「市場と社会」研究会 日本大学経済学部 栖原学

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Presentation transcript:

「市場と社会」研究会 2010.03.13 日本大学経済学部 栖原学 ロシア: 市場経済化の現段階 「市場と社会」研究会 2010.03.13    日本大学経済学部 栖原学

目次 1.ショック療法 1.1 自由化 1.2 安定化 1.3 民営化 2.1998年通貨・金融危機 3.危機後の回復  1.ショック療法    1.1 自由化    1.2 安定化    1.3 民営化  2.1998年通貨・金融危機  3.危機後の回復  4.世界同時不況とロシア経済

図1 GDP index (1989年=100)

1.「ショック療法」の三位一体 ・自由化(Liberalization) 価格自由化とそれに伴う国内商業自由化, 貿易自由化,外国為替自由化   価格自由化とそれに伴う国内商業自由化, 貿易自由化,外国為替自由化 ・安定化(Stabilization) 政府予算の均衡,緊縮的通貨政策 ・私有化(Privatization)   できるだけ速やかな国有企業民営化の実施

1.1 自由化 1.1.1 価格自由化 ・1990年秋において生産財の91%,消費財の86%が国家価格。1991年第1四半期における小売販売の94.5%は国家価格。 ・1992年1月2日のガイダール政権による価格自由化で,消費財の約90%,生産財の約80%が自由価格。 ・非常に激しいインフレとなるも,価格規制はほとんど行なわれず,通貨政策による対処のみ。

表1 消費者物価指数とその上昇率 (1990年12月=100) 1991年 1992年 1993年 CPI 1月 106 6 899 245 表1 消費者物価指数とその上昇率 (1990年12月=100)      1991年      1992年      1993年 CPI 上昇率(%) 1月 106 6 899 245 8,606 26 2月 111 5 1,243 38 10,732 25 3月 118 1,613 30 12,889 20 4月 194 46 1,962 22 15,338 19 5月 199 3 2,197 12 18,099 18 6月 202 1 2,606 21,700 7月 203 2,893 11 26,474 8月 204 3,135 9 33,358 9月 206 3,531 41,030 23 10月 213 4 4,344 49,236 11月 232 5,473 57,114 16 12月 261 6,841 64,539 13

1.1.2 貿易自由化 ・1992年に貿易自由化,通貨の国内交換性(変動相場制)が導入される。 ・特に輸入は徹底的に自由化。数量割当は全廃された。92年における輸入関税率は,平均5%。 ・国内産業保護のための輸入関税率引き上げは1996年から。この年に16%に引き上げ。

図2 小売販売額に占める輸入品比率(%)

表2 ロシアの貿易 (単位:億ドル) 輸出 輸入 収支 1992 536.1 429.7 106.4 2001 1,018.8 537.6 表2 ロシアの貿易 (単位:億ドル) 輸出 輸入 収支 1992 536.1 429.7 106.4 2001 1,018.8 537.6 481.2 1993 596.5 443.0 153.5 2002 1,073.0 609.7 463.3 1994 673.8 504.5 169.3 2003 1,359.3 760.7 598.6 1995 824.2 626.0 198.2 2004 1,832.1 973.8 858.3 1996 896.9 680.9 216.0 2005 2,438.0 1,254.3 1,183.7 1997 870.0 719.8 150.2 2006 3,035.5 1,642.8 1,392.7 1998 744.4 580.2 164.2 2007 3,544.0 2,234.9 1,309.1 1999 755.1 396.4 358.7 2008 4,716.0 2,918.6 1,797.4 2000 1,050.3 448.6 601.7 2009: 1-9 2,081.7 1,316.0 765.7

図3 ロシア工業の衰退

1.2 安定化 ・ロシア政府は,1992年春にIMFと交わした「ロシア連邦経済政策についてのメモランダム」で,インフレに対抗して厳格な財政・金融の引き締めを行なうことを約束。 ・数量方程式MV=pYで,予想次期名目GDPを大幅に下回る通貨供給量(と流通速度の増加)を設定。 ・実際には,政府はこの制約を守れなかったと思われるが,それでも実質通貨供給は引き締められた。 ・企業経営は悪化したが,実際の企業倒産はごく少なかった。

表3 通貨供給と企業 CPI 上昇率 :% GDP index M2 前年比:% M2/ GDP:% 期限超過債務/GDP:% 表3 通貨供給と企業 CPI 上昇率 :% GDP index M2 前年比:% M2/ GDP:% 期限超過債務/GDP:% 赤字企業比率 :% バーター 比率:% 1991 161.0 100 125.9 68.4 1992 2506.1 85.5 642.6 37.4 15.3 6 1993 840.0 78.1 416.1 21.4 6.6 14.0 9 1994 204.4 68.2 166.4 16.0 9.3 32.5 17 1995 128.6 65.4 125.8 13.9 7.7 34.2 22 1996 21.8 63.1 30.6 13.1 11.2 50.6 35 1997 10.9 63.6 28.4 14.2 13.3 50.1 42

表4 「一般政府」赤字対GDP比 財政赤字比率(%) 1992 -18.9 2001 2.7 1993 -7.3 2002 0.6 1994 -10.4 2003 1.4 1995 -6.1 2004 4.9 1996 -9.4 2005 8.1 1997 -8.5 2006 8.4 1998 -8.1 2007 6.0 1999 -3.1 2008 4.8 2000 3.2 2009 -8.8

1.3 企業民営化 ・1992-1994.06:ヴァウチャー民営化 ・1994.06-1997:キャッシュ民営化(株式担保 融資スキームによる私有化を含む) ・1997-:ケースバイケース民営化 ・2008年には,旧国営・公営企業の私有化率は 82.5%。

表5 企業民営化の進行 総 件数 うち 連邦政府所有 連邦構成主体所有 地方団体所有 1993 42924 7063 9521 26340 表5 企業民営化の進行 総 件数 うち 連邦政府所有 連邦構成主体所有 地方団体所有 1993 42924 7063 9521 26340 2001 2287 125 231 1931 1994 21905 5685 5112 11108 2002 2557 86 226 2245 1995 10152 1875 1317 6960 2003 434 161 152 121 1996 4997 928 715 3354 2004 502 246 135 1997 2743 374 548 1821 2005 491 112 153 1998 2129 264 321 1544 2006 444 98 254 92 1999 1536 104 298 1134 2007 302 73 115 114 2000 2274 170 274 1830

1.3 企業民営化(続き) ・最近のアンケートにおいても,私有化の再検討を望む声が多く,私有制度自体が不安定。 ・また国家による私有企業への介入(ユーコス事件)の例も。 ・企業経営の面では,初期の民営化によってインサイダー・コントロール企業が増加。コーポレート・ガヴァナンスに問題。 ・企業再構築が遅れている。

2. 1998年通貨・金融危機 ・1998年8月17日,ロシア政府は緊急経済対策として以下の措置の実施を発表 ①通貨ルーブルの目標相場圏の切り下げ ②民間対外債務支払いの3ヶ月間凍結 ③99年末までに償還を迎える短期国債の新規国債への切り替え ④非居住者によるルーブル建て債券投資の一時制限

2.1998年通貨・金融危機(続き) ・きっかけは外国短期資本の海外流出にあったが,本質的には財政危機 ・財政赤字をファイナンスするため国債が大量発行され,外国人にも販売され短期資金が海外から流入した。 ・そのようなときに,東アジア危機を契機に資本の海外流出が始まり,ルーブル・レートの維持と国際による資金調達が困難となった。また短期外資の借り入れによって国債投機を行なっていた商業銀行も,返済要求に応じられなくなった。

3.危機後の回復 ・為替切り下げによる輸入代替 図2参照 ・石油など1次産品価格上昇 ・消費主導型成長 ・オランダ病

表6 年末時対米ドル為替レート(年末時) ルーブル/ $ 表6 年末時対米ドル為替レート(年末時) ルーブル/ $ 対ドルレート 1992 0.4145 2001 30.14 1993 1.2470 2002 31.78 1994 3.55 2003 29.45 1995 4.64 2004 27.75 1996 5.56 2005 28.78 1997 5.96 2006 26.33 1998 20.65 2007 24.55 1999 27.00 2008 29.38 2000 28.16 2009 30.24

図4 ルーブルの実質実効為替レート

図5 原油価格(USドル/バレル) 1998-2008

表7 ロシアの石油・ガス輸出 単位:10億ドル,% 原油 % 石油 製品 天然 ガス 総輸出額 三者 比率% 2000 25.3 24.1 表7 ロシアの石油・ガス輸出 単位:10億ドル,% 原油 % 石油 製品 天然 ガス 総輸出額 三者 比率% 2000 25.3 24.1 10.9 10.4 16.6 15.8 105.0 50.3 2001 25.0 24.5 9.4 9.2 17.8 17.4 101.9 51.2 2002 29.1 27.1 11.3 10.5 15.9 14.8 107.3 52.4 2003 39.7 29.2 14.1 10.3 20.0 14.7 135.9 54.2 2004 59.0 32.2 19.3 21.9 11.9 183.2 54.7 2005 83.4 34.2 33.8 13.9 31.7 13.0 243.8 61.1 2006 102.3 33.7 44.7 43.8 14.4 303.6 62.8 2007 121.5 34.3 52.2 44.8 12.7 354.4 61.7 2008 161.1 79.9 16.9 69.1 471.6 65.8 2009 : 1-9 33.2 32.6 15.7 27.9 13.4 208.2 62.3

表8 石油ガス輸出/GDP 名目GDP 10億R 実質 成長率(%) ドル表示 GDP10億$ 石油ガス輸出:10億$ 1995 1,429.5 -4.1 348.8 30.4 8.7 1996 2,007.8 -3.6 393.7 38.3 9.7 1997 2,342.5 1.3 406.7 38.5 9.5 1998 2,629.6 -5.3 197.6 28.1 14.2 1999 4,823.2 6.4 202.4 30.2 14.9 2000 7,305.6 10.1 264.9 52.8 19.9 2001 8,943.6 5.1 306.8 52.2 17.0 2002 10,830.5 4.7 349.8 56.3 16.1 2003 13,243.2 7.3 432.6 73.8 17.1 2004 17,048.1 7.2 596.1 100.2 16.8 2005 21,625.4 765.1 148.9 19.5 2006 26,879.8 7.7 976.4 190.8 2007 33,102.9 8.1 1,301.2 218.5 2008 41,256.0 5.6 1,530.0 310.1 20.3

図6 ロシアのGDPと原油生産

表9 国家財政と石油・ガス収入 単位:10億ルーブル 表9 国家財政と石油・ガス収入 単位:10億ルーブル 2002 2003 2004 2005 2006 歳入 3,519.2 4,138.7 5,429.9 8,579.6 10,642.8  石油ガス収入 676.5 925.1 1,425.3 2,585.2 3,476.9  歳入比 % 19.2 22.4 26.2 30.1 32.7 歳出 3,422.3 3,964.9 4,669.7 6,820.6 8,384.0 収支(歳入-歳出) 97.0 173.8 761.9 1,759.0 2,258.8 対GDP比(%) 32.5 31.3 31.9 39.7 39.6 6.3 7.0 8.4 12.0 12.9 31.6 29.9 27.4 31.5 31.2 0.9 1.3 4.5 8.1

表10 支出項目別成長寄与度 GDP 成長率 最終 消費 うち 家計 総資本形成 総固定資本 形成 純輸出 輸出 輸入 1999 6.4 表10 支出項目別成長寄与度 GDP 成長率 最終 消費 うち 家計 総資本形成 総固定資本 形成 純輸出 輸出 輸入 1999 6.4 -0.9 -1.5 -0.8 0.9 7.8 3.8 4.0 2000 10.1 3.9 3.5 8.2 2.6 -2.6 3.3 -5.9 2001 5.1 4.2 4.3 3.1 1.7 1.9 -4.5 2002 4.7 4.6 4.1 -0.6 0.5 0.4 -3.5 2003 7.3 3.7 2.3 0.3 4.4 -4.3 2004 7.2 6.3 6.0 2.5 -1.4 -5.5 2005 5.9 5.8 2.0 2.2 -3.8 2006 7.7 5.6 3.2 -2.0 -4.6 2007 8.1 7.1 6.6 4.5 -3.4 2.1 -5.6 2008 5.4 52.7 -3.1 0.2 -3.3

表11 危機後社会経済状況(1) 成長率 経済水準 貧困者率 CPI上昇率 ジニ係数 1990 -3.0 100 2002 4.7 74.0 表11 危機後社会経済状況(1) 成長率 経済水準 貧困者率 CPI上昇率 ジニ係数 1990 -3.0 100 2002 4.7 74.0 24.6 15.1 39.7 1991 -5.0 95.0 160 26.0 2003 7.3 79.4 20.3 12.0 40.3 1992 -14.5 81.2 33.5 2509 28.9 2004 7.2 85.2 17.6 11.7 40.9 1994 -12.7 64.7 22.4 215 2005 6.3 90.6 17.7 10.9 1998 -5.3 57.5 23.3 84.4 39.4 2006 7.4 97.3 15.2 9.0 41.6 1999 6.4 61.2 28.3 36.5 40.0 2007 8.1 105.2 13.4 11.9 42.2 2000 10.0 67.3 29.0 20.2 39.5 2008 5.6 111.0 13.3 2001 5.1 70.7 27.3 18.6 39.8 2009 -7.9 102.3 8.8

表12 危機後の社会経済状況(2) 平均寿命 男性 女性 殺人件数 1990 69.2 63.8 74.4 15.6 2002 65.0 表12 危機後の社会経済状況(2) 平均寿命 男性 女性 殺人件数 1990 69.2 63.8 74.4 15.6 2002 65.0 58.7 71.9 32.3 1991 69.0 63.5 74.3 16.2 2003 64.9 58.6 71.8 31.6 1992 67.9 62.0 73.8 23.0 2004 65.3 58.9 72.3 1994 64.0 57.6 71.2 2005 72.4 30.8 1998 67.0 61.3 72.9 29.6 2006 66.6 60.4 73.2 27.5 1999 65.9 59.9 31.1 2007 67.5 61.4 73.9 22.2 2000 59.0 72.2 31.8 2008 2001 65.2 33.6 2009

再掲図1 GDP index (1989年=100)

4.世界同時不況とロシア経済 ・2008年第4四半期より急速に悪化,2009年は通年でGDP成長率▲7.9%。 ・2008年第4四半期に,ほとんどすべての産業部門で生産が減少,需要項目では,輸出および投資が減少した。 ・生産低下の主たる原因となったのは,資金面と思われる。

表13 主要経済指標増加率(%) 2007 2008 2008:10-12 対前年同期比 2009:1-6 GDP 8.1 5.6 1.2 表13 主要経済指標増加率(%) 2007 2008 2008:10-12 対前年同期比 2009:1-6 GDP     8.1 5.6 1.2 -10.4 鉱工業生産 6.3 2.1 -6.1 -14.2  製造業 9.5 3.2 -7.7 -20.3 固定資本投資 21.1 9.8 -2.3 -18.8 小売 16.1 13.5 8.7 -3.8 可処分所得 12.1 2.9 -5.8 -0.9 平均賃金 17.2 11.5 5.0 -3.0

表14 生産部門別成長寄与度(%) 2008 2009 Q1 Q2 Q3 Q4 GDP 8.7 7.5 6.0 1.2 -9.8 農林業 表14 生産部門別成長寄与度(%) 2008 2009 Q1 Q2 Q3 Q4 GDP 8.7 7.5 6.0 1.2 -9.8 農林業 0.1 0.2 0.7 0.4 -0.0 鉱業 -0.4 -0.2 製造業 1.0 0.9 -1.6 -3.7 電気・ガス・水道業 建設 1.1 0.5 -0.9 卸売・小売・修理 2.6 1.7 ホテル・レストラン -0.1 運輸・通信 0.8 0.3 -0.6 金融 0.0 不動産・レンタル・事業サービス -0.7 公務・国防・社会保障

表15 支出項目別成長寄与度(%) 2008 2009 Q1 Q2 Q3 Q4 年間 GDP 8.7 7.5 6.0 1.2 5.6 表15 支出項目別成長寄与度(%) 2008 2009 Q1 Q2 Q3 Q4 年間 GDP 8.7 7.5 6.0 1.2 5.6 -9.8 最終消費支出 6.6 6.9 6.1 4.2 5.9 -1.3   家計 6.5 5.7 3.8 5.4 -1.5 総蓄積 3.1 4.8 -0.6 2.7 -11.1   総固定資本形成 3.4 2.5 -0.5 2.1 -2.6 在庫増 -0.3 1.3 -0.0 0.6 -8.5 純輸出 -1.0 -3.8 -4.3 -3.5 -3.1 輸出 3.0 0.1 -2.7 0.2 -4.8 輸入 -4.4 -4.6 -0.2 -3.3 7.0

表16 鉱工業部門生産増加率(%) 2008 08:Q4 2009:1-6 鉱工業 2.1 -6.1 -14.2 鉱業 0.2 -1.0 表16 鉱工業部門生産増加率(%) 2008 08:Q4 2009:1-6 鉱工業 2.1 -6.1 -14.2  鉱業 0.2 -1.0 -3.1  製造業 3.2 -7.7 -20.3   食品・タバコ 1.1 -6.3 -2.2   繊維・縫製 -4.5 -16.2 -22.1   皮革・製靴 1.7 -7.1 -8.0   木材加工 1.4 -16.4 -25.3   紙パルプ・印刷 0.8 -11.1   コークス・石油製品 2.7 1.2 -1.8   化学 -4.2 -21.5 -15.4   ゴム・プラスチック 12.5 1.0 -15.8   冶金 -0.2 -5.3 -24.3   機械・設備 4.0 -12.0 -34.2   電気・電子機器,光学機器 -7.9 -13.0 -37.8   輸送機器 9.5 -8.7 -39.6  電気・ガス・水道 -5.5 -5.9

図7 外貨準備とマネーサプライ(M2)

表17 ロシアの経常収支(10億ドル) 輸出 輸入 貿易収支 経常収支 1998 74.4 -58.0 16.4 0.2 1999 75.5 表17 ロシアの経常収支(10億ドル) 輸出 輸入 貿易収支 経常収支 1998 74.4 -58.0 16.4 0.2 1999 75.5 -39.5 36.0 24.6 2000 105.0 -44.9 60.2 46.8 2001 101.9 -53.8 48.1 33.9 2002 107.3 -61.0 46.3 29.1 2003 135.9 -76.1 59.9 35.4 2004 183.2 -97.4 85.8 59.5 2005 243.8 -125.4 118.3 84.4 2006 303.6 -164.3 139.3 94.3 2007 354.4 -223.4 130.9 77.0 2008 471.6 -291.9 179.7 102.4 2009: 1-9 208.2 -131.6 76.6 31.9

表18 総固定資本形成/GDP(%) ロシア 中国 インド ブラジル 日本 1990 29 25 20 33 1995 21 26 18 28 1996 32 24 17 1997 23 1998 16 1999 14 34 2000 2001 19 35 2002 36 2003 39 15 2004 41 2005 2006 2007

5.ロシア経済の問題点 結びに代えて (1)天然資源依存(「天然資源の呪い」) 経済の不安定,腐敗,オランダ病 (2)資産分配の正当性   経済の不安定,腐敗,オランダ病 (2)資産分配の正当性   社会的承認?,投資率の低さ,資本逃避 (3)対外依存   短期外国資本の出入りに左右される。 (4)所得・資産の格差

ロシアの原油生産1945-2006

世界の原油生産(2007年) 順位 国名 1000B/D % % 1 サウジアラビア 12.8 ノルウェー 2,556 3.1 2 ロシア 10,413 12.8 11 ノルウェー 2,556 3.1 2 ロシア 9,978 12.2 12 ナイジェリア 2,356 2.9 3 米国 6,879 8.4 13 イラク 2,145 2.6 4 イラン 4,401 5.4 14 アルジェリア 2.000 2.5 5 中国 3,743 4.6 15 リビア 1,848 2.3 6 メキシコ 3,477 4.3 16 ブラジル 1,833 2.2 7 カナダ 3,309 4.1 17 アンゴラ 1,723 2.1 8 UAE 2,915 3.6 18 英国 1,636 2.0 9 クウェート 2,626 3.2 19 カザフスタン 1,490 1.8 10 ベネズエラ 2,613 20 カタール 1,197 1.5