超新星で辿る過去と現代 超新星残骸の研究 進化:時間発展を たどることが重要 京都大学理学研究科 小山勝二 SN1987A (下):可視光

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大規模な超高温プラズマ(約1億度)を発見している。 -その意味と課題ー 「すざく」で暴く我々の銀河の極限・大局構造
ローブからのX線 ~ジェットのエネルギーを測る~
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超新星で辿る過去と現代 超新星残骸の研究 進化:時間発展を たどることが重要 京都大学理学研究科 小山勝二 SN1987A (下):可視光       超新星で辿る過去と現代                       京都大学理学研究科 小山勝二 SN1987A (下):可視光 その後の20年 (右下):X線 超新星残骸の研究   進化:時間発展を   たどることが重要

無次元量 α = 観測可能量: R/D  Te (Ti > Te > Tioni) L/D2 ∝ n2 f(T, R) 物理量: E, n, D, t (= known)

藤原定家 明月記(国宝) 日本最古の天文学“論文 ” Teika Fujiwara, 1230, Meigetsuki Vol 52 藤原定家 明月記(国宝) Teika Fujiwara, 1230, Meigetsuki Vol 52 日本最古の天文学“論文 ” Crab Nebula 1054 3C58 1182 SN1006

かに星雲 (1054) 後冷泉院 天喜二年 四月中旬以降 丑時 客星觜参度 見東方 孛天関星 大如歳星 かに星雲     (1054) 後冷泉院 天喜二年 四月中旬以降 丑時 客星觜参度 見東方 孛天関星 大如歳星 後冷泉院天喜2年:  中性子星(NS) をのこした。 現代高エネルギー宇宙物理学の教科書。 左大臣、関白道長の子、教通、右大臣、弟の頼宗。 觜, 参 = Orion 天関 (Tenkan) Taurusζ

NSの基本的物理量 (1) 質量(M)= 運動学から(一般相対論から) (2) 大きさ(R) X線バーストから M, R: 状態方定式を規定する しかし上記び2物理量が分かったのは最近のこと かに星雲の意義: 中性子星(NS)がSNで作られることを実証      年齢と時間解析から、以下の量が確定した (1)NSの回転エネルギー+残骸のエネルギー =SNの  (2)NSの回転エネルギー損失=磁気ダイポール放射        braking index p’ = Apα           : 年齢 (t = p/2p’ )   (不確定性大) 3)内部構造を知る手立て :グリッジ 表面層と内部超流動層との相互作用            量子磁気渦      :冷却関数  

3C58の意義 冷却関数にもっとも厳しい制限を与えた クォーク星か エキゾティックな 素粒子が表にでだす Chandra image of 3C58 クォーク星か エキゾティックな 素粒子が表にでだす

3C58 (1181) 高倉院治承5年の客星(3C58) X線観測から冷えすぎた中心星をみつ けた。これはクォーク星かもしれない。 高倉院 治承五年 六月廿五日 庚午 戌時 客星見北方 近王良 守伝舎星 高倉院治承5年の客星(3C58) X線観測から冷えすぎた中心星をみつ けた。これはクォーク星かもしれない。 当時は平家物語の世界。 高倉院と 小督の悲恋の物語、徳子(建礼門院) も宮中(雲井)に見たかもしれない。 「思いきや 深山の奥に住まいして     雲井の月をよそに見んとは」 王良 (Oh-Ryo) Cassiopeiaβ 伝舎 (Densya) =Camelopardalis 日本では2ヶ月ほど、中国では半年ほど見えていた。

SN1006 一條院 寛弘三年 四月二日 葵酉 夜以降 騎官中 有大客星 如螢惑 光明動耀 連夜正見南方 或云 騎陣将軍星本体 増変光 実際に観測し、記録した のは安倍吉昌 (?-1019) 清明の次男・陰陽頭 騎陣将軍 騎官 SN1006のみが「大客星」という表現が用いられています。 いかに大きく、明るかったかがわかります。 一條院寛弘3年(SN 1006)-アルプスの山々をすりぬけた超新星- 枕草子(清少納言):長保3年(1001年)~寛弘7年(1010年)、源氏物語: (1008年脱稿)、紫式部日記(~1010年)。どの日記にもSN1006の記録 はない。真夜中で両人共にぐっすり寝こんでいた?

明るさの記録 (感覚的で明らかに誇張がある?) ○中国: 地上の物がはっきり見えた(5日の月 -8.5等級) 南天(観測に不利):世界中の記録:30 参考 かに星雲 北天(観測に有利):10  明るさの記録 (感覚的で明らかに誇張がある?) ○中国:   地上の物がはっきり見えた(5日の月           -8.5等級) ○エジプト: 1/4の月より少し明るかった ○シリア:  月のようだった。 ○イラク:  月のようだった ○イエメン: 水面がぎらぎら輝き太陽のようだった ○スイス:  目がくらむようだった (アルプスの山         々をかすめる) 参考 金星-4.6等級 :  満月 -12.6等 記録からは史上最高の明るさ? SN1006のみが「大客星」という表現が用いられています。 いかに大きく、明るかったかがわかります。

56Coの半減期 Ia型(核暴走型):標準光源:絶対等級(極大) = -19.5等級 距離 = 7100光年 = 2.2kpc 記録から再現した光度曲線 56Coの半減期  視等級 1006年5月1日からの日にち Ia型(核暴走型):標準光源:絶対等級(極大) = -19.5等級 距離 = 7100光年 = 2.2kpc  視等級 = -8.5等級 如螢惑: 火星のようだった

大極殿 朱雀大路  朱雀門 定家邸 羅生門 Kyoto City Map in ~AD1200 小椋池

1006年5月1日、深夜京都の南天

千歳のSNRで何がわかったか? 千歳の意味 あかるかった:Type Ia だった (2) SN1006は最も ”若い”SNRだった SNR進化の初期 → 極端な熱非平衡状態 加熱直後の温度 kTi = 3/16 mi vs2 ; vs=shock velocity → 陽イオン温度 >> 電子温度 >> 電離温度 (3) 千年で1013 eV まで加速できた

(1) Suzaku SN1006 (d~30’) のほぼ全域を観測 :Thermal で最も明るい南東部 OVII band (1) Suzaku SN1006 (d~30’) のほぼ全域を観測 :Thermal で最も明るい南東部 南東部全体の    スペクトル Fe-K band Black : FI-CCD Red : BI-CCD Ar以上の重元素を初めて検出 Fe-K輝線を検出 (E ~ 6.43 keV)   → 電離が進んでいない鉄

Thermal Spectrum (1) 重元素のみからなる 2成分Plasma と (2) 宇宙組成のPlasma (1) SN放出ガス (Ejecta: E) E1 (high net) : kTe = 1.2 keV, net1 = 1.3×1010 cm-3s E2 (low net) : kTe = 1.5 keV, net2 = 7.4×108 cm-3s (2) 星間ガス(ISM) : kTe = 0.54 keV, net = 4.8×109 cm-3s

Reverse shock (early heating) E2: Reverse shock (late heating) \ E1 : Reverse shock (early heating) E2: Reverse shock (late heating) ISM : Forward shock 3 1 2 E1 E2 C O Ne Mg Si S Ca Fe Large Si, S Large Ca, Fe (Nomoto el al. 1984)

kTe = 0.54 keV ( > Cygnus Loop) net = 4.8 ×109 cm-3s He-Kα (2) 極端な非平衡状態 実験室では一瞬の遷移が (実験不可能)極端に低密度 (0.04 cm-3)のSN1006では 数百年にわたって実現する。  短時間遷移の        プラズマ研究 H-Kα He-Kβ BI He-Kγ, δ, ε… Red: Cygnus Loop  (1-2 万年) Black: SN1006  (千年) kTe = 0.54 keV ( > Cygnus Loop) net = 4.8 ×109 cm-3s kTH = 10 ( net / 5× 109 [cm-3s] ) -1 (kTe / 0.54 [keV] ) 5/2 [keV] (Laming et al. 2001) → kTH ~ 20 kTe (陽子温度 >> 電子温度) (SNR 周辺の ISM 密度 ~ 0.04 cm-3)

SN1006 is the “youngest” SNR in our Galaxy! ↑ ↑    ↑          ↑   nt    SN1987A SN1006  Cas A Cygnus Loop     Kepler&Tycho Tion Te Tz The plasma evolution in SNRs Ion temp. Electron temp. Ionization temp. Energy flow

OVII band 3 超高エネルギー粒子 の加速がわかった 3-5 keV

衝撃波における粒子加速 (フェルミ加速) 宇宙線加速の起源:最大1020 eV 1000年で1013 eV    

Chandra: Thin Filaments (Bamba et al.) Electrons return back (small: quick, large: slow) The thin filaments: diffusion is small ( Magnetic field is shock normal) The Efficiency of Particle Acceleration NR: High , ER: Low shock A ping-pong ball gets speed (energy) by a rally in a moving wall

シンクロトロン放射であることを確認した。 最高電子エネルギー 1013eV (at B= 40 μG)

We divide the NE rim region into 64 segments. Made each spectra Fit with a Power-law + thin plasma model Then. North rim East rim Inner

North rim East rim Inner region Large Thermal Flux Steep Non Thermal OVIIと3-5keVの強度のプロットです。3領域がきれいに分かれました。 イメージ解析の結果とコンシステントです。

Non-thermal Thermal (ISM) Roll-off (1016 Hz) E.M. (1056) ----------------------------------------------------------------------- NE Sharp Wu   6.58(6.40-6.76)   1.09(1.08-1.13) SW Slow Wu  4.74(4.70-4.76)   2.24(2.22-2.28)  Roll-off = 1.6 ×1016(B/10μG)(Ee/10 TeV)2 ----------------------------------------------------------------- NE SW ------------------------------------------------------------------ Electron Energy (TeV) 10 8.5 (B=40μG) ISM Density (10-3/cc) 4 6 -------------------------------------------------------------------- 「すざく」は宇宙の加速器SN1006の加速効率を定量的 に解明した。 この加速が湯川の中間子を実証したのだろうか?

飛鳥時代 キトラ古墳

キトラ古墳天井画 宇宙線を加速する超新星 飛鳥時代:世界最古の正確 AD393の痕跡を「あすか」 な星図 (BC65+-数100年      北緯 38-39度) 宇宙線を加速する超新星 AD393の痕跡を「あすか」 衛星が発見 超高エネルギーの 電子がだすシンク ロトロンX線放射 Koyama et al.

もくろみはあえなく敗退 キトラ古墳星同定図 北緯;38-39 度 時代:BC65年 +- 数100年 (高句麗の平城あたり、飛鳥、 長安、洛陽、開封は 34-35度) 時代:BC65年 +- 数100年 もくろみはあえなく敗退