第3回目 4月24日 平成30年度 環境浄化技術Ⅰ&衛生工学Ⅰ

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ESH DATABANK 1 環境関連法令. ESH DATABANK 2 法の体系 憲 法 行政法 民事法 刑法 公害犯罪処罰法 民法 民事特別法 国の法令 自治体法令 国際法 法律 政令 省令 条例 規則 告示 条約・議定書 国際宣言・憲章.
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~imai/haikibutsu/haikibutsu.html 廃棄物処理工学 ~imai/haikibutsu/haikibutsu.html 第5回:H30年11月5日.
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下水道について 「水循環と下水道」 このマークは子ども向けスライドのマークです。.
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第3回目 4月24日 平成30年度 環境浄化技術Ⅰ&衛生工学Ⅰ 講義HP(今井担当):http://ds.cc.yamaguchi-u.ac.jp/ ~imai/kankyojouka/kankyojouka.html

講義終了時に出席レポートの次に重ねて提出 <本日提出> 講義代替(第2回目)レポート課題 講義資料2をダウンロードしてその内容をまとめ、レポートとして提出のこと(A4で1〜2枚程度)。 この資料の中の第2回目宿題(2つあります)も別のA4のレポート用紙(A4で1〜2枚程度)で提出のこと  提出期限:平成30年4/24の講義時 講義終了時に出席レポートの次に重ねて提出 注意事項:ホッチキスでとめないこと、       折り曲げないこと、すべてのページに記名のこと

水質基準 水道法第4条に基づく水質基準は、水質基準に関する省令(平成15年5月30日厚生労働省令第101号)により、定められている(上記、水質基準の51項目)。 詳細:http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/suido/kijun/kijunchi.html

水質基準項目と基準値(51項目)

水質試験(1) ・病原生物汚染の指標(抜粋) 一般細菌数、大腸菌数、亜硝酸・硝酸性窒素、塩素イオン、有機物等 ・有毒物質(抜粋)  一般細菌数、大腸菌数、亜硝酸・硝酸性窒素、塩素イオン、有機物等 ・有毒物質(抜粋)  シアン、水銀、有機リン ・制限物質(抜粋)  銅、鉄とマンガン、カドミウム、フッ素、硬度、蒸発残留物、フェノール類、陰イオン界面活性剤

・化学的性質 pH(水素イオン濃度指数) ・外観 味、臭気、濁度、色度 水質試験(2) ・化学的性質  pH(水素イオン濃度指数) ・外観  味、臭気、濁度、色度

硬度 ・水中のCa2+、Mg2+のイオン量を炭酸カルシウム(CaCO3)のmg/Lに換算して表したもの。 宿題(1):カルシウム20mg/L、マグネシウム5mg/Lを検出した水の硬度を求め、硬水か軟水か判定せよ。

一般的な総称とWHO世界保健機関による硬水と軟水の基準値 (成分の違いから、一般的に軟水は口当たりが軽く、硬水はマグネシウムが多いほどしっかりした飲みごたえを感じるようである。) 一般的な総称 軟水 中硬水 硬水 硬度 0~100mg/l 未満 100mg以上~300mg/l 未満 300mg/l 以上 WHOによる分類   0~120mg/l 未満 120mg/l 以上

pH ・水素イオン濃度をその逆数の常用対数で表すもの。水素イオン濃度が10-nグラムイオン/Lであるとき、 log(1/10-n)=log10n=n [H+][OH-]=K[H2O]=Kw=1.0*10-14 宿題(2):0.1mol/L塩酸のpHはいくらか?   0.01mol/LのNaOH溶液のpHはいくらか?

第3回目宿題 硬度の計算 pHの計算 (A4用紙に記入し、次回講義時に提出)

上水道水源の水質 ・天候、水温 ・アルカリ度、酸度、遊離炭酸 ・導電率 ・BOD5 Biochemical Oxygen Demand  生化学的酸素要求量 ・水中生物(参考テキストp.24-25) ・ウィルス

水質汚濁指標 ・BOD5(Biochemical Oxygen Demand) 好気性微生物によってその水が浄化されるときに消費される酸素の(要求)量 ・CODMn(Chemical Oxygen Demand)  化学的な酸化剤によってその水が酸化されるときに消費される酸素の(要求)量 ・窒素 ・リン

濃度規制と総量規制について ・濃度規制:ある一定濃度を超えて排出してはいけない ある意味、薄めればOK ・総量規制:年間の排出量そのものの規制  薄めても駄目:厳しい  (東京湾、伊勢湾、瀬戸内海)

(a)日本の水資源 水源と貯水・取水 地表水は雨や雪が凹地にたまって湖沼になったり、河川水として流れたりしているもの 水源 地表水 地下水  水源と貯水・取水 (a)日本の水資源 地表水は雨や雪が凹地にたまって湖沼になったり、河川水として流れたりしているもの 水源 地表水 地下水 その他 河川水 湖沼水 貯水池水 湧き水 井戸水 伏流水 海水など ※水道水源は近年、地盤沈下防止対策として地下水取水の削減を進めており、地表水の占める割合が増えている(上記H26年度:約73%)

(a)日本の水資源 水源と貯水・取水 日本は年間降水量は多いが、一人当たりの降水量は多くない  水源と貯水・取水 (a)日本の水資源 日本は年間降水量は多いが、一人当たりの降水量は多くない (日本の年間平均降水量:1718mm/年  世界の年間平均降水量:約800mm/年) 日本の水資源の特徴 ・降水量に地域差がある ・季節性がある ・日本の河川は流域面積が小さく、河川は急流で水の出が早い ・流況係数(最大流量/最小流量)が大きい:流量変動が大きい ・水道水源の70%以上を地表水(河川水)としている

(b)貯水施設 水源と貯水・取水 貯水施設の必要性  水源と貯水・取水 (b)貯水施設 貯水施設の必要性  日本の降水は梅雨と台風の時期に集中していることから、河川流量は豊水期と渇水期で大きな差が生じる。そのため、豊水期に水を貯留し、渇水期に放流することで年間を通して安定した水量を確保する必要がある。 貯水施設の形態 ダム、湖沼、遊水池、河口堰、ため池、地下ダムなど ダムの使用用途による分類 専用ダム:水道用に用いられる水を貯水するダム 多目的ダム:水道以外にも用いられる水を貯水するダム (洪水調節、発電、灌漑(農業用水)、工業用水道など) ※地下ダムは、水を通さない壁を地下に造って、今まで利用されずに海に流れ出ていた地下水をせき止め、地下水を貯める施設(沖縄県など)

(c)必要貯水容量の決定 水源と貯水・取水  水源と貯水・取水 (c)必要貯水容量の決定 必要貯水量(有効貯水量)は補給水を貯めておくための容量で、ダム建設予定地点における、基準渇水年の河川流量と下流放流に必要な流量との差し引きによって求められる。 水量に対して考慮する点として漁業、観光、塩害の防止、動植物の保存、流水の清潔保持などを考える必要がある 流量図表による方法 両者間に囲まれた最大面積(a)が有効貯水量となる 流量累加曲線図表による方法(リップルの方法) FGが有効貯水量となる

(c)必要貯水容量の決定 テキストp.69図3.1 水源と貯水・取水 リップル法(マスカーブ法)  水源と貯水・取水 (c)必要貯水容量の決定 リップル法(マスカーブ法) (1)毎月の月間流量から流入量累加水量を求め、曲線AEを描く (2)毎月の水量から取水累加水量を求め、直線AJを描く (3)曲線AEの1つの凸部B点から直線AJに平行な直線を引き、直線AJとの交点をCとすると、最大不足量は最大縦距FGとして示される。これが必要貯水量となる ※もしCのような交点が得られなければ、その期間における供給量が需要量を満たさないことになる。 その場合は計画取水量がその河川では得られないことになる! テキストp.69図3.1