サブプライム問題と 世界の金融危機 演習1 水津 安井 小川
目次 1、サブプライム・ローンとは? 2、証券化について 3、日本の銀行に与えた損失 4、現在の世界状況
~はじめに~ 私たちは今日問題となっている、サブプライム・ローンについて調べました。 私たちは今日問題となっている、サブプライム・ローンについて調べました。 なぜこの問題を取り上げたのかというと、後から説明するようにこの問題は証券化という複雑な仕組みによってこれまでの歴史にない世界的な問題へとなったためです。
1、サブプライム・ローンとは? サブプライム・ローンとは ・アメリカ国内で貸し付けられたローンのうち、信用 力の低い人向けのローン。 ・アメリカ国内で貸し付けられたローンのうち、信用 力の低い人向けのローン。 ・借り手は主に低所得者 ・住宅を担保とした住宅ローン サブプライム・ローンは住宅価格の上昇と共に使用者は増加した。
アメリカの住宅価格 アメリカでは1997年頃から住宅価格が上昇を続けていた。
サブプライム・ローンの特徴 基本的に高金利だが借り入れ当初数年は低金利 貸し付けているのが信用力の低い人なので高リスク 土地価格の上昇による転売目的の人もいる (もしくは金利のみの返済)
サブプライム・ローンの問題点 サブプライム・ローンを証券化するだけでは評価が低いので国債や社債と組み合わせた証券化商品をつくった。 ・最大の問題点は証券化 サブプライム・ローンを証券化するだけでは評価が低いので国債や社債と組み合わせた証券化商品をつくった。 ・証券化するメリット ・リスクが分散される。 ・多少の焦げ付きの場合他でカバーできる。 ・格付け機関からの評価が上がる。
世界 アメリカ国内 証券化!! 住宅会社 消費者 購入(住宅ローン) 証券化商品 ヘッジファンド 金融機関 投資家 *住宅ローンを証券化したものや、様々な社債、国債などと組み 合わせた証券化商品が売られていた。
・証券化の問題点 ・実際の価値以上の評価がつく ・どの程度サブプライムの証券が入っているか不透明 そのため損失額がわかりにくい 証券化された商品は世界中で売られており世界の投資家が購入していた。 そのためアメリカの住宅価格の下落が世界中の市場に影響を与えた。
2、証券化について ・証券化とは ・会社が保有する、貸出債権、売掛債権、住宅ローン、自動車ローンなど、キャッシュフローが証券化の対象になる。 2、証券化について ・証券化とは ・証券化とは資産を証券に変えること。 ・会社が保有する、貸出債権、売掛債権、住宅ローン、自動車ローンなど、キャッシュフローが証券化の対象になる。 ・証券の種類は、ABS(資産担保証券)や、MBS(モケージ証券)などである。
証券化の種類 ・不動産の証券化 不動産の運用益を分配することを約束する証券(契約書)と引き換えに投資家から投資を募る仕組みをいいます。 ・住宅ローンの証券化 金融機関から買取った住宅ローン債権を「証券化」して、市場で投資家に販売して資金を回収します。
証券化のリスク ・不動産証券化のリスク ・インカムゲイン(証券からの収入のうち配当や利息などによるもの)だけを受け取る証券は、リターンは少ないがリスクも小さい。 ・ キャピタルゲイン(株式や債券を売却することによって得られる利益のこと)を享受できる権利の証券には、 ハイリスク・ハイリターンの証券。
証券化とサブプライム・ローン問題の関係 ・サブプライム・ローンの多くは証券化されている。 ・証券化されたことにより、流通し転売され、現在誰がどの程度そのようなサブプライム・ローンをもっているかわからない状況。 ・サブプライム・ローンの問題は、ローンの証券化の問題点を浮き彫りにしました。
米国の住宅ローンの証券化の構図 〈リスク低〉 米国住宅ローン RMBS 住宅ローン会社・金融機関 〈リスク高〉 プライムローン 証 券 化 一般世帯向け 住宅ローン会社・金融機関 (シニア債=AAA) Alt-Aローン やや信用力の劣る世帯向け Alt-A RMBS (メザニン債=BBB) サブプライムローン サブプライム RMBS 信用力の低い世帯向け (エクイティ=CCC) 〈リスク高〉
米国の住宅ローンの証券化の構図2 シニア債(AAA) プライムRMBS 購入 RMBS Alt-A RMBS メザニン債(BBB) RMBS ABS (資産担保証券) CDO (債務担保証券) シニア債(AAA) プライムRMBS 購入 RMBS Alt-A RMBS メザニン債(BBB) RMBS サブプライムRMBS エクイティ(CCC) RMBS 社債 販売 ABS 問題が複雑に!! 国債
株価が下落し、アメリカ経済は打撃をうける アメリカに与えた影響 借り手がローンの返済が出来なくなれば、 そこで破産申請 住宅業界全体の景気が悪化 アメリカ経済全体に不況が波及 株価が下落し、アメリカ経済は打撃をうける
3、日本の銀行に与えた損失 で6450億円。 大手6銀行のサブプライム・ローン関連損失は9843億円。 うち最大損失はみずほフィナンシャルグループ で6450億円。 サブプライム住宅ローンにからんだ投資でなくても、株価低迷などの金融市場の混乱による影響は小さくない。
日本の銀行に与えた損失 大手6銀行のサブプライム・ローン関連損失は9843億円。 うち最大損失はみずほフィナンシャルグループ うち最大損失はみずほフィナンシャルグループ で6450億円。
6グループ合計の最終利益は1兆8662億円。 前期比33.9%の減益。 三井住友FGを除く5 グループが減益。 大手6銀行の2008年3月期連結決算 業務純益 最終利益 三菱UFJ 10154(-13.5) 6366(-27.7) みずほ 8617(2.0) 3112(-49.8) 三井住友 8196(10.7) 4615(4.6) りそな 3378(11.6) 3028(-54.5) 住友信託 1738(-1.2) 823(-20.7) 中央三井 1544(-12.8) 718(-36.3) 計 33627(-3.8) 18662(-33.9) 注)単位億円、億円未満切捨て。業務純益は一般 貸倒れ引当金繰り入れ前。業務利益はグループ 内銀行等の合算。かっこ内は前期比増減率% 6グループ合計の最終利益は1兆8662億円。 前期比33.9%の減益。 三井住友FGを除く5 グループが減益。
みずほFGについて サブプライム・ローン問題が表面化したのが2007年 の中頃 の中頃 みずほ証券がサブプライム・ローン関連商品を大量保有していたため一気にダメージを受けた。
当期純利益について 3銀行(みずほ銀行、みずほコーポレート銀行、みずほ証券) 合算の当期純利益 予想 7500億円 実際 3112億円
・日本の他の銀行の動き 三菱UFJFG 傘下の三菱証券とモルガン・スタンレーの日本法人を経営統合する方向で検討。 モルガン・スタンレーに90億ドルの出資を実行。
野村ホールディングス ・日本を含むリーマン・ブラザーズの韓国と台湾を除くアジアの主要拠点と欧州・中東の買収を完了。 ・リーマンの社員8000人を超える社員を一気に吸収する予定。
4、現在の世界状況 IMFの「世界金融安定性報告書」によれば今後数年間で世界の銀行の損失額が約1兆4050億ドルに上ると発表。 現在での世界中の金融機関での損失額の最大はアメリカのシティグループの約700億ドル。 アメリカの証券4位だったリーマン・ブラザーズは約70億ドルのサブプライム関連損失を出し、2008年9月15日に民事再生手続きを申請 事実上の経営破たん
・10月8日に日経平均株価が一万円を割り10月27日には バブル後最安値である7,162円を記録した。 グラフ出典:Yahooファイナンス URL:http://table.yahoo.co.jp/t?s=998407.o&g=d
アメリカ政府の動き ・金融安定化法案を議会に提出 最大7000億ドルの公的資金で金融機関の不良債権買い取り 7000億ドルの内2500億ドル大手銀行への資金注入に使う方針を発表。 ・この世界的な金融危機に対して問題発生国であるアメリカが積極的に公的資金の注入などの動きを見せている。
~世界的な動き~ 11月15日に首脳国主要会議に出席するG8に加えて中国などの新興国を中心とした20カ国の首脳・代表による世界金融危機への対応策を協議する「第1回緊急首脳会合」を開催する予定。
〈これからの対策〉 ・アメリカの積極的な公的資金の注入など世界各国が個々の国で問題解決に向けて動き出しているが、世界同時株安など世界的に問題が広がっているため各国の首脳たちによる問題解決への話し合い、世界的な対策が必要だろう。 ・多くの損失をだしている金融機関はその損失額とリスクを公開し、問題解決へと繋げていくべきだ。
ありがとうございました。