Ibaraki Univ. Dept of Electrical & Electronic Eng.

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Ibaraki Univ. Dept of Electrical & Electronic Eng. 2017.11.21 情報ネットワーク Ibaraki Univ. Dept of Electrical & Electronic Eng. Keiichi MIYAJIMA

今後の予定 中間試験までの予定 11月21日 インターネットプロトコル2(レポートあり。予備日ですが講義を行います) 11月21日 インターネットプロトコル2(レポートあり。予備日ですが講義を行います) 11月28日 中間試験(30点満点) 中間試験の範囲は本日(11月21日)出題分のレポートを含む、これまでの全てのレポートです。

講義予定 今後の講義予定日 11月21日 インターネットプロトコル2(予備日ですが講義を行います) 11月28日 中間試験 11月21日 インターネットプロトコル2(予備日ですが講義を行います) 11月28日 中間試験 12月5日 TCPとUDP1 12月12日 TCPとUDP2(年内最終) 12月26日 休講 1月9日  TCP/IPアプリケーション

IPはインターネット プロトコル 2

IPとデータリンク IPとデータリンクの関係 IPはハードウェアに依存しない 実際のパケット配送処理はEthernetやPPP (Point to Point Protocol) nによりリンク単位で行われます。 先週のIPアドレスと先々週のMACアドレスの関係は?

IPアドレスとMACアドレスの関係 次のノード 最終目的地 サブネットD サブネットB サブネットA サブネットC (MACアドレス) Ethernetヘッダ IPヘッダ サブネットD サブネットB ルータE ルータB ルータD ホストA ルータA ルータC ホストJ サブネットA サブネットC

IPアドレスとMACアドレスの関係 サブネットD サブネットB 次は「ルータA」 終点は「ホストJ」 サブネットA サブネットC ルータE

IPアドレスとMACアドレスの関係 次は「ルータD」 サブネットD 終点は「ホストJ」 サブネットB サブネットA サブネットC ルータE

IPアドレスとMACアドレスの関係 Ethernetは一区間の伝送 IPは最終目的地までの伝送 次は「ホストJ」 サブネットD サブネットB ルータE ルータB ルータD ホストA ルータA ルータC ホストJ サブネットA サブネットC

ARP (Address Resolution Protocol) 実際の送信手順 192.168.0.5にパケットを送信したい ルータ ハブ

ARP (Address Resolution Protocol) 実際の送信手順 IPアドレスが192.168.0.5のMACアドレスは? ARP要求パケット(ブロードキャストパケット)は他のデータリンクには届かない ARP要求 ルータ ハブ

ARP (Address Resolution Protocol) 実際の送信手順 私~ ARP応答 MACアドレスが送信 ルータ ハブ

ARP (Address Resolution Protocol) 実際の送信手順 実際の通信では、複数のパケットを送信するので1つのパケットごとにARP要求を出すのではなく、有効期間を定めて数分間持続させる ARPテーブル Windows等ではarp –a コマンドで見ることができる MACアドレスがわかったら、IPパケットを転送する ルータ ハブ

分割処理 インターネットでは通信路によって1個のパケットの最大値(最大転送単位MTU)が異なる Router 途中のルータが分割処理(fragmentation)をして、終点ホストが再構築処理(reassemble)を行う PPPoE Ethernet MTU=1500オクテット MTU=1454オクテット 途中のルータで分割するのでは効率が悪い

経路MTU探索 送信ホストがはじめから分割処理(fragmentation)をして、送信 MTU=1500オクテット 途中のルータがICMPで次のネットワークのMTUを教える Router 送信ホストがはじめから分割処理(fragmentation)をして、送信 PPPoE Ethernet MTU=1500オクテット MTU=1454オクテット

分割処理後のIPヘッダ 識別子: フラグ: フラグメントオフセット: 同じフラグメント(分割されたデータかどうか)を識別する フラグメント(分割されたデータ)の途中かどうかを識別する フラグメントオフセット: データの順番を指定する

ルーティングプロトコル(経路制御) 動的経路制御 静的経路制御 A ルータ同士が情報を交換しながら(自動的に)ネットワークの構造を知る B (ダイナミックルーティング:dynamic routing) A ルータ同士が情報を交換しながら(自動的に)ネットワークの構造を知る B Bさんはこちら 静的経路制御 (スタティックルーティング:static routing) ネットワークの管理者が手動でルーティングテーブルを設定 あまりにも大変な作業なので通常使われない

ルーティングプロトコルの種類と役割 メトリック: 先ほどの単純な情報を交換方式ではうまくいかないことは(右の図から)あきらか A B ループが発生 Bさんはこちら メトリック: ネットワークの論理的な「距離」 (metric)

自律システム(AS: Autonomous System) 経路制御では、ネットワークの規模や性質によってルーティングプロトコルを使い分ける必要がある 自律システム(AS: Autonomous System) ルーティングに関して同一の考えに基づいて管理運営するネットワーク 現在ではISP (Internet Service Provider)のこと AS AS内部で使われるルーティングプロトコル:IGP (Interior Gateway Protocol) AS AS外部で使われるルーティングプロトコル:EGP (Exterior Gateway Protocol) AS

RIP (Routing Information Protocol) 距離ベクトル型 サブネットD サブネットF サブネットA ルータB ルータD サブネットE ルータA ルータE サブネットC ルータC サブネットB ネットワーク 次のルータ メトリック サブネットA サブネットB サブネットC ルータA 0

RIP (Routing Information Protocol) 距離ベクトル型 サブネットD サブネットF サブネットA ルータB ルータD サブネットE ルータA ルータE サブネットC ルータC サブネットB ネットワーク メトリック サブネットA サブネットB 1

RIP (Routing Information Protocol) 距離ベクトル型 サブネットD サブネットF サブネットA ルータB ルータD サブネットE ルータA ルータE サブネットC ルータC サブネットB ネットワーク メトリック サブネットA サブネットB サブネットC 2 1

RIP (Routing Information Protocol) 距離ベクトル型 サブネットD サブネットF サブネットA ルータB ルータD サブネットE ルータA ルータE サブネットC ネットワーク 次のルータ メトリック サブネットA サブネットB サブネットC サブネットD サブネットE サブネットF ルータA ルータB ルータC 0 1 2 ルータC サブネットB

RIPの利点と欠点 利点 欠点 しくみが単純 メトリックの最大値が15と決められており、大規模ネットワークに使えない   メトリックの最大値が15と決められており、大規模ネットワークに使えない ループの数が多いと切換に時間がかかる

OSPF (Open Shortest Path First) 距離ベクトルだけでなく、以下の2種類の情報を使って経路制御 1. ルータリンク状態情報 (router-LSA, router link state advertisement) ルータが接続しているネットワークアドレスの情報 2. ネットワークリンク状態情報 (network-LSA, router link state advertisement) そのサブネットに接続されているルータの情報 ルータがAS内に接続されているこれらの全ての情報を入手して、トポロジを把握し最短経路を調べる。 (詳細は教科書p.210-211の図5.27,5.28を参照)

OSPFの利点と欠点 利点 欠点 ネットワークごとにメトリックの値を変えられるなど、きめの細かい経路制御が可能 例) 帯域が大きな(高速な)ネットワークはメトリックを小さく、帯域が小さな(低速な)ネットワークはメトリックを大きくする 欠点 しくみが複雑なので、機器などが高価

BGP (Border Gateway Protocol) 距離ベクトル型 トランジット トランジット マルチホーム マルチホーム AS4 AS1 AS6 AS2 IX IX AS3 AS5 AS7 トランジット マルチホーム トランジット 情報を流してASパスリストをつくる 経路が変化すると、その差分のみを送信する

本日のまとめ インターネットプロトコル2 IPとデータリンク ルーティングプロトコル ARP、分割処理 ホストの処理 ルータの処理 (IPアドレスとMACアドレス) ARP、分割処理 ホストの処理 教科書p.214 図5.31 ルータの処理 教科書p.216 図5.32 ルーティングテーブルとARPの内部処理 教科書p.217 図5.33  ルーティングプロトコル RIP、OSPF、BGP

本日の課題 TCP/IPにおけるARPについて、説明しなさい。 2. 以下のIPネットワークのルーティングプロトコルについて、説明せよ。 (ネ) 2. 以下のIPネットワークのルーティングプロトコルについて、説明せよ。 (ネ 改) (1) RIP (2) OSPF (3) BGP