表1 NRNにおけるインターネット利用 NRNホームページ 各プロジェクト(個別の臨床試験)ホーム ページ 症例登録・振り分け

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表1 NRNにおけるインターネット利用 NRNホームページ 各プロジェクト(個別の臨床試験)ホーム ページ 症例登録・振り分け 表1 NRNにおけるインターネット利用 NRNホームページ 各プロジェクト(個別の臨床試験)ホーム   ページ 研究計画書、関連文書の最新版の提供 関連情報の提供 試験進行状況のリアルタイム表示 症例登録・振り分け 登録症例データの参照 有害事象の報告、中止症例などの報告 施設データ、担当者データの登録・変更 メーリングリスト 各プロジェクト毎、NRN全体、プロトコル   委員会メーリングリスト等  NRNにおけるインターネット利用はスライドに示すように、症例の登録振り分けをはじめとして、ホームページによる各種文書の最新版の配布、試験進行状況のリアルタイム表示、有害事象などの報告、また、連絡やディスカッションのための複数のメーリングリストなど、多岐にわたっている。  今回はこのうち中心となる、症例の登録・振分けを行うデータセンター機能について紹介する。

表2 症例登録システムの稼働実績 98年9月1日、脳室内出血班登録システムプロトタイプ稼働 98年12月10日から12月21日、同登録演習 表2 症例登録システムの稼働実績 98年9月1日、脳室内出血班登録システムプロトタイプ稼働 98年12月10日から12月21日、同登録演習 99年5月、同登録演習レベル2(リアルタイムに実際の症例を登録) 99年10月、同本登録開始 。(2002年2月現在、539例を登録) 99年10月から2000年1月、超早期授乳班予備試験(超低出生体重児への超早期授乳による急性期罹病率の軽減とエンドポイント設定のための確認研究 、参加6施設)試験群登録(95例)。 2000年3月、超早期授乳班、予備試験の後方視的対照群を登録(60例)。 2000年10月2日、超早期授乳班模擬登録開始(参加28施設)。 2000年11月、超早期授乳班本試験開始(参加24施設)。             (2002年2月現在、149例を登録) 症例登録システムの稼働実績をスライドに示す。  脳室内出血班については、プロトタイプ稼働が98年9月、2回の登録演習を経て、本番登録は28施設が参加し、99年11月から開始。現在1年9ヶ月が経過して、計386例の症例登録が行われている。  超早期授乳班では、予備試験の症例登録が99年10月から2000年3月にかけて5施設の参加で、計155例の症例が登録された。模擬登録演習を2000年10月に行った後、本試験は2000年11月から24施設の参加で開始されている。現在、開始後10ヶ月を経過し、計95例の症例登録が行われている。

表3 進行中の臨床試験 脳室内出血と動脈管開存症の発症予防に関する研究(脳室内出血班) 表3 進行中の臨床試験 脳室内出血と動脈管開存症の発症予防に関する研究(脳室内出血班) 対象:400g以上1000g未満、在胎22週以後 方法:prospective double blinded placebo controlled randomized study    生後6時間以内に静注用インダシンの低用量投与を開始     エントリー予定600例(全登録1200例) 振分法: Pocockの最小化法+Zelenの施設間バランス法 課題担当者: 藤村 正哲  (大阪府立母子保健総合医療センター) 超低出生体重児への超早期授乳による罹病率の軽減と発達予後改善のための研究   (超早期授乳班) 対象:400g以上1000g未満、在胎24週以後 方法:prospective randomized study    生後24時間以内に母乳栄養を開始    エントリー予定400例(全登録?例) 課題担当者: 市橋 寛 (岐阜県立岐阜病院)  現在NRNで進行中の臨床試験はスライドに示す2件であり、このほかに複数の臨床試験が準備段階にある。  いずれも超低出生体重児を対象とし、研究デザイン上症例登録のタイミングはそれぞれ、出生後6時間、24時間以内であり、データセンターの24時間稼働が不可欠になっている。  また、振り分け手法は両試験とも、Pocockの最小化法とZelenの施設間バランス法を用いて、振り分け時にその都度、過去の振り分け結果から演算を行い、重要な層別化因子についてバランスする方法を採っている。

表4 本登録でのトラブル 要約:電話登録6件 (0.9% = 6/688)、 (うちユーザー側原因4件、システム側2件) 表4 本登録でのトラブル 2000年4月11日、S医大インターネットに接続できず。電話にて手動登録する。 2000年7月29日、J総合病院初回登録時インターネット準備未だで電話にて手動登録。 2000年8月28日19時頃、サーバーダウン。4時間後に代替えサーバーにて復旧。 2000年9月1日、N病院インターネット接続できず、電話にて手動登録。 2000年9月11日、J医科大学、サーバーのデータベースの設定ミスにより試験薬指定されず、ただちに電話にて試験薬指定。 2000年10月19日、N病院登録ページに入れず、電話にて手動登録。ユーザーのURL指定の誤りだった。 2001年1月4日、サーバー故障により2時間ダウン。 2001年3月30日より4月2日まで、大学工事のためサーバー停止。その間にG医療センターから電話による手動登録1件。 要約:電話登録6件 (0.9% = 6/688)、       (うちユーザー側原因4件、システム側2件)        サーバー緊急停止2回、予定停止1回  脳室内出血班の本登録は現在1年9ヶ月を経過しているが、その間のインターネット利用に関するトラブルをスライドに示した。  ホームページを利用して登録できない場合は、登録担当である演者のポケットベルに緊急連絡を受け、電話にて対応する体制である。  電話登録を行ったのは6例、全登録386例の内1.6%であり、6例のうち4例はユーザー側のトラブル、2件はデータセンターシステム側の障害によるものであった。  また、サーバーの障害による短時間の緊急停止を2回、施設工事に伴う4日間の予定停止を1回経験したが、いずれも試験進行上重大な影響を及ぼすことはなかった。

表5 多施設共同研究における データセンターの機能 表5 多施設共同研究における データセンターの機能 独立・中立性の確保 盲検性の管理 プロトコルの遵守 症例登録 登録データの妥当性・正確性の確保 症例の妥当性のチェック 症例の振り分け 進行状況、有害事象、エンドポイントのモニタリング 監査・モニタのための情報提供  臨床比較試験の信頼性を確保するものとして、臨床試験の実施機関とは独立して、症例の登録振り分けなどを行うデータセンターは、研究デザインの上で重要な機能となっており、特に複数の施設の参加による臨床試験では不可欠な要素である。スライドに示すようにそのほか、盲検性の管理、全体の進行状況や有害事象、エンドポイントの監視や、監査のための記録および情報提供の機能などが必要と考えられる。

表6 インターネットを利用する利点と注意点 利点 データ入力時点でデータの妥当性と正確性を保証できる 表6 インターネットを利用する利点と注意点 利点 データ入力時点でデータの妥当性と正確性を保証できる データは入力された時点でコンピュータ処理が可能となる 研究の進行状況や有害事象の監視を随時オンラインで行える 複雑な振り分け方法も採用できる 情報の配布・更新が容易 情報をオープンにもクローズにも容易に発信できる コストが低い 注意点 コンピュータとネットワーク接続環境が必要 通信のセキュリティの問題 監査記録(audit trails)の必要性  多施設共同臨床研究にインターネットを利用する利点と注意点をスライドに示した。  インターネットを利用する注意点としては、症例情報をインターネットを通じて送信するために、セキュリティの問題に厳重な注意を必要とする。現在SSL(secure socket layer)技術を用いた暗号化通信を用いることで通信上のセキュリティを確保している。また、個人認証を行い、だれがいつどのようにデータを入力、変更したかは逐次自動的に記録されており、試験の信頼性と正確性を外部監査に対しても保証できるようにシステムを構築している。  利点としては、研究デザイン上必要であれば、コンピュータを用いてどんなに複雑な振り分け方法も採用できること、双方向の通信が安価にしかも迅速に可能であること、無人化できるために全体に低コストで維持できることも特筆すべき点である。今後、このようなシステムを用いて比較臨床試験を運用することで、低コストで質の高い臨床試験を支援することができるものと考えられる。