経済原論IA 第9回 西村「ミクロ経済学入門」 第8章 企業の長期費用曲線と 市場の長期供給曲線 京都大学経済学部 依田高典
短期生産の概念 曲線 限界概念 平均概念 極値 生産関数 下に凸 MP \ AP ∩ AP=MP 費用関数 上に凸 MC / AVC U 短期生産の概念 曲線 限界概念 平均概念 極値 生産関数 下に凸 MP \ AP ∩ AP=MP 費用関数 上に凸 MC / AVC U AC=MC
2. 長期生産の概念 ホモセティック生産関数 規模収穫逓増 規模収穫一定 規模収穫逓減 長期費用関数 LAC 逓減 LAC 一定 2. 長期生産の概念 ホモセティック生産関数 規模収穫逓増 規模収穫一定 規模収穫逓減 長期費用関数 LAC 逓減 LAC 一定 LAC 逓増
規模に関する収穫逓増 O LAC y SAC LMC LAC
規模に関する収穫一定 O LAC y SAC LMC=LAC
規模に関する収穫逓減 O LAC y LMC LAC SAC
3. 短期と長期の利潤最大化条件 短期(x2固定) 長期 生産関数 p=w1/MP1 p=w1/MP1=w2/MP2 費用関数 p=SMC 3. 短期と長期の利潤最大化条件 短期(x2固定) 長期 生産関数 p=w1/MP1 p=w1/MP1=w2/MP2 費用関数 p=SMC p=LMC
4. 長期利潤最大化の費用と生産量の双対性 Δc=w1Δx1+ w2Δx2 =p(MP1•Δx1+ MP2•Δx2) Δy= MP1•Δx1+ MP2•Δx2 ∴ Δc=p Δy or MC=p
5. 産業の長期均衡 超過利潤の存在 → 新規参入の誘発:供給曲線の右シフト → 市場価格の低下 → 超過利潤の消滅 利潤ゼロには正常利潤を含む
新規参入と市場供給曲線の右シフト O P Y S1 S2 P1 P2 D Y1 Y2
新規参入と超過利潤の消滅 O p y LMC LAC p1 p2 産業長期均衡 y2 y1
6. 外部効果 正の外部性 負の外部性 金銭的外部性 金銭的外部経済 (要素価格の下落) 金銭的外部不経済 (要素価格の上昇) 技術的外部性 6. 外部効果 正の外部性 負の外部性 金銭的外部性 金銭的外部経済 (要素価格の下落) 金銭的外部不経済 (要素価格の上昇) 技術的外部性 技術的外部経済 (生産関数の下シフト) 技術的外部不経済 (生産関数の上シフト)
7. 市場の長期供給曲線 ・費用一定産業 市場の供給量が変化しても、企業の費用曲線はシフトしない ・費用逓増産業 市場の供給量が増加すると、企業の費用曲線も上シフトする ・費用逓減産業 市場の供給量が増加すると、企業の費用曲線も下シフトする
費用逓増産業の長期均衡 需要増加 → 新規参入 O P y S p2 LS p3 p1 D y1 y2 y3
新規参入と費用関数の逓増 O p y p2 LAC p3 p1 SMC y1 y3 y2
引き続き 西村「ミクロ経済学入門」 第9章 完全競争市場と効率性 完全競争と部分均衡分析
8. 完全競争市場 同質財 プライステーカー 非相互依存性 完全情報 参入退出の自由
9. 均衡の存在 自由財 均衡生産量ゼロ 均衡なし S D D S S D
10. 部分均衡分析I:過小生産 P D Q S p E D R S y O y 消費者余剰: △DQp 生産者余剰: □pQRS 厚生の損失: △QER Q S p E D R S y
11. 部分均衡分析II:過剰生産 O P y D R S E p T Q D S y 消費者余剰: △DQp 生産者余剰: △pTS−△TQR 厚生の損失: △REQ R S E p T Q D S y
12. 部分均衡分析III:二重価格制 O P y D R” S p’ E p” D Q” S y” 消費者余剰: △DQ”p” 生産者余剰: △p’ R”S 政府収入 □P”Q”y”O −□ P’R”y”O 厚生の損失: △R”EQ” D R” S p’ E p” D Q” S y”