毒性)  ビダラビン(腎不全,肝不全,神経毒性)

プリン拮抗薬 ネララビン フルダラビンリン酸エステル 脱メチル化,リン酸化され, リン酸化されdATPに拮抗 ara-GTPとなりdGTPに拮抗 慢性リンパ性白血病(注射,経口) T細胞急性リンパ性白血病 T細胞リンパ芽球性リンパ腫 (注射) 併用禁忌 ペントスタチン(肺毒性)

プリン拮抗薬 クロファラビン クラドリビン 急性リンパ性白血病(注射) ヘアリー細胞白血病(注射) リン酸化され,DNAポリメラーゼαを阻害 リボヌクレオチドレダクターゼを阻害 リン酸化されdATPに拮抗

プリン拮抗薬 フォロデシン 末梢性T細胞リンパ腫(経口) PNP(プリンヌクレオシドホスホリラーゼ)を阻害することにより, 腫瘍細胞内にdGTPが蓄積し,アポトーシスが誘導される 副作用:リンパ球減少,感染症

葉酸拮抗薬 ジヒドロ葉酸 ジヒドロ葉酸還元酵素 テトラヒドロ葉酸 チミジル酸合成酵素 DNA合成

葉酸拮抗薬 ジヒドロ葉酸 メトトレキサート ジヒドロ葉酸還元酵素阻害 急性および慢性白血病,絨毛性疾患(注射) 乳がんに対するCMF療法(+シクロホスファミド+フルオロウラシル) 尿路上皮がん(膀胱がん)に対するM-VAC療法 (+ビンブラスチン+ドキソルビシン+シスプラチン) 肉腫に対するメトトレキサート・ロイコボリン救援療法 胃がんに対するメトトレキサート・フルオロウラシル交代療法

葉酸拮抗薬 ペメトレキセド 複数の葉酸代謝酵素を阻害 非小細胞肺がん,悪性胸膜中皮腫(注射)

葉酸拮抗薬 プララトレキサート ジヒドロ葉酸還元酵素阻害 末梢性T細胞リンパ腫(注射)

活性型葉酸製剤 ホリナート(ロイコボリン) レボホリナート(アイソボリン) 葉酸代謝拮抗薬の毒性軽減 フルオロウラシルの抗腫瘍効果増強 結腸・直腸がんに対する ホリナート・テガフール・ウラシル療法 (経口) ホリナート(ロイコボリン) フルオロウラシルの抗腫瘍効果増強 胃がん,結腸・直腸がんに対する レボホリナート・フルオロウラシル療法 大腸がんに対するFOLFOX4, mFOLFOX6,FOLFIRI療法 (注射) レボホリナート(アイソボリン)

FOLFOX4(入院2日型) mFOLFOX6(外来1日型) 5-FU 急速静注 400 mg/m2 5-FU 急速静注 400 mg/m2 Day 1 Day 2 レボホリナート 100 mg/m2 5-FU 22 hr 持続静注 600 mg/m2 レボホリナート 100 mg/m2 5-FU 22 hr 持続静注 600 mg/m2 オキサリプラチン 85 mg/m2 mFOLFOX6(外来1日型) 5-FU 急速静注 400 mg/m2 Day 1 Day 2 レボホリナート 200 mg/m2 5-FU 46 hr 持続静注 2,400 mg/m2 オキサリプラチン 85 mg/m2

その他の代謝拮抗薬 ヒドロキシカルバミド(ヒドロキシウレア) リボヌクレオチド還元酵素阻害 慢性骨髄性白血病(経口)

抗腫瘍抗生物質

抗腫瘍抗生物質 マイトマイシンC アクチノマイシンD Streptomyces caespitosus Streptomyces parvullus DNA架橋形成 DNA依存性RNAポリメラーゼ阻害 消化器がん,白血病,肺がん 子宮がん,乳がん,頭頸部がん(注射) ウイルムス腫瘍 絨毛上皮腫(注射)

ブレオマイシン系抗生物質 ブレオマイシン R (A2) = ペプロマイシン R = Streptomyces verticillus 皮膚がん,頭頸部がん,肺がん,食道がん, 悪性リンパ腫,子宮頸がん(注射,外用) ペプロマイシン R = 皮膚がん,頭頸部がん,肺がん, 前立腺がん,悪性リンパ腫(注射) DNA鎖切断(扁平上皮がん:ブレオマイシン取り込み大,分解酵素活性低) ブレオマイシン系特有の副作用:肺繊維症,間質性肺炎(造血器への影響少ない)

アントラサイクリン系抗生物質 ダウノルビシン(ダウノマイシン) ドキソルビシン(アドリアマイシン) Streptomyces peucetius Streptomyces peucetius 急性白血病(急性骨髄性白血病)(注射) 悪性リンパ腫,肺がん,消化器がん, 乳がん,膀胱がん,骨肉腫(注射) DNAインターカレーター(塩基対の間に挿入)・・・トポイソメラーゼⅡ阻害,DNA,RNA合成阻害 アントラサイクリン系化合物特有の副作用:心毒性(蓄積性)

アントラサイクリン系抗生物質 エピルビシン イダルビシン ダウノルビシンの活性増強, 経口投与可能 ドキソルビシンの心毒性軽減 急性白血病,悪性リンパ腫,乳がん, 卵巣がん,胃がん,肝がん,尿路上皮がん(注射) 急性骨髄性白血病(注射)

アントラサイクリン系抗生物質 アクラルビシン ピラルビシン Streptomyces galilaeus ドキソルビシンの心毒性軽減 心毒性低い 頭頸部がん,乳がん,尿路上皮がん, 卵巣がん,子宮がん,急性白血病(注射) 胃がん,肝がん,乳がん,卵巣がん, 悪性リンパ腫,急性白血病(注射)

アントラサイクリン系抗がん剤 ミトキサントロン アムルビシン 急性白血病,悪性リンパ腫, 非小細胞肺がん,小細胞肺がん(注射) 乳がん,肝細胞がん(注射) 非小細胞肺がん,小細胞肺がん(注射)

その他の抗生物質 トラベクテジン Ecteinascidia turbinata (海産ホヤ) 悪性軟部腫瘍(注射) DNAインターカレーター・・・ヌクレオチド除去修復阻害 副作用:肝障害

植物成分

トポイソメラーゼⅡ阻害薬 エトポシド Podophyllum peltatumに含まれるポドフィロトキシンの誘導体 急性白血病,悪性リンパ腫,小細胞肺がん, 睾丸腫瘍,膀胱がん(注射,経口)

Camptotheca acuminataに含まれるカンプトテシンの誘導体 トポイソメラーゼⅠ阻害薬 Camptotheca acuminataに含まれるカンプトテシンの誘導体 ノギテカン(トポテカン) イリノテカン 小細胞肺がん(注射) 結腸・直腸がん(FOLFIRI療法),肺がん,子宮頸がん, 卵巣がん,乳がん,胃がん,悪性リンパ腫(注射) プロドラッグ イリノテカン特有の副作用  消化器症状(高度な下痢,腸管穿孔,消化管出血,腸閉塞)  肺障害(間質性肺炎,肺線維症)  UGT1A1の遺伝子多型によっては投与を控える  *6/*6,*28/*28,*6/- *28/- → グルクロン酸抱合能低下

トポイソメラーゼⅠ トポイソメラーゼⅡ + ATP 切断複合体

Catharanthus roseus (Vinca rosea )に含まれるアルカロイド(ビンカアルカロイド) 微小管作用薬 Catharanthus roseus (Vinca rosea )に含まれるアルカロイド(ビンカアルカロイド) ビンブラスチン ビンクリスチン 白血病(急性リンパ性白血病), 悪性リンパ腫(非ホジキンリンパ腫), 小児腫瘍(注射) 尿路上皮がん(膀胱がん)・・・M-VAC療法  +メトトレキサート+ドキソルビシン+シスプラチン 悪性リンパ腫(注射) チューブリンの重合を阻害して有糸分裂を阻害する

微小管作用薬 ビンカアルカロイド誘導体 ビンデシン ビノレルビン 急性白血病,悪性リンパ腫, 非小細胞肺がん(注射) 肺がん,食道がん(注射) 非小細胞肺がん(注射)

微小管作用薬 パクリタキセル (タキソール)Taxus brevifolia 卵巣がん,非小細胞肺がん,乳がん,胃がん(注射) チューブリンの脱重合を阻害し,微小管を安定化,有糸分裂を阻害する 微小管作用薬特有の副作用:末梢神経障害

微小管作用薬 ドセタキセル (タキソール誘導体) 乳がん,非小細胞肺がん,胃がん,頭頸部がん, 卵巣がん,食道がん,前立腺がん(注射)

微小管作用薬 カバジタキセル アセトン付加物 (タキソール誘導体) 前立腺がん(注射) ドセタキセル抵抗性がんにも有効

微小管作用薬 エリブリン 乳がん(注射) クロイソカイメンの成分ハリコンドリンBをモデルに全合成された 作用機序:チューブリン重合阻害 副作用:末梢神経障害,肝機能障害,間質性肺炎

放射性医薬品

放射性医薬品 223RaCl2 塩化ラジウム 骨転移のある去勢抵抗性前立腺がん(注射) 骨構造中のヒドロキシアパタイトと複合体を形成することにより,骨代謝が更新している部位に集積し,アルファ線を放出する。

ホルモン関連薬

ホルモン依存性悪性腫瘍 エストロゲン依存性悪性腫瘍 乳がん,子宮体がん アンドロゲン依存性悪性腫瘍 前立腺がん  乳がん,子宮体がん アンドロゲン依存性悪性腫瘍  前立腺がん 副腎皮質ホルモン感受性悪性腫瘍  白血病,悪性リンパ腫

抗ホルモン薬(抗エストロゲン) メドロキシプロゲステロン メピチオスタン 乳がん,子宮体がん(経口) 乳がん(経口) 黄体ホルモン アンドロゲン

抗ホルモン薬(抗エストロゲン) タモキシフェン トレミフェン 乳がん(経口) 乳がん(経口) エストロゲン拮抗物質 エストロゲン拮抗物質

抗ホルモン薬(抗エストロゲン) フルベストラント 閉経後乳がん(注射) タモキシフェンより強いエストロゲン拮抗作用 副作用:注射部位の疼痛・硬結・掻痒,ほてり,      肝機能障害,血栓塞栓症

抗ホルモン薬(アロマターゼ阻害薬) アナストロゾール レトロゾール エキセメスタン 閉経後乳がん(経口) 副作用:骨粗鬆症 副腎 脂肪組織など アロマターゼ 19-オキソテストステロン b-エストラジオール

抗ホルモン薬(抗アンドロゲン) クロルマジノン エチニルエストラジオール 前立腺がん,乳がん(経口) 前立腺がん(経口) 卵胞ホルモン 黄体ホルモン

抗ホルモン薬(抗アンドロゲン) フルタミド ビカルタミド 前立腺がん(経口) 前立腺がん(経口) アンドロゲン拮抗物質 アンドロゲン拮抗物質 副作用:重篤な肝障害 アンドロゲン拮抗物質

抗ホルモン薬(抗アンドロゲン) エンザルタミド アビラテロン酢酸エステル 去勢抵抗性前立腺がん(経口) 去勢抵抗性前立腺がん(経口)  プレドニゾロンとの併用 アンドロゲン受容体に結合し, その機能を阻害する GnRHアゴニストやビカルタミドに 抵抗性のがんにも有効 アンドロゲン合成酵素(CYP17)阻害

抗ホルモン薬(LH-RHアゴニスト) 黄体形成(性腺刺激)ホルモン放出ホルモン(LH-RH,GnRH) リュープロレリン 前立腺がん,閉経前乳がん(注射:徐放剤) ゴセレリン 前立腺がん,閉経前乳がん(注射:徐放剤) 乳酸-グリコール酸共重合体ミクロカプセル

視床下部 LH-RH LH-RHアゴニスト 下垂体前葉 LH FSH 精巣 卵巣 アンドロゲン エストロゲン 黄体形成ホルモン放出ホルモン (性腺刺激ホルモン放出ホルモン) LH-RH LH-RHアゴニスト 下垂体前葉 黄体形成ホルモン LH FSH 卵胞刺激ホルモン 精巣 卵巣 アンドロゲン エストロゲン

抗ホルモン薬(GnRHアンタゴニスト) テガレリクス 前立腺がん(注射) 副作用:注射部位疼痛・硬結・紅斑・腫脹,ほてり,体重増加,発熱      間質性肺炎,肝機能障害,糖尿病増悪

抗ホルモン薬による悪性腫瘍の標準治療 閉経前乳がん タモキシフェン + LH-RHアゴニスト(リュープロレリン or ゴセレリン) 閉経後乳がん  アロマターゼ阻害薬(アナストロゾール or レトロゾール or エキセメスタン) 前立腺がん  LH-RHアゴニスト(リュープロレリン or ゴセレリン) + ビカルタミド

副腎皮質ホルモン プレドニゾロン デキサメタゾン 白血病,悪性リンパ腫, 白血病(急性リンパ性白血病), 乳がん(経口) 悪性リンパ腫(非ホジキンリンパ腫), 乳がん,前立腺がん(経口,注射) 白血病,悪性リンパ腫, 乳がん(経口)

ビスホスホネート系薬剤 パミドロン酸 ゾレドロン酸 悪性腫瘍による高カルシウム血症 悪性腫瘍による高カルシウム血症 多発性骨髄腫,固形がん骨転移による 骨病変(注射) 悪性腫瘍による高カルシウム血症 乳がんの溶骨性骨転移(注射)

分子標的薬

分化誘導物質 トレチノイン(ATRA) 副作用:催奇形性・・・妊婦禁忌 中性脂肪上昇,肝機能障害,口唇乾燥,頭痛,発熱 急性前骨髄球性白血病(経口)・・・第一選択薬 副作用:催奇形性・・・妊婦禁忌      中性脂肪上昇,肝機能障害,口唇乾燥,頭痛,発熱      レチノイン酸症候群・・・発熱,呼吸困難,胸水貯留,間質性肺炎,                    低酸素血症,低血圧,肝不全,腎不全 RAR-a遺伝子(17番染色体) PML-RAR-aキメラ遺伝子 PML遺伝子(15番染色体) 変異レチノイン酸受容体に対するリガンド濃度を上昇させることによる白血病細胞の分化誘導

分化誘導物質 タミバロテン 急性前骨髄球性白血病(経口) 副作用:催奇形性・・・妊婦禁忌 レチノイン酸症候群,感染症,白血球増加症,発疹      レチノイン酸症候群,感染症,白血球増加症,発疹      血中トリグリセリド増加,血中コレステロール増加 併用禁忌:ビタミンA製剤

Bcr-Ablチロシンキナーゼ阻害薬 慢性骨髄性白血病 慢性期(3~5年) → 急性転化(2~3か月)   慢性期(3~5年) → 急性転化(2~3か月)   治療法:インターフェロンα・・・ 5年生存率60%        血液幹細胞移植・・・5年生存率60~80%(治療死あり) 9番染色体 abl フィラデルフィア染色体 bcr-abl 22番染色体 bcr 染色体転座 正常血液幹細胞 慢性骨髄性白血病細胞 Bcr-Ablチロシンキナーゼ  細胞の増殖と生存に関与

Bcr-Ablチロシンキナーゼ阻害薬 イマチニブ 慢性骨髄性白血病・・・5年生存率90% KIT陽性消化管間質腫瘍 フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病 (経口) 副作用:骨髄抑制(好中球減少,血小板減少,貧血 ),      皮膚症状(発疹など),むくみ,吐き気,下痢,      肝機能障害,腎臓機能障害,筋肉痛      妊婦禁忌

Bcr-Ablチロシンキナーゼ阻害薬 ダサチニブ 慢性骨髄性白血病 フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病 膵神経内分泌腫瘍(経口) イマチニブ抵抗性の白血病にも有効 副作用:骨髄抑制(好中球減少,血小板,貧血),      体液貯留(胸水,肺水腫,腹水),出血,間質性肺疾患      妊婦禁忌

Bcr-Ablチロシンキナーゼ阻害薬 ニロチニブ 慢性骨髄性白血病 (経口) イマチニブ抵抗性の白血病にも有効 副作用:骨髄抑制(好中球減少,血小板減少,貧血 ),      不整脈(QT延長),心筋梗塞,狭心症,      肝機能障害,膵炎,皮膚症状(発疹など)      妊婦禁忌

Bcr-Ablチロシンキナーゼ阻害薬 ポナチニブ 慢性骨髄性白血病,フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病 (経口) ダサチニブ,ニロチニブ抵抗性の白血病にも有効 副作用:発熱,骨髄抑制(好中球減少,血小板減少,貧血 ),      高血圧,皮膚症状(発疹など)      血管閉塞性事象,肝毒性      妊婦禁忌

Src/Ablチロシンキナーゼ阻害薬 ボスチニブ 前治療薬に抵抗性または不耐容の慢性骨髄性白血病 (経口) 副作用:ダサチニブ,ニロチニブと比較して副作用は少ない      下痢,発疹,肝機能障害

EGF受容体チロシンキナーゼ阻害薬 EGF(Epidermal Growth Factor)・・・上皮細胞の増殖因子  増殖シグナルが亢進している。 肺がん 小細胞がん・・・・・抗がん剤感受性    非小細胞がん・・・抗がん剤耐性 腺がん   →   (EGF受容体遺伝子変異) 扁平上皮がん → EGF受容体遺伝子過剰発現 大細胞がん

EGF受容体チロシンキナーゼ阻害薬 ゲフィチニブ(イレッサ) 非小細胞肺がん (経口) ↓ 肺腺がん,東アジア人,女性,非喫煙者  ↓ 肺腺がん,東アジア人,女性,非喫煙者 EGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺がん 副作用:間質性肺炎,急性肺障害・・・4%(死亡例1.6%)      発疹,かゆみ,下痢,肝機能障害

ゲフィチニブ(イレッサ)販売後の経緯 2002年 世界に先駆けて日本で販売承認 2003年 1月末時点で副作用死173名 2002年 世界に先駆けて日本で販売承認 2003年 1月末時点で副作用死173名 2003年 米食品医薬品局(FDA)が販売承認 2004年 ゲフィチニブ感受性肺がん細胞におけるEGFR遺伝子変異が報告 2005年 非小細胞肺がん,肺腺がんに対する延命効果なしと判定(第Ⅲ相臨床試験) 2005年 FDAが新規使用禁止 2006年 EGFR遺伝子変異未治療非小細胞肺がんに対して75%有効(第Ⅱ相臨床試験) 2007年 非小細胞肺がんに対してドセタキセル療法と同等と判定(第Ⅲ相臨床試験) 2008年 非喫煙歴アジア人肺腺がんに対して既存化学療法より有効(第Ⅲ相臨床試験) 2009年 欧州医薬局が販売承認

EGF受容体チロシンキナーゼ阻害薬 エルロチニブ 非小細胞肺がん,膵臓がん(経口) 副作用:間質性肺炎,肝機能障害 欧米人で延命効果が確認されている

EGF受容体チロシンキナーゼ阻害薬 アファチニブ EGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺がん(経口) 副作用:下痢,皮膚障害,間質性肺炎,肝機能障害 EGF受容体,HER2(ErbB2),ErbB4(HER4)の チロシンキナーゼ活性を不可逆的に阻害

EGF受容体チロシンキナーゼ阻害薬 オシメルチニブ EGFRチロシンキナーゼ阻害薬に抵抗性の EGFR T790M変異陽性の非小細胞肺がん(経口) 副作用:皮膚障害,下痢,間質性肺疾患

EGF受容体,HER2チロシンキナーゼ阻害薬 ラパチニブ HER2過剰発現乳がん(経口)  標準化学療法無効例に対し,カペシタビンとの併用 副作用:肝機能障害,間質性肺炎

マルチチロシンキナーゼ阻害薬 スニチニブ 血管内皮増殖因子受容体(VEGFR-1,VEGFR-2,VEGFR-3), 血小板由来増殖因子受容体(PDGFR-α,PDGFR-β), 幹細胞因子受容体(KIT), Fms様チロシンキナーゼ3(FLT3)のチロシンキナーゼ阻害  → 血管新生阻害作用 腎細胞がん イマチニブ抵抗性の消化管間質腫瘍 膵神経内分泌腫瘍(経口) 副作用:高血圧,手足症候群(手足の腫れ),下痢      血小板減少,甲状腺機能障害

マルチチロシンキナーゼ阻害薬 ソラフェニブ 血管内皮増殖因子受容体(VEGFR-2,VEGFR-3) Rafキナーゼ(C-Raf,B-Raf) 血小板由来増殖因子受容体(PDGFR-β) 幹細胞因子受容体(KIT) Fms様チロシンキナーゼ3(FLT3)のチロシンキナーゼ阻害  → 血管新生阻害作用 腎細胞がん,肝細胞がん (経口) 副作用:肝機能障害(肝不全,肝性脳症),手足症候群(手足の腫れ),      高血圧,下痢,妊婦禁忌

マルチチロシンキナーゼ阻害薬 レゴラフェニブ 血管新生阻害(VEGFR1~3,TIE1) 腫瘍微小環境形成阻害(PDGFR,FGFR) 腫瘍形成阻害(KIT,RET,REF-1,B-Raf) 結腸・直腸がん,消化管間質腫瘍 (経口) 副作用:肝機能障害(劇症肝炎,肝不全),重篤な皮膚障害(手足症候群など),      間質性肺疾患,高血圧,血小板減少,妊婦禁忌

マルチチロシンキナーゼ阻害薬 パゾパニブ 血管内皮増殖因子受容体(VEGFR-1,VEGFR-2,VEGFR-3), 血小板由来増殖因子受容体(PDGFR-a,PDGFR-β), 幹細胞因子受容体(KIT)のチロシンキナーゼ阻害  → 血管新生阻害作用 悪性軟部腫瘍,腎細胞がん (経口) 副作用:消化器症状(下痢,悪心,食欲減退),疲労,   高血圧,毛髪変色,体重減少,味覚異常

マルチチロシンキナーゼ阻害薬 レンバチニブ 血管内皮増殖因子受容体(VEGFR-1~3), 線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR-1~4), 血小板由来増殖因子受容体(PDGFR-a), 幹細胞因子受容体(KIT),RETのチロシンキナーゼ阻害  → 血管新生阻害,腫瘍増殖阻害作用 甲状腺がん (経口) 副作用:高血圧,下痢,疲労・無力症,食欲減退,体重減少,悪心

マルチチロシンキナーゼ阻害薬 バンデタニブ 血管内皮増殖因子受容体(VEGFR-2), 上皮細胞増殖因子受容体(EGFR), RETのチロシンキナーゼ阻害  → 血管新生阻害,腫瘍増殖阻害作用 甲状腺髄様がん (経口) 副作用:皮膚症状,下痢,高血圧,角膜混濁,疲労

VEGF受容体チロシンキナーゼ阻害薬 アキシチニブ 腎細胞がん (経口) 血管内皮増殖因子受容体(VEGFR-1,VEGFR-2,VEGFR-3) のチロシンキナーゼ阻害 → 血管新生阻害作用 ソラフェニブより有効性が高く,副作用は軽い 副作用:高血圧,下痢,手足症候群,失声(発声障害),甲状腺機能低下

ALK阻害薬 クリゾチニブ EML4-ALK融合遺伝子陽性の肺腺がん(経口) 副作用:吐き気,嘔吐,下痢,視覚障害,味覚障害

ALK阻害薬 アレクチニブ ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺がん(経口) 副作用:間質性肺疾患,肝機能障害,好中球減少,妊婦禁忌  Phase IIで奏功率93.5%  クリゾチニブ耐性がんに有効  視覚障害,消化器障害の副作用低減

ALK阻害薬 セリチニブ クリゾチニブに抵抗性または不耐容の ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺がん(経口) 副作用:悪心,下痢,嘔吐,ALT(GPT)増加,食欲減退,AST(GOT)増加

JAK(ヤヌスキナーゼ)阻害薬 ルキソリチニブ 骨髄線維症(経口)   JAK2キナーゼの恒常的活性化 副作用:血小板減少,貧血,下痢

B-Rafキナーゼ阻害薬 ベムラフェニブ BRAF遺伝子変異を有する悪性黒色腫(経口) 悪性黒色腫の20~30%にBRAF遺伝子変異   B-RafはMAPキナーゼ経路上のセリン/トレオニンキナーゼ 副作用:関節痛,発疹,光線過敏症,脱毛

B-Rafキナーゼ阻害薬 ダブラフェニブ BRAF遺伝子変異を有する悪性黒色腫(経口) 主にトラメチニブと併用 副作用:脱毛症,発熱,関節痛

MEK阻害薬 トラメチニブ BRAF遺伝子変異を有する悪性黒色腫(経口) ダブラフェニブとの併用 MEKはMAPキナーゼ経路上のdual specificity kinase 副作用:発疹,AST(GOT)増加,下痢

BTK阻害薬 イブルチニブ 慢性リンパ性白血病(経口) B細胞の活性化に関与するブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)を阻害 副作用:好中球減少症,貧血,発疹,血中ビリルビン増加

プロテアソーム阻害薬 I-kB VEGF TNF-α ボルテゾミブ V-CAM1 IL-6 NF-kB プロテアソーム 核 多発性骨髄腫(注射) プロテアソーム阻害 → 細胞周期阻害 副作用:骨髄抑制,肺障害,腫瘍崩壊症候群      消化器障害,末梢神経障害      肺炎,心臓血管障害 TNF-α VEGF ボルテゾミブ V-CAM1 IL-6 NF-kB I-kB プロテアソーム 核

プロテアソーム阻害薬 カルフィルゾミブ 多発性骨髄腫(注射) レナリドミドおよびデキサメタゾンとの併用 副作用:血小板減少,リンパ球減少,高血糖,      発疹,便秘,筋痙縮,妊婦禁忌      末梢神経障害は軽度

プロテアソーム阻害薬 イキサゾミブクエン酸エステル 多発性骨髄腫(経口) レナリドミドおよびデキサメタゾンとの併用 副作用:下痢,血小板減少,末梢神経障害,末梢性浮腫,      妊婦禁忌

mTOR阻害薬 薬剤 + FKBP12 mTOR エベロリムス(経口) テムシロリムス(注射) (mammalian target of rapamaycin) 血管新生阻害 がん細胞増殖抑制 エベロリムス(経口) テムシロリムス(注射) 腎細胞がん,膵神経内分泌腫瘍(エベロリムス) 副作用:口内炎,間質性肺炎 ,免疫力低下による感染症      代謝異常(高血糖,高脂血症)

サリドマイド サリドマイド 1957年 睡眠薬として発売 1961年 催奇形性報告(S体) 1962年 販売停止 1957年 睡眠薬として発売 1961年 催奇形性報告(S体) 1962年 販売停止 1994年 血管新生抑制作用報告 1999年 骨髄腫患者に有効性確認 2008年 多発性骨髄腫治療薬として承認 サリドマイド 多発性骨髄腫(経口) NF-κB活性を抑制 副作用:催奇形性・・・妊婦禁忌      眠気,めまい,便秘,末梢神経障害,発疹,      白血球減少,深部静脈血栓症

サリドマイド誘導体 レナリドミド 多発性骨髄腫(経口) 作用増強,副作用軽減 副作用:催奇形性・・・妊婦禁忌      便秘,下痢,吐き気,筋肉の痙攣,めまい,むくみ,      倦怠感,皮膚のかゆみ,血栓・塞栓症

サリドマイド誘導体 ポマリドミド 多発性骨髄腫(経口) ボルテゾミブ,レナリドミド無効例にも有効 作用機序:サイトカイン産生調節作用,腫瘍細胞増殖抑制作用,        血管新生阻害作用(詳細不明) 副作用:催奇形性・・・妊婦禁忌      好中球減少症,血小板減少症,白血球減少症,リンパ球減少症,      発疹,発熱,貧血,便秘

ヒストンデアセチラーゼ阻害薬 ボリノスタット 皮膚T細胞性リンパ腫(経口) 副作用:下痢,疲労,悪心,食欲不振,血小板減少症,味覚異常 細胞増殖抑制 アポトーシス誘導 血管新生抑制 がん抑制遺伝子を含む 複数の遺伝子の転写活性化 ヒストンのアセチル化

ヒストンデアセチラーゼ阻害薬 パノビノスタット 多発性骨髄腫(経口) 副作用:胃腸症状(下痢,嘔吐),疲労,      骨髄抑制(白血球減少,血小板減少症),QT延長

ヒストンデアセチラーゼ阻害薬 ロミデプシン 末梢性T細胞リンパ腫(注射) 副作用:胃腸症状(下痢,嘔吐),倦怠感,      骨髄抑制(白血球減少,血小板減少)

レチノイド受容体作動薬 ベキサロテン 皮膚T細胞性リンパ腫(経口) レチノイドX受容体(RXR)に結合し,転写活性化を介してアポトーシスおよび細胞周期停止を誘導する。 副作用:催奇形性(妊婦禁忌),      甲状腺機能低下症,高コレステロール血症,高トリグリセリド血症

抗体 トラスツズマブ ヒト化抗HER2モノクローナル抗体 HER2過剰発現乳がん,HER2過剰発現胃がん(注射) HER2(ErbB-2,Neu):EGF受容体ファミリーに属するチロシンキナーゼ型受容体  乳がんの一部で過剰発現 → 増殖シグナル 抗体依存性細胞傷害作用(ADCC)による抗腫瘍効果 副作用:過敏症状(発熱,悪寒),まれに呼吸困難,ショック・・・初回投与時      心障害,間質性肺炎,骨髄抑制,腎障害

抗体 ペルツズマブ ヒト化抗HER2モノクローナル抗体 HER2陽性乳がん(注射) トラスツズマブと併用 副作用:下痢,脱毛,倦怠感,好中球減少,悪心,爪の異常,発疹

乳がんのサブタイプ別薬物療法 ルミナールAタイプ・・・全体の60~70% ホルモン受容体陽性,HER2陰性,低増殖能 ホルモン療法単独    ホルモン療法単独 ルミナールBタイプ&HER2陰性  ホルモン受容体陽性,HER2陰性,高増殖能    ホルモン療法+化学療法 ルミナールBタイプ&HER2陽性  ホルモン受容体陽性,HER2陽性    化学療法+抗HER2療法+ホルモン療法 HER2陽性タイプ  ホルモン受容体陰性,HER2陽性    化学療法+抗HER2療法 トリプルネガティブタイプ  ホルモン受容体陰性,HER2陰性    化学療法

抗体 リツキシマブ 抗CD20モノクローナル抗体 CD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫(注射) R-CHOP療法 ヒトCD20抗原は,Pro-B細胞,形質細胞を除くほとんど全ての正常および腫瘍化したBリンパ球に発現している分化抗原であり,Bリンパ球以外の細胞には発現していない。 副作用:アレルギー症状(発熱,悪寒,かゆみ)・・・初回投与時      骨髄抑制,心臓障害,間質性肺炎,腎不全,脳神経障害      B型肝炎の増悪

抗体 オファツムマブ ヒト化抗CD20モノクローナル抗体 CD20陽性の慢性リンパ性白血病(注射) ヒトCD20抗原は,Pro-B細胞,形質細胞を除くほとんど全ての正常および腫瘍化したBリンパ球に発現している分化抗原であり,Bリンパ球以外の細胞には発現していない。 副作用:アナフィラキシー,発熱,悪寒,発疹,疼痛,咳嗽,呼吸困難,      気管支痙攣,血圧下降,徐脈,心筋梗塞,肺水腫・・・初回投与時      好中球減少,感染症,B型肝炎の増悪

抗体 アレムツズマブ ヒト化抗CD52モノクローナル抗体 慢性リンパ性白血病(注射) 慢性リンパ性白血病細胞の表面のCD52抗原に結合し、抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性と補体依存性細胞傷害(CDC)活性を介した細胞溶解を起こす CD52抗原は,B細胞,T細胞,単球,マクロファージ,ナチュラルキラー細胞にも発現している。 副作用:低血圧,悪寒,発熱,呼吸困難,発疹,気管支痙攣など       ・・・投与開始直後の注入時      血小板減少,好中球減少,免疫抑制

抗体 ベバシズマブ ヒト化抗VEGFモノクローナル抗体 結腸・直腸がん(注射) 化学療法薬との併用・・・FOLFOX,FOLFIRI 扁平上皮がんを除く非小細胞肺がん,乳がん(注射) 血管内皮細胞増殖因子(VEGF)の作用を阻害して, 腫瘍内血管新生を抑制する。 副作用:出血,血栓症,消化管穿孔,創傷治療の遅延,血圧上昇

抗体 ラムシルマブ ヒト化抗VEGFR-2モノクローナル抗体 胃がん(注射) 血管内皮細胞増殖因子(VEGF)受容体の活性化を阻害して, 腫瘍内血管新生を抑制する。 副作用:高血圧,下痢,頭痛,創傷治療の遅延,血圧上昇

VEGF阻害剤 アフリベルセプト ベータ VEGFR-1の第2Ig様ドメイン,VEGFR-2の第3Igドメインを ヒトIgG1のFcドメインに融合した組換えタンパク質 結腸・直腸がん(注射) FOLFIRIと併用 VEGF-A,VEGF-B,PlGFとVEGFRとの結合を阻害することにより, 血管新生を阻害し、腫瘍増殖抑制作用を示す 副作用:消化管出血,消化管穿孔,高血圧,ネフローゼ,タンパク尿      好中球減少,下痢,創傷治療の遅延,血圧上昇

抗体 セツキシマブ 抗EGF受容体モノクローナル抗体 EGFR陽性の結腸・直腸がん(注射) 上皮細胞増殖因子(EGF)の受容体に結合し, 副作用:皮膚障害(発疹など)

抗体 パニツムマブ ヒト型抗EGF受容体モノクローナル抗体 KRAS遺伝子野生型の結腸・直腸がん(注射) 副作用:皮膚障害(発疹など) KRAS遺伝子野生型: セツキシマブ,パニツムバブ > ベバシズマブ KRAS遺伝子変異型: ベバシズマブ > セツキシマブ,パニツムバブ

フコース除去型ヒト化抗CCR4モノクローナル抗体 モガムリズマブ フコース除去型ヒト化抗CCR4モノクローナル抗体 成人T細胞白血病(注射) 副作用:発熱,発疹 成人T細胞白血病(ATL)細胞の90%に高発現するケモカイン受容体CCR4に抗体が結合することで,抗体依存性細胞傷害活性(ADCC)を介してマクロファージやNK細胞を誘導し,抗腫瘍効果を発揮する。 抗体糖鎖のフコースを除去すると,ADCC活性が顕著に上昇する。 CCR4受容体を介して細胞同士が接着することで,HTLV-1の細胞から細胞への感染が成立する

抗体 デノスマブ ヒト型抗RANKLモノクローナル抗体 多発性骨髄腫による骨病変および固形がん骨転移による骨病変 骨粗鬆症(注射) 副作用:低カルシウム血症,悪心,関節痛

ヒト化抗ヒトSLAMF7モノクローナル抗体 エロツズマブ ヒト化抗ヒトSLAMF7モノクローナル抗体 多発性骨髄腫(注射) レナリドミドおよびデキサメタゾンと併用 副作用:infusion reaction 多発性骨髄腫細胞に高発現するSLAMF7に結合し,Fc受容体を介したNK細胞との相互作用により抗体依存性細胞傷害(ADCC)を誘導する。また,NK細胞に発現するSLAMF7との結合によりNK細胞を直接活性化する作用も有する。

免疫チェックポイント阻害薬 ニボルマブ ペムブロリズマブ ヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体 悪性黒色腫,非小細胞肺がん,腎細胞がん,古典的ホジキンリンパ腫,頭頸部がん,胃がん(注射) 副作用:疲労,掻痒,間質性肺炎,甲状腺機能障害 ペムブロリズマブ ヒト化抗ヒトPD-1モノクローナル抗体 悪性黒色腫,PD-L1陽性の非小細胞肺がん(注射) 副作用:掻痒感,斑状丘疹状皮疹,倦怠感,劇症1型糖尿病 がん免疫逃避機構に関わるPD-1とそのリガンドであるPD-L1およびPD-L2との結合を阻害し,がん抗原特異的なT細胞の増殖,活性化,細胞傷害活性の増強等により,腫瘍増殖を抑制する。

免疫チェックポイント阻害薬 アテゾリズマブ 抗PD-L1ヒト化モノクローナル抗体 非小細胞肺がん(注射) 副作用:疲労,間質性肺疾患,肝機能障害 がん免疫逃避機構に関わるPD-L1とその受容体であるPD-1との結合を阻害することにより,がん抗原特異的なT細胞の細胞傷害活性を増強し,腫瘍の増殖を抑制する。

ヒト型抗ヒトCTLA-4モノクローナル抗体 免疫チェックポイント阻害薬 イピリムマブ ヒト型抗ヒトCTLA-4モノクローナル抗体 悪性黒色腫(注射) 副作用:消化管障害(大腸炎,消化管穿孔,下痢),皮膚障害 細胞障害性Tリンパ球抗原-4(CTLA-4)とそのリガンドである抗原提示細胞上のCD80(B7.1)およびCD86(B7.2)分子との結合を阻害することにより、活性化T細胞における抑制系を遮断する。

免疫チェックポイント阻害薬の作用機序 免疫細胞 抗PD-1抗体 抗CTLA-4抗体 ニボルマブ イピリムマブ ペムブロリズマブ CTLA-4 B7 PD-L1 樹状細胞 がん細胞 抗PD-L1抗体 アテゾリズマブ

免疫チェックポイント阻害薬による治療の問題点 ニボルマブ  奏功率(悪性黒色腫,非小細胞肺がん):20~30%  薬価:73万円/100 mg → 年間3500万円       ↓      半額(2017年)      38%(2018年) ペムブロリズマブ  生存期間(PD-L1陽性非小細胞肺がん):    化学療法:6.0月 → 10.3月    化学療法:8.5月 → 12.7月  薬価:41万円/100 mg 年間額ニボルマブと同等

イムノトキシン ゲムツズマブオゾガマイシン カリケアマイシン 0.5 ~1.5 mg/kg (4,000倍 < ドキソルビシン) ヒト化抗CD33モノクローナル抗体複合体 CD33陽性の急性骨髄性白血病(注射) 副作用:過敏症(アナフィラキシーショック)・・・抗ヒスタミン薬事前投与      肝障害,骨髄抑制

イムノトキシン トラスツズマブ エムタンシン DM1(メイタンシン誘導体) ヒト化抗HER2モノクローナル抗体複合体

イムノトキシン ブレンツキシマブ ベドチン ヒト化抗CD30モノクローナル抗体複合体 cAC10 3~5 ブレンツキシマブ ベドチン ヒト化抗CD30モノクローナル抗体複合体 CD30陽性のホジキンリンパ腫,未分化大細胞リンパ腫(注射) CD30は活性化リンパ球の受容体で,上記腫瘍細胞のほぼ100%に発現している。 微小管重合阻害剤MMAEをリンカーを介して抗CD30抗体に結合させたもの。 副作用:リンパ球減少症,好中球減少症,白血球減少症,      末梢性感覚ニューロパチー

サイトカイン インターフェロンアルファ 腎がん,多発性骨髄腫,ヘアリー細胞白血病,慢性骨髄性白血病  腎がん,多発性骨髄腫,ヘアリー細胞白血病,慢性骨髄性白血病 インターフェロンアルファ-2b(遺伝子組換え)  腎がん,慢性骨髄性白血病,多発性骨髄腫 インターフェロンベータ  皮膚悪性黒色腫,膠芽腫,髄芽腫,星細胞腫 インターフェロンガンマ-1a(遺伝子組換え)  腎がん,慢性肉芽腫症 テセロイキン(遺伝子組換え型インターロイキン-2)  血管肉腫,腎がん セルモロイキン(遺伝子組換え型インターロイキン-2)  血管肉腫

標準化学療法 急性リンパ性白血病 ビンクリスチン+プレドニゾロン+ダウノルビシン+アスパラギナーゼ 急性骨髄性白血病   ビンクリスチン+プレドニゾロン+ダウノルビシン+アスパラギナーゼ 急性骨髄性白血病   シタラビン+ダウノルビシン or イダルビシン 急性前骨髄球性白血病   トレチノイン+イダルビシン 慢性骨髄性白血病   イマチニブ+ヒドロキシカルバミド+インターフェロンα ホジキン病   ドキソルビシン+ブレオマイシン+ビンブラスチン+ダカルバジン ABVD 非ホジキンリンパ腫   リツキシマブ+シクロホスファミド+ドキソルビシン    +ビンクリスチン+プレドニゾロン R-CHOP   ベンダムスチン+リツキシマブ BR

頭頸部がん,食道がん   シスプラチン+フルオロウラシル 胃がん   フルオロウラシル or カペシタビン+シスプラチン 結腸がん,直腸がん   フルオロウラシル+レボホリナート+オキサリプラチン FOLFOX   フルオロウラシル+レボホリナート+イリノテカン FOLFIRI   カペシタビン+オキサリプラチン XELOX     +ベバシズマブ(KRAS変異型)     +セツキシマブ or パニツムバブ(KRAS野生型) 膀胱がん   メトトレキサート+ビンブラスチン+ドキソルビシン+シスプラチン MVAC   ゲムシタビン+シスプラチン GC

卵巣がん   パクリタキセル+シスプラチン or カルボプラチン 乳がん   シクロホスファミド+ドキソルビシン(+フルオロウラシル) AC(CAF)   シクロホスファミド+エピルビシン(+フルオロウラシル) EC(CEF)   シクロホスファミド+メトトレキサート+フルオロウラシル CMF   シクロホスファミド+ドセタキセル  TC 前立腺がん   ドセタキセル+プレドニゾロン DP

小細胞肺がん   シスプラチン+エトポシド   シスプラチン+イリノテカン 非小細胞肺がん   シスプラチン or カルボプラチン+パクリタキセル   シスプラチン or カルボプラチン+ドセタキセル   シスプラチン or カルボプラチン+ビノレルビン   シスプラチン or カルボプラチン+ゲムシタビン   シスプラチン or カルボプラチン+イリノテカン 非小細胞肺がん(腺がん,大細胞がん)   シスプラチン+ペメトレキセド   シスプラチン+ゲムシタビン+ベバシズマブ 非小細胞肺がん(EGFR遺伝子変異陽性腺がん)   ゲフィチニブ → (オシメルチニブ)

抗悪性腫瘍薬の耐性と副作用

抗がん剤耐性

抗悪性腫瘍薬耐性獲得機構 ビンクリスチン チューブリンの変異 P-糖タンパク質の発現上昇 ドキソルビシン P-糖タンパク質の発現上昇 ビンクリスチン チューブリンの変異 P-糖タンパク質の発現上昇 ドキソルビシン P-糖タンパク質の発現上昇 MRP1の発現上昇 グルタチオンの増加 トポイソメラーゼⅡの変化 シスプラチン 細胞内取り込みの減少 MRP1,MRP2の発現上昇 メタロチオネイン/チオレドキシンの増加 グルタチオンS-トランスフェラーゼ活性の上昇 DNA修復機構の亢進 イリノテカン トポイソメラーゼⅠの発現低下 トポイソメラーゼⅠのリン酸化 薬剤の細胞内取り込み減少と細胞内蓄積の減少 活性化体の核内移行低下 フルオロウラシル 活性化酵素の活性低下と分解酵素の活性上昇 チミジル酸合成酵素の発現上昇

抗がん剤排出ポンプ ABCタンパク質によるATP依存的薬剤排出 ABC:ATP-binding cassette MDR(multidrug resistance)  MDR1 P-糖タンパク質 白血病細胞などの多剤耐性に関与する 疎水性分子を細胞外へ排出する 血液-脳関門などに存在する MRP(multidrug resistance related protein)  MRP1とMRP2が抗がん剤耐性に関与する 疎水性分子やグルタチオン抱合体輸送に関与する

抗悪性腫瘍薬の副作用

抗悪性腫瘍薬の副作用 抗悪性腫瘍薬に共通する副作用 増殖の盛んな細胞組織が障害を受ける 骨髄抑制・・・白血球減少,血小板減少  増殖の盛んな細胞組織が障害を受ける   骨髄抑制・・・白血球減少,血小板減少   消化器症状・・・食欲不振,悪心・嘔吐,下痢   口内炎,脱毛 各抗悪性腫瘍薬固有の副作用  白金錯体・・・腎毒性  微小管作用薬・・・神経毒性  アントラサイクリン・・・心毒性  ブレオマイシン,ゲフィチニブ・・・間質性肺炎  シクロホスファミド,イホスファミド・・・出血性膀胱炎

抗悪性腫瘍薬の副作用軽減法 多剤併用療法 一薬剤あたりの血中濃度を低下させる 副作用が重複する抗がん剤の組み合わせは避ける  一薬剤あたりの血中濃度を低下させる  副作用が重複する抗がん剤の組み合わせは避ける 治療レジメンの改良  効果を維持しつつ,副作用を軽減させるレジメンの開発   投与量,投与間隔(間歇投与,急速静注,持続静注) DDSによる副作用軽減  肝動注化学療法 骨髄移植  骨髄抑制により低下した造血機能を回復させる

G-CSFによる骨髄抑制軽減 顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF) 未分化骨髄細胞を顆粒球に増殖・分化させるサイトカイン  未分化骨髄細胞を顆粒球に増殖・分化させるサイトカイン フィルグラスチム(遺伝子組換え) レノグラスチム(遺伝子組換え) ナルトグラスチム(遺伝子組換え改変型) ペグフィルグラスチム(遺伝子組換え持続型)   がん化学療法による好中球減少症(注射)